家の顔とも呼ばれる門扉には種類が多数あり、何を選んだらいいのか迷うところです。門扉は、住む人の生活スタイルや家のテイストに合ったものを選ぶのがおすすめです。この記事では、門扉の種類にはどのようなものがあるのか、仕様や素材ごとに解説します。
門扉を選ぶ際に、知っておきたいポイントも合わせて紹介します。
門扉を設置するメリットとは

門扉を設置する主なメリットは、次の3点です。
- 不法侵入を阻み防犯性を高める
- 子供・ペットの飛び出しを防ぎ安全性を高める
- 住宅の敷地と道路を分けプライバシーを守る
不法侵入を阻み防犯性を高める
門扉の設置は、不法侵入の防止に効果的です。たとえ1枚の低い門扉であっても、敷地の境界に何もないオープン外構の家に比べると侵入に抵抗感を感じさせられます。一枚板の扉よりも見通しができる線の細いデザインのものや、電気錠機能のついたものを選ぶと、より防犯性が期待できます。
子供・ペットの飛び出しを防ぎ安全性を高める
道路の前に門扉があることで、子供やペットの飛び出しを予防できます。玄関から勢いよく出やすい子供やペットも、道路の前に門扉があれば一旦止まれるため、事故を未然に防ぐことが可能です。特に子供やペットがいるご家庭では、安全のためにも門扉を設置することがおすすめです。
住宅の敷地と道路を分けプライバシーを守る
門扉には住宅の敷地と道路を分け、外からの視線を避けて住む人のプライバシーを守るというメリットがあります。家の敷地内の様子が見えにくいデザインを選べば、外を気にせず家族空間を楽しめます。ただし、内部が見えにくいと防犯性が劣るという心配もあるため、注意が必要です。

【門扉の種類】開き方

門扉の開き方には、次の3つのタイプがあります。
- 内開きタイプ
- 外開きタイプ
- 引き戸タイプ(スライドタイプ)
メリット・デメリットとともに詳しく解説していきます。
内開きタイプ
住宅側に門扉が開くタイプです。道路側に扉が開くと歩行者や車に接触する危険性があるため、一般的には内開きタイプが標準仕様です。安全が確保されている場合は、オプションで外開きにも変更できます。
外開きタイプ
道路側に門扉が開くタイプです。門扉から道路まで十分な距離があるなどスペースに余裕がある場合には、外開きタイプでも設置が可能です。門が開いた時に敷地の境界線より外側に出てしまわないか、十分確認する必要があります。
引き戸タイプ(スライドタイプ)
横にスライドして開閉するタイプです。門扉の前後にスペースが取れない場合でも設置が可能ですが、扉をスライドする部分にスペースを確保する必要があります。門扉を開いた時の間口幅が大きいため、ベビーカーや車いす、自転車などでの出入りが多い場合に使いやすくおすすめです。

【門扉の種類】仕様

門扉の仕様には、次のようにさまざまな種類があります。
- 片開き
- 両開き
- 親子開き
- アコーディオン
- 跳ね上げ
それぞれの仕様の特徴やメリット・デメリットについて解説します。
片開き
扉が1枚で、左右どちらか片方だけが開くタイプです。勝手口や裏口などで、多く使用されています。
メリット |
デメリット |
- 幅を取らないため狭いスペースでも設置できる
- 費用が安い
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両開き
2枚の扉が左右対称に開くタイプです。戸建住宅の玄関前に設置されることが多い門扉です。
メリット |
デメリット |
- スタンダードなタイプであるためバリエーションが豊富
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- 片開きタイプよりも費用が高め
- 広い設置スペースが必要
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親子開き
大きさの異なる2枚の扉で構成され、普段は小さい扉を落とし棒で固定し、大きい方の扉を開閉して出入りします。大きな荷物を運ぶ時は、両方の扉を開けて出入りできます。
メリット |
デメリット |
- 両開きの扉1枚の幅より間口が広く取れる
- 間口が狭くても両開きが設置できる
- 左右非対称のデザインを楽しめる
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アコーディオン
蛇腹状の扉が伸縮して開閉するタイプで、車庫に設置されることが多く、足にキャスターが付いたものやレール式のものがあります。
メリット |
デメリット |
- 門扉の前後にスペースがなくても設置できる
- 90度や180度回転収納でき、開口部を最大限に有効活用できる
- サイズ展開が豊富
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- 傾斜のある場所や風の強い日は、門扉が道路側へ出てしまうこともあるため注意が必要
- 地面が土・砂利など凹凸がある場所や、高低差がある場所では工事が大掛かりになる可能性がある
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跳ね上げ
扉が上下に開閉するタイプで、オーバードアやアップゲートとも呼ばれます。車庫に設置されることが多く、手動式と電動式があります。
メリット |
デメリット |
- 上下に開閉するため狭小地でも設置できる
- 電動タイプはリモコン操作が可能
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- 手動式は開閉するのに重たいと感じる人もいる
- 電動式が故障した場合は手動で開閉しなければならない
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【門扉の種類】素材・デザイン

