自宅に誰もいなくても、宅配の荷物を受け取れる宅配ボックス。利便性の高さから、だんだんと設置する家庭は増えています。ただ、その一方で問題点もあることから、「設置しなければ良かった」という声も聞かれます。そこでこの記事では、宅配ボックスを設置して後悔したパターンや宅配ボックスを設置するメリット、宅配ボックスが必要かどうかを見極めるポイントや選び方などについて解説していきます。
宅配ボックスで後悔しやすいパターン

自宅を留守にしていても、宅配の荷物を受け取れる宅配ボックス。そんな便利な宅配ボックスですが、中には設置したことを後悔する人もいるようです。どんなことで後悔するのか、代表的な例について見ていきましょう。
宅配業者が宅配ボックスを使わない
荷物を届けに来た宅配業者が、宅配ボックスに気付かず使われないというケースがあります。これは、設置されている位置が分かりづらいことが原因です。また、荷物によっては、盗難の危険があるなどの理由からそもそも宅配ボックスを使わない宅配業者もあります。
宅配ボックスが小さくて荷物が入らない
宅配ボックスの投入口が荷物の幅よりも狭い場合、荷物はボックスに入りません。大きめの宅配ボックスでも、サイズには上限があります。荷物が入らない場合、宅配業者は再配達をすることになり、欲しいタイミングで荷物を受け取れません。
届いた荷物を盗難される
宅配ボックスを使っていても住民の不在時に鍵を開けられてしまい、中の荷物を盗まれてしまうことがあります。郵便受けに入っていた不在票で暗証番号を知り、ロックを解除してしまうというような手口です。また、荷物だけではなく宅配ボックスごと持ち去られるケースも見られます。
設置費用が高い
宅配ボックスは、基本的に設置費用が高価です。置き型の場合は5万円程度で、建物に埋め込みアンカーで固定するタイプであれば5万~10万円程度。さらに、サイズが大きい、盗難が難しいなど品質が高いものであれば20万円程度も珍しくはありません。宅配ボックスと地面を固定する工事を業者に依頼する場合は、宅配ボックスそのものの金額に2万円程度の施工費もプラスされます。
間違った使い方をされるケースがある
宅配ボックスの鍵には、大きく分けて2種類あります。数桁の数字を合わせて解錠する「ダイヤル式」と、電気やインターネットを使う「電気式」です。ダイヤル式と電気式の中でも、鍵の開閉の仕方はタイプによって異なり、特に最近の電気式は複雑。そのため、宅配業者も正しい使い方を理解できず、鍵をかけるのを忘れる、荷物を入れる前に鍵をかける、誤った暗証番号を記録してしまうなど、間違った使い方をされるケースも見られます。
荷物が入っていることに気付かない
「この日にこの荷物が届く」というように配達日を把握していれば、荷物が入っているか宅配ボックスの中を確認するでしょう。しかし、配達日が不明な状態なら宅配ボックスの中を確認しようという注意が働かないかもしれません。結果、荷物が宅配ボックスに入っていても気が付かず、数日間そのまま放置してしまうことがあります。
故障する
宅配ボックスは屋外に設置されるため、日々風雨にさらされることになります。長く使っていくと劣化が進み、故障の可能性は高まっていきます。完全に故障して使えなくなった場合、買い替えの必要性が生じますが、価格が高い宅配ボックスであれば多くの費用がかかるため二の足を踏んでしまうかもしれません。
あまり使用しない
インターネットで買い物をするケースが減った、あるいはそもそもあまりネットで買い物をしないという場合です。宅配ボックスは使われないまま、時間が経過してきます。また、自宅にいる時間が長く、直接荷物を受け取ることが多いと、せっかく設置した宅配ボックスでも必要性を感じないでしょう。

宅配ボックスを設置するメリット

自宅に不在でも、荷物を受け取れるのが宅配ボックス。実際に利用した上で感じられる利点は、それだけではありません。こちらでは、宅配ボックスを設置するメリットについて解説していきます。
再配達の必要がない
仕事や買い物など外出時に荷物を受け取れるのは、宅配ボックスを使う最大のメリット。欲しい荷物を、タイムリーに受け取ることが可能です。また、時間指定をしていて外出しなければならない事態に直面しても、宅配ボックスに入れてもらえば再配達に来てもらう必要はありません。
在宅時でも出なくて済む
体調が悪くて自宅で寝込んでいるとき、お風呂に入っているとき、子どもの面倒を見ているときなどは、荷物の配達が来てもなかなか対応しにくいもの。こうした状況でも、宅配ボックスがあれば、荷物を入れておいてもらえば大丈夫。このように、自宅を留守にしているタイミングだけではなく在宅時に活用できるのも、宅配ボックスのメリットです。
盗難や中身が傷む危険性が低い
最近では、宅配ボックスなどに入れず玄関先に荷物を置く「置き配」も増えています。ただ、荷物が外に出ている時間が長いと、盗難の可能性が高まってしまいます。また、雨が降った場合には荷物の中身が濡れて、傷んでしまうかもしれません。しかし、宅配ボックスがあればこうしたリスクを避けられます。

