愛車を守るために、高い費用をかけて設置したカーポートであるものの、実際に使ってみると様々な要因から「こんなはずではなかった」「もう使うのをやめよう」となるケースも見られます。カーポートをやめたくなる原因はどこにあるのでしょうか。この記事では、カーポートをやめたいと思う理由や、やめたことで生じる不都合、カーポートが必要な家庭および必要ではない家庭、現在のカーポートを快適に使うポイントなどについて解説していきます。
カーポートをやめたいと思う理由

雨や風、雪、太陽の光に含まれている紫外線などから、大切な愛車を守ってくれるカーポート。そんな風に役に立つカーポートも、様々な事情によって使うのをやめたいと考える人もいます。まずは、カーポートをやめたいと思う理由について代表的なものを見ていきましょう。
日当たりが悪くなった
カーポートは、支柱に大きい屋根が付いているのが基本的な構造。設置する場所によっては、屋根によって太陽の光が遮られ、自宅の建物や庭などに日が当たらなくなります。特に、自宅の敷地の南側にカーポートを設置した場合は、室内に入ってくる光の量は大きく減ってしまうでしょう。同様に、東側の場合では朝日が、西側では夕日が入りにくくなります。このように、自宅の日当たりが悪くなることへの不満が、カーポートをやめたいと感じる大きな理由の1つです。
耐久性への不安
カーポートは、雨や風、雪などの影響を日常的に受けることになります。頑丈にできてはいますが、猛烈に強い台風が直撃した場合や大雪が降って屋根の上に非常に多くの雪が積もった場合は、「本当に壊れないか」という不安を感じてしまうかもしれません。また、年数が経つにつれて劣化していくので、接合部分を中心に破損の恐れは高まっていきます。
掃除が面倒
風に乗って飛んできたホコリやゴミがカーポートの屋根の上に蓄積していくと、雨樋が詰まりやすくなります。また、泥などの汚れは放っておくとカーポートにこびりついて、やがて定着してしまいます。そのため、カーポートは定期的に掃除をしてキレイにしておきたいところ。しかし、実際に屋根を掃除するとなると、屋根に上に登らなければなりません。2m以上の高さの場所に登って作業することになるので、危険が伴います。このように掃除が大変なことも、カーポートに対するマイナスのイメージをもたらします。
隣家とのトラブルが発生した
自宅が住宅の多い地域の場合、カーポートは隣家との距離が近い場所に設置されます。そのため雨や雪が降ると、カーポートの屋根を伝って雨水や雪が隣家の敷地に落ちる可能性があります。また、カーポートの屋根が太陽光を遮り、隣家の日当たりが悪くなってしまうことも考えられます。この状況が続くと、やがて隣家と間でトラブルが発生して、最終的にカーポートを撤去することになるかもしれません。
車の買い替えに制限がある
現在の車のサイズを考えて設置したカーポートの場合、現在の車よりも大きい車を駐車しようとすると、カーポートの支柱や屋根に車が接触するなどして駐車スペースに入らないことがあります。つまりカーポートの大きさによっては、車の買い替えに制限が設けられてしまうわけです。希望する車種を購入できないという不都合も、カーポートを諦める原因になり得ます。
車の乗り降りがしにくくなった
カーポートには支柱があり、その支柱が駐車スペースの面積に大きな影響を及ぼします。もともとの駐車スペースの広さや設置場所によっては、カーポートの支柱があることで車のドアを大きく開けることができなくなったり、駐車するために車を移動させるスペースが狭くなったりします。せっかくのカーポートも、車の乗り降りがしにくくなると考えものです。
カーポートがあっても結局車は汚れてしまう
カーポートは雨や雪など上から落ちてくるものを防ぐ効果はありますが、横に壁が付いているわけではないので、横から来るものを防ぐことはなかなかできません。砂ぼこりや花粉など風で運ばれてくるものには弱く、特に風の強い季節になると車に汚れが目立つようになります。こうなると、カーポートを設置している意味を考えてしまいます。

