環境にやさしく走行コストも経済的な電気自動車は、購入補助金制度の増額もあり、今後の普及拡大が期待されています。次のマイカー買い替えは、電気自動車にしようかとお考えの方も多くいらっしゃることでしょう。外出先での充電場所が地域によってはまだ少なく、充電時間も長くかかるといった充電のデメリットが気になる方は、自宅に電気自動車(EV)充電器を設置しようかと検討されるかもしれません。
しかし、家庭用EV(電気自動車)充電器にはスタンドタイプやコンセントタイプなどいろいろな形状があり、自宅に最適なのがどのタイプかよくわからない…そんな方もいるのではないでしょうか?
「家庭用EV充電器にはどんな種類があるの?」
「充電スタンドはいくらで設置できるの?補助金は使えるの?」
「自宅用充電スタンドのおすすめを教えて!」
この記事では、家庭用EV充電器について、タイプごとに特長や価格を詳しく解説します。また、設置工事費用の相場や、高くなってしまうポイント、利用できる補助金、おすすめの家庭用EV充電器7商品もご紹介。みなさんの「家庭用EV充電器について知りたかったこと」にお答えします!
家庭用EV充電器の設置をご検討中の方はもちろん、EVカーの購入を考えている方も、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

家庭用EV(電気自動車)充電器はスタンド・ボックス・コンセントの3タイプ

家庭用EV充電器には大きく分けて「自立スタンドタイプ」「壁付けタイプ(ボックス・ケーブル付属)」「壁付けコンセントタイプ」の3種類があります。価格帯はタイプごとに大きく異なり、3,500円~25万円以上と幅広いなかから選ぶことができます。
ここからは家庭用EV充電器の3タイプの特長と価格について解説します。
①自立スタンドタイプの特長と価格
商業施設などで見かけることの多い自立スタンドタイプは、家から離れた場所でも自由に設置可能なのが特長。家と駐車場との間に距離がある場合に便利です。車載ケーブルを使うコンセントタイプと車載ケーブルが不要なケーブル付属タイプのどちらもあります。
【本体価格の目安】250,000円~
②壁付けタイプ(ボックス・ケーブル付属)の特長と価格
駐車場と建物の距離が近いなら、価格がおさえられる壁面に取り付けられるタイプがおすすめです。なかでもケーブル付属しているタイプなら、車載ケーブルを使う必要がなくスムーズに充電できます。さらにボックスタイプならケーブルが収納できるため、外観をそこねません。
【本体価格の目安】150,000円~
③壁付けコンセントタイプの特長と価格
新築戸建てに予め設置されている場合、多くはこの「壁付けコンセントタイプ」。最もシンプルなつくりでサイズが小さく、価格が非常に安いのが特長です。狭小住宅の駐車スペースなど、壁面ぎりぎりに車を置く場合も設置できます。充電のたびに車載ケーブルを出し入れすることに抵抗がない方なら便利に使えるでしょう。
【本体価格の目安】3,500円~

