自宅や実家などをリフォームする際は、あらかじめ近所の人に挨拶しておくべきです。挨拶なしでリフォームを開始すると、後々大きなご近所トラブルに発展する恐れがあるため注意が必要です。
しかし、リフォームの挨拶の経験がなければ、タイミングや内容、適切な手土産などが分からないでしょう。そこで本記事では、リフォームの挨拶におけるポイントや注意点を解説します。リフォームの正しい挨拶を確認する際に役立ててください。
リフォームの1週間前には近隣に挨拶する
リフォームの影響で騒音、振動、粉塵が出る場合やトラックの出入りがある場合は、必ず近所の人へ挨拶しましょう。作業が開始される1週間前には、近隣へリフォームする旨を伝えておきます。
平日は仕事で、休日はゆっくりと過ごしている人がいるため、休日の早朝の挨拶は避けます。なるべく、休日の夕方頃に挨拶へいくようにしましょう。
なお、リフォームの規模が小さいときは、隣の人に声をかける程度で大丈夫です。挨拶すべきか判断できない場合は、リフォーム業者に相談して決めるといいでしょう。
リフォームをする際に挨拶が必要な理由
リフォームを行う際に挨拶が必要な理由は、主に3つです。それぞれの内容を説明します。
近所の人とのトラブルを避けるため
リフォームの内容にもよりますが、何かしらの音が出る場合がほとんどです。リフォームしている側は気にならなくても、近隣に音に敏感な方が住んでいる可能性もあります。この場合、自宅のリフォームがストレスの原因になり、人間関係の問題に発展することも考えられるでしょう。
しかし、リフォームを行うことを事前に伝えておけば、大きなトラブルの抑制につながります。
臭い・騒音被害を避けてもらうため
実施するリフォームの種類によっては周囲に独特な臭いが漂ったり、騒音が出たりすることがあります。自宅の周囲の人にリフォームの日をアナウンスしておかなければ、臭いや騒音を避けられないでしょう。
例えば、近所の人が施工日に庭でバーベキューを計画していた場合、すぐ近くの家でリフォームが始まるとトラブルになる恐れがあります。事前にリフォームがあることを知っていれば、日程変更などの対応が可能でしょう。
近隣に住む人は、リフォームの日も通常の生活を送っていることを忘れないようにしてください。
責任の所在を明らかにするため
滅多に起きることではありませんが、リフォームのミスが原因で近所の人に何らかの被害が発生する恐れは否定できません。万が一、そのような事態になった場合でも迅速に対応するためには、挨拶で責任の所在を明確にしておくことが大切です。
自宅のリフォームが完了した後も近所の人と良好な人間関係を維持するために、事前の挨拶は必ず行いましょう。
挨拶に関する基本的なポイント
では、リフォームの挨拶は具体的にどこまでの範囲の人にすればいいのでしょうか。挨拶で伝える内容や不在時の対応などについて解説します。
挨拶する範囲
戸建てのリフォームの場合、自宅を中心に縦横・斜めの最大8軒へ挨拶するのが一般的です。斜め裏の家は自宅からよく見えないため挨拶を忘れてしまいやすいですが、相手側からはよく見えます。斜め裏の家や道路を挟んだ正面の家は、リフォームの臭いや騒音などの影響も受ける範囲であるため忘れずに挨拶をします。
また町会長や管理会社などにもリフォームについて話しておくと安心です。自治会によっては、工事時間がルールで定められているところがあるため注意しましょう。挨拶の際にあわせて確認しておくと、工事業者との打ち合わせがスムーズに進みます。
マンションの場合
マンションをリフォームする際は、上3軒、下3軒、両隣の最大8軒に挨拶します。リフォーム当日は業者が頻繁に出入りするため、エレベーターや階段に面している部屋の住人にも挨拶することをおすすめします。
マンションには戸建てと違って廊下や駐車場などの共有施設が多いため、特に配慮しなければいけません。例えば、廊下やエレベーターなどが混雑しやすい通勤時間帯にリフォームに使用する資材を搬入すると、住人の出社時刻に影響が出る可能性があります。
マンションをリフォームする際は、より一層付近に住む人の生活を考えて計画を立てることが大切です。
挨拶で伝えるべき内容
挨拶ではリフォームの日時、工事の内容、施工主・リフォーム業者の連絡先を必ず伝えます。日時についてはリフォームを行う時間帯だけでなく、工期も伝えておきましょう。長期間にわたる場合は特に近隣の方への影響が出やすいです。リフォームが行われない休日も話しておきます。
工事の内容が分からない場合は、事前に業者へ確認します。どのような工事でどれくらいの騒音・振動などの影響が予想されるのか、挨拶で伝えておくことが大切です。
施工主やリフォーム業者の連絡先を知っておいてもらえば、万が一何か起きた際にスムーズにやり取りできるため安心です。
挨拶のときに渡す手土産