門扉に使用される素材には、次のものがあります。
素材やデザインの特徴について解説します。
アルミ製(形材)
門扉の中で最も需要が多いのが、アルミで作られた門扉です。デザインは、格子・木目調・カントリー調・目隠しタイプなど、バリエーションが豊富です。
メリット |
デメリット |
- 軽量で開閉しやすい
- サビに強く腐敗しにくい
- 耐久性に優れメンテナンスに手間がかからない
- デザインが豊富でさまざまなテイストの家に合わせられる
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アルミ製(鋳物)
アルミニウム合金を溶かし、型に流し込んで製造するアルミ製品の門扉です。主に洋風の住宅で重宝されるデザインですが、キャラクターの形をあしらったものもあります。
メリット |
デメリット |
- 軽量で開閉しやすい
- サビに強く腐りにくい
- 耐久性に優れメンテナンスに手間がかからない
- 高級感がある
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- アルミ形材よりも価格が高め
- 線が細いため目隠し効果はない
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ステンレス製
一般の戸建住宅よりもマンションなどに使用されることが多い素材です。
メリット |
デメリット |
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- 重量があるため開閉しにくいと感じる人もいる
- 価格が高い
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木製
天然の木は温もりのある風合いや素朴な質感があり魅力的ですが、こまめなメンテナンスが必要な素材です。和風、ナチュラル、カントリーなど幅広いテイストの家に使用されます。
メリット |
デメリット |
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- 風雨による腐食や虫の被害を防ぐため、塗料の塗替えが必要
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鉄製
輸入住宅など、洋風テイストの家にぴったりの素材です。
樹脂製
木粉入りの樹脂を用いて、天然の木と変わらない見た目に仕上げられた木目調タイプが人気です。
メリット |
デメリット |
- 耐候性が高くメンテナンスに手間がかからない
- さまざまなテイストに合う
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スチール
スチール素材でメッシュ柄の門扉は、勝手口でよく使用される門扉です。
メリット |
デメリット |
- 価格が安い
- 軽量で開閉しやすい
- 強度が高い
- 和風・洋風を問わず使用できる
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門扉リフォーム価格の相場

門扉のリフォームにかかる費用の相場を、門扉の本体価格と施工費用に分けて解説します。
門扉の本体価格
門扉の本体価格の相場は、標準的なグレードで3万〜25万円ほどです。グレードが高くなると、本体価格だけで20万円以上かかります。本体価格は門扉の仕様や素材によって異なりますが、アルミ形材門扉のシンプルなデザインは、比較的価格が安めです。
門扉の施工費用の相場
施工内容 |
施工費用の相場 |
施工費+門扉本体価格 |
門扉を新たに設置 |
13万〜17万円 |
16万〜41万円 |
古い門扉から新しい門扉に交換 |
11万〜21万円 |
14万〜46万円 |
門扉を新たに設置する施工費用の相場は、一般的に13万〜17万円程度です。門扉の本体購入代も含めると、標準的なグレードの門扉であれば16万〜41万円ほどになります。古いものから新しいものに交換する場合の施工費は、一般的に11万〜21万円ほどです。門扉本体の価格を含めると14万〜46万円程度です。

門扉の選び方のポイント

門扉を選ぶ際に、どのような点を重要視したらいいか解説します。門扉を選ぶポイントは、次の3点です。
- 耐久性やメンテナンスのしやすさ
- 家の外観とのバランス
- 生活スタイルに合致した使い勝手の良さ
耐久性やメンテナンスのしやすさ
門扉は素材によって耐久性やメンテナンスの頻度が違うため、どのくらい手をかけられるかを検討する必要があります。メンテナンスに手間がかからない素材は、アルミやスチールです。耐久性が高く腐食やサビに強いアルミ製門扉は、年に1〜2回水で洗い流す程度でメンテナンスに手間がかかりません。スチール製門扉も、3〜5年に1度塗料を塗り替える程度で使用できます。木製門扉は、風雨による腐食や虫による被害を防ぐため、年に1度は防水塗料などの塗り替えが必要です。
家の外観とのバランス
家の外観と同じテイストの門扉を選ぶと、統一感があり、まとまりのある印象になります。門扉は家の顔と言われ、家全体の印象を左右するアイテムです。モダン、ナチュラル、和風、洋風など家のテイストが複数混ざらないよう、素材やデザインを選択するのがおすすめです。
生活スタイルに合致した使い勝手の良さ
門扉の仕様や開き方は、次のように住む人の生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
- ベビーカーや車いすでの出入りが多い場合:間口の広い門扉を選ぶ
- 高齢者や小さい子供がいる場合:軽量で開閉しやすい門扉を選ぶ
- 小型のペットがいる場合:すり抜け防止のため線の細い門扉を避ける
門扉は毎日使用するものです。家族構成や日常の生活スタイルに合った、使いやすいものを選びましょう。

まとめ
門扉には、防犯性や安全性を向上させ、プライバシーを守る効果があります。さまざまな仕様や素材がありますが、メンテナンスのしやすさや住む人の家族構成・生活スタイルに合った使いやすい門扉を選びましょう。家のテイストと合わせ、統一感のある外観に仕上げるのがおすすめです。
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