- 「家庭用の太陽光発電は後付けできる?」
- 「今から太陽光発電を設置しても遅くない?」
- 「新築で設置するのと後付けするの、どっちがいい?」
この記事では、以上のような疑問を解決します。
太陽光発電は、電気代がお得になるだけでなく、あまった電力を販売することもできます。そのため、「今からでも太陽光発電を設置してみたい」と考える人は少なくないでしょう。
せっかく手に入れた念願のマイホームだからこそ、太陽光発電を選ぶうえで失敗は避けたいですよね。
太陽光発電の後付けにかかる費用、固定資産税、火災保険などの条件をよく確認し、納得のいく太陽光発電設置を目指しましょう。
太陽光発電を後付けするメリット

太陽光発電を後付けすると、以下の5つのメリットを実感できるようになります。
- 固定資産税がかからない
- 電気代がお得になる
- 余剰電力は販売できる
- 災害時でも非常用電源として活用できる
- 断熱効果がある
特に固定資産税は、その後の維持費としても気にかかるところで。新築にはない、後付けならではのメリットも確認してみましょう。
固定資産税がかからない
太陽光発電を後付けする場合、基本的に固定資産税はかかりません。これは屋根の上に架台を設置したうえで太陽光パネルを敷くことで、「屋根とは別もの」と見なされるためです。
新築で太陽光発電を設置する場合は、屋根一体型を使用するのが一般的です。この場合、太陽光発電の設備は「屋根の一部」とみなされてしまい、固定資産税の対象となります。
固定資産税は設置したときだけではなく、その先何年もかかり続けるものです。長い目で見れば、固定資産税がかからないのは大きなメリットでしょう。
電気代がお得になる
太陽光発電の最大のメリットは、太陽光で生まれた電力を自宅で使用することで、電気代を節約できることです。
節約できる電気代は、電気の使用量や電気の価格によりさまざまですが、一般的には毎月2,000~3,000円程度は安くなるといえるでしょう。
これだけでも、年間で約3万円、30年間使い続ければ約100万円も安くなることになります。
余剰電力は販売できる
太陽光発電で生まれた電気は、自宅で使用するだけでなく、余剰電力として販売することもできます。
販売には大きな手間はかからず、基本的には電力会社に依頼するのみ。買取金額は年により変動し、2022年の買取価格は以下のとおりです。
- 50kW以上(入札制度対象外):11円
- 10kW以上50kW未満:12円
- 10kW未満:19円
参照:固定価格買取制度・経済産業省自然エネルギー庁
たとえ自宅で電力を消費しなくても、お金に換算できるため無駄がありません。夫婦共働きで家にいる時間が短い家庭なら、販売できる電力量も増えるでしょう。
災害時でも非常用電源として活用できる
太陽光発電は、太陽光さえあれば電気を生み出すことができます。そのため、災害のような非常時でも、ライフラインとしての電力を確保できます。
特に、現代の家庭ではIHクッキングヒーターをはじめ、生活のほとんどを電気に頼っているものです。いざと言うときでも少なからず電力を確保できるのは、非常に心強いでしょう。
断熱効果がある
屋根の上に太陽光パネルを敷くことで、断熱効果も期待できます。夏には暑い日差しが、冬には寒気が入りにくいなど、外気による室内温度への影響を抑えることができます。
断熱効果が上がれば、家の中の快適性が上がるだけでなく、冷房や暖房などの光熱費も下げることが期待できます。
太陽光発電を後付けするデメリット

一方で、太陽光発電を後付けすることによるデメリットも存在します。
- 設置費用が高額になる
- 屋根の強化が必要なことがある
- 火災保険の保険金が上がることがある
主なデメリットは以上の3つです。あとになって「こんなはずじゃなかった」と後悔しないよう、事前にデメリットも確認しておきましょう。
設置費用が高額になる
太陽光発電を後付けすると、新築時に設置するより費用が高額になる傾向にあります。
太陽光発電を設置するときの費用は、主に以下の3つに分けられます。
- 太陽光パネルやパワーコンディショナなどの部材機器
- 太陽光パネル設置の工事費用
- 足場代
新築と後付けの決定的な違いは、3番目の足場台です。新築の場合、屋根を取り付ける作業と同時に太陽光発電の設置が完了するため、別途足場代を支払う必要はありません。
一方で、太陽光発電を後付けする場合は足場代が別途必要となり、およそ10~20万円ほどの費用がかかります。太陽光パネルの枚数が多いほど、足場の費用も高額になることが予想されます。
太陽光発電の設置費用の相場はおよそ100~150万円程度と言われています。後付けの場合は、こうした費用に加え10~20万円を見積もっておくと良いでしょう。
屋根の強化が必要なことがある
屋根の種類によっては、太陽光発電を設置できないケースもあります。これは太陽光パネルにかなりの重量があるためで、築年数が古い家や梁の強度が不十分な家には、事前に補強工事が必要となります。
また、屋根の強度は十分でも、太陽光パネルを設置することで耐震性が下がってしまうこともあります。そのため、「太陽光発電を後付けしたい」と思ったら、まずは業者に設置可否を確認する必要があります。
火災保険の保険料が上がることがある
太陽光発電を後付けすることで、火災保険の保険料が上がるケースもあります。これは、太陽光発電を後付けしたことで、家屋としての価値が上がったと判断されるためです。
保険料が上がるかどうかは、太陽光発電の設置方法や保険会社の判断などにより異なります。家屋の価値が上がっているにもかかわらず申告しないでいると、もしものトラブルのときに保険金が支払われないことも考えられます。
すでに火災保険と契約している人は、太陽光発電の後付け後に、必ず保険会社へ連絡するようにしましょう。
【ケース別】太陽光発電は新築と後付けどちらがいい?