カーポートをやめたことで生じる不都合

カーポートを使わなくなると、使っていたときと比べて何かしらの変化が生じます。その中で、不都合やマイナス面について解説していきます。
夏場は車内が高温になる
雨風を防ぐカーポートは、太陽光から車を守る役割も担っています。カーポートを撤去すると、太陽光を遮っていた屋根が無くなり、直射日光が車に当たることになります。日差しが強い夏場は車内が猛烈な高温になるため、エアコンをかけてしばらく時間が経ってから乗らないとすぐに汗だくになってしまいます。
車の塗装が劣化しやすくなる
車を覆っている塗装は、太陽光に含まれる紫外線を浴びることで分子が分離します。この現象が、塗装の劣化です。カーポートの屋根が無くなれば紫外線が車に直接降り注ぎ、塗装の劣化が著しく進んでしまいます。また、雹(ひょう)や鳥の糞が車の表面に付着しても、塗装は劣化するもの。このように、車の表面を守るものがなくなるため、カーポートを設置していたときと比べると塗装は劣化しやすくなります。
雪かきや車からの雪下ろしが大変
大雪が降る地域では、自宅や駐車スペースの周辺の雪かきをしなければなりません。カーポートを撤去した場合、雪が車の上とその前の道路に降り積もるため、車の出し入れの際には雪下ろしや雪をかきの作業が発生します。雪は重たいので、冬場になると体力的な大変さを日々感じることになるでしょう。
カーポートがあると便利な家庭

カーポートは、実際に設置してみて必要かどうかわかることもあります。では、カーポートが必要なのは、どのような家庭なのでしょうか。
子どもがいる
カーポートがあれば、子どもが濡れることなく車の乗り降りをすることができます。夏場には、カーポートの下で直射日光を避けながら子どもを水遊びさせることも可能です。また、近隣に迷惑にならない程度で、屋根の下でBBQなどを楽しむこともできるでしょう。このように子どもがいる家庭には、カーポートはとても使い勝手の良いエクステリアになります。
車にこだわりがある
雨や雪などから大切な愛車に傷が付かないよう上からカバーするのが、カーポートの役割です。車にこだわりがあり、できるだけ傷付けたくない。あるいは、車を丁寧に扱って長持ちさせたいのであれば、カーポートは大いに役に立つでしょう。
冬場に車をすぐ使いたい
カーポートは、冬場になると車を雪や霜から守ってくれます。大雪の日でもカーポートがあれば車の上に雪は積もらず、同じく気温が低い日でもフロントガラスに霜は下りにくくなります。このように雪の降る地域に住んでいても、カーポートがあれば車を出す準備に時間をかける必要はありません。
カーポートが必要ない家庭
カーポートを設置してから「やっぱり必要なかった」と後悔はしたくないもの。では、カーポートが必要ないと考えられる家庭について見ていきましょう。
駐車スペースにゆとりがない
カーポートを設置すると、駐車スペースが狭くなることは避けることができません。車の運転が苦手な方は、支柱にぶつけてしまう可能性があります。また、狭くなった分、車への乗り降りにも苦労することになります。駐車スペースに十分な余裕がない場合は、カーポートは設置しないほうが無難です。
住宅の外観とのバランスを重視する
カーポートは、基本的にアルミや鉄など金属の素材で作られています。自宅の建物のデザインによっては、カーポートを設置したことで自宅の敷地全体の雰囲気が損なわれてしまうかもしれません。住宅の外観とカーポートのバランスを重視するのであれば、カーポートの設置は慎重に検討した方が良さそうです。
現在のカーポートを快適に使うポイント

すでに自宅にカーポートを設置している場合、年数が経つと徐々に使い心地が変化していきます。そこでこちらでは、カーポートを快適に使うポイントについて解説していきます。
屋根材を交換する
カーポートは、使っていくうちに屋根に汚れや破損が見られるようになります。そうした劣化が目立つようであれば、屋根材を交換してもいいでしょう。軽量で透過性のあるポリカーボネートの屋根は、外構工事の施工会社に依頼すれば1枚あたり2万5,000円~3万円程度で交換してくれます。DIYで交換する場合は1枚1万円程度のパネル代だけで済みますが、屋根は大きく、高所での作業。危険性は高いので、施工会社に依頼する方が安心です。
まとめ
せっかく多くの費用をかけて設置したカーポート。「やっぱり必要なかった」と後悔はしたくないものです。一方で、カーポートは一度設置すると撤去するのも簡単ではないという側面があります。カーポートのメリットやデメリットをしっかりと理解してから、設置するかどうかを判断しましょう。
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