給湯器の交換を検討したときに、ガス給湯器とランニングコストが安いエコキュートで悩む方も多いでしょう。そこで本記事では、ガス給湯器とエコキュートの給湯方式やコスト、寿命や使いやすさなど、あらゆる角度から比較してみました。エコキュートをお得に設置する方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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※各補助金の金額や要件などは、2024年10月時点の情報です。
エコキュートとガス給湯器とは?

エコキュートとガス給湯器の大きな違いは、お湯の沸かし方です。エコキュートは自然エネルギーと電気を利用するのに対して、ガス給湯器はガスを利用してお湯を沸かします。では、エコキュートとガス給湯器は具体的にどんな違いがあるのか、解説します。
エコキュートとは?
エコキュートは「自然冷媒ヒートポンプ給湯機」のことで、空気中から集めた熱を利用するヒートポンプ方式でお湯を沸かし、タンクに溜めたお湯から給湯するのが特徴です。電気の力でお湯をゼロから沸かすのではなく、自然の熱エネルギーを利用してお湯を沸かすので、省エネルギーで効率的に給湯できるというメリットがあります。ガス給湯器とは違い、エコキュートはタンクにお湯を溜めておく「貯湯式」の給湯器です。
ガス給湯器とは?
ガス給湯器は、ガスを燃焼させることによってお湯を沸かす、もっとも一般的な給湯器です。コンロなどと同様に、ガス給湯器にも「都市ガス用」と「LPガス用」があります。ガス給湯器は、沸かしたお湯をタンクに溜めておくエコキュートとは違い、使いたいときにいつでもお湯を沸かせる「瞬間湯沸かし式」であるのが特徴です。中でも、ガスを効率的に燃焼させて水を温めるエコジョーズなら、少ないガスで効率的にお湯を沸かせます。エコジョーズも都市ガス用とLPガス用に分かれています。
エコキュートとガス給湯器をコストで比較
ガス給湯器のエコジョーズを設置するときは、本体の購入に約20~35万円程度、設置にかかる工事費用として5万円程度かかるのが一般的です。対してエコキュートの場合、本体と工事費用を含め、35〜60万円程度かかるのが一般的といわれています。そのため、設置にかかる金額はエコキュートの方が高くなることが多いです。
しかし、エコキュートは、自然の熱エネルギーを利用するため、使用する電気量を最小限に抑えられます。そのうえ、電気代の安い夜間にお湯を沸かしてタンクに溜めるので、長期的な視点で見るとエコキュートの方がお得になる可能性があります。
また、エコキュートは国の補助金制度「給湯省エネ2024事業」の対象です。「給湯省エネ2024事業」は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野について、エコキュートなどの高効率給湯器の導入を促すことによって、エネルギー目標の達成に役立てることを目的としています。
要件ごとの補助金額は次のとおりです。
要件 |
補助額 |
【要件A】
インターネットに接続可能な機種で、翌日の天気予報や日射量予報に連動することで、昼間の時間帯に沸き上げをシフトする機能を有するものであること。 |
10万円
(基本額8万円+2万円) |
【要件B】
補助要件下限の機種と比べて、5%以上CO2排出量が少ないものとして、a又はbに該当するものであること。
(a.2025年度の目標基準値(JIS C 9220 年間給湯保温効率又は年間給湯効率(寒冷地含む))+0.2以上の性能値を有するもの、又は、b.おひさまエコキュート) |
12万円
(基本額8万円+4万円) |
【要件A】【要件B】の両方に当てはまる |
13万円
(基本額8万円+5万円) |
【要件A】【要件B】のどちらにも当てはまらない |
8万円 |
参考:給湯省エネ2024事業
※エコキュートの機種によっては対象外となることがあります。
※ヒートポンプとガス給湯器を組み合わせたハイブリッド給湯器も機種によっては、補助金の対象となります。
※エコキュートとハイブリッド給湯機については、補助対象とならない製品でも、「子育てエコホーム支援事業」にて補助が受けられる場合があります。
たとえばガス給湯器や電気給湯器をエコキュートにするのも、補助金の対象です。また、エコジョーズは、「子育てエコホーム支援事業」や「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の補助金対象となる可能性があります。「賃貸集合給湯省エネ2024事業」の場合、要件に該当していれば、5〜7万円の補助金が支給されます。
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エコキュートとガス給湯器を寿命で比較