宅配ボックスが必要かどうか見極めるポイント
せっかく宅配ボックスを購入しても、使わなければただの置物になってしまいます。自宅に宅配ボックスが必要かどうか見極めるポイントについて解説しますので、設置を検討されている方は参考にしてください。
通販の利用頻度
毎週のように通販を利用するのであれば、宅配ボックスは役に立ちます。宅配業者が荷物を届けにくる頻度が高ければ、自宅を不在にしているタイミングに配達される可能性も大きくなるからです。一方、通販は月に1回利用する程度であれば、宅配ボックスの費用なども考慮し、自宅に本当に必要かどうか検討する余地があります。
日中に自宅を不在にすることが多いか
宅配業者の配達時間は、基本的には朝から夕方過ぎまで。日中に自宅を不在にしていると、なかなか荷物を受け取ることはできません。そうした生活サイクルを送っている場合は、宅配ボックスがあれば荷物を受け取れます。日中に自宅にいる時間が長いのであれば、宅配ボックスの必要性はそれほど感じないかもしれません。
宅配業者のロッカーが近くにあるか
近年では、各宅配業者はコンビニや営業所、駅などのロッカーで荷物の受け取りができる仕組みを構築しています。そうした施設が自宅近くにあれば便利に活用できるが、自宅から遠い場合は荷物を受け取るために移動する必要があり、時間も労力もかかります。自宅の近くに宅配業者の荷物置き場が無いのであれば、自宅に宅配ボックスを設置するほうが便利です。

後悔しない宅配ボックスの選び方

基本的には便利な宅配ボックスですが、選び方次第では「失敗した」と感じられるケースも見受けられます。宅配ボックスの設置で後悔しないためには、目的を意識して慎重に選ぶことが大切です。
できるだけ大きいサイズを選ぶ
宅配ボックスが小さいと、大きめの荷物は入りません。そのため、設置スペースに余裕があればできるだけサイズが大きい宅配ボックスを選びたいところ。大きい宅配ボックスには、複数の荷物を入れられるタイプもあります。
操作方法がシンプルなタイプを選ぶ
宅配ボックスは、荷物の配達員が開閉の操作をすることになります。暗証番号を入力するタイプは安全性が高いものの、配達員が手続きでミスすると、宅配ボックスが開けられなくなってしまいます。シンプルな操作方法の宅配ボックスであればミスは起こりにくいので、心配であれば操作が難しくないタイプを選びましょう。
スマホと連携できるタイプを選ぶ
宅配ボックスは年々進化しており、スマートフォンとの連携が可能なタイプもあります。このタイプは、荷物が届くとスマホに通知されたり、荷物の受け取りや取り出しの状況をスマホで確認したりすることも可能です。
耐久性の高いタイプを選ぶ
宅配ボックスは屋外に設置する設備。常に風雨にさらされるので、水に強く衝撃にも耐えられる金属製が適しています。また、金属製は外部から破壊しにくいので、窃盗犯もなかなか手を出せません。このように、耐久性の高い宅配ボックスは大切な荷物を守ってくれます。

適切な宅配ボックスの設置場所

せっかく自宅に宅配ボックスを設置しても、荷物の配達員に認識されなければ使ってもらえません。それでは、自宅のどの場所に設置するのが適切なのでしょうか。
玄関前
玄関前には呼び鈴があることが多く、その近くに宅配ボックスがあると配達員の目に入りやすく、気付いてもらえます。また、帰宅時に荷物を取り出してからスムーズに家に入れるという利点もあります。ただ、宅配ボックスが大きすぎると玄関ドアの開閉がしにくくなるので注意が必要です。
郵便ポストの付近
郵便ポストの近く。あるいはすぐ隣も、他の郵便物と一緒に荷物を回収できるため、宅配ボックスを設置するのに適した場所と言えます。ただし、人目に付きやすいため、地面に固定するなど防犯対策は欠かせません。

まとめ
共働きの家庭が増えたことやネット通販の普及などから、自宅に不在でも荷物を受け取れる宅配ボックスの需要は高まっています。宅配ボックスには様々なメリットがありますが、自分たちの家庭に本当に必要なのか、どんな使い方をするかという点について慎重に検討しなければ、無駄な設備になってしまうかもしれません。設置してから後悔しないよう、使ってからのことをしっかり考えましょう。
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