- 新築の戸建てに宅配ボックスは必要?
- 宅配ボックスにはどんなメリットがある?
- 荷物を盗まれる心配はない?
宅配ボックスの設置にあたり、こうした疑問や不安を抱える方は多いでしょう。
宅配ボックスには大きく3種類あり、それぞれ費用相場やセキュリティー性が異なります。また、中には設置工事が必要なものもあり、家全体の外観に影響する可能性もあります。
この記事では、戸建てに宅配ボックスを設置するうえでの注意点、上手な選び方、3種類の宅配ボックスの違いなどを詳しく解説します。あとになって「別のタイプにすればよかった」と後悔しないよう、事前にそれぞれのメリット・デメリットを比較しておきましょう。
宅配ボックスを新築戸建てに設置するメリット

はじめに宅配ボックスを設置するメリットを挙げると、主に次の3つが考えられます。
- 不在時にも荷物を受け取れる
- 宅配業者と対面する必要がない
- 睡眠の邪魔をされない
宅配ボックスを設置しようか迷っている方は、こうしたメリットが自分にも当てはまるかを基準にして、設置の有無を検討してみてください。
不在時にも荷物を受け取れる
宅配ボックスを設置する一番のメリットは、やはり不在時にも荷物を受け取れることでしょう。宅配ボックスがない家だと、宅配指定時間に家にいるようスケジュールを調整したり、再配達を申し込んだりと、さまざまな手間がかかるものです。
また、再配達による配送業者への負担は社会問題にもなっており、よりスムーズな宅配にも一役買っているといえます。
宅配業者と対面する必要がない
宅配業者宅配ボックスに荷物を投函すれば、受取人は宅配業者と対面する必要がありません。これにより、次のような状況でも日常生活を邪魔されることなく荷物を受け取ることができます。
- お風呂やトイレに入っている
- 料理や家事で手が離せない
- 休みの日でメイクをしていない
- お風呂上がりで髪が濡れている
- 家の中が散らかっていて見られたくない
宅配業者はエリアごとに担当が決まっており、自宅に荷物を届けてくれる人は大体決まっているものです。宅配ボックスがあれば、たとえよく知っている宅配業者の方でも顔を合わせる必要がなく、恥ずかしい思いをすることはありません。
睡眠の邪魔をされない
宅配ボックスがあれば、基本的に宅配業者がインターホンを鳴らすことはありません。そのため、夜勤で日中に睡眠をとっている方や、疲れて昼寝をしているときでも、インターホンの音によって睡眠を邪魔されてしまう心配がないといえます。
また、小さな赤ちゃんがいる家庭では、インターホンの音で子どもが起きてしまうのは「あるある」です。寝かしつけの手間や睡眠リズムを考えると、赤ちゃんの睡眠を邪魔されないのは、子育て世帯にとって大きなメリットと言えるでしょう。

