カーポートは、雨や雪の日でもストレスなく車に乗降できる、鳥の糞など上空からの落下物から汚れを防ぐなどのメリットがある便利な設備です。
しかし、雪が多い地域では、積雪によるカーポートのトラブルを防止するための積雪対策が必要です。この記事では、積雪対策や積雪に強いカーポートの選び方などを詳しく解説するので、参考にしてみてください。

積雪によるカーポートのトラブルとは?
カーポートは、積雪により3つのトラブルが発生する可能性があります。ここからは、積雪によるトラブルを解説します。
雪やつららが落ちる危険性
カーポートの屋根に雪が積もったり、つららができていたりしても忙しいと対応を後回しにしてしまいがちです。雪やつららは気温の変化などで落ちる危険性があるため、メンテナンスがしやすいカーポートを設置しましょう。
雪の重みでカーポートが倒壊する
カーポートの耐積雪荷重性能はさまざまです。積雪量の多い地域では一般的なカーポートの耐積雪荷重性能を超えてしまうことが珍しくありません。耐積雪荷重性能を超える積雪があった場合、カーポートの倒壊や愛車の破損などのリスクがあります。
耐雪カーポートを設置したいのに着工できない
実際に雪が降ってから耐雪カーポートの設置を依頼しても、すぐに着工できるとは限りません。注文が重複して順番待ちになったり、雪による渋滞で資材が入らず着工できなかったりする可能性があります。カーポートを設置するなら早めの対策が肝心です。

【積雪対策】カーポート設置前にチェックするべき3つのポイント
耐雪カーポートを設置する場合、事前に確認するべき3つのポイントがあります。ひとつずつ確認していきましょう。
カーポートの積雪強度を確認する
一般的なカーポートの耐積雪量は約20cmです。しかし、気象庁の「最新の気象データ」によると、2021年11月時点で観測史上1位の積雪が400cmを超える地域もあるため、居住地域の積雪量とカーポートの耐積雪量を確認しておかなければなければなりません。雪質によって重量が変わることも考慮しましょう。
カーポートの補強を検討する
カーポートの強度をより高めたい場合は、補助柱を設置することで耐雪強度を上げられます。積雪が気になる期間だけ設置できる着脱可能なタイプもあります。
専用の雪下ろし道具を用意しておく
通常の雪かきスコップやほうきで雪下ろしをすると、屋根を痛めることがあります。ホームセンターなどで販売されている専用の「雪下ろし棒」を用意しておきましょう。専用の道具を使用すれば、屋根を痛めずに雪下ろしができます。

積雪に強いカーポートの選び方
ここからは、積雪に強いカーポートを選ぶ際のポイントを4つ解説します。
耐積雪量で選ぶ
耐雪カーポートは、「カーポートの積雪強度を確認する」の箇所でも触れた「耐積雪量」に合わせて選びます。対積雪量は商品によって異なりますが、メーカーによっては豪雪地帯にも対応する対積雪量約200cmというカーポートもあります。
安全性の高い両足支柱タイプを選ぶ
片流れタイプや後方支柱タイプはリーズナブルで設置しやすい反面、柱が片側のみで不安定なことから、積雪による影響を受ける可能性があります。積雪の多い地域の場合は、安定感のある柱が4本以上の両足支柱タイプを選ぶと安心です。
積雪対策に詳しいリフォーム会社に相談する
地域によって積雪量には差があります。カーポートの積雪対策を考えるのであれば、積雪対策に詳しい地元の会社や実績が多い会社に相談するのがおすすめです。これまでの実績をもとに、適切なアドバイスをしてもらえます。
関連記事:カーポートの屋根材・柱の素材|おすすめの種類と選び方を解説

耐雪カーポートの費用目安
耐雪カーポートの費用は、1台用の場合は200,000~300,000円程度、2台用の場合は300,000~650,000円程度が目安です。耐雪カーポートは施工する際に、本体価格のほかに施工費用がプラスされます。交換や再設置をする場合は、さらに解体・撤去として40,000~150,000円が必要です。

カーポートの雪下ろしを始める目安
カーポートの積雪対策を考える際は、雪下ろしのタイミングもポイントです。ここで、雪下ろしを始める目安を解説します。
20cm程度積もったら雪下ろしを行う
カーポートの多くは耐積雪量が約20cmとなっています。そのため、雪下ろしを行う目安は基本的に雪が20cm程度積もったときです。ただし、あくまでも目安なので、雪が20cm程度積もるまで待つ必要はありません。
積もりきる前に行う
カーポートの耐積雪強度は新雪を想定して設定されています。水分量の多い雪は重量が増すため、耐積雪量に達していなくてもカーポートが重みに耐えられなくなる可能性もあります。雪の重みで雪下ろしも困難になるため、耐雪カーポートであっても積もりきる前に雪を下ろしましょう。