これから新築を建てる人の中には、太陽光発電を設置するタイミングで悩んでいる人もいるかもしれません。一気にやってしまった方が楽な気がしますが、それだけ費用面での負担も大きいですよね。
結論から言うと、新築と後付けのどちらが良いと断言することができません。それぞれの状況によって、向き不向きがわかれます。
新築での設置が向いているケース
新築時に太陽光発電を設置した方がいいケースは、主に以下の通りです。
- トータルの費用をできるだけ抑えたい
- 壁や屋根に穴を開けたくない
先述の通り、新築で太陽光発電を設置すると、後付けに比べて足場代の10~20万円程度を節約できます。依頼する手間も省けるため、トータルの費用や時間を節約したい人は一気に頼んでしまった方がメリットは大きいでしょう。
また、後付けとなると電気配線を通すために壁や天井に穴を開けることがあります。場合によっては穴が開くことで見た目も悪くなってしまうため、新築のきれいな状態を保ちたい人ははじめから太陽光発電の設置工事をしておくのがおすすめです。
後付けが向いているケース
一方で、後付けが向いているケースは以下の通りです。
- 太陽光発電の設置や業者選びを慎重にやりたい
- 住宅ローンの借り入れ限度額を既に上限まで利用している
新築を建てる場合、家の間取りから部屋数、インテリアやエクステリアなど、さまざまなことを一気に決めなければなりません。そのため、選ぶべき項目を少しでも減らしてじっくりと考えたい人は、太陽光発電を後回しにするのも良いでしょう。
焦ってあれこれ選択すると、あとになってから「もっとじっくり考えるべきだった」と後悔する確率も高くなります。特に太陽光発電は処理方法が煩雑なため、あとからやり直しがききにくいのもデメリットです。
また、住宅ローンの借り入れ額が上限に達している場合は、太陽光発電の設置は後回しにせざるをえません。住宅ローンとは別に借り入れ可能なローンを契約し、まずは資金を確保する必要があります。
太陽光発電の後付けで失敗しないポイント

太陽光発電の設置に迷っている人は、心のどこかで「失敗したらどうしよう」と不安を感じているのではないでしょうか。
そこでここでは、太陽光発電の後付けで失敗しないために、以下の3つのポイントを解説します。
- 発電量をシミュレーションする
- 実績のある業者を選ぶ
- 保証内容をチェックする
発電量をシミュレーションする
太陽光発電の設置を検討している人は、まずはじめに発電量をシミュレーションしましょう。経験豊富な設置業者に依頼すれば、過去のデータや実績に基づいて正確な発電量をシミュレーションしてもらえます。
太陽光発電の発電量は、家の向きや方角、日照条件によりさまざまです。たとえ近所であっても家により発電量は異なるため、必ず個別にシミレーションを依頼するようにしましょう。
事前に発電量をシミュレーションすれば、実際に使用できる電力や販売できる電力量が把握でき、太陽光発電のある暮らしをよりリアルにイメージできます。
実績のある業者を選ぶ
太陽光発電で失敗しないためには、経験や実績が豊富な業者を選ぶことが非常に大切です。中には太陽光発電の経験が浅い業者もあり、こうした業者を選んでしまうとずさんの工事によりさまざまなデメリットを被る可能性があります。
また、中には自宅への訪問販売で太陽光発電をセールスをしてくる業者もいます。これはトラブルに発展する可能性が非常に高く、過去には経済産業省から注意換気がなされたこともありました。
業者選びに失敗すると、以下のようなトラブルが考えられます。
- もらえると言われた補助金がもらえない
- 発電量がシミュレーションより大幅に少ない
- 雨漏りや破損が起きる
こうしたリスクを最小限に抑えるためにも、できるだけ業者の実績や経験を事前に確認するようにしましょう。また、いくつかの業者に相見積もりを依頼すると、より安心できる業者を選びやすくなります。
保証内容をチェックする
万が一のトラブルを回避するには、いざというときの保証内容も非常に重要です。
通常の利用で生じた破損や故障については、一般的に設置業者が保証してくれます。しかし、雨漏りのように自然災害関連のトラブルが発生したときは、業者によって対応が異なることがあります。
トラブルが保証内容に含まれていなければ、修繕費用は自分で支払うしかありません。保証の有無は金銭トラブルにも発展しやすいため、設置業者にごとのカバー内容は必ず事前に確認しておきましょう。
まとめ:太陽光発電は後付けでも遅くない

太陽光発電を後付けするとなると、「今から設置して元は取れるのだろうか?」と考えてしまいますよね?
しかし、太陽光発電の寿命は新築時に設置しても後付けしても、約20~30年程度です。そのため、基本的には「後付けだから費用対効果が悪くなる」ということはありません。
この記事をおさらいすると、太陽光発電を後付けすることで以下の5つのメリットが生まれます。
- 固定資産税がかからない
- 電気代がお得になる
- 余剰電力は販売できる
- 災害時でも非常用電源として活用できる
- 断熱効果がある
設置後の維持費や発電量を十分にシミュレーションし、十分に満足のいく状態で太陽光発電の設置に取り組みましょう。
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