洗濯物を干せるだけでなく、自宅で気軽にアウトドア気分を楽しめるテラス囲い。しかし、いざ設置するとなると「あとで後悔するのではないか」と心配してしまう方も多いでしょう。
そこでこの記事では、テラス囲いでよくある7つの失敗例と具体的な対処法を解説します。これからテラス囲いを設置する方は、よくある失敗例を踏まえ、後悔のないテラス囲いの設置を目指してください。
テラス囲いの7つのデメリット&対処法

早速、テラス囲いのデメリットを挙げると、主に次の7つがあります。
- 夏は暑く冬は寒い
- 気密性や水密性が低い
- 雨音が気になりやすい
- 庭が狭くなる
- 掃除が必要
- 家の保証がなくなるケースがある
- 固定資産税がかかるケースがある
1. 夏は暑く冬は寒い
テラス囲いのデメリットとして、夏は暑く冬は寒くなりやすいという点が挙げられます。これは、テラス囲いは密閉された空間であるぶん、熱や寒気がこもりやすいためです。特に日差しの強い夏の日には、テラス囲いがとても蒸し暑く感じられることもあるでしょう。
一方、冬場は外気の影響を受けやすいことから、室温がかなり低くなります。リビングルームとテラス囲いが直結している場合、テラス囲いの寒気が直接リビングルームに流れ込み、暖房効率も低くなってしまうことが考えられます。
【対策】
テラス囲いの温度対策としては、主に次の4つが挙げられます。
- 断熱性の高いカーテンをつける
- 窓に防寒シートを貼り付ける
- 熱線カット効果のある屋根材にする
- テラス囲いの内部に冷暖房器具を取り付ける
夏や冬の温度を考えると、テラス囲いを快適に利用できるのは春か秋といえます。これからテラス囲いを設置する方は、年間を通じて快適に利用するのはなかなか難しいと理解しておくのがいいでしょう。
2. 気密性や水密性が低い
ある程度密閉されたテラス囲いとはいえ、気密性や水密性は完全ではありません。そのため、たとえば台風のように暴風雨が降ると、テラス囲いの中に水滴が入ってしまうことがあります。
多少の雨なら問題なく洗濯物を干せても、強い雨のときには洗濯物が濡れていないか時折チェックする必要があるでしょう。
【対策】
暴風雨のときでも洗濯物を干したいという方は、テラス囲いを選ぶ際に気密性や水密性をチェックしたうえで商品を選ぶことが大切です。機能が高くなればそれだけ価格帯も高くなりやすいですが、その後の快適性を考えると購入する価値は十分にあるといえます。
また、設置後にどうしても雨水が入ってしまうときには、該当箇所に防水テープを貼るのも選択肢の1つです。防水テープならホームセンターなどでも気軽に購入でき、テラス囲いの設置費用も抑えやすいといえます。
3. 雨音が気になりやすい
テラス囲いには屋根がついていることから、雨音が気になりやすいというデメリットもあります。特に、近年はゲリラ豪雨のように激しい雨が増えており、家の中にいてもかなり雨音が気になることもあるでしょう。
また、後述するように、テラス囲いを設置するときは設置場所についても注意が必要です。テラス囲いをあまり寝室に近づけてしまうと、夜に雨が降ったときに雨音が気になって眠れないということにもなりかねません。
【対策】
雨音の対策としては、雨音を吸収するタイプの屋根を取り付けるという方法が挙げられます。また、テラス囲いが近い部屋の窓を二重サッシにしたり、シャッターを閉めたりするのも良いでしょう。
4. 庭が狭くなる
自宅の庭先にテラス囲いを設置すると、それだけ庭が狭くなることになります。子どもが庭で遊んだり、植物などを育てる場合には、庭が狭くなることで不便に感じることも出てくるでしょう。
【対策】
テラス囲いによる圧迫感を防ぐには、あらかじめテラス囲いのサイズをよく確認しておくことが大切です。メジャーなどでサイズを測るのはもちろん、実際に紐などを庭においてみると、より具体的な大きさをイメージしやすくなります。
5. 掃除が必要
テラス囲いを設置すると、定期的なメンテナンスや掃除が必要となります。床の掃除などは定期的にできても、窓や屋根の掃除は年に一回となることもあるでしょう。特に、屋根の上は高さがあるため、掃除するにははしごなどが必要になります。
【対策】
掃除の手間を少しでも軽減したい方は、屋根や窓などに防水スプレーをかけておくのが便利です。これにより雨の水アカや花粉などが付着しにくくなり、掃除の手間を大幅に減らすことができます。
6. 家の保証がなくなるケースがある
ビスなどで簡単に固定できるテラス囲いは、万が一事故等が起きても、家の保証の対象外となるケースがあります。たとえば、雨水による水漏れが起きた場合、テラス囲いの水密性は完全ではないことから保証の対象にはなりにくいといえます。
【対策】
「いざというときに保証が受けられない」とならないためにも、テラス囲いを設置するときはあらかじめ保証の対象可否を確認しておくと良いでしょう。保険会社はもちろん、ハウスメーカーや工務店に確認するのも選択肢の1つです。
7. 固定資産税がかかるケースがある
テラス囲いを設置すると、自宅の面積が広くなったとして固定資産税が増額となるケースがあります。固定資産税は毎年発生する税金であるため、一度でも増額してしまうと毎年負担を強いられることになります。
なお、テラス囲いが固定資産税の対象になるかどうかは、自治体や担当者の判断によって異なります。まったく同じ製品やサイズであっても、固定資産税の対象になるかどうかはケースバイケースとなります。
【対策】
固定資産税による思わぬ負担を避けるためには、あらかじめ役所の窓口などに問い合わせておくのが確実です。設置する予定のテラス囲いのパンフレットを持ち、固定資産税の有無や増税額をあらかじめ確認しておきましょう。
事前に窓口で確認を取っておけば、万が一実際の調査によって固定資産税の増額といわれたときでも「確認済みです」ということができ、課税を免れる可能性があります。
テラス囲いの設置で後悔しないためのコツ

