自宅にカーポートがあれば、雨や雪が降っているような天気の日でも、濡れることなくスムーズに移動することが可能です。便利に感じているからこそ、カーポートを生活の変化などによって「もっと広くしたい」と感じることもあるでしょう。そこで気になるのが、カーポートが延長できるかどうかという点です。この記事では、カーポートを延長するメリットや実際に延長する方法、延長工事の費用の目安、主な工事の依頼先などについて、解説していきます。

カーポートは延長できる?

カーポートは1台用、2台用などの大きさが決まっており、自宅の車の台数に合わせて大きさを選ぶのが基本です。そんなカーポートですが、すでに設置されているものを大きくしたり、延長したりすることができるのでしょうか。ここで言う延長とは、単に自宅の駐車スペースに単に新しいカーポートを設置するのではなく、すでに建っているカーポートに連結するという意味合いです。
カーポートの延長は可能
カーポートは基本的に、現在設置されているものに新しいカーポートをつなげて延長(増設)することが可能です。延長には様々な方法があり、自分の駐車スペースや既設のカーポートによって選択していくことになります。ただし、カーポートの延長にはいくつかの条件があります。
カーポートを延長できる条件
カーポートを延長するための条件は、まず現在のカーポートと延長するカーポートが同じ製品であること。異なるカーポート同士では、すき間なくきれいに連結させることはできません。カーポートの種類によってはすでに販売が終了している場合があるため、延長を検討するのであれば、まずは設置されているカーポートのメーカー名と型名を確認し、それが現在も販売されているかを調べましょう。
また、現在のカーポートの屋根や支柱などの本体部分に、特殊な加工がされていないことも条件の1つです。加工がされている場合はカーポートの接続が難しくなり、スムーズに工事を進めることができない可能性があります。
カーポートを延長するメリット

カーポートを延長することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的な例を挙げてみましたので、確認していきましょう。
多くの台数の車を駐車できる
1台分のカーポートであれば、駐車できるのはもちろん車1台のみです。しかし、カーポートを延長すれば、カーポートに2台以上の車を駐車できるようになります。所有する車の台数が増えた場合、駐車スペースにゆとりがあればカーポートを延長するのもいいでしょう。
雨や雪の日に濡れずに移動できる
駐車スペースから玄関までカーポートを延ばすパターンもあります。玄関から出てすぐにカーポートの屋根があれば、雨や雪が降っている日でも濡れずに車まで移動することが可能です。特に両手に荷物を持っていたり、子どもを抱っこしたりしていたりするときには重宝します。
より広い範囲をカバーできる
空からは、雨や雪はもちろん、鳥のフンやゴミなども落ちてきます。カーポートを延長すると、屋根の面積は以前よりも大きく拡大して、駐車スペースのより広い範囲をカバーできるようになります。そうすることで雨や雪、鳥のフンなどが車に当たりにくくなり、結果としてボディの劣化も防げます。
カーポートを延長する方法
屋根の片側に支柱があるタイプ、屋根の両側に支柱があるタイプなど、カーポートには様々なタイプがあります。どのようなカーポートで、どのような状態に延長するのでしょうか。こちらでは、実際にカーポートを延長する方法について解説していきます。
M合掌タイプ
支柱が屋根の方々にのみ付いている片流れタイプのカーポート。その屋根の支柱が無い側を向い合わせ、端が揃うように連結させたものが「M合掌タイプ」です。支柱はカーポートの外側に位置しているので、駐車しやすい連結の仕方と言えるでしょう。
Y合掌タイプ
2つの片流れタイプのカーポートの支柱部分を、背中合わせに連結させる設置方法です。カーポートを横から見た様子がアルファベットのYの文字に似ていることから、「Y合掌タイプ」と呼ばれています。支柱が中央に集まっているため、開放的に見えます。
縦連棟タイプ
カーポートを縦列駐車のように縦につなげるのが「縦連棟タイプ」で、縦長の敷地を有効に使いたい場合に最適な延長方法です。片流れタイプに加え、柱が屋根の左右に付いている両側支持タイプのカーポートも連結できます。
間口延長
2台用のカーポートを、間口方向に片側の屋根だけ延長させた仕様が間口延長タイプ。屋根が支柱から横にはみ出している形状です。玄関の前にカーポートがある場合、玄関部分まで屋根を延ばせば雨の日も濡れることなく車の乗り降りができます。
延長タイプのそれぞれの特徴

