いざリフォーム工事を開始すると、キッチンやトイレが使えなくなったり、家財を別の場所に移動させたりと、いろんな対処や準備が必要になります。リフォームの内容によって工事に必要な期間も違うため、あらかじめ計画を立てた上で工事を行いたいものです。本記事では、リフォーム内容別に工事の期間を紹介すると同時に、工事期間中の過ごし方や対応方法について詳しく解説していきます。
リフォーム工事を着工するまでの流れ

リフォームは工事中だけでなく、依頼するまでにもいろいろと準備が必要です。リフォームの検討から始まり、工事を開始するまでには、以下に挙げる手順や段取りが欠かせません。
リフォーム内容・優先順位を決める
リフォームでは、予算の都合や住宅の構造などを踏まえて、できること・できないことを明確にして、優先順位を付けた上で具体的なイメージを作っておく必要があります。その場の思い付きやイメージがあいまいなままリフォームを決めてしまうと、途中で計画の変更が必要になったり、場合によっては希望した通りの工事ができなくなったりしてしまいます。
業者選び
希望するリフォーム内容と業者の得意分野・施工実績などを参考にして、候補となる業者を複数選択しましょう。現地調査と相見積りを依頼して、詳細なプランや予算、工期を確認した上で、最も納得できる業者を選んでください。工事にかかる期間は業者によって異なりますし、他の現場との兼ね合いで期間が長引いてしまうケースなども想定されます。
補助金制度の確認
補助金や減税制度を利用してリフォームする場合は、工事完了期間に指定があるかを確認しておきましょう。申請は期間内であっても、工事完了が期間外になる場合は、補助金が支給されないケースがありますから十分な注意が必要です。補助金の適用範囲は1つひとつ違うため、認識のズレで利用できなくなるようなケースが十分に起こり得ます。
マンションリフォームは管理規格も確認
戸建て住宅と比べてマンションの場合は、リフォームにより長い期間が必要になると考えられます。その理由は、一戸が使用できる電力量・ガス量が管理規約で決まっている上、使用する建材によってはリフォーム後に騒音問題が発生するためです。規約内容を慎重に確認し、管理会社や管理組合にリフォームの許可を得るなどの時間がかかる場合があるため、余裕を持ったスケジュールで進めていくのが良いでしょう。
近隣への工事のお知らせとあいさつ
工事中は騒音・振動・粉塵の飛散などに加えて、工事車両の出入り・駐車などで近隣に迷惑をかけることが多いため、事前のお知らせや説明は必須です。留守にしている家も多いため、工事の数日前には通知するようにしてください。事前の通知がないまま工事が始まってしまうと、思わぬトラブルになってしまう可能性があります。
内装をリフォームする際の期間

ここからは、実際のリフォームにかかる工事期間を説明していきます。リフォームの箇所と工事の内容によって工期に差があるため、計画を立てる上での参考にしてみてください。
キッチンの取り換えリフォームの工期例
古くなったシステムキッチンを新しいものに取り換えるなど、レイアウトの変更が伴わない小規模なキッチンリフォームの場合、工事期間の目安は以下の通りです。
<キッチン単体リフォームの工期目安>
・既存キッチンの解体・撤去:1日
・キッチン床の下地補修・給排水工事:3日
・キッチン機器の取り付け・調整:2日
・小規模なキッチンリフォームの合計工期:6日
レイアウト変更を伴うキッチンリフォームの工期例
小さなシステムキッチンから大型サイズのシステムキッチンに変えるなどの大幅なレイアウト変更が伴うリフォームの場合は、壁の撤去・新設の内装工事などが必要になり、工期も長くなります。
<レイアウト変更が伴うキッチンリフォームの工期目安>
・旧キッチン・新キッチンの下地補修:3日
・内装工事・壁の撤去・新設:4日
間取りの変更が伴うキッチンリフォームの工期例
カウンターキッチンやアイランドキッチンへの変更など、大幅な間取り変更が伴う場合は、給排水の移設など付帯工事が必要となり、工期も長くなりがちです。
<間取り変更キッチンリフォームの工期目安>
・間取り変更などを伴うキッチンリフォームの合計工期:2~3週間
ユニットバスを交換するリフォームの工期例
浴室リフォームで、ユニットバスを取り替え交換する場合は、最短1日での工事も可能です。
<ユニットバスからユニットバスへのリフォーム工期目安>
・ユニットバスの浴槽のみ交換:1日
・ユニットバスからユニットバスへのリフォーム(浴室全体):4日
在来工法の浴室からユニットバスへのリフォームの工期例
在来工法の浴室からユニットバスへのリフォームでは、土台、木工事、配線、基礎工事などが伴います。
<在来工法の浴室リフォームの工期目安>
・ユニットバスへのリフォーム:4~7日
配管工事不要のトイレリフォームの工期例
トイレリフォームでは「洋式→洋式」「和式→洋式」のような配管工事が不要な場合と必要な場合では工期が大きく異なります。
<洋式→洋式、和式→洋式のトイレリフォームの工期目安>
・洋式から洋式へのトイレ交換:半日〜1日
・和式から洋式へのトイレリフォーム:2~3日
・トイレ室内の壁や床を交換:1~2日
配管工事・内装工事が伴うトイレリフォームの工期例
便器の位置を変更したり、スペースを拡大したりするようなトイレリフォームでは、配管位置の変更が必要になり、工期も長くなるため注意してください。
<位置・レイアウト変更が伴うトイレリフォームの工期目安>
・配管・内装工事を伴うトイレのリフォーム:3~5日
リビングリフォームの工期例
フローリングの張り替えなど代表的なリビング・内装リフォームの工期目安は以下の通りです。
<リビングリフォームの工期目安>
・フローリングの張り替え:3日前後
・床暖房の追加:1~4日
・壁紙の張り替え:1〜2日
収納リフォームの工期例
「玄関収納」「シューズクローゼット」「床下収納」「パントリー」などを新設するリフォームの場合、以下の工期が目安となります。
<収納リフォームの工期目安>
・玄関収納:1~2日
・床下の収納:1~2日
・パントリー(食品庫):2~5日
・ウォークインクローゼット:3~7日
・屋根裏・ロフト収納:1~3日
・押入れをクローゼットへ変更:3~4日
家の外のリフォームに必要な期間