【戸建て】宅配ボックスは大きく3種類にわかれる

「宅配ボックス」と一口に言っても主に次の3種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。
基本的に、宅配ボックスでは「設置の簡単さ」と「セキュリティーの高さ」は反比例します。セキュリティーを重視するなら、たとえ最初に手間がかかっても、工事が必要な「壁埋め込み型」を選ぶと良いでしょう。
|
メリット |
デメリット |
簡易型 |
置くだけで設置が完了する
使わないときは家の中にしまうことで、見た目がスッキリする |
簡単に外れてしまうため、盗難のリスクが高い
強雨により荷物が濡れるリスクがある |
設置型 |
盗難のリスクが低い
デザイン性に優れ、外観がおしゃれになる
あとからでも設置できる |
設置スペースによっては邪魔になる |
壁埋め込み型 |
盗難のリスクがきわめて低い
ポストなどと一体化することで、全体の見た目がすっきりする |
工事が必要
あとから設置するには費用が高くなりやすい |
「簡易型」:工事不要で手軽
「簡易型」は、玄関先に置くだけという手軽さが魅力の宅配ボックスです。宅配ボックスを紐やチェーンなどでドアに固定できるため、工事は必要ありません。ボックスは軽くて持ち運びしやすいうえ、折りたためることから収納しやすいのもメリットです。そのため、使わないときは自宅の中に収納でき、玄関先の見た目をすっきりとさせることができます。
一方で、設置が簡単なぶん、それだけ盗難のリスクが高いというデメリットがあります。軽くてコンパクトなのは簡易型の魅力ですが、逆にボックスごと盗まれてしまうというケースも少なくありません。また、布製のボックスだと、ナイフなどで引き裂いて中の荷物をとられてしまうというケースもあります。
さらに、宅配ボックスを外に出しておくと留守であることがわかり、空き巣に狙われやすいというデメリットもあります。気軽に設置できるのは簡易型の魅力ですが、防犯性が完璧ではないことは理解しておく必要があるでしょう。
「設置型」:防犯性もあり、工事も不要
「設置型」は、地面に固定するタイプの宅配ボックスを指します。地面に固定されることからボックスごと盗まれる心配がなく、「簡易型」よりもセキュリティー性は高いといえます。
一方で、デメリットとしては設置場所を間違えると動線の邪魔になってしまう点が挙げられます。「設置型」なら新築以外の物件でも後付けが可能ですが、実際の生活を想定して邪魔にならないか確認する必要があるでしょう。
「壁埋め込み型」:とにかく防犯性が高い
「壁埋め込み型」は、その名の通り、玄関横の壁などに埋め込むタイプの宅配ボックスを指します。壁に埋め込むことから、3つのタイプの中でもっともセキュリティー性が高く、盗難に遭うリスクはきわめて低いといえます。また、壁に埋め込むことから宅配ボックスが目立つこともなく、玄関先の見た目もスッキリとするでしょう。
一方でデメリットとしては、設置工事が必要なことや、後付けが難しいことなどが挙げられます。特に、あとから「壁埋め込み型」を設置しようと思っても玄関周辺に大幅な工事が必要となってしまうため、あまり現実的ではありません。「壁埋め込み型」を設置するなら、新築時に導入するのが理想的です。

失敗しない!戸建て用宅配ボックスの選び方

宅配ボックスを選ぶ際は、ここまで紹介した3つのタイプに加え、次の4点に注意する必要があります。
素材
宅配ボックスに使われる素材は、大きく次の3種類に分けられます。
【ポリエステル】
ポリエステルは、「簡易型」によく用いられる素材です。軽量で折りたたみ可能なうえ、費用が安くなりやすいため、あまりコストをかけたくない人やはじめて宅配ボックスを導入する方に向いているでしょう。
一方でデメリットとしては、盗難に遭いやすいことや、雨風などによって劣化しやすいことが挙げられます。あくまで簡易の宅配ボックスであることを忘れず、大切な荷物はできるだけ早めに取り出すなどの対策が必要でしょう。
【プラスチック】
プラスチックは、ポリエステルと同様に「簡易型」でよく用いられる素材です。
プラスチックはポリエステルよりもさらに軽量で、耐久性に優れるのがメリットです。子供や高齢者でも持ち運びしやすいのは、プラスチックならではの強みといえます。
ただし、プラスチックはポリエステルのように折りたたむことはできません。家の中で保管するときには一定の収納スペースが必要になるため、場合によっては邪魔に感じられることもあるでしょう。
【金属】
金属は、「設置型」や「壁埋め込み型」でよく用いられる素材です。3つの素材の中で圧倒的に耐久性に優れ、盗難に遭うリスクも極めて低いといえます。
一方でデメリットとしては、ポリエステルやプラスチックに比べて費用が高くなりやすいことが挙げられます。特に「壁埋め込み型」の場合は設置工事も必要なため、余裕を持った予算を用意する必要があるでしょう。
サイズ(容量)
宅配ボックスのサイズは、商品によってさまざまです。一般的には、100サイズの段ボールが入る程度の大きさが目安となりますが、大型の荷物をよく注文する人や、2つ以上の荷物が届くときなどは、さらに大きいサイズを選ぶと便利でしょう。
しかし、サイズが大きければ、それだけスペースをとりやすいというデメリットにもなります。サイズを選ぶときは、自分がネットショッピングなどをどのくらい利用するか、どんな商品をよく注文するかなどが目安となります。
設置場所
設置タイプの宅配ボックスを導入するときは、設置場所にも注意しなければなりません。チェックポイントとしては、主に次の3点が挙げられます。
- 通行の邪魔にならないか
- 扉の開け閉めがしやすいか
- 雨に濡れないか
また、設置タイプの宅配ボックスは、家全体の外観にも大きく影響します。そのため、サイズやカラーなどをよく考え、設置後の外観をイメージすると後悔するリスクも下がるでしょう。
施錠方法
宅配ボックスのセキュリティーを上げるためには、施錠方法にも注意が必要です。宅配ボックスの施錠方法は、大きく次の2つに分かれます。
もっともシンプルなのは南京錠で、鍵によって解錠できます。しかし、鍵をなくしたり鍵が変形してしまうと開閉できなくなるというデメリットもあります。
一方のダイヤル式は、3桁や4桁の暗証番号によって解錠する施錠方式です。セキュリティー性が高い反面、暗証番号を家族で共有したり忘れてしまうと解錠できないといったデメリットがあります。

