ローンを使ってリフォームをしようとお考えの方にぜひ知っていただきたいのが、住宅ローンを利用したリフォームです。一般的に、住宅を購入する際に利用するのが住宅ローンですが、実はリフォームも対象となっています。いくつかの条件をクリアすれば、低金利で高額を借り入れできて、返済期間にも余裕を持たせられるのが、住宅ローンのメリットです。
リフォームに使えるローンとは

小規模なリフォームであれば資金の調達も容易ですが、フルリフォームなどではリフォーム費用も高額になるため、ローンの利用を検討する場合も多いと思います。リフォームに使えるローンについてまとめましたので、参考にしてください。
リフォームローンとは
リフォームに使うローンと言えば、リフォームローンを思い浮かべるのが一般的です。リフォームローンとは、住宅のリフォーム費用のためのローンで、「浴室・トイレ・キッチンなどの設備・機器の交換」「住宅の増改築」「住宅の修繕」などが対象となります。
リフォームローンには「無担保型」と「有担保型」がある
リフォームローンには「無担保型」と「有担保型」の2つの種類があります。「無担保型」は抵当権の設定が必要なく、契約時の費用が少額で済みますが、借る入れできる金額が少なく、返済期間も短めに設定されているのが特徴です。
<無担保型>
・提出書類は少なめで、諸費用も少額
・審査にかかる時間も、有担保型と比較して短いため、すぐにリフォームができる
・借入限度額は少額で返済期間も短いため、小規模リフォーム向き
・有担保型と比較すると金利が高くなる
一方の「有担保型」の場合は抵当権の設定が不可欠で、諸費用が多くなる他、審査にも時間がかかります。ですがメリットも大きく、借入限度額を高く設定でき、返済期間も長期になるため、大規模リフォームに適したローンであると言えます。
<有担保型>
・借る入れには抵当権の設定が必須
・審査に時間を要する他、諸費用も多くなる
・借入限度額が高く、返済期間も長く設定できる
・無担保型と比較して金利が低くなる
住宅ローンとは
住宅ローンは基本的に住宅を購入するためのローンですが、中古住宅を購入してリフォームしてから住む場合では、リフォーム資金もローンに組み込むことができます。また、リフォーム資金のみを目的に借り入れすることもできるため、住宅ローンを利用したリフォームが可能です。
住宅ローンは、借入額の大きさ、金利の低くさ、返済期間の長さが大きな特徴です。さらに10年以上の借り入れであれば、最大で400万円が控除される「住宅ローン減税」も適用されるなどのメリットがあります。
リフォームローンと住宅ローンの違い

リフォームの資金調達の手段としてメリットが大きいのは、リフォームローンと住宅ローンのどちらでしょうか。リフォームローンと住宅ローンの違いを挙げてみました。
金利はリフォームローンのほうが高め
リフォームローンの金利は、金融情勢に応じて金利が変わる変動金利になっているのが一般的です。これに対して住宅ローンでは、変動・固定(当初固定金利・長期固定金利)のいずれかから選ぶことができます。また、金利は住宅ローンの方が低く設定されています。
借入年数はリフォームローンのほうが短い
リフォームローンの一般的な借入期間は、最長15年です。一方の住宅ローンでは、最長35年となっているため、借入年数は住宅ローンが3倍も長くできます。
借入可能額は住宅ローンのほうが高い
借入可能な額は、リフォームローンが数十万円~1,500万円以内となっているのに対して、住宅ローンは500万円~1億円以内と高額な傾向にあります。
どちらのローンも諸費用が必要
リフォームローンも住宅ローンも、利用には諸費用が掛かります。有担保型のリフォームローンや住宅ローンでは、抵当権設定の登録税などが必要になる他、団体信用生命保険への加入が必須になります。リフォームローンに関しては、条件により異なるのが一般的です。そのため、保険料負担がローン契約者になるのか、金融機関負担になるのか、あるいはローンに上乗せして支払う形になるのかの確認が必要です。
<ローン利用の際に必要な費用>
・事務取扱手数料
・保証料・保証事務取扱手数料
・団体信用生命保険料
・火災保険料
・抵当権設定登録免許税・司法書士への報酬
・印紙税
リフォームで住宅ローンを使うメリット

