カーポートの機能性やデザイン性は、素材に左右されます。この記事では、カーポートの設置を検討する人に向け、アルミのカーポートをはじめ、柱や屋根に使われる素材を紹介します。おすすめのカーポートも紹介するため、参考にしてください。

カーポートの形状
カーポートの形状は、車の駐車台数と屋根の支持方式で変わります。カーポートの形状について解説します。
車の駐車台数
カーポートは、1~3台まで駐車する車の台数に応じてサイズを選べます。1台分に車半分ほどの広さをプラスしたカーポートも設置可能です。
複数の車を停めるカーポートは、前後に駐車する奥行の長いタイプと、横並びに駐車するタイプに分けられます。また、複数のカーポートを連結させると、3台以上の駐車スペースも確保できます。
屋根の支持方式
カーポートによく見られる屋根の支持方式は、片側支持と両側支持です。片側支持のカーポートは1台用や縦列駐車タイプに適しており、導入予算を抑えられ、コンパクトなスペースでも設置しやすいというメリットがあります。両側支持のカーポートは強度があり、積雪量が多い地域や強風が懸念される地域に向いています。

カーポートの素材
カーポートの柱や屋根に使われる素材の特徴を、メリットとデメリットをまじえて解説します。
アルミ
アルミのカーポートは、メンテナンスが簡単で、デザイン性や防火性に優れています。カーポートの設置費用も、アルミであれば安く抑えられます。一方、アルミのカーポートはカスタマイズが難しく、耐久性がやや弱い傾向です。アルミのカーポートについては、メリット・デメリットともに後ほど詳しく解説します。
スチール
スチールのカーポートはカスタマイズしやすく、アルミよりは負荷がかかりますがメンテナンスも手軽です。スチールは錆びやすいため、数年に一度ほどのペースで錆止めを塗ってお手入れをしましょう。
スチールのカーポートは素材自体の単価が高く、アルミのカーポートよりも費用がかさみます。また、スチールのカーポートは頑丈な柱やボルトが目立ってしまうため、デザイン性に物足りなさを感じる人もいます。
ポリカーボネート(屋根材)
ポリカーボネートは、アクリルに似たプラスチック素材です。ポリカーボネートは軽くて衝撃に強く、透明性が高いため日差しを多く取り込みます。明るさを確保しつつも紫外線をほぼ100%カットするうえに、赤外線の大半までカットする種類もあります。また、加工性にも優れており、屈曲した屋根にも使用可能です。
ポリカーボネートは薬品に弱いため、溶剤や薬品は避けましょう。また、ポリカーボネートは暑さ寒さには強いですが、高温高湿環境に置くと加水分解により劣化する可能性があります。
塩化ビニール(屋根材)
塩化ビニールは、透明性が高く、柔らかく割れにくい特性をもちます。特に、ガラス繊維ネットを挟んだ硬質塩化ビニール素材は頑丈です。ただし、塩化ビニールは紫外線に対する耐久性が弱く、近年ではカーポートに使用されるケースは滅多にありません。
アクリル(屋根材)
アクリルは切断・曲げ・穴開けなどの加工がしやすく、透明性の高い素材です。アクリルの屋根材も、紫外線への耐久性の低さからカーポートへの利用が減ってきています。アクリルの屋根材に変わり、近年カーポートの屋根材に使われるようになった素材が、ポリカーボネートです。
FRP(屋根材)
FRP(Fiber-Reinforced Plastics)はプラスチック複合材の一種で、ガラスなどの繊維を混ぜ込ませて強度を向上させた屋根材です。FRPの強度はポリカーボネートを上回るほどで、透明性が高い傾向があります。また、特殊加工をした熱線遮断タイプや、防火性のあるタイプのFRPも登場しています。
高機能で丈夫なFRPですが、価格が割高です。一般家庭のカーポートにはあまり見られませんが、オプションとしてFRPを屋根材に選ぶことも可能です。

カーポートの柱の素材はアルミとスチール
カーポートの屋根材には多くの種類がありますが、カーポートの柱はアルミとスチールに二極化しています。以降では、カーポートの柱に使われるアルミについて、機能性やデザイン性の観点から向き不向きを紹介します。