カーポートの延長タイプは、それぞれ異なる特徴があります。こちらでは、各タイプの特徴や強みなどについて紹介していきます。
M合掌タイプの特徴
M合掌タイプは、左右が同じ形式のカーポート同士はもちろん、横幅が異なるカーポートを組み合わせることも可能です。様々な形状の敷地に対応でき、さらに片方に普通車、もう片方に大型車などサイズの異なる車を駐車する場合などに適しています。
Y合掌タイプの特徴
Y合掌タイプは、連結させた2つのカーポートの真ん中に支柱があります。M合掌タイプと同様、サイズ違いのカーポートであれば組み合わせることができるため、設置場所の応じて柔軟に対応できる設置方法と言えます。また、支柱を設置したい場所に干渉物がある場合も、Y合掌タイプであれば避けやすいというメリットがあります。その一方で、連結部分(Y字の真ん中)がくぼんでいるため水がたまりやすく、雨の多い地域ではこのY合掌タイプは向いていません。同じく雪も積もってしまうため、積雪が多い地域ではじっくり検討する必要があります。
縦連棟タイプの特徴
幅が狭い敷地に適しているのがこの縦連棟タイプです。間口の寸法が確保できないような場合や、駐車スペースとして細長い場所しか取ることができない場合には、このタイプが向いています。ただ、駐車スペースが道路と直角の場合、2台あるうちの奥の車は、前の車が出てからでなければ移動させることはできません。そのため、頻繁に乗る車を前方に駐車したほうがスムーズに出し入れできます。
間口延長タイプの特徴
通常のカーポートよりも屋根の面積が大きいため、より雨や雪を避けることができるという特徴があります。ただし、全てのカーポートが間口を延長できる仕様になっているわけではありません。間口の延長を検討している場合、自宅のカーポートが屋根を延長できる仕様かどうか施工会社に事前に確認する必要があります。

カーポート延長工事の費用の目安
カーポートは大きいエクステリアで、設置には少なくない費用がかかります。こちらではカーポートの延長工事にかかる費用の目安について、解説していきます。
標準的なカーポートの場合
M合掌タイプやY合掌タイプなどでカーポートを延長することは、基本的には新たなカーポートをもう1基設置するということです。サイズや素材、形状によって価格は異なりますが、セダンの車が1台入るサイズで片側に支柱がある片流れタイプという標準的なカーポートの場合は、本体と工事費を合わせて13万円程度から選ぶことができます。
屋根がフラットなカーポートの場合
片流れタイプでも、屋根がアーチ状ではなくフラットなカーポートもあります。このタイプはモダンなデザインで、スタイリッシュな印象を受けます。設置の費用は、工事費込みで14万円前後からが相場です。
耐久性の高いカーポートの場合
片側にのみ支柱が付いているカーポートには、支柱の反対側に屋根を補強するサポート柱を取り付けられるタイプがあります。このタイプは積雪や強風への耐久性が高いため、価格は一般的なカーポートよりも高めに設定されています。価格は20万円程度からが目安です。
カーポートの延長工事はどこに依頼できる?

カーポートの延長や増設の工事は、地面に大きくて重たい構造物を建てる作業です。どこかで資材を買ってきて、自分で設置するというわけにはいきません。そこでこちらでは、カーポートの延長工事の主な依頼先について紹介していきます。
ホームセンター
ホームセンターでは、様々なメーカーのカーポートが販売されているだけではなく、設置工事まで実施しているケースもあります。カインズ・リフォームでも、有名メーカーの商品はもちろん自社ブランドの商品も取り揃えており、豊富なラインナップから選ぶことが可能です。本体の購入後は、自宅への設置工事も行っています。
外構工事の専門業者
カーポートの設置工事など外構工事を専門にしている施工会社は、しっかりしたノウハウを持っているため安心して依頼できます。ホームページなどから会社を見つけることはできますが、多くの施工会社から同時に工事の見積もりを取れるサイトを利用して探すという手段もあります。
ハウスメーカー
住宅の新築工事や現在のカーポートの設置に携わったハウスメーカーに、カーポートの延長工事も依頼することは可能です。自宅のことを知っているため話はしやすいですが、最終的な工事は一般的に外構工事の施工会社が担当することになります。そのため、費用は外構工事の会社に直接依頼するよりもかかります。

まとめ
すでに設置されているカーポートを増設などで延長する場合には、いくつかの方法があります。ただ、実際に延長工事をする前には、どの方法が自宅の敷地に適しているのか、どれくらいの費用がかかるのかなどを見極めることが大切です。どの方法が合っているのか判断がつかないときは、リフォームの専門家に相談してもいいかもしれません。疑問を解決するための助けになってくれるはずです。プロの助けを借りながら、自宅のカーポートを、より使い勝手が良い素敵なカーポートへと作り変えましょう。
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