戸建てに宅配ボックスを設置する注意点

ここまで宅配ボックスを設置するメリットを中心に解説しましたが、宅配ボックスはけっして良いことばかりではありません。あとになって「思っていたのと違った」と後悔しないよう、次の3点には注意しましょう。
- 食品は持ち帰りが多い
- 郵便物は本人が受け取るのが原則
- 表札が必要
食品は持ち帰りが多い
クール便などの食品の場合、宅配業者の判断によって宅配ボックスへ投函されないケースがあります。特に、生モノの場合は商品が悪くなってしまうリスクがあるため、宅配業者が持ち帰る可能性が高いといえます。
こうした食品の宅配では、インターホンを鳴らして受取人に直接手渡すケースが多いといえます。もし受け取れなかったときは再配達を依頼して直接受け取れば、商品が悪くなってしまう可能性は低いでしょう。
郵便物は本人が受け取るのが原則
郵便の種類によっては、本人が直接受け取らなければならないケースもあります。たとえば郵便局の書留では、本人が受け取るか、家族が受け取るときは本人が住んでいるかを確認しなければなりません。
こうした郵便では、基本的に宅配ボックスは利用できないため、宅配ボックスを設置するメリットは少ないといえます。
表札が必要
宅配ボックスを設置するなら、忘れずに表札を設置しましょう。これにより宅配業者による本人確認を省略でき、スムーズに荷物を受け取ることができます。
逆に、表札を設置していないと、誤配送防止のために宅配ボックスには荷物を入れてもらえない可能性があります。よくある名字の場合は、混乱を避けるためにも家主のフルネームを記載すると確実です。

【初心者向け】戸建て用宅配ボックスの使い方

宅配ボックスを使うのがはじめてだと、「どうやって使うの?」と不安に感じることもあるでしょう。そこでここでは、戸建て用宅配ボックスの使い方を大きく2段階に分けて解説します。
- 宅配ボックスの中に印鑑を入れておく
- 解錠番号を確認して荷物を受け取る
これだけ押さえておけば、はじめての人でも宅配ボックスの利用は簡単です。ぜひ設置前に、大まかな流れを押さえておきましょう。
宅配ボックスの中に印鑑を入れておく
宅配ボックスを利用するときは、忘れずに印鑑を入れておきましょう。これは荷物を受け取った証として、宅配印が受取伝票に印鑑を押すためです。もちろん実印や銀行印である必要はなく、シャチハタの印鑑で問題ありません。
「宅配ボックスに印鑑をそのまま入れておくのは心配」という人は、押印機能を備えた宅配ボックスが便利です。中には荷物を入れないと印鑑を取り出せない仕組みになっている商品もあり、印鑑が不正利用されるリスクを大幅に下げることができます。
解錠番号を確認する
宅配ボックスに荷物が投函されたら、伝票に記載された解錠番号を確認しましょう。この解錠番号をダイヤルに入力することで、宅配ボックスを開けて荷物を受け取ることができます。
解錠番号は荷物ごとに発行されるものであり、宅配ボックスで常に同じなわけではありません。そのため、番号が決まりきっているロック式の鍵に比べて、セキュリティー性は高いといえます。

戸建て用宅配ボックスはあとからでも設置できる
戸建て用宅配ボックスは、新築時に限らずあとからでも設置することは可能です。しかし、「壁埋め込み型」では大幅な工事が必要となるため、「簡易型」か「設置型」を選ぶのが現実的でしょう。
逆に、新築時に簡易型や設置型を取り付ける場合は、あとから「壁埋め込み型にすればよかった」と後悔するリスクがないか事前によく考えなければなりません。
ぜひ当記事で紹介した3つのタイプの特徴やメリットを比較し、自分の理想にかなった宅配ボックスを自宅に設置してください。
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