ここでは、リフォームに住宅ローンを利用することのメリットを集めてみました。条件によっては、リフォームローンよりも効果的に利用できるため、住宅ローンのメリットを参考にして検討してみてください。
リフォームローンよりも金利が低い
基本的には、住宅ローンの方がリフォームローンよりも金利が低くなっています。リフォームローンの金利相場が4.1%であるのに対して、住宅ローンなら1.5%程度が相場です。
<住宅ローンとリフォームローンの金利比較>
・住宅ローンの適用金利の相場:0.5%〜2.0%
・リフォームローンの適用金利の相場:2.0%~4.0%
借入限度額が大きい
住宅ローンの方はリフォームローンに比べて借入限度額が高く設定されている点も特徴です。フルリフォームなど費用が高額になる場合は、住宅ローンの利用で資金調達が可能になります。
<住宅ローンとリフォームローンの借入限度額の比較>
・リフォームローンの借入限度額:1,000万円程度
・住宅ローンの借入限度額:1億円程度まで
返済期間が長い
住宅ローンの返済期間は、リフォームローンの3倍も長くできます。家計に負担が少ない返済計画を立てる上で、住宅ローンの方が優れていると言えるでしょう。
<住宅ローンとリフォームローンの最長返済期間の比較>
・リフォームローンの一般的な借入期間:最長15年
・住宅ローンの借入期間:最長35年
住宅ローン減税を活用できる
住宅ローンは10年以上の借り入れで「住宅ローン減税」が適用され、最大400万円の控除が得られます。一方のリフォームローンの減税制度としては「投資型減税」と「ローン型減税」が適用されますが、減税額が「投資型減税」で最大控除額25万円、「ローン型減税」でも最大控除額62.5万円となっているため、住宅ローンのほうが節税面でも優れていると言えます。
リフォームで住宅ローンを使うデメリット

リフォームに住宅ローンを利用すると条件次第で家計の負担を減らす効果がありますが、デメリットになることもあります。
担保が必要になる
リフォームローンには無担保型がありますが、住宅ローンの場合は必ず融資対象物件を担保に入れなければなりません。抵当権を設定するための手数料や司法書士への依頼費用などが併せて発生する点はデメリットです。
審査が厳格
住宅ローンの場合、基本的に銀行と保証会社の2重審査になり、その分だけ審査が厳しくなります。また、審査に要する時間も長くなる点もデメリットです。住宅ローンの審査では、以下の項目が主に考慮されます。
<住宅ローンの主な審査項目>
・完済時の年齢、借入時の年齢
・雇用形態、勤続年数、業種、雇用先の規模、年収
・健康状態、家族構成
・所有資産、過去の返済履歴 など
ローンを組むまでに時間がかかる
住宅ローンは審査に時間がかかるため、すぐ利用することはできません。国や自治体が実施する補助金を利用したい場合には、工事の完了期間が指定されていることもあるため、最短でリフォームをしたい場合には注意が必要です。
利用するための条件が多い
低金利で借入期間が長く、借り入れできる金額も大きい住宅ローンですが、利用するにはいくつかの条件をクリアしている必要があります。住宅ローンでは何よりも信用度が重視されると同時に、第一順位の抵当権の設定が可能かどうかを問われます。そのため、別の住宅ローンで第一順位の抵当権が設定されている場合は、ローンの利用が難しくなってしまいます。
<リフォームに住宅ローンを利用する場合の条件>
・勤続年数3年超、安定収入があること
・他の住宅ローン等の借り入れがなく、抵当権が設定されていない
・建物は本人の単有名義である
・建物の新築時期が1983年4月1日以降であること
・建物に法令違反がないこと
・過去の借り入れで返済遅延がないこと
ローンの借入までの流れ

ローンを借り入れるまでの流れは以下の通りです。利用する金融機関によって多少の違いがある他、準備する書類も異なるケースがあるため、詳細は金融機関に確認ください。
<ローン利用までの流れ>
(1)仮審査の申込(「借入希望金額」「借入期間」「リフォームにかかる費用と自己資金額」などを申請)
(2)審査結果連絡
(3)本審査申込
(4)審査結果連絡と契約手続き
リフォームで住宅ローンを組むと控除が受けられる
住宅ローンを利用した際、住宅ローン減税によって支払う利息のほとんどが控除されるメリットがあります。適用されるのは、10年以上のローンを借り入れている場合で、最大控除額は400万円です。控除額は利息額に相当するだけでなく、金利が低い場合は、控除額のほうが大きくなることもあります。
まとめ
小規模なリフォームであれば数十万円からの借り入れができ、住宅ローン借る入れ中でも利用できるリフォームローンでも十分にニーズを満たせます。一方、大きなリフォームの場合は、金利や返済期間、融資額の条件が良い住宅ローンの利用がおすすめです。さらに住宅ローン減税の対象にもなるなどメリットも多い住宅ローンによるリフォームですが、住宅ローンを借り入れている場合などは利用できないため、自分が条件を満たしているのかしっかりと確認しましょう。
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