ガス給湯器の寿命は10年ほどといわれており、エコジョーズも一般的なガス給湯器とさほど寿命が変わらないとされています。対してエコキュートの寿命は10〜15年ほどといわれているので、エコキュートの方が長持ちする可能性が高いです。とはいえ、エコジョーズもエコキュートも定期的にお手入れしないと寿命が短くなる可能性があるほか、故障の原因になります。
それぞれのお手入れ方法と期間の目安は次のとおりです。
|
お手入れ方法 |
期間の目安 |
エコキュート |
・タンク内の清掃
・外側の拭き掃除
・風呂配管の洗浄
・漏電遮断器や逃し弁の点検 |
3〜6ヶ月 |
エコジョーズ(ガス給湯器) |
・外側の拭き掃除
・ストレーナー(フィルター)の掃除
・風呂配管の洗浄 |
2〜3ヶ月 |
外側の拭き掃除や風呂配管の洗浄などのお手入れは日常的に行い、タンクの清掃や点検は定期的に業者に依頼するのも一つの方法です。定期的なメンテナンスが寿命を延ばすことにつながります。
エコキュートとガス給湯器を設置スペースで比較
ガス給湯器のエコジョーズは、サイズがエコキュートの10分の1の大きさともいわれています。というのも、エコキュートはヒートポンプと貯湯タンクの両方を設置する必要があるほか、基本的に屋外に設置スペースを設ける必要があるためです。貯湯タンクを室内に設置できるケースもありますが、ヒートポンプは外の熱エネルギーを効率的に集めるためにも、屋外に設置する必要があります。
対してエコジョーズは、浴室に面している壁に設置するのが一般的で、エコキュートのヒートポンプよりも省スペースに設置できます。しかし、エコキュートの中にもスリムでコンパクトな機種もあるので、確保できる設置スペースに合わせて機種を選ぶのも一つの方法です。三菱電機やパナソニック、コロナなどのメーカーは、コンパクトなエコキュートも取り扱っています。
エコキュートとガス給湯器を使いやすさで比較

エコキュートとガス給湯器には、それぞれに使いやすい点と使いにくい点があります。それぞれの使いやすさを比較した表は次のとおりです。
|
メリット |
デメリット |
エコキュート |
・環境にやさしい
・飲用水・生活用水として利用できる
・AIを搭載した機種もあり、効率的にお湯が使える |
・お湯が出るまでに少し時間がかかる
・計画的にお湯を使わないと、タンクのお湯がなくなる
・水圧が低くなることがある |
ガス給湯器 |
・使いたいときにすぐにお湯が出る
・使いたい分だけお湯を沸かす
・水圧が高い |
・お湯を溜めておけないので、停電するとお湯が出ない
・ガス漏れや不完全燃焼などの不具合によって火災になるリスクがある |
ガス給湯器は瞬間的にお湯を沸かすので、使いたいときにすぐにお湯が出るほか、タンクにお湯を貯めるエコキュートとは違い、お湯が尽きることがありません。しかし、ガスでお湯を沸かすので、火災の原因になるリスクがあります。エコキュートはガス給湯器と比較すると水圧が低いというデメリットがありますが、シャワーヘッドを変更すれば水圧を上げられます。
エコキュートとガス給湯器を静音性で比較
エコキュートとガス給湯器の運転音のレベルは、次のようになっています。
|
運転音のレベル |
エコキュート |
40dB程度 |
ガス給湯器 |
49dB以下 |
エコキュートとガス給湯器を比較すると、エコキュートの方が運転音は静かな傾向にあります。とはいえ、エアコンの室外機の音のレベルが50dB~60dB程度であることから、エコキュートもガス給湯器も騒音トラブルになる可能性は低いでしょう。
ただし、エコキュートのヒートポンプやガス給湯器を設置する場所が隣家の寝室に面している場合、騒音トラブルに発展する可能性があります。そのため、設置場所を選ぶときは、スペースだけでなく位置も十分に検討しておくことが大切です。
エコキュートとガス給湯器を災害リスクで比較

エコキュートは、貯湯タンクにお湯を溜めておけるため、災害などで電気や水道が止まっても、タンクに残ったお湯や水を生活用水として使えます。対して、ガス給湯器は瞬間式が主流なので、停電などが起こったときにお湯を使えません。そのため、災害リスクに備えるという点では、エコキュートの方が優れているといえます。ただし、リンナイのエコジョーズなど、中には災害時でもお湯が使えるガス給湯器もあるので、万が一のために備えたい方は、停電モードがある機種を選んでみてください。
まとめ
ガス給湯器は設置スペースがコンパクトなうえ、お湯を使いたいときに瞬間的にお湯を沸かせるのが大きな特徴です。また、設置費用がエコキュートと比較して安いのも魅力の一つです。しかし、エコキュートはランニングコストが抑えられるほか、災害時にもタンクからお湯を使えるというメリットがあります。
ガス給湯器もエコキュートも補助金が利用できますが、高額な補助金が魅力の「給湯省エネ2024事業」の対象となっているのはエコキュートのみです。給湯設備の販売や設置工事の実績が豊富なカインズリフォームは、全国の店舗やお電話でご相談いただけるので、給湯器の種類やメーカーにお悩みの方はぜひお気軽にお声がけください。
※カインズでは住宅省エネ 2024 補助金制度の新規受付を終了しています。
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