レンジフードはメンテナンスを怠りやすい場所ですが、劣化するとさまざまなリスクを引き起こします。寿命を迎えたり、異音などの症状が見られたりする場合は、レンジフードの交換を検討しましょう。この記事では、レンジフードの寿命、劣化を放置するリスク、交換目安、寿命を延ばす方法、交換費用について紹介します。
レンジフードの寿命は10~15年

レンジフードの寿命は10~15年と言われています。異常がないように見えても、換気能力が低下していることもあるため、10年を超えたレンジフードは交換を検討しましょう。不具合があるにもかかわらず使用を続けると、思わぬ事故につながることもあります。
正確なレンジフードの耐用年数を知りたい場合は、取扱説明書を確認すると現在使用しているレンジフードの正確な寿命が分かります。まずは、自宅のレンジフードの寿命を確認してみましょう。
レンジフードの劣化を放置するリスク
レンジフードに不具合があるにもかかわらず放置したり、寿命を大幅に超えて使用を続けたりすると、さまざまなリスクを引き起こします。最悪の場合、命が危険にさらされるケースもあるため、劣化を放置するのは非常に危険です。
ここでは、レンジフードが劣化することで発生する可能性がある、火災と一酸化炭素中毒について詳しく解説します。
発火や火災のリスク
レンジフードは油やホコリなど、可燃性の汚れがたまりやすい場所です。長年掃除していないと油が何層にも重なって熱がこもりやすくなり、発火したり、引火したりしやすくなります。一度火が付くと、固まった油が燃料となって一気に燃え広がるため、非常に危険です。
また、換気扇のモーターが劣化して高温になり、油汚れに引火して火災につながることもあります。お手入れをしていない、モーターから異音がするなどの場合は、火災リスクが高くなっているため注意しましょう。
一酸化炭素中毒のリスク
ガスを燃やすには大量の空気が必要であり、近くに窓がないことも多いキッチンでは、レンジフードを稼働させることで空気を入れ替えています。レンジフードに不具合があり換気が十分にできていないと、空気中の酸素が足りなくなって不完全燃焼を引き起こす可能性があります。
この不完全燃焼が原因で一酸化炭素が発生すると、吐き気や頭痛などの症状が出る一酸化炭素中毒になるため、注意が必要です。一酸化炭素は無色・無臭であり、気付いたときには中毒になっているというケースもあります。
症状が悪化すると意識不明になったり、最悪の場合死亡したりすることもあり、非常に危険です。レンジフードの換気能力が弱っていると感じたら、一酸化炭素が発生するリスクがあるため注意しましょう。
レンジフードの交換目安

レンジフードを交換するべきかどうかは、換気能力・運転音・振動の3つをチェックすると判断しやすくなります。いずれかに不具合があり、掃除などで症状が改善されない場合は、レンジフードを交換しましょう。
ここでは、換気能力・運転音・振動について、それぞれチェックすべきポイントを紹介します。
換気能力が弱まっている
レンジフードの換気能力が弱まっていると、空気をうまく入れ替えることができなくなります。空気が入れ替わらないとキッチンに臭いが残ったり、排煙されなかったりするため、交換したほうがよいでしょう。
自宅のレンジフードの換気能力は、ティッシュペーパーがあればチェックできます。レンジフードの動作部にティッシュペーパーを1枚当て、吸い付くかどうか確認してみましょう。吸いつかなければ、換気能力が低下している証拠です。
換気扇の掃除をすれば解消されることもありますが、モーターなどが劣化している場合は交換しなければ解消できません。まずは掃除してみて、換気能力に変化がなければ交換しましょう。
運転中の音がうるさい
レンジフードが劣化すると、運転中の音がうるさくなることがあります。気付きやすい劣化の合図であるため、音の原因を探して劣化具合を確認してみましょう。
どのような音がするかによって、レンジフードのどこに問題があるのかを判断できます。以下では、音の種類ごとの異音の原因を紹介します。
換気扇のファンにホコリや油汚れがたまっていると、低く重い異音が鳴ります。
掃除すると解消されることがあるため、一度フィルターやファンを取り外し、油汚れを取り除きましょう。油汚れは、重曹や中性洗剤を使用すると落とすことができます。
ファン・モーターの潤滑油が不足していると、擦れるような音が鳴りやすくなります。
潤滑油を注せば音が解消されることがあります。潤滑油は、ホームセンターやインターネットで手軽に入手可能です。
潤滑油を使用する際は、大量に吹き付けないように注意しましょう。また、ファンがワンタッチ式の場合は、潤滑油が使用できない場合があります。
モーターなどがサビていると、ジー・ズーなどの長い音が鳴ります。
サビの程度がひどい場合は、レンジフードを交換しなければ異音が解消されません。サビによって部品に負担がかかると、他の部分にも不具合が発生することがあるため、早めの交換がおすすめです。
モーターの軸がずれていたり、破損したりしていると、カラカラという音が鳴ります。
掃除などでは音は鳴りやまないため、自分で対処するのは難しいでしょう。部品に問題がある場合は、レンジフードを交換しましょう。
運転中に振動する
レンジフードが劣化すると、運転中に振動することがあります。軽い振動であればさほど問題ありませんが、激しい場合はスピナーやファン、部品のネジがゆるんでいる可能性があります。
まずは、ネジを締めて振動が収まるかどうか確認してみましょう。振動が収まらない場合は、ファンが変形していることも考えられます。自分で対応することは難しいため、レンジフードを新しいものに交換した方がよいでしょう。
レンジフードの寿命を延ばす方法