あとになって「やっぱりテラス囲いを設置しなければよかった」とならないためには、次の5点をあらかじめ確認しておくことが大切です。
- 具体的な利用法をイメージする
- 設置場所をよく考える
- サイズをよく考える
- 家のデザインと合わせる
- 固定資産税の有無を確認しておく
具体的な利用法をイメージする
はじめに、なぜテラス囲いを設置したいのか、具体的な利用法をイメージしてみましょう。よくあるテラス囲いの利用例としては、以下が挙げられます。
- 洗濯物を干す
- バーベキューやティータイムを愉しむ
- 子どもやペットを遊ばせる
さらに、具体的な利用頻度や利用時間等を想定しておくと、設置してから「思ったほど使わなかった」となる後悔を防ぐことができます。
設置場所をよく考える
テラス囲いを設置するなら、自宅のどこに設置するのかも事前に考えなければなりません。
たとえば、先述の通り寝室の近くにテラス囲いを設置してしまうと、雨音によって夜眠りにくくなることがあります。ほかにも、次のような場所は、テラス囲いの設置には不向きといえます。
- 寝室の近く(雨音が気になる)
- 建物の北側(太陽光があたらない)
- 梁や柱がない場所(テラス囲いを取り付けできない)
サイズをよく考える
テラス囲いを選ぶときは、サイズについても十分に配慮が必要です。先述の通り、あまりに大きいテラス囲いを設置すると、それだけ庭の面積が狭くなってしまいます。場合によっては、建物全体に圧迫感が生まれてしまうこともあるでしょう。
横幅や奥行きはもちろん、高さも自宅に適しているか、事前に確認が必要です。
家のデザインと合わせる
テラス囲いのデザインは自宅の建物のデザインと合わせることで、違和感が生まれにくくなります。
たとえば、自宅の建物が白色の場合、テラス囲いも白色にすれば自然になじみやすくなります。一方、黒いテラス囲いだと骨組みが目立つぶん、余計な圧迫感につながることもあるでしょう。
テラス囲い単体のデザインも重要ですが、実際に自宅に設置したときにどういった見栄えになるのか、あらかじめイメージしておくことが大切です。
固定資産税の有無を確認しておく
テラス囲いの設置に伴う費用負担をできるだけ少なくしたい方は、必ず固定資産税の有無も事前に確認しておきましょう。役所の判断で固定資産税の対象となれば、その後は毎年増額分を払い続けなければなりません。これでは、たとえテラス囲いの設置費用が安かったとしても、トータルで高くついてしまうでしょう。
先述のとおり、固定資産税の対象になるかはケースバイケースです。「〇〇さんのところは大丈夫だったみたい」などと判断するのではなく、自治体の窓口にパンフレットなどを持参し、あくまで個別にチェックしてもらうことが大切です。
デメリットだけじゃない!テラス囲いのメリットは?

ここまで、テラス囲いのデメリットを中心に解説しましたが、最後にテラス囲いのメリットも確認してみましょう。テラス囲いのメリットとしては、主に次の3点が挙げられます。
- 洗濯物を干せる
- 開放的な雰囲気がある
- 設置費用が安い
洗濯物を干せる
テラス囲いの大きなメリットとして、天候に関係なく洗濯物干せることが挙げられます。特に、雨が多い梅雨の時期や冬などに洗濯物を干せるのは、テラス囲いならではのメリットでしょう。
また、テラス囲いで洗濯物を干せば、花粉やPM2.5などが洗濯物に付着することもありません。特に花粉症の方やアレルギー体質の方がいる家庭では、これらの飛来物を気にしなくていいのは大きなメリットとなります。
さらに、テラス囲いは日光が当たりやすいように設計しているため、リビングなどよりも洗濯物が乾きやすく、生乾きによるにおいが発生することも少ないといえます。
開放的な雰囲気がある
テラス囲いには開放的な雰囲気があり、バーベキューやティータイムなど、プライバシーを守りつつアウトドアを楽しむことができます。のんびりとひなたぼっこをしながら昼寝できるのは、テラス囲いならではの醍醐味でしょう。
設置費用が安い
テラス囲いの設置費用はおよそ30~50万円が相場で、自宅のリフォーム内容としては比較的安い項目に入ります。テラス囲いの面積が小さければ、設置費用をさらに節約することも可能でしょう。
また、テラス囲いは最短1日で設置可能と、工期が短いのも特徴の1つです。土日などでも気軽に依頼できるため、普段は仕事で忙しい方でも依頼しやすいといえます。
テラス囲いで失敗しないためには事前確認が肝心

当記事の内容おさらいすると、テラス囲いのデメリットとしては主に次の7点が挙げられます。
- 夏は暑く冬は寒い
- 気密性や水密性が低い
- 雨音が気になりやすい
- 庭が狭くなる
- 掃除が必要
- 家の保証がなくなるケースがある
- 固定資産税がかかるケースがある
こうしたデメリットをあらかじめ知っておけば、いざ設置してから「やっぱりいらなかったかも」と後悔するリスクを下げることができます。
これからテラス囲いを設置する方は、メリットだけでなくデメリットも十分に確認し、満足のいくテラス囲いの設置を目指してください。
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