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太陽光発電に必要な設置費用の相場は?機器の種類や価格などを解説

2023年07月31日
太陽光発電に必要な設置費用の相場は?機器の種類や価格などを解説

自宅に太陽光発電を導入する際、気になるのが太陽光パネルなど設備の設置にかかる費用。何にどの程度の費用がかかるのか、しっかり理解しておきたいところです。そこで、太陽光発電システムの各設備やその相場、設置後にかかる費用、設備費用の回収年数の目安などについて、解説していきます。

太陽光発電に必要な設備

太陽光発電に必要な設備

太陽から降り注ぐ光のエネルギーを電気に変換する太陽光発電システムは、様々な機器や部材によって構成されています。ここでは、太陽光発電システムに必要な基本的な設備についてご紹介します。

太陽光パネル

ソーラーパネルや太陽電池モジュールとも呼ばれ、太陽光発電システムの中核を成す機器です。パネルに影がかかると発電できないため、建物の屋根の上や周囲に何もない土地など、日当たりの良い場所に設置されます。また、パネルの設置枚数によって発電量は変わり、枚数が多いほど設置費用は増えます。太陽光発電システムの費用の大半は太陽光パネルで、費用を抑えるためにはメーカーや製品選びから慎重に行う必要があります。

パワーコンディショナー

太陽光パネルで発生させることができるのは直流の電気で、自宅で使えるようにするためには交流に変換しなければなりません。その電気の変換を行う設備がパワーコンディショナーであり、太陽光発電システムには必要不可欠な機器です。パワーコンディショナーには室内設置タイプと室外設置タイプがあります。

架台

太陽光パネルを固定するための金属製の部材で、素材はステンレスやアルミが中心です。ステンレス製は耐久性が高く、錆びに強いという特徴がある一方で、重いため施工がしにくく、費用は割高になる傾向があります。また、アルミ製は軽量で加工が容易ではありますが、強度という点ではステンレスに劣ります。太陽光パネルは日光の当たり方で発電効率が変化するので、高さや角度を適切に調整することが大切です。

接続箱

太陽光パネルで発生した直流の電気を集め、パワーコンディショナーに送る装置です。接続箱は、基本的に屋外に設置されます。近年では、接続箱とパワーコンディショナーの機能が一体化した製品も開発されています。

電力量計(売電メーター)

電気を使用している建物には、電力会社から電力を購入した買電量を計測する買電メーターが設置されています。それに加えて、太陽光発電システムの余剰電力を売る際には、売電した電力使用量を計量するための売電メーターが必要です。買電メーターおよび売電メーターは、10年に1度の交換することが義務として定められています。

モニター

太陽光発電の発電量や使用電気量、電力会社に売電した量や購入した量、蓄電池の状態などを確認できる画面です。数字で表示するものから、グラフなどで見た目にもわかりやすく伝えてくれる製品もあります。基本的に太陽光発電システムの一式に入っていて、メーカーによってはオプションで追加する必要がある場合もあるので、注意が必要です。

蓄電池

太陽光パネルで発電された電気を、貯めておくことができる装置です。蓄電池に貯めた電気は、時間を問わず自由に使用することができるので、非常に便利です。太陽光が出ている昼間に蓄電して夜間に使ったり、台風や地震などの災害で停電になった際の非常用電源として使ったりなど、用途は豊富です。太陽光発電システムに必須の装置ではないため、希望する場合はオプションで設置します。

その他の要素

太陽光発電システムを導入する場合、太陽光パネルや架台を屋根の上に設置することになります。個人では難しい作業なので施工は専門業者に依頼することになり、その際には工事費用がかかります。また、設置した後には定期的なメンテナンスを実施する必要もあり、その際の費用も必要です。

太陽光発電の設置にかかる初期費用

太陽光発電の設置にかかる初期費用

太陽光発電システムを設置するためには、太陽光パネルやパワーコンディショナーといった機器の本体代に加えて、架台の取り付けや配線など施工費用などがかかります。それでは、太陽光発電の設置の初期費用について見ていきましょう。

太陽光パネルの相場価格

太陽光パネルは、メーカーや製品のタイプによって発電効率は異なり、高性能な製品は当然価格も割高です。太陽光パネルの価格はkW(キロワット)単価で示されることが一般的で、kW単価が小さいほど少ない投資金額で高い発電効果を得られることを意味します。価格帯は、1kWあたり14万円~30万円ほどです。経済産業省の資料によると、2020年の太陽光パネルの価格相場は1kWあたり17.4万円、2021年は1kWあたり17.1万円でした。

パワーコンディショナーの相場価格

太陽光発電システムを構成する装置で、1kWあたり4万円からが相場です。機器そのものの価格は、10万円台から40万円台と幅広い傾向にあります。パワーコンディショナーは経年劣化するため、20年に1度は交換が必要です。

架台の相場価格

2021年における架台の相場は、1kWあたり約2万円です。家庭用の太陽光発電の場合、容量は3~5kWなので、実際の費用は6万円から10万円程度になります。積雪地域用や塩害地域用などは一般用よりも強度の高い素材を使っているため、価格も高くなります。

