玄関アプローチは、家の印象を大きく左右する重要なエクステリアです。機能性や耐久性、デザイン性などの観点から、コンクリートの利用が推奨されていますが、必ずしも最適な選択肢になるとは限りません。そのため、メリットとデメリットを確認し、自身に適しているかどうかを判断することが大切です。また、コンクリートは道路に使われているデザインとは限らず、オシャレな印象に仕上げる方法もあることについても理解しておきましょう。
この記事では、玄関アプローチにコンクリートを使うメリット・デメリットやアイデアについて詳しくご紹介します。
そもそもコンクリートの玄関アプローチとは

門から玄関までの導線を意味する「玄関アプローチ」によく使われる素材の1つにコンクリートがあります。コンクリートはセメント、水、細骨材、粗骨材、混和材料から構成されていて、建築資材として優れていることから、住宅・ビル・道路など幅広い場所で使われています。
コンクリートは無機質な印象を与える一方で、耐火性や耐久性に優れているなどメリットも多い素材です。

アプローチをコンクリートにするメリット

アプローチに使用できる素材はコンクリートだけではないため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。アプローチをコンクリートにするメリットについて詳しく見ていきましょう。
デザイン性に優れている
コンクリートは表面の仕上げや色を変えることができるため、建築デザインにおける自由度が高い素材です。例えば、滑らかな仕上げ、ざらざらとしたテクスチャなど、さまざまな質感を実現できます。また、コンクリートの表面に模様や文字などを刻むことも可能です。
さらに、コンクリートは着色剤を使用することでさまざまな色合いを実現できます。このように、質感と色を変更することでオリジナルデザインの玄関アプローチを作れることは、コンクリートを使用する大きなメリットです。
耐久性に優れている
コンクリートは耐久性に優れているため、玄関アプローチに使用されることが多い素材です。玄関アプローチは日常的に人が歩くため、頻繁に負荷がかかります。特に、重い荷物を頻繁に運び入れるような場合は、ますます大きな負荷がかかるでしょう。そのため、玄関アプローチには耐久性に優れた素材を使用することが求められます。
一般的にコンクリートの耐用年数は約15年程度と言われています。コンクリートは道路や建築物の建材として広く使用されており、その耐久性には高い信頼性があります。ただし、コンクリートは気温変化や湿度の影響を受けやすく、ひび割れする可能性もある点には留意してください。
このひび割れの側面を考慮し、コンクリートの玄関アプローチの施工においてはワイヤーやメッシュといった補強材料を使用することがあります。ワイヤーメッシュはコンクリートの強度を向上させ、荷重や外部の力による影響を受けにくくする役割を果たす材料です。
耐火性に優れている
コンクリートの玄関アプローチは、その耐火性に優れています。もし、近隣や自宅周辺で火事が発生した場合でも、コンクリートは燃えにくい性質を持っているため、炎が広がるのを防ぐ役割を果たします。これは、自宅が火事になった場合も同様であり、玄関アプローチからその先へと炎が広がるリスクを抑えることが可能です。周りからの火災の被害を防ぐとともに、周りの住宅に被害が広がるのを防ぐことができます。
掃除しやすい
コンクリートの玄関アプローチは、その表面の特性から掃除がしやすいというメリットがあります。玄関エリアには日常的にゴミや落ち葉がたまることがありますが、コンクリートの表面はそのような汚れを取り除きやすい構造になっています。
レンガやタイルなどは目地(隙間)にゴミが入り込みやすく、清掃に時間と手間がかかるでしょう。コンクリートは表面が比較的平滑であるため、掃除が簡単に行えます。また、滑らかな仕上げや加工を施すことで汚れが付着しにくくなり、清潔な状態を長く保つことができます。
施工しやすい
コンクリートの玄関アプローチは、その特性から施工が比較的容易であり、職人のスキルに左右されにくいというメリットがあります。玄関アプローチを含め、インテリアやエクステリアの工事を業者に依頼する場合は、スキルや実績などを十分に確認しなければなりません。コンクリートの玄関アプローチであれば、他の工事と比べてスキルを見極める重要性が低いため、結果として失敗しにくいと言えるでしょう。