レンジフードは、定期的に掃除したり、油汚れを付きにくくしたりすれば、寿命を延ばすことができます。簡単に取り入れられる方法もあるため、ぜひ試してみましょう。
ここでは、寿命を延ばす具体的な方法について紹介します。
定期的に油汚れを掃除する
レンジフードに油汚れがたまると、換気扇に与える負荷が大きくなり、故障の原因となります。換気扇を長持ちさせるために、定期的に掃除をしましょう。
掃除をするには、フィルター、整流板、ファンを順番に取り外す必要があります。作業の際、誤ってスイッチを入れて怪我をしないように、電源プラグは抜いておきましょう。コンロ周りを新聞紙などで養生しておくと、汚れが付くのを防げます。
油汚れは酸性であるため、軽い油汚れには中性洗剤、頑固な油汚れにはアルカリ性の重曹を使用するのがおすすめです。油汚れが固まってスポンジやブラシでこすっても落ちない場合は、重曹水に1時間ほどつけ置きすると落としやすくなります。
掃除は、1~3カ月に1回のペースで行うのがよいでしょう。定期的に掃除すれば不具合が起こりにくくなり、レンジフードを長持ちさせられます。
レンジフードにフィルターを貼る
レンジフードに不織布フィルターを貼ると、油汚れを吸着してレンジフードの換気能力を維持してくれます。不織布フィルターは、100均やホームセンターで購入可能です。
不織布フィルターは、3カ月に1回程度は交換するようにしましょう。フィルターを長期間交換しないと油をうまく吸着できず、逆にレンジフードが汚れやすくなります。また、目詰まりを起こし、換気不良になる可能性もあるため注意が必要です。
油煙を防ぐ
レンジフードに油汚れがつかないようにするには、油煙を防ぐことが有効です。揚げ物などの油はねを防止する油はねガードにアルミホイルを被せれば、上方向への油煙を防ぐことができます。
油煙を防げれば、レンジフード内に付く油汚れを軽減でき、汚れが原因で起こる不具合を防げます。油はねガードやアルミホイルはスーパーなどで購入でき、手順も簡単です。油煙を防げば掃除も楽になるため、ぜひ取り入れてみましょう。
レンジフードの交換にかかる費用

レンジフード本体の交換は高額ですが、部品のみであれば数万円で交換可能です。本体を交換すべきか、部品のみでよいのか判断できない場合は、専門業者に依頼して劣化状況を確認してもらいましょう。
レンジフード本体の費用
レンジフード本体の交換費用は、本体の購入費と工事費用を合わせて10~25万円程度です。幕板やファンの種類の変更など、状況によってはオプション費用がかかる場合もあります。
レンジフードには深型や薄型など、いくつか種類もあります。交換するタイミングで、どのようなレンジフードがよいのか、専門業者に確認するとよいでしょう。
まとめ
レンジフードの寿命は10~15年程度です。汚れを定期的に掃除し、レンジフードに油汚れがつかないように対策すると長持ちします。劣化を放置すると火災や一酸化炭素中毒のリスクがあるため、換気能力の低下や異音、振動などが気になる場合はレンジフードの交換を検討しましょう。
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