カーポートにアルミの柱が向いている状況
アルミはメンテナンスが手軽で、費用を抑えつつもデザインにこだわれます。カーポートにアルミの柱が向いている状況を紹介します。
簡単にメンテナンスしたい場合
スチールに比べアルミは錆びにくく、錆止め塗装が不要です。ただし、アルミの柱と屋根材を固定する部分は劣化しやすいため、汚れやゴミは様子を見て取り除きましょう。
カーポートの汚れが目立ってきた場合は、雑巾で拭き掃除をします。汚れがひどければ、中性洗剤を含ませた雑巾で拭きましょう。中性洗剤はよく洗い落とし、乾拭きをして仕上げます。
費用を抑えたい場合
アルミのカーポートは素材の単価が安く、既存のパーツを組み合わせてつくるため設置費用を抑えられます。また、アルミはスチールと比べるとお手入れが簡単で、メンテナンス費用もそれほどかかりません。
アルミのカーポートはデザイン性にこだわるほど価格が上がります。設置費用を抑える場合は、予算を決めてからデザインを選びましょう。
スタイリッシュさを求める場合
アルミのカーポートにはスタイリッシュなデザインのものが多く、曲面など表現のバリエーションが豊富です。一方、スチールのカーポートは、材料の特性上直線的な構造になり、ボルトがむき出しになってしまいます。デザイン性は、アルミのカーポートに軍配が上がります。

カーポートにアルミの柱が向かない状況
カーポートに耐久性が必要な場合やカスタマイズを希望する場合は、アルミの柱が向かない場合があります。
積雪への耐久性を求める場合
アルミのカーポートは耐久性が極端に弱いわけではありません。しかし、スチール製のカーポートと比べると耐久性は弱めです。
積雪量の多い地域でアルミのカーポートを設置する場合は、柱の本数を増やすなど耐久性を重視する必要があります。また、アルミのカーポートは早めの雪下ろしをして、屋根の負荷を引き下げることも重要です。
カスタマイズ性を求める場合
先述したとおり、アルミのカーポートは既存のパーツを組み合わせて設置します。そのため、スチールのカーポートに比べると、サイズや高さ調整のカスタマイズが難しくなります。たとえば、特殊な形をした土地にカーポートを設置する場合は、アルミ製のカーポートでは対応できないかもしれません。
棚や壁を取りつけたい、チェーンブロックをかけたいなどのこだわりがある場合も、アルミのカーポートでは難しい場合があります。

おすすめカーポート
おすすめのアルミのカーポートを紹介します。
VIC port αII 51-24タイプ 標準柱 | カインズオリジナル
構造部材に高強度アルミ形材を使用しており、耐久性の高い片側支持のカーポートです。風速は最大34m/秒まで、積雪量は最大20cmまで耐えられます。また、屋根材はポリカーボネート板で、カラーバリエーションは3色です。サイズは間口が2,400mm、奥行が5,052mm、高さが1,800mmです。
本カーポートではオプションで、屋根材を熱線遮断ポリカーボネート板に変更でき、サイドパネルや着脱式サポート柱もつけられます。

ソルディーポート 1台用 30-50型 セミロング柱│LIXIL
耐久性の高い両側支持のカーポートです。屋根材は、雪や風に強く太陽の光を取り込めるポリカーボネートで、風速は最大46m/秒まで、積雪量は最大50cmまで耐えられます。フラットな屋根はスタイリッシュで、デザイン性と耐久性を両立したカーポートといえます。
本カーポートのカラーバリエーションは4色です。また、サイズは間口が2,989mm、奥行が5,009mm、高さが2,500mmです。

レイナポートグラン50 51-27型 ロング柱 | YKKAP
高強度アルミ形材を使用した3本の柱で支えるカーポートです。片側支持でありながら、風や雪、雨水から車をしっかり守ります。なお、風速は最大38m/秒まで、積雪量は最大50cmまで耐えられます。
本カーポートの本体カラーは5色で、サイズは間口が2,700mm、奥行が5,052mm、高さが2,348mmです。 オプションで、屋根材を熱線遮断タイプのポリカーボネート板に変更でき、着脱式サポート柱もつけられます。

まとめ
アルミのカーポートは、メンテナンスが簡単でデザイン性が高く、設置費用も抑えられます。雪が深くなる地域では、積雪への耐久性も重視してアルミのカーポートを検討しましょう。

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