駐車場の拡張工事で押さえておくべきポイント！必要なスペース、費用を抑えるコツなども解説

「車の出し入れをもっとスムーズにしたい」「家族や来客用に複数台の車を置ける駐車場にしたい」といったニーズから、駐車場の拡張リフォームを計画されている方もいるのではないでしょうか。その場合、「敷地内で何台分のスペースを確保できるかわからない」「費用の相場はどのくらいになるだろう」といった疑問はつきものです。

そこで今回は、駐車場の拡張工事を行なうために押さえておくべきポイントから、費用を抑えるコツ、実際の事例などを紹介します。

駐車場の拡張に必要なスペース

駐車場を整備するために必要な「広さ」について、車1台当たりのスペースはもちろん、取り回しのための通路なども含めて、具体的な数字をまとめました。

車1台あたりの駐車場スペース

住宅に付属した駐車場を拡張する際、まず考慮すべきは1台あたりに必要なスペースでしょう。国土交通省の駐車場設計・施工指針によれば、原則として下記の表に示した数値以上のスペースを確保することが推奨されています。

車両種別	推奨幅	下限幅
軽自動車	7.0m	5.5m
小型乗用車	7.0m	5.5m
普通乗用車	7.0m	5.5m
小型貨物車 （軽トラック・バン）	7.5m	6.5m
大型貨物車・バス	13.0m	11.5m

 

なお、普通乗用車の駐車場に必要なスペースを坪数で表わすと、約4.5坪です。

駐車場の拡張で考慮するべき車路

駐車場を拡張するのであれば、必然的に複数台の車を置くことになります。その場合、切り返しなどを行なうための「車路」についても考慮しておく必要があるでしょう。ただし、車路の位置は必ずしも駐車場の敷地内でなくても構いません。駐車場が道路に面している場合はそこを車路のスペースに含めて考えることもできます。周囲の環境も含めて、車が出入りできるかどうか確認しておくのがおすすめです。

上記の駐車場スペースでとりあげた国土交通省の資料によれば、下記の表で示す幅の車路が必要とされています。

車両種別	推奨幅	下限幅
軽自動車	7.0m	5.5m
小型乗用車	7.0m	5.5m
普通乗用車	7.0m	5.5m
小型貨物車（軽トラック・バン）	7.5m	6.5m
大型貨物車・バス	13.0m	11.5m

 

なお国土交通省の駐車場設計・施工指針は、主に商業施設やコインパーキングなどの事業用駐車場を対象としたものですが、安全な駐車場を設計するための指針であるため一般住宅で駐車場を整備する場合でも参考となるでしょう。

関連記事：駐車スペースを土間コンクリートに！価格・メリット・注意点は？

カーポートの設置スペース

車を雨や汚れから守るための屋根として、カーポートを設置する場合もあるでしょう。その場合は柱を立てるため、自動車の周りに30～40cm程のスペースが余分に必要です。駐車場スペース内に収まることも多いですが、ギリギリで設計してしまうと柱が邪魔になって乗り降りしづらくなってしまうという点に注意しておいてください。また、カーポートのタイプによっては法律上「建築物」とみなされるため、土地の大きさに対する建物のサイズを規定する「建ぺい率」により設置できないケースもあるという点も、事前の確認が欠かせません。

駐車場を拡張する際のレイアウト

効率的に駐車場を設置するための参考として、レイアウトのアイデアと、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。

道路に対して並行の駐車場

道路に沿って並行に車を配置するレイアウトです。幅寄せのみで入庫できるため、比較的駐車しやすい方法と言えるでしょう。一方で、駐車する台数分の長さに加えて、建物への出入りのための通路分の幅が必要となるため、道路に面した間口が広い敷地であることが条件となります。

道路に対して直角の並列駐車場

切り返しを行ない、いわゆる車庫入れの形で駐車する方法です。道路に対する敷地の間口がある程度狭くても駐車場スペースを確保できるため、もっとも一般的なレイアウトとなっています。ただし、車を横並びで停めることになるため、乗り降りの際にドアがぶつかったりしないだけの横幅が求められます。また広さの問題だけではなく、正確に車庫入れができる運転技術も必要です。

道路に対して直角の縦列駐車場

道路に対して直角方向に伸びた敷地のスペースを利用して、縦に車を並べて配置します。敷地の奥行が長い場合に適しており、道路に対する間口が1台分でも、複数の車を止められることがメリットです。ただし、道路への出口が1ヶ所の場合は、奥の車を出すために手前の車を動かす手間がかかることになります。

道路に対して斜めの並列駐車場

道路から車の頭を入れる形で駐車できるため、出し入れが比較的容易となることが特徴です。車同士の接触リスクも減らせるため、家族がそれぞれの車を所有しており、頻繁に出し入れを行なうといったケースに適しています。デメリットとしては、間口も奥行も比較的広い敷地が必要となることが挙げられます。

