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輻射(ふくしゃ)とは?熱を伝える仕組みや冷暖房設備のリフォーム

2022年12月28日
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輻射という熱を伝える仕組みで空間の温度を調節する冷暖房があります。輻射熱を利用した冷暖房にはいくつか種類があり、特徴を知っておくことで快適な空間づくりができます。今回は輻射とは何か、輻射のメリット・デメリットや輻射を利用した冷暖房のリフォーム費用・日数についてご紹介します。

輻射とは

太陽

輻射とは、熱を持った物質が赤外線を出す現象を指します。輻射と書いて「ふくしゃ」と読みます。輻射の赤外線を受けた際に物質が発する熱のことを輻射熱と呼びます。

身近な例でいうと、太陽が挙げられます。私たちが日中、太陽の日差しを温かい、あるいは暑いと感じるのは、太陽から発せられた赤外線が地球まで届き、地球に輻射熱が伝わっているためです。

太陽の表面温度は約6,000度といわれていますが、太陽が持つ熱そのものは地球へは届きません。それでは、なぜ太陽の光を受けている地球では温かさを感じることができるのか。その仕組みこそが輻射と輻射熱です。

太陽から出ている赤外線が地球に当たって初めて熱が発生し、私たちは温かさを感じます。輻射による赤外線は、物質が受けるまで熱を持たないため、太陽と地球の間にある宇宙空間は平均約-270度と、温かさとは正反対の空間になっています。

輻射は、熱を持った物質が放つ赤外線と、赤外線を受けた物質が熱を発する輻射熱で成り立ちます。そのため、物質と物質の間に熱を伝導する媒体は必要ありません。ただし、赤外線を放つ物質と受ける物質は対になっている必要があります。この輻射・輻射熱は、家庭用に販売されている暖房器具でも使われている現象のひとつです。

熱の伝わり方3つ

床暖房イメージ

熱の伝わり方には、粒子振動によって熱が伝わる伝導、固体・気体・液体の間で熱が入り混じる対流、赤外線(電磁波)によって熱が伝わる輻射の3つがあります。

それぞれの熱の伝わり方には特徴があり、仕組みを理解することで気温を適正な値に導き、快適な空間を作ることができます。ここからは、一般的な家庭にある家電や日用品の具体的な例を交えながら、熱の伝わり方3つについて解説します。

伝導

熱伝導は、分子・原子・電子の粒子が振動することで、熱が高い方から低い方へ移動していく現象です。手で触ったところだけ熱い・冷たいという現象は、熱伝導によるもの。熱伝導率が高いほど、熱の伝わり方は大きくなります。

身近な例では、温かいお湯を張ったお風呂の湯舟に浸かると温かく感じたり、使い捨てカイロを手に持っていると温かく感じたり、真冬の鉄棒やジャングルジムなどで凍るような冷たさを感じたりする現象が熱伝導です。

銀・銅・金・アルミニウム・鉄などの金属は熱伝導率が高く、木・プラスチック・ガラス・毛布・綿(わた)・空気・水などは熱伝導率が低いです。文字通り熱が伝って放射状に導かれるため、熱しているところから近いほど速く熱が伝わり、遠いほど熱の伝わりが遅いのが特徴です。

対流

対流は、固体や気体、液体の間で流れながら熱をやり取りする現象を指します。

温かい気体や液体は上に、冷たい気体や液体は下に下がります。ガス湯沸かし器のお風呂では、湯面が熱いのに底面は冷たいことがあり、液体の対流が起きています。ロフト付きの物件では、ロフトの気温が高くて床の気温は低いことがあり、気体の対流が起きています。

対流を利用した空調設備の代表的なものとしては、エアコンやファンヒーターが挙げられます。温かい風、もしくは冷たい風を出して、既存の空気と対流を起こすことで部屋の気温を上げたり下げたりしているのです。

他にも、おしゃれな住宅の天井についているシーリングファンは、対流で上がった熱を下に下げる目的があったり、扇風機の風が当たると気化熱で涼しく感じたりと、対流を使った熱の移動はいたるところで行われています。

輻射

輻射は、記事の冒頭でもお伝えした通り熱を持つ物体の赤外線を受けて、同じように熱を発する現象を指します。仕組みを想像すると難しいですが、焚き火の近くにいると温かく感じたり、窓越しの日差しを温かく感じたりするのは輻射熱によるものと考えるとわかりやすいです。

冬に嬉しいこたつは輻射を使った暖房家具です。テーブルの下に入っている電熱線の輻射で、脚を温めることができます。通常であれば、温まるのは脚だけですが、布団で密閉することによって、温まった温度を維持することができます。

また、冷めた料理を温めたり、加熱処理が必要な調理工程で使ったりする電子レンジも、輻射熱を利用しています。室外機で温度変化した循環液を使って室内にある輻射パネルの温度を変え、輻射熱を利用して部屋を暖めたり冷やしたりする床暖房や輻射式冷暖房も、輻射を利用している空調設備のひとつです。