家庭用EV充電器設置工事費用の相場は10万円〜&工事費が高くなる3つのポイント

家庭用EV充電器の設置工事は、10万円〜30万円前後が相場です。分電盤(ブレーカー)からEV充電器を設置する場所までの距離や配線の長さなど、さまざまな条件で費用は変わります。ここからは、家庭用EV充電器の設置工事費が高くなるのはどんな条件か?主な3つのポイントについて解説します。
分電盤(ブレーカー)が200V対応か
電気自動車(EV)は充電に200Vを使用するのが主流です。一般家庭用の電圧は100Vですが、近年建てられた住宅の多くは100Vと200Vを使用できる単相3線式を採用しています。しかし、古い住宅など100V専用の場合は200Vの増設工事が必要になります。
分電盤が200Vに対応しているかを確認するには、分電盤の蓋の中をチェックする方法があります。蓋を開けて電気メーターに「単3」との記載があれば対応しています。また、IHクッキングヒーターは一般的に200Vであるため、IHクッキングヒーターをお使いのご家庭は分電盤も200Vに対応していると考えてよいでしょう。もし自分で調べてもよくわからない場合は、電力会社に確認してください。
契約アンペア数に余裕はある?あわせてチェックしておこう
電気自動車の充電時には、一般的に15Aを使用します。現状もし電力量が不足気味でブレーカーが落ちることがあるなら、契約アンペア数の見直しが必要かもしれません。契約アンペア数を増やす場合は分電盤の交換が必要になりますが、その工事費は原則無料です。しかし、月々の電気料金の「基本料金」が変わるため、ランニングコストが増加するのは理解しておかなければなりません。もし、電気自動車の充電を電気使用量が少ない深夜に行えるのであれば、契約アンペア数はそのままでも問題ない場合も。ご家庭全体での電気の使い方によって、ご検討ください。
設置場所と分電盤(ブレーカー)の距離は15m以内か
家庭用EV充電器の設置工事は、設置場所と分電盤(ブレーカー)の距離が15m以内でれば、配線工事も基本料金に含んでいる業者が大半です。業者選びの際はぱっと見の工事費用だけでなく、基本料金にどこまで含まれているかにも注目しておくのが後悔しないポイントのひとつ。15m以上の場合は、距離によって追加料金が発生しますが、その価格は業者によって異なります。あらかじめ確認しておきましょう。
配線のために壁や地面の工事が必要か
家庭用EV充電器の設置工事費用は、充電器の設置場所まで配線するためにどんな工事が必要になるかで大きく金額が変わります。壁掛けタイプであれば、外壁に穴を開けて配線を外に出し、コンセントを設置する工事が必要です。スタンドタイプで外壁から設置場所まで離れている場合は、配線を地面に埋設するといった大掛かりな工事が必要になる場合もあります。

家庭用EV充電器の設置で使える補助金
家庭用EV充電器の設置に関する補助金は、国による補助金制度と地方自治体による補助金制度の2種類に分かれます。ここからは、家庭用EV充電器で使える国と地方自治体の補助金について、それぞれ解説します。
国による「充電インフラ補助金」は個人宅には利用できない
EV充電器の設置に関する国による補助金は「電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金(一般社団法人次世代自動車振興センター)」があります。しかし、その対象は主に法人やマンション管理などの団体で、個人宅には利用できません(2023年2月現在)。
地方自治体による補助金制度は個人宅に使える場合も
EV充電器の設置に関する地方自治体の補助金も、多くは法人やマンション管理団体向けです。しかし、個人宅も対象としている地方自治体も、ないわけではありません。たとえば東京都港区の場合、「区民 建築物所有者(個人)」も助成対象者。条件は「区内の住宅に居住するもの又は区内に住宅を所有するもので、当該住宅又はその敷地内に対象機器を設置しようとするもの」としています。
港区 電気自動車等用充電設備導入費助成:
https://www.city.minato.tokyo.jp/chikyukankyou/kankyo-machi/kankyo/hojo/judensetsubi.html
地方自治体によるEV充電器の設置に関する助成金は「一般社団法人次世代自動車振興センター」のWEBサイトで確認できます。お住まいの地域が個人宅を対象にしているかどうかチェックしておき、対象の場合はぜひ活用してください。
一般社団法人次世代自動車振興センター 全国の地方自治体の補助制度・融資制度・税制特例措置:
https://www.cev-pc.or.jp/local_supports/hokkaido.html