リフト式の駐車場

自動車リフトを用いて、垂直方向で複数台を駐車する方法です。敷地の空いているスペースが1台分でも、複数台分の駐車場を拡張できます。ただし、大型の機械を導入するため初期費用やメンテナンスといった大きなコストが発生します。くわえて、出し入れの際には下の車を一旦動かしてから出なければ、リフト上の車を出すことはできない点にも注意が必要です。

駐車場拡張工事の費用目安

駐車場の拡張という大がかりな工事ですから、どのくらい費用がかかるかは事前に知っておきたいものです。舗装タイプ別に、大まかな相場をまとめました。

コンクリートでの舗装費用

駐車場をコンクリートで舗装する場合、耐久性と排水性が高く、掃除もしやすいといったメリットがあります。ただし費用は高くなりがちで、1平方メートル当たり2万円～4万円、1台分のスペースを10平方メートルとすると30万円～40万円程度が相場です。

関連記事：駐車場のコンクリート工事はいくらかかる？費用明細・安くするコツとは？

アスファルトでの舗装費用

コンクリートに比べると安価な舗装材として、アスファルトが選ばれることも多いでしょう。費用は1平方メートル当たり1万円～1万5,000円程度で、10万円～20万円で1台当たりのスペースを舗装できます。ただし耐用年数が短い傾向にあり、10年以内にひび割れなどが発生して張り替える必要が出てくる可能性も高いでしょう。また、地面が柔らかい、傾斜が大きいといった場所では施工ができない可能性もあります。

砂利での舗装費用

土の上に砂利を敷き詰める方法も、比較的安価に駐車場を施工する選択肢の1つです。費用の相場としては、1平方メートル当たり8,000円～1万5,000円程度で、1台当たり8万円～15万円が相場となっています。照り返しで周囲に熱がこもるといった状況を抑えられるメリットもありますが、雑草除去にかかるメンテナンスの手間や、車が出入りする際の音がデメリットです。

石材やブロックでの舗装費用

石材やブロックを活用すると、均一で無機質な舗装とは異なるスタイリッシュな駐車場にできます。大小さまざまな石材を隙間なく並べる乱石貼りや、ナチュラルな雰囲気が魅力のレンガ敷きなどの手法があります。ただし、費用はコンクリートよりも高額です。1平方メートル当たり6万円～10万円、1台当たり70万円ほどかかります。

外構工事の費用

地面の舗装のほか、防犯性を高めるためにフェンスやゲートといった外構設備の設置が必要なケースでは、さらに費用がかかります。導入する設備によって大きく変動しますが、道路側にフェンスを建てる場合で1台当たり10万円程度は見込んでおいた方が良いでしょう。

関連記事：駐車場工事の費用相場は？内訳・素材・安くする方法を解説

駐車場拡張工事の費用を抑えるコツ

工事費用を抑えるために、知っておきたいポイントを紹介します。

複数の業者から見積を取る

駐車場拡張工事では、資材の費用よりも作業費や人件費が大きな割合を占めるため、業者によって価格が大きく変わることがあります。複数の業者へ見積依頼を出して比較することで、より明確な相場をつかめるでしょう。ただしその際には、価格だけではなくアフターサービスなども考慮して決定した方が良いということも覚えておいてください。

コンクリートで部分的に舗装する

耐用年数の長いコンクリートを使用しながら費用を抑えるために、タイヤの乗る部分だけをコンクリートで舗装するといった方法もあります。コンクリート以外の部分は砂利や人工芝、レンガなどで代用することで、デザイン性の高い駐車場となる点もメリットと言えるでしょう。

将来の拡張まで見越して工事する

当然のことながら、車が増えるごとに駐車場を拡張していくのは効率的とは言えません。一度に工事してしまった方が1台分の単価は低くなりますし、複数台分のスペースをバラバラに工事していけば場所によって耐用年数が変わってしまうためです。将来、さらに駐車場を拡張する必要性が出てくるのであれば、今のうちに工事しておくという選択肢も想定しておいた方が良いでしょう。

施工事例：ゲート付き駐車場

 

 

実際の施工費用や工期などもイメージしていただけるよう、カインズリフォームで手がけた駐車場工事の事例を紹介します。こちらの工事は、ブロック塀で囲まれていた庭をコンクリート舗装の広々とした駐車場へのリフォームです。カーポートと跳ね上げ式のゲートも設置しました。

施工金額	174万円
工期	24日

※価格は施工時2023年5月時点のものです。

関連記事：小山市のお客様の外構・駐車場工事

まとめ

自宅の駐車場が広くなれば、日常生活と車の利便性は大いに向上します。とはいえ、限られた敷地内で効率的にスペースを確保するためには、さまざまな工夫が必要となるでしょう。ぜひ今回解説した内容を、適切な費用で最適な駐車場拡張プランにしていくための参考にしてみてください。

カインズリフォームでも、駐車場の拡張リフォームを行っています。店頭の相談カウンターやWeb、電話などの窓口からお気軽にご相談ください。

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