輻射の熱は物質に当たることで発生しますが、窓ガラスのような透明のものをすり抜ける性質があります。そのため、太陽の輻射は透明なガラスに当たってもすり抜け、室内にいる私たちが輻射熱を発生します。さらに、色の濃いものに当たると熱を吸収する性質は、夏に黒い服やバッグが非常に熱く感じる現象の裏付けです。

輻射を使った冷暖房のメリット・デメリット

パネルヒーター

輻射を使った冷暖房には、伝導や対流にはないメリット・デメリットがあります。空調設備としての特徴を把握することで、快適な温度の空間を作れるため、この機会に覚えておきましょう。

輻射を使った冷暖房のメリット

熱を持つ物質から赤外線を通して熱を伝える輻射は、局所的な温めや冷却をせず、温度ムラが少ない状態で均一に温める・冷やすことができます。赤外線を受けた物質そのものが熱を帯びるため、温かさや冷たさがしばらく続くのがメリットといえます。

輻射式冷暖房においては、輻射パネルと室温の温度差が冷暖房効果の元となるため、稼働音が静かな点も嬉しいポイント。電源を切った後でも、部屋全体を温めた後にはしばらく温かさが続き、部屋全体を冷やした後には冷たさが続きます。

輻射を使った冷暖房のデメリット

輻射による熱は、じんわりと伝わるため、冷暖房設備の電源を入れてから実際に温まったり冷えたりするまでに時間がかかる点はデメリットです。輻射熱を利用する冷暖房設備で効率よく温度変化させるためには、対流とのかけ合わせがおすすめ。

具体的な例でいうと、輻射式冷暖房(輻射)とエアコン(対流)を同時に利用することです。輻射の弱点である立ち上がりが遅い点を対流でカバーし、対流の温かい気体は上に、冷たい期待は下にとどまってしまう弱点を輻射でカバーできます。

また、輻射を使った冷暖房設備のデメリットとして、設置にかかるリフォーム費用が高くなる傾向があります。製品の購入代に加えて、壁や床、配管などの工事が絡むためです。

輻射熱を使った冷暖房設備のリフォーム費用

パネルヒーター

輻射熱を使った冷暖房設備は、床暖房や輻射式冷暖房などの種類があります。いずれも導入にはリフォームが必要であり、現地調査に加えて壁や床などの大がかりな工事が行われるため、リフォーム費用が気になるところです。ここからは、床暖房と輻射式冷暖房に分けて、輻射熱を使った冷暖房設備のリフォームにかかる費用目安を解説します。

床暖房

床暖房を今ある床の上へ重ね貼りする場合は、1畳あたり5~80,000円程度の費用がかかります。床を新しく張り直す場合は、床を剥がす手間が加わるため、1畳あたり8~110,000円程度。熱源機の購入費用とあわせると、250,000~1,000,000円程度の費用がかかると考えておきましょう。

決して安い金額ではないため、導入する前に予算を含めて見積もりを依頼するのがおすすめです。また、床暖房の設置には、温水式と電気式など、仕様によって配管工事のような追加工事が必要なため、設置費用は異なります。床暖房の仕上げ時に設置するフローリング材も材質によって価格が変わるため、床暖房の設置にかかるすべての費用を見ておくと失敗を防ぐことができます。

リフォーム日数としては、既存の床に重ね貼りする簡易リフォームで1~2日。床の張り直しを要するリフォームは3~5日程度です。床下地や寸法を現地調査してからのリフォームとなります。

輻射式冷暖房

輻射式冷暖房は、ユニット本体が約200,000円、輻射パネルの設置に200,000円以上がかかります。輻射パネルの素材や、設置する部屋の広さ、輻射パネルの枚数によって費用が異なるため、設置予定の部屋でどれくらいの規模の輻射式冷暖房が必要か検討するところから始めるのがおすすめです。

また、リフォームには1~4日程度を見ておきましょう。輻射式冷暖房は、見積もりを出すために間取り図、設計図面、部屋の面積、天井高と開口部の広さ、方角などの情報が必要になります。見積もりを出すまでにも3~7日程度の日数がかかるため、全体で2週間くらいの工期を見込んでおくと良いでしょう。

まとめ

室内をムラなく温めてくれる輻射を利用した空調設備は、リフォーム費用こそややお高めですが快適な暮らしを実現できます。素材選びを始めとするリフォーム内容を検討することで費用を下げてのリフォームも難しくはありません。

輻射と対流を組み合わせると輻射のデメリットである時間がかかる問題も解決できます。熱伝導のように直接熱源に触れる危険性も少ないため、高齢者や子どもがいる家庭でも安心して使えます。この記事で解説した輻射式の冷暖房設備を設置して、快適な空間で過ごしてみてはいかがでしょうか。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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