歩くたびにミシミシと音を立てる「床鳴り」。
「早く直したいけれど、どうやって直したらいいの?」とお困りの方も多いのではないでしょうか?
床鳴りを直すには、まず音の種類によって原因を特定する必要があります。
床鳴りを放置し続けると思わぬアクシデントを招く恐れがあるため、ぜひこの記事で紹介する方法を早めに実践しましょう。
【音の種類別】床鳴りの発生場所を特定する方法

床鳴りの音の種類は、実にさまざまです。ミシミシ、ギシギシという重い音から、パキッという軽い音まで、症状によって音は多岐にわたります。
しかし、音が高いか低いかによって、おおよそ原因を特定できるのも事実です。
- 音が高い:フローリング本体
- 音が低い:フローリング以外
まずは自宅の床鳴りがどちらに当てはまるかを考え、床鳴りが起きている場所を特定しましょう。
パキッ:フローリング本体
「キシキシ」、「パキッ」のように高い音がするときは、フローリング本体に原因があると考えられます。
フローリング本体が原因なら、床を丸ごと外すなどの大規模な工事はいりません。そのため、リフォームにかかる費用も、比較的軽く抑えられるでしょう。
また、壁の近くから音が生じている場合は、床と壁の木材がこすれることで床鳴りが発生していると考えられます。
いずれにしても、床鳴りの音が高い場合は、フローリングの幅や位置を微調整することで、割と簡単に直せる可能性が高いといえます。
ミシミシ:フローリング以外
一方で、「ミシミシ」、「ギシギシ」などと低い音が鳴る場合は、フローリングの下にある構造材に問題があると考えられます。
この場合、床だけでなく土台を取り外す必要があるため、工事は比較的大規模なものになるでしょう。
床下はさまざまなパーツで構成されており、それぞれ以下のような役割を果たすことで互いに強度を高めています。
- 根太:フローリングの下に横方向に設置され、床板を補強する
- 大引:根太の下に組まれ、建物の基盤となる
- 束:大引を下から支える
低い音が鳴り続けている場合、そのまま使い続けると床が凹んだり、最悪の場合床が抜けてしまうリスクも考えられます。症状としては比較的深刻なため、早急な対応が必要でしょう。
床鳴りが起きる5つの原因【フローリング本体に問題がある】

床鳴りが起きている場所を特定できたら、具体的に原因を掘り下げてみましょう。
はじめに、フローリング本体に問題がある場合の原因は、主に以下の3つが考えられます。
- フローリングが伸縮している
- フローリングと土台がはがれている
- 釘がこすれている
1. フローリングが伸縮している
フローリングの材質によっては、乾燥によって収縮したり、湿気によって膨張することがあります。
これは木材本来の性質であり、けっして工事に問題があったわけではありません。新築で床鳴りがする場合、ほとんどの原因はフローリングの伸縮だと考えられます。
あまりにも床鳴りが気になるときは、施工業者に相談してみるといいでしょう。施工したばかりであれば、基本的には無料で手直ししてもらえます。
あとで紹介するように、カッターや市販の修復剤などでも修復可能ですが、DIYスキルや十分な知識がある人を除き、あまりおすすめできません。
2. フローリングと土台がはがれている
フローリングとその下にある土台の間にわずかな隙間ができることで、床鳴りが発生している可能性もあります。
本来、フローリング材は床材と完全に密着していなければなりません。たとえ1ミリでも小さなすき間が生まれてしまうと、そのすき間が歪みとなって床鳴りが発生します。
この場合の対処法としては、フローリングと土台の間に樹脂をかませるのがもっとも簡単です。ただし、DIYとしてはかなり高度な技術が要求されるため、不慣れな人は専門業者に依頼するのが賢明でしょう。
3. 釘がこすれている
フローリングを固定するための釘が、床鳴りの原因となっていることもあります。これは釘が下地の間でこすれていることが原因で、釘の長さを調整したり、釘を打ち直すことで解決します。
また、床暖房の場合は、床暖房パネルとフローリングとの間で釘が振動して音が発生していることがあります。
いずれにしても高度な微調整が必要となるため、早めに専門業者に依頼しましょう。
床鳴りが起きる5つの原因【フローリング以外に問題がある】

続いて、フローリング以外に問題がある場合の原因を2つ解説します。
4. 床下の木材がこすれている
フローリングと同じように、床下の木材が伸縮や膨張を繰り返すことで床鳴りが発生することがあります。
これは気候の変化によって生じるもので、フローリング等の施工に問題があるわけではありません。何日か様子をみているうちに直ることも十分にありえます。
何日経っても書状が改善せず、どうしても音が気になる場合には、業者に依頼してみるのも良いでしょう。
5. シロアリが発生している
床鳴りの原因としてもっとも深刻なのが、シロアリの発生です。シロアリはわずかな湿気を好むことからキッチンやトイレなどの水周りに発生しやすく、一度発生すると家中の木材を食べ尽くしてしまうことがあります。
シロアリが発生すると、木材がスカスカになることで床がぶかぶかとたわんでしまいます。梅雨など湿気の多い時期にこうした症状が出たら、まずはシロアリの存在を疑ってみたほうが良いでしょう。
シロアリは時間が経てば経つだけ、家全体の木材を蝕んでいきます。とにかく早めの対応がカギとなるため、思い当たる節があれば早めに業者に相談してください
床鳴り補修にかかる費用相場は?

