「レンジフードを新しくしたいけど、どうやって選んだらいいの?」
この記事ではこのような方に向け、形状、ファン、設置方法の3点に分けてレンジフードの種類を解説します。
それぞれのメリットやデメリットを踏まえて3点を決めれば、レンジフードの商品はおのずと絞られてくるはずです。レンジフードのリフォームを検討している方は、ぜひ商品選びの参考に役立ててください。
そもそもレンジフードとは?換気扇との決定的な違い

はじめに、レンジフードの基本的な役割や換気扇との違いを確認していきましょう。
レンジフードの役割
レンジフードの最大の役割は、汚れた空気を吸い上げ、屋外に排気することです。フードがコンロを覆うように設置されているため、料理で出た匂いや煙、油などを効率よく吸い上げることができます。
もしもキッチンにレンジフードがないと、油や汚れがそのまま天井や壁に付着してしまい、家の劣化を早めてしまうことになります。また、レンジフードの老朽化により換気機能が低下すると、同様に家全体を汚してしまう原因となります。そのため、「最近換気扇の調子が悪い」と少しでも実感のある方は、できるだけ早めにレンジフードを取り替えるのが得策でしょう。
レンジフードと換気扇の違い
レンジフードとよく似た機能を持つのが、換気扇です。両者は基本的な機能は同じですが、以下のように区別されます。
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レンジフード |
換気扇 |
ファン |
シロッコファン |
プロペラファン |
設置場所 |
自由度が高い |
壁に穴を開ける |
換気音 |
小さい |
大きい |
外気の影響 |
受けにくい |
受けやすい |
ダクトとフード |
ある |
ない |
一般的に、レンジフードにはシロッコファン、換気扇にはプロペラファンというファンが用いられます。プロペラファンはシロッコファンに比べて吸引力が大きいため、より強力に排気することができますが、その一方で音が大きくなりやすいというデメリットもあります。
動作音の少なさや設置場所の自由さ、さらに最新機能を搭載していることからも、換気扇ではなくレンジフードを取り付ける家庭が多数派といえます。
レンジフードの形状は大きく3種類

はじめに、レンジフードを形状によって分類すると、次の3つに分けられます。
- ブーツ型(深型)
- スリム型(薄型)
- フラット型(浅型)
ブーツ型(深型)
「ブーツ型」とは、その名の通り上の方が狭く下の方が広くなっており、ブーツのような形をしているのが特徴です。日本国内ではもっとも普及率が高く、「スタンダード型」と呼ばれることも少なくありません。おそらく誰もが1度は目にしたことのある形状と言えるでしょう。
ブーツ型の大きなメリットは、その形状から煙を集めやすく、換気機能に優れている点です。また、もっともスタンダードな形状であることから、商品価格も低い傾向にあります。
「できるだけ費用をかけず、スタンダードなレンジフードを取り付けたい」という方にはぴったりです。
スリム型(薄型)
「スリム型」は、逆T字のような形をしており、そのおしゃれなデザインから近年は主流になりつつあるレンジフードです。凹凸が少ないことから油汚れが付着しにくく、お手入れがしやすいのも大きなメリットと言えるでしょう。
一方で、最新機能などを備えている商品だと費用が高額になりやすいのがデメリットです。機能やデザインにこだわる方には向いていますが、できるだけコストを抑えたいという方にはブーツ型が向いています。
フラット型(浅型)
「フラット型」は、「浅型レンジフード」とも呼ばれるように、上下に薄い形状をしているのが特徴です。ブーツ型に比べるとコンパクトなことから、キッチンが狭い場合や天井が低い場合などに最適といえます。
フラット型のデメリットとしては、定期的にフィルター交換が必要なことや掃除しにくいことなどが挙げられます。特に内部は構造が複雑なため、素人にはなかなか掃除することはできません。掃除が嫌いな人や油物をよく調理する人などは、スリム型のようにフィルターの有無を選択できるタイプを選ぶのが賢明でしょう。
レンジフードのファンは2種類

レンジフードのファンは、プロペラファンとシロッコファンの2種類に分かれます。はじめに両者のメリット・デメリットを比較すると、以下の通りです。
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メリット |
デメリット |
プロペラファン |
換気量が多い |
外気からの影響を受けやすい |
シロッコファン |
設置場所の自由度が高い |
設置費用が高い |
プロペラファン
「プロペラファン」とは、その名の通り飛行機のプロペラのような形をしたファンをさします。壁に埋め込むように設置され、ファンを回すことで屋外へ排気することが可能です。
プロペラファンのメリットとしては、シロッコファンに比べて換気量が多いことが挙げられます。しかし、同時に外気からの影響を受けやすく、特に気密性の高いマンションでは換気量が落ちてしまうことも少なくありません。
なお、既存のファンがプロペラファンの場合は、そのままプロペラファンを新調するのが一般的ですが、ダクトスペースさえ作ればシロッコファンに変更することも可能です。
シロッコファン
一方の「シロッコファン」は、スリム型やブーツ型によく採用されているファンのことです。ダクト(管)を通じて外に排気することから「ダクト排気式」とも呼ばれます。
シロッコファンは天井裏にダクトを通して外へ排気することから、換気扇の設置場所の自由度が高いことがメリットです。排気口と換気扇の場所が離れていることで、外気の影響を受けにくいのもシロッコファンならではのメリットでしょう。
一方でデメリットとしては、プロペラファンに比べて設置費用が高いことが挙げられます。換気扇を設置できる箇所が限られている方は、プロペラファンを選んだ方がリフォーム費用が安くなりやすいといえます。
レンジフードの設置方法は3種類