家庭用EV充電器(スタンド・ボックス・コンセント)おすすめ7選
ここからは、おすすめの家庭用EV充電器を紹介します。自立スタンドタイプ3商品、壁付けタイプ2商品、壁付コンセントタイプ3商品の7商品、デザインはもちろん特長や価格も異なりますので、自宅にあう商品を探してみてください。
【自立スタンド-1】パナソニック「ELSEEV mine Mode3」
パナソニック「ELSEEV mine Mode3」
付属の充電ケーブルをスタンド内に収納可能。景観のじゃまにならないすっきりシンプルなデザインが特長です。手元表示灯を内蔵しており、夜間でも操作しやすいよう工夫されています。ダイヤル錠も付属しており、いたずら防止にも効果的です。
【メーカー希望小売価格】343,200円(税込・工事費別)
【自立スタンド-2】リクシル「エコリスEVファンクション」
リクシル「エコリスEVファンクション」
充電ボックス1台と、門まわり機能に必要な表札、インターホン、ポストを集約した門柱一体型。玄関前に駐車スペースがある場合におすすめです。充電ボックスは2台までせ収めることができ、EV車とバイクなど2台同時の充電も可能です。
【メーカー希望小売価格】303,800円(税込・工事費別)
【自立スタンド-3】YKK AP「エレポルト 機能門柱」
YKK AP「エレポルト 機能門柱」
充電用コンセントと表札やLED照明、インターホンなどを装備した機能門柱タイプです。充電用の200Vに加え100V用コンセントも併設。バーベキューやイルミネーション、高圧洗浄機に電動工具掃除まで、庭での過ごし方が広がります。3色のアクセントパネルを選ぶことができ、家や外構のデザインにあわせて統一感を出せるのも特長です。
【メーカー希望小売価格】238,500円(税込・工事費別)
【壁付け-1】パナソニック「ELSEEV hekia S Mode3」
パナソニック「ELSEEV hekia S Mode3」
充電ケーブル付属の壁付けタイプ。充電用コネクタをはずして車の給電口に差し込むだけで簡単に充電できます。6kW充電を行うことで、短時間での充電が可能。オプションのポール材を使えば自立スタンドタイプとしても使えるため、将来的に設置場所が変わり壁付けできなくなっても引き続き使えるのがうれしい特長です。
【メーカー希望小売価格】243,100円(税込・工事費別)
【壁付け-2】パナソニック「ELSEEV cabi Mode3」
パナソニック「ELSEEV cabi Mode3」
充電ケーブルをすべて収納できる壁付けボックスタイプ。扉には鍵付ハンドルを採用し、夜間でも操作しやすい手元表示灯も内蔵しています。充電コントロール機能付タイプもあり、別売のピークコントロールボックスと連携すれば、家庭全体の電気使用量に合わせて充電電流値を自動制御することができます。
【メーカー希望小売価格】243,100円(税込・工事費別)
【壁付けコンセント-1】パナソニック「EV・PHEV充電用 屋外コンセント」
パナソニック「EV・PHEV充電用 屋外コンセント」
雨から守るカバー付きのEV充電用コンセント。差し込み時に回転させなくても、挿入するだけでロックできる抜け防止機能付き。コンパクトなサイズ感で余裕のない駐車スペースでも後付けできます。4色のカラーバリエーションから選べ、外壁とコーディネートが可能。
【メーカー希望小売価格】4,290円(税込・工事費別)
【壁付けコンセント-2】パナソニック「[EV・PHEV充電用] カバー付屋外コンセント」
パナソニック「[EV・PHEV充電用] カバー付屋外コンセント」保護カバーと簡易鍵を装備した壁付けコンセントタイプ。人通りのある場所に設置したい方やいたずらを防止したい方におすすめです。充電ケーブルの電源プラグを差し込むだけで接続できロックされる、抜け防止機能付き。4色展開で、外壁とコーディネートが可能です。
【メーカー希望小売価格】12,210円(税込・工事費別)

まとめ
本記事では、家庭用EV充電器について詳しく解説。タイプごとに特長や価格、設置工事費用の相場と高くなるポイントを詳しくご紹介しました。また、補助金や、おすすめ商品もご紹介しました。自宅用EV充電器の設置を悩んでいた方は、自宅にあいそうな充電器を見つけられましたか?
カインズリフォームでは、カーポートの設置から外周フェンスの設置まで、家まわりの外構リフォームを承っております。家庭用EV充電器の設置をご検討中の方は、ぜひ一度ご相談ください。

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