カーポートの雪下ろしを行う際の注意点
カーポートの雪下ろしでは、注意点が3つあります。カーポートの雪下ろしを行う際は、以下の点に注意しましょう。
カーポートに乗らない
カーポートの屋根が平らであっても屋根の上に乗ってはいけません。雪で滑り落ち怪我を負う危険性やカーポートが破損する可能性があります。雪が降った後の地面は不安定なので、脚立やはしごの使用も避けましょう。
水・お湯をかけない
水やお湯をかけると雪がスムーズに溶け出しそうなイメージがありますが、実は逆効果です。水分を含んだ雪が凍結して重量が増すため、水やお湯をかけてはいけません。すでに雪が凍っている場合は、自然に溶け出してから下ろします。
融雪剤は使わない
融雪剤の主な成分は塩化カリウムで、カーポートや車に付着するとサビついてしまう可能性があります。コンクリートを痛めることもあるため、カーポートにはもちろん、地面の雪への使用も避けましょう。

積雪によるカーポート破損は保険対象になるケースもある
雪災が含まれている火災保険に加入している場合、カーポートの破損が積雪によるものと認められれば保険対象になるケースがあります。ただし、修理やリフォームにかかる費用が200,000円以下の場合は保険を活用できないこともあることから、火災保険の契約内容を確認してみましょう。

耐積雪30cm対応のおすすめカーポート
ここからは、耐積雪30cm対応のおすすめカーポートを紹介します。
VICポート αIII+耐風積雪パッケージ 51-24型 | カインズオリジナル

耐積雪30cm。カインズオリジナルR型で、片流れタイプのカーポートに、屋根ふき材補強部品・母屋補強材・専用の補強柱がセットになっています。専用の補強柱があるため、片流れタイプでも安定感があります。紫外線をほぼ100%カットする屋根材を採用しているところもポイントです。

耐積雪50cm対応のおすすめカーポート
ここからは、耐積雪50cm対応のおすすめカーポートを紹介します。
ガーデンフェイス ワイドポート50 54-50型 6本柱 (2台用) | カインズオリジナル

耐積雪50cm。屋根が雪下ろししやすい緩やかな曲線を描く、2台用のワイドポートです。安定感が抜群の6本柱になっています。屋根材には衝撃に強く弾力性のある、ポリカーボネートが標準装備されています。

ガーデンフェイス ワイドポート50 54-50型 6本柱 (2台用) ロング柱 | カインズオリジナル

耐積雪50cm。上記の「ガーデンフェイス ワイドポート 50 54-50型 6本柱 (2台用)」よりも、高さが348mmあるタイプのカーポートです。高くなっていることで、駐車時にゆとりができます。車種や設置スペースに合わせて選びましょう。

ガーデンフェイス 折板カーポート50 55-55型 4本柱 (2台用) | カインズオリジナル

耐積雪50cm。屋根がフラットなので、カーポートと隣家の距離が近い場合も、カーポートの屋根に積雪した雪が隣家に落ちる心配がありません。柱寸法が大きいことから、耐風性にも優れています。屋根材はスチール折板です。

エフルージュ ツイン50 51-54H型 ハイルーフ | YKKAP

耐積雪50cm。フラットな屋根を4本の柱がしっかり支えます。エフルージュシリーズの標準タイプは高さが2,000mmですが、こちらの高さは2,393mmで車高の高い車にも対応しています。屋根はポリカーボネート素材で、光を遮りません。

耐積雪100cm~対応のおすすめカーポート
最後に、豪雪地域でも設置しやすい、耐積雪100cm~対応のおすすめカーポートを紹介します。
ガーデンフェイス 折板カーポート100 55-55型 4本柱 (2台用) Aタイプ セミハイルーフ柱 | カインズオリジナル

耐積雪100cm。4本柱で、フラットなデザインの屋根材はオールスチール折板を採用しています。柱は業界最高水準の耐風圧強度を誇るため、積雪が多い地域をはじめ強風になることが多い地域にもぴったりなカーポートです。

セルフポートパワー II 3000タイプ 2台用 5555タイプ 4本柱 | LIXIL

耐積雪100cm。セルフポートパワーIIは、砂を堆積する試験で規定荷重をクリアした素材です。柱や屋根材だけでなく、屋根枠などの細部の強度まで追求して設計されたカーポートで、雪や風に耐えられる強度を実現しています。

ガーデンフェイス 折板カーポート150 55-55型 6本柱 (2台用) Bタイプ | カインズオリジナル

耐積雪150cm。オールスチール折板屋根材と、奥行方向に対する揺れを軽減する6本の柱で、150cmまでの積雪に対応しています。平面の屋根で隣家や道路に雪が滑り落ちる心配が少ないことも、安心できるポイントです。

カーポートの積雪対策のまとめ
カーポートを設置する際は、居住地の積雪量を確認しながらカーポートの耐積雪量と照らし合わせて選びましょう。積雪量の多い地域ほど、安定性の高い両足支柱タイプを選ぶこともポイントです。また、こまめに雪下ろしをしておくことでカーポートの倒壊を防ぎ、周囲の安全も守られます。

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