アプローチをコンクリートにするデメリット
コンクリートの玄関アプローチは万能ではありません。次のデメリットも理解したうえで、自身に適しているかどうかを判断しましょう。
熱を吸収して暑くなりやすい
コンクリートの玄関アプローチは、熱を吸収しやすい性質を持ちます。真夏の強い日差しに照りつけられると表面が非常に熱くなるでしょう。玄関アプローチの上を通って庭のプールに行くような場合は、裸足で出ないように注意が必要です。このようなデメリットを補うために、日よけを設置するとよいでしょう。木を植えるだけでも直射日光を防いで、コンクリートの温度上昇を抑えることができます。
デザインが合う素材が限られている
コンクリートと他の素材との相性が合わず、外観や仕上がりに違和感が生じる場合があります。玄関ドアや建物、門など、周りのエクステリアのデザインを踏まえて、コンクリートの玄関アプローチが適しているかどうか判断することが大切です。コンクリートの玄関アプローチの施工実績が多い業者であれば、相性が良い素材についてアドバイスを得られるでしょう。
滑りやすいため転倒のリスクが高い
コンクリートの玄関アプローチは、特に雨や雪の日など湿った状態では滑りやすく、転倒のリスクが高まります。高齢者や小さな子どもがいる家庭では、滑って転倒してケガをするリスクがより大きくなります。そのため、安全性を確保するために適切な対策や工夫が必要です。滑り止め加工、滑りにくいデザイン、定期的な清掃などの方法があります。
殺風景な印象になる
コンクリートの特徴である無機質でスッキリとした印象は、時には殺風景に感じられることがあります。そのため、コンクリートを玄関アプローチに使用する際には、芝生や砂利などの自然素材と組み合わせたり、模様やデザインを施したりするとよいでしょう。ただし、殺風景といっても、シンプルやスタイリッシュな見た目であれば問題ありません。また、あえて殺風景な雰囲気を求める方もいるでしょう。

アプローチにコンクリートを使うアイデア
玄関アプローチにコンクリートを使うアイデアを6つ紹介します。
打ちっ放しでスタイリッシュな印象に
打ちっ放しのコンクリートは、コンクリートの表面を剥き出しにして仕上げる方法です。無駄のないデザインになり、シンプルでモダンな雰囲気を生むため、都会的な印象や開放感を演出できます。
隙間から芝や砂利が見えるようにする
コンクリートと芝生や砂利を組み合わせることで、自然な風合いを出すことができます。コンクリートの無機質さを和らげつつ、デザインにアクセントを与えられます。ただし、芝や砂利のメンテナンスが必要になるため、美しい状態を維持するのに時間と手間がかかります。
タイルやレンガと組み合わせる
コンクリートにタイルやレンガを組み合わせることで、異なる質感や模様により、魅力的な仕上がりになるでしょう。素材のコントラストがオシャレな印象を与えます。例えば、玄関アプローチの一部をタイルにする方法があります。
インターロッキング
インターロッキングのコンクリートは、その特有の模様と形状によってモダンで洋風な雰囲気を演出します。歩きやすさや滑りにくさを考慮しているため、雨の日や雪の日でも安心して歩行できます。
スタンプコンクリート
スタンプコンクリートは、ナチュラルで温かみのある雰囲気を持ちます。模様やテクスチャをコンクリートに加えることで、滑りにくさを高めることもできます。
飛び石のように配置する
飛び石のようにコンクリートを配置することで、歩きやすい玄関アプローチとなります。また、周りに生えている草花を踏まずに歩きやすくなるため、きれいな状態を維持しやすいでしょう。

周りの風景やエクステリアにあった玄関アプローチを作ろう
コンクリートを採用した玄関アプローチは、オシャレでありながら耐久性や防火性にも優れています。長く住む家だからこそ、デザイン性だけではなく機能性にもこだわりたいところではないでしょうか。今回、解説した内容を参考に、玄関アプローチにコンクリートを採用するかどうか検討してみてください。
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