ちょっとした粗品で構わないので、リフォームの挨拶にいくときは手土産を持っていきましょう。粗品があれば話を進めやすいメリットがあるため、500~1,000円程度のものを用意します。
例えば、誰でも使用できる洗剤やタオル、ラップ、除菌シートなどの日用品がおすすめです。好みやアレルギーの心配がある食品は避けた方が無難です。相手が気負いなく受け取れる手土産を選びます。
のしをかけるときは外のしで、水引きを紅白の蝶結びにします。表書きは御挨拶とし、施主さんの名前を記載するといいでしょう。
不在時は手紙を投函
リフォームの挨拶に伺った際、相手が不在の場合は日時を変えて何度か訪問するのが基本です。リフォームの前日になっても会えない場合は、ポストに手紙を投函します。
手紙には何度か挨拶に来た旨、リフォームの実施期間、どのような影響が予想されるか、リフォーム会社の連絡先を記載しましょう。文面はシンプルなもので構いません。
手土産はビニール袋で包み、玄関口に置いておけば汚れが付かずにすみます。
もし手紙を入れた後に顔を合わせることがあった場合は、口頭で簡単に挨拶をすませます。
手紙の文例
以下は手紙に記載する文の一例です。
何度かご挨拶に参りましたが、ご不在でしたのでお手紙にて失礼いたします。
この度、○○家でリフォーム工事をする運びとなりました。
日程は○月○日○時~○月○日○時の予定でございます。
工事期間中は音や振動が出る恐れがありますが、ご迷惑をおかけしないよう細心の注意を払います。
もしもお気づきの点がございましたら、お手数ですが以下の番号までご連絡ください。
心ばかりの品ですが、お受け取りくださいませ。
何卒よろしくお願い申し上げます。
○○(自分の名前)
○○(連絡先)
リフォーム会社名
住所:○○
連絡先:○○
担当者名:○○
リフォームの挨拶における注意点とは
リフォームの挨拶にいくときには、いくつかの注意点があります。ここでは4つのポイントを説明します。
リフォーム業者を活用する
リフォーム業者のなかには、挨拶周りに対応してくれるところがあります。自分たちで挨拶の用意をすべてすると時間がかかるので、賢く有効活用するといいでしょう。業者の方が詳細な工事内容の回答や近隣の方への対応に慣れているケースが多いです。
ただし、業者に任せきりにするのは避けましょう。自分が挨拶にいかないことが原因でトラブルになる恐れもあります。できれば業者よりも先に挨拶にいき、工事についての問い合わせや質問は後から来る業者に聞いてもらうよう説明するとスムーズです。
できれば世帯主が愛想よく手短に済ませる
家の代表である世帯主が挨拶に回ることで、近隣の方からよい印象を持ってもらえる可能性があります。もし世帯主本人の訪問が難しい場合は、他の方が挨拶に行っても構いません。付き合いが深い場合は、家族でお伺いするのも1つの方法です。
いずれにしても愛想よく、手短にすませるようにしましょう。先方に気を遣わせないように配慮することも大切です。
事前に業者と当日の段取りを確認しておく
挨拶当時の流れは、あらかじめ業者と確認しておきます。例えば、近所に気になる人や注意すべき人がいる場合はそのことを業者に伝えておきましょう。
工事内容を大幅に変更する場合の挨拶をどうするかなど、事前に綿密な打ち合わせを行っておくと安心です。近所の人との大きなトラブルの防止にもつながります。
リフォームが終わってからも挨拶にいく
無事にリフォームが完了したら、近隣の人にも報告します。始めと終わりの挨拶をきちんとすることで礼儀正しい人と認識され、その後の人間関係にもよい影響を与えるでしょう。なおリフォームが終わった際の挨拶は、手土産を持参しないのが一般的です。
リフォームの挨拶に関するQ&A
最後に、リフォームの挨拶に関するよくある質問を紹介します。疑問や不安をきちんと解消したうえで、挨拶に臨みましょう。
手土産は相手の家族の人数を配慮して渡すべき?
手土産は、相手の家族の人数を考慮する必要はありません。むしろ家ごとに差を付けていたことが原因で、後々トラブルに発展することもあります。誰でも気軽に使用できる日用品などであれば、家族の人数を気にせずにすむでしょう。
挨拶してもクレームが来ることはある?
残念ながら、リフォームの前に挨拶していても近所の人からクレームが来る可能性は否めません。万が一クレームが入った場合は、気持ちを落ち着けて真摯に対応することが大切です。
まとめ
自宅のリフォームを行う際は、1週間前までに近隣の方への挨拶をすませておきましょう。あらかじめ挨拶することで、トラブルの防止につながります。訪問する前は挨拶の範囲や伝えるべき内容を確認し、適切な手土産を用意します。不在時は手紙で対応すれば問題ありません。
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