蓄電池の相場価格

一般家庭向けの据え置き型蓄電池の場合、設置にかかる費用は本体+工事費込みで80万〜250万円程度が相場です。蓄電容量が多い製品や高性能な製品ほど価格が高くなります。家庭用蓄電池の容量のボリュームゾーンは、5~7kWhで、5kWhの家庭用蓄電池であれば80万〜100万円、7kWhの蓄電池であれば100〜150万円程度です。

太陽光発電システム全体の費用

太陽光発電システムは、システムや容量で全体の価格は変わってきます。1kWあたり24万円〜35万円程度が相場で、経済産業省の資料によれば、2021年の日本全国における設置費用の相場は約137.5万円でした。太陽光発電システムの導入には、100万円以上は必要と考えておくべきでしょう。

※設置費用の相場は、経済産業省の太陽光発電の価格をもとに算出しています。

※出典:経済産業省 令和3年の配布資料より

太陽光発電の設置後にかかる費用

太陽光パネルを設置する様子

太陽光発電は、一度設置すれば何もしなくていいというわけではありません。長期にわたって効率的に発電していくためには、設置後にも様々なコストがかかります。では具体的にどんな費用がかかるのか、見ていきましょう。

メンテナンス費用

太陽光発電システムが高い効率で継続的に稼働していくためには、定期的なメンテナンスが必要です。特に、固定価格買取制度(FIT制度)の認定を受けている場合、経済産業省がメンテナンスを義務付けています。この義務を達成するには電気事業法の規定に基づいた保守点検が必要で、専門的な技術や知識が求められます。そのため、基本的にはメンテナンス作業は専門の業者に依頼することになり、その費用がかかります。

清掃費用

太陽光発電の設備は、住宅の屋根など屋外に設置されます。屋外なので、パネルには雨風による汚れはもちろん、鳥のフンや水垢など落ちにくい汚れも付いてしまいます。発電効率を下げないためにも、定期的な清掃は欠かせません。ただ、自分で清掃するのは危険なので専門業者に依頼してください。

解体・撤去費用

発電を停止して使わなくなった太陽光発電システムは、解体業者などに撤去を依頼します。設備は大きく、太陽光パネルは鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれており、産業廃棄物として処分しなければならないためです。住宅用の太陽光発電システムの場合、撤去費や運搬費、処分費を合わせて一般的に15万円程度かかります。

保険料

台風や地震などの自然災害で太陽光発電システムが破損した場合、メーカー保証ではカバーしきれない可能性があります。そこで、火災保険や地震保険、施設所有者賠償責任保険などに加入しておくと安心です。

太陽光発電の設置費用の回収目安

太陽光発電システムの設置費用は高額ですが、売電によって回収することができます。設置費用を全額回収するためには、どれくらいの期間が掛かるのでしょうか。

10年前後で回収できる

住宅用太陽光発電の設備投資の回収期間は、「設置費用+メンテナンス費用」÷「売電収入+電気代削減額」で割り出すことができます。基本的に、10~15年程度で回収することが可能と言われていて、自家消費による電気代の削減、FIT制度による売電収入などを組み合わせることによって、より短期で回収できる場合もあります。

蓄電池と合わせて活用すると効果的

蓄電池があれば余った電気を貯めることが可能です。貯めた電気は、夜間や消費電力の多い時間帯などで自家消費することができ、その分、電力会社からの購入量が減少します。蓄電池は導入に費用がかかりますが、長期的な視点で見ると結果として電気代の節約になる可能性があります。

太陽光発電の設置で知っておくべきポイント

太陽光発電の設置で知っておくべきポイント

太陽光発電システムは導入に高額な費用がかかるため、一旦設置したら長く使っていくことになります。設置してから、「こんなはずではなかった」と後悔はしたくないものです。そこで、太陽光発電を設置する上で知っておくべきポイントを解説します。

初期費用は必ずかかる

太陽光発電システムを導入する場合、初期費用がかかることは避けられません。設備費用は通常100万円以上で、機能や大きさによってはさらに多くの費用がかかります。このように、ある程度の費用負担があることはあらかじめ理解しておきましょう。

メンテナンス費用を計算しておくべき

設備を維持するためには、定期的なメンテナンスや点検は必要です。何もしないでそのままにしておくと、故障などで予想外の費用が発生したときにスムーズに対応できない可能性があります。メンテナンス費用も予算として考慮しておいたほうがいいでしょう。

売電価格の推移や政策の変更

住宅用では10年間、産業用では20年間にわたって固定した価格で売電収入が得られるFIT制度ですが、売電価格は毎年変更されており、年々下落を続けている状況です。太陽光発電システムの価格も下がってはいるものの、得られる収入も少なくなっています。FIT制度を始める時期によって売電収入が変わるので、期待していた収入が得られない可能性もあります。また、補助金など政策の変更にも気を配りましょう。

まとめ

導入に100万円程度は必要ということで、太陽光発電システムは決して安い買い物ではありません。しかし、電気代の削減や売電収入などを考慮すると、長い目で見ればメリットの方が大きい可能性も大いにあります。何年ほどで設備の費用を回収できそうか、しっかりとシミュレーションを行って導入するかどうか判断しましょう。

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