床鳴りの補修にかかる費用は、床材を剥がすかどうかで大きく変わります。
- 部分リフォーム:約3万円
- 全体リフォーム:約25万円
それぞれ具体的な工程や費用相場を確認してみましょう。
部分リフォーム
床の表面を補修するだけの「部分リフォーム」では、約3万円が費用相場となります。
たとえば、フローリング表面のわずかなすき間が原因の場合、補修剤を注入するだけで床鳴りは解決します。
また、床板が浮くことでフローリングとの間にわずかなすき間がある場合は、床を一度はがして打ち直すことで改善します。この場合も、費用相場は約3万円とけっして高くありません。
全面リフォーム
フローリング以外に原因がある場合は、劣化状況や建物の階数などによってリフォーム費用は大きく変動します。一つの目安として、全面リフォームなら約25万円ほど見積もっておくといいでしょう。
たとえば、床下の木材がこすれているだけなら微調整で床鳴りを改善でき、費用もはるかに抑えられます。一方、シロアリの被害によって床板の腐食が大幅に進んでいると、かなり大幅なリフォームが必要となり、費用も高くなります。
具体的な費用を知りたい人は、複数の業者に相見積もりを依頼し、費用を比較してみるといいでしょう。
床鳴りを自分で補修する方法【DIY】

できるだけ費用を抑えるために、「床鳴りをDIYで解決したい」と考える人もいるでしょう。
しかし、床鳴りをDIYで補修するのは、けっして簡単なことではありません。DIYで対応できるかどうかは、床鳴りの原因やDIYの技量など、さまざまな要因に左右されます。
たとえば、床鳴りの原因がフローリング表面であればDIYで対応できますが、床下となるとよほどDIYに慣れていない限り、自分で対応するのは難しいでしょう。
フローリングを自分で調整する方法は、主に以下の2つがあります。
より簡単なのは、修復剤によるリフォームです。修復剤はホームセンターなどでも気軽に購入でき、商品の使い方ガイドに従えば初心者でも簡単に対処できます。
一方、カッターを使うときは、フローリングの目地に沿ってわずかな切れ目を入れることになります。初めてだと、どこにどのくらいの切れ目を入れていいかがわからず、失敗するとフローリングを傷めてしまうでしょう。
作業自体は簡単にみえますが、高度な知識が必要とされるため、DIYに不慣れな人は業者に依頼するのが賢明です。また、床暖房を利用している家庭は、床暖房を傷つけるリスクを避けるためにも、カッターによる補修はできません。
床鳴りを放置するとどうなる?考えられる3つのリスク

なんとなく気になる床鳴りでも「たいしたことはないだろう」と先延ばしにする人も多いかもしれません。
しかし、深刻な床鳴りを放置すると、以下の3つに発展するリスクがあります。
- 床が抜ける
- 床のすき間が黒ずむ
- シロアリが大量発生する
1. 床が抜ける
床の劣化が激しいと、最悪の場合床ごと抜け落ちてしまうことがあります。物が沈んでしまうならまだしも、人が歩いているときに床が抜け落ちたら、大惨事になりかねません。
床が劣化する原因としては、特に湿気が挙げられます。キッチンや洗面所など、水道管が近い場所の床は特に傷みやすい箇所といえます。床のきしむ音が大きいときや、表面がベコベコになっているときは、早めの対応が必要不可欠でしょう。
2. 床のすき間が黒ずむ
フローリングが膨張と収縮を繰り返すことですき間が生まれると、そこに細かいゴミが溜まって黒くなってしまうことがあります。
また、ゴミならまだしも、黒カビが発生してしまうと、床下の見えないところまで広がってしまうリスクもあるでしょう。こうした汚れが貯まると、見た目だけでなく衛生的にも良くありません。
フローリングにすき間が生まれてしまったときはこまめに掃除し、できるだけ早めに修繕を依頼するようにしましょう。
3. シロアリが大量発生する
床鳴りの原因がシロアリの場合、そのまま放っておくとシロアリが大量発生することになります。
シロアリは腐食している部分の木材だけでなく、きれいな木材もどんどん食べてしまいます。また、壁や畳などにも侵食し、家の構造にとってもかなり大きなダメージとなるでしょう。
シロアリは暗くて湿気の多い場所を好み、そこから家中の木材へと飛び火してしまいます。たとえリフォームしたとしても、シロアリを完全に駆除しないとまた別の場所で被害が出てしまう可能性があるでしょう。
床鳴りは新築やマンションでも起こる

記事の内容をおさらいすると、床なりが発生する原因は主に以下の5つにわけられます。
- フローリングが伸縮している
- フローリングと土台がはがれている
- 釘がこすれている
- 床下の木材がこすれている
- シロアリが発生している
床鳴りは必ずしも古い家で発生するわけではなく、新築で起こることも十分に考えられます。また、戸建ての家はもちろん、マンションやアパートなどの集合住宅で起こることもあるでしょう。
床鳴りが気になるときは、まず音の種類で大まかな原因を特定し、詳しくは業者に見てもらうのが鉄則です。特にシロアリが発生している場合は被害がどんどん進むため、早めの対応が肝心でしょう。
ぜひこの記事を参考に床鳴りの原因を特定し、不快な音がなくスムーズに歩ける床を取り戻しましょう。
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