外構・エクステリアなどの家の外をリフォームする際の工期は、以下を参考にしてください。
外構・エクステリアリフォームの工期例
外構部分の工期目安は、施工内容によって大きく異なります。
<庭や玄関、塀・フェンス・車庫などのリフォームにともなう工期目安>
・植栽・芝張り:1日
・ウッドデッキの新設:1日
・カーポート・カーゲート:1~3日
・車庫・ガレージ:1~3ヶ月
・玄関ドア・門扉の交換:1日
・ブロック塀+フェンスの設置・交換:2週間
屋根・外壁リフォームの期間例
「屋根の葺き替え」「外壁塗装」「屋根の再塗装」などの工期は、以下が目安です。
<屋根・外壁リフォームの工期目安>
・屋根・外壁の塗装:1~4週間
・屋根・外壁の交換・葺き替え:1~4週間
・屋根の重ね葺き(カバー工法):3~5日
・太陽光発電の設置:1~2週間
マンションリフォームの期間

マンションリフォームの場合は、管理会社や管理人への報告が必要になるためリフォーム開始までのプロセスが1つ多くなります。加えて、リフォーム内容が管理規約の範囲内であるかを確認する必要もあり、場合によっては確認までに多くの時間を取られるケースもあります。
マンションリフォームは許可申請期間が必要
事前にマンション管理者からリフォームの許可を得る必要があります。工事開始の2~3週間ほど前に許可を得るのが一般的ですから、計画にゆとりを持って進めてください。
スケルトン工事に必要な期間
マンションのスケルトン工事(リノベーション)では、工事前の管理組合への許可申請でより多くの時間がかかる可能性があります。特に理事会での承認が必要な場合は注意が必要です。通常、理事会は1カ月から3カ月に1回のペースで開催されているため、承認までに時間がかかります。
工期が伸びる可能性も高い
躯体や配管など隠れている部分の状態は、解体しないと把握できないケースもあれば、設計通りに工事するには追加工事が必要になる可能性もあります。また、マンションでは祝日や休日の工事を制限している場合も多いため、さらに工期が伸びることがあります。
リフォームの際に考えておくべきこと

リフォーム工事を開始するまでには、工期が伸びることも想定して、仮住まいを手配するなどの事前の準備が欠かせません。
工期はあくまでも目安
契約時に決まる工期はあくまでも目安です。とくに外装工事は天候や気温によって進捗が左右されます。また、内装・外装を問わず追加工事の有無、それにともなう資材の調達などで、さらに工期が伸びることを想定しておきましょう。
水回りが使用できない際の対処
数日程度の工事であれば、ホテルなどを利用して、水回りが使えない状況を回避できます。入浴や洗顔を行う夜間から早朝にかけてのみホテルを利用する方法もあり、日常の生活に支障が出ない形で対応策を考えておくのがおすすめです。
仮住まいの用意
大規模なリフォームの場合は、ウィークリーマンションやマンスリーマンションなどの仮住まいの準備が必要になります。工事以外にも費用が掛かることを想定して、予算を組むのが無難です。
トランクルームの利用
家財を一時的に預けておくトランクルームの契約が必要なケースも少なくありません。家財を残したまま工事をすると工期が伸びることもあるため、効果的な対応方法です。
引越し費用・配送費用
ホテルや仮住まい、トランクルームを利用する場合、家財を移動させる引っ越し費用や配送費用も組み込んだ余裕ある予算を立てておきましょう。
まとめ
今回紹介したリフォーム内容別の工事の期間は、あくまでも平均的な例です。記事でも説明したように、現場の状況によって追加工事が必要になる場合があり、とくに外壁塗装などは天候や季節によって施工にかかる時間も大幅に変わってきます。リフォームを行う際には、工事期間が延長されることも想定して、ぜひ準備や計画を行ってください。どれくらいの余裕を見込んでおけばいいか見当がつかない場合は、施工業者に相談すると具体的に説明してもらえるはずです。工期に限らず疑問や不安に感じることがあれば、しっかりと事前に確認しておくのが、失敗しないリフォームへの近道となります。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。