レンジフードの設置方法は、主に次の3パターンに分かれます。それぞれ対応しているキッチンが異なるため、まずは自宅のキッチンに応じて設置方法を確認してください。
壁面取付タイプ
「壁面取付タイプ」は、I型キッチン、L型キッチンなどに対応しているレンジフードです。キッチンを正面の壁に設置するため、設置方法としてはもっともスタンダードといえます。商品のバリエーションが多く、自分の理想にかなったデザインを見つけやすいといえます。
天井取付タイプ
「天井取付タイプ」は、アイランドキッチンに採用されているレンジフードです。天井から吊るすように設置することから、おしゃれで開放的な雰囲気を演出できるのが特徴です。壁面取付タイプに比べて費用は少し高くなりがちですが、デザイン性にこだわりたい方には向いているでしょう。
横壁取付タイプ
「横壁取付タイプ」は、主にペニンシュラキッチンで採用されているレンジフードです。天井取付タイプのようにおしゃれで開放的な雰囲気を演出でき、省スペース効果もあります。キッチンスペースをできるだけ広く使いたい方や、スタンダードなキッチンに少しアクセントを加えたい方などに向いています。
失敗しない!レンジフードの選び方

新たにレンジフードの商品を選ぶときは、「商品の種類が多すぎて迷ってしまう」となることもあるでしょう。そんなときは、まず次の3点を意識することで、商品選びで失敗するリスクを抑えることができます。
サイズ
レンジフードの商品を選ぶときは、必ず最初にサイズを絞るようにしましょう。日本国内で販売されているレンジフードは規格が共通化されており、横幅のサイズは次の3つに限られています。
たとえば、現状のガスコンロが90cm幅の場合、60cmや75cm幅のレンジフードを取り付けることはできません。どうしてもレンジフードの幅を変えたいときは、そのための改装費用が必要となります。
なお、どのサイズを選んでも、基本的に換気機能に大きな違いはありません。横幅が広くなるほど本体価格も高くなる傾向にありますが、費用を節約したいからといってガスコンロより狭いサイズのレンジフードを選ぶことは消防法によって厳しく禁じられています。
フィルターの有無
かつてレンジフードと言えばフィルターが付いているのが当たり前でしたが、現在は「ノーフィルタータイプ」が登場しています。ノンフィルタータイプは、フィルターの目詰まりがなく、日常のお手入れが簡単なのが大きなメリットです。
「これまで換気扇の掃除が面倒だった」という方は、ノンフィルタータイプに取り替えることで家事の負担を大幅に軽減できるかもしれません。
コンロ連動換気機能
近年のレンジフードには、「コンロ連動換気機能」が付いている商品が多数展開されています。これはコンロを点火すると自動的に換気機能がオンになる機能で、換気扇の入れ忘れや消し忘れがないだけでなく、背が低い人でもスイッチを押す必要がないというメリットがあります。
コンロ連動換気機能を使うには、ガスコンロとレンジフードのいずれも連動機能に対応している必要があります。それぞれ別のメーカーでも連動させることは可能ですが、風量や火力の基準が異なることからできるだけ同じメーカーの商品を選ぶのが賢明でしょう。
レンジフードの掃除方法

最後に、できるだけレンジフードを長く利用するためにも、レンジフードの上手な掃除方法を解説します。
レンジフード本体
レンジフード本体のメンテナンスとしては、水拭きが基本となります。軽い汚れであればぬるま湯だけで問題ありませんが、しつこい汚れがついているときには台所洗剤や重曹水などを利用するのも良いでしょう。
なお、レンジフード本体を掃除するには少なからず怪我のリスクが伴うため、手袋等を使うことをおすすめします。
ファン
ファンはこまめに掃除することが難しいため、3~6ヶ月に1回が目安となります。
まずはファンを取り外して軽く水拭きした後、必要に応じて台所用洗剤や重曹水を活用しましょう。細かい汚れは歯ブラシやつまようじなどを使うのも効果的です。
フィルター
フィルターは油汚れが付きやすいため、できれば1週間に1回、少なくても1ヵ月に1回は掃除することが大切です。こちらも基本的に水拭きで問題ありませんが、汚れ具合に応じて台所用洗剤や重曹水などを用いることができます。汚れがあまりにもしつこいときには、洗剤などを吹きかけた状態でしばらく放置するのも良いでしょう。
なお、フィルターが十分に乾いていないと、その成分が原因となってレンジフードが故障してしまうこともあります。そのため、フィルターを元に戻すときには十分によく乾いていることを確認することが大切です。
レンジフードの寿命は約10年
この記事では、これからレンジフードを新しくするという方に向けて、レンジフードの種類を詳しく解説しました。
一般的にレンジフードの寿命は約10年と言われています。しかし、汚れがあまりにもひどい場合や換気機能が低下している場合には、10年未満でもレンジフードを変えた方が良いケースもあります。
「最近換気扇の換気量が落ちた」と実感がある方は、ぜひこの記事を参考に失敗しないレンジフード選びを目指してください。
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