プライベート感が強く、「家の延長」のような感覚で使用できるテラス囲い。しかしリフォーム費用が高くなるうえに固定資産税も関係してくる可能性があるため、「お金が心配で購入に踏み切れない」という方も少なくないでしょう。
この記事では、テラス囲いのメリットやデメリットを考察した上で、実際にかかる費用相場や施工例、そして気になる固定資産税の扱いについても解説していきます。何も考えずにリフォームすると、後になって想定以上の費用を負担しなければなりませんので、これからテラス囲いの設置をお考えの方は必見です!
【リフォーム前に必見】テラス囲いとサンルームの違い
まずはじめに、「テラス囲い」という言葉の定義を確認しておきましょう。よく似た言葉として「サンルーム」がありますが、両者は下記のように微妙にニュアンスが異なります。
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テラス囲い |
サンルーム |
基礎工事の有無 |
× |
◯ |
気密性・水密性 |
△ |
◯ |
費用 |
◯ |
△ |
屋根の素材 |
ポリカーボネート |
ガラス |
イメージ |
家の延長 |
家の一部 |
特に重要なのが、「家の延長」なのか「家の一部」なのかという違い。気密性や水密性などのわずかな違いにより、テラス囲いかサンルームかの判断は変わってきます。
テラス囲い

テラス囲いとは、テラスの床・屋根・囲いの3つのパーツを組み合わせたもの。
もともと床だけの「テラス」、テラスが濡れないようにするための「テラス屋根」がありますが、さらに周囲を覆うことによってプライベートな空間を作り上げるのが「テラス囲い」の役割です。
ほぼ完全に周囲をカバーするものから、高さの半分だけをカバーするものなど、囲いの種類は実に様々。気密性や水密性こそ完璧ではありませんが、サンルームに比べてもお手頃な価格で設置できるのは大きな魅力でしょう。
サンルーム

一方のサンルームは、その名の通り「太陽光を取り入れるための部屋」のこと。「部屋」と定義されることがポイントで、設置の際には土台を固める基礎工事が必須となります。
完全に「家の一部」であることから気密性や水密性に優れ、雨の日でも安心して洗濯物を干すことができます。一方でガラスの使用部分が多いことから費用も高額になりやすく、設置後は固定資産税を支払わなくてはなりません。また、容積率や建ぺい率(敷地に占める建物の割合)が変わることからも、変更登記の手続きが必須となります。

テラス囲いを後付けするメリット・デメリット

「テラス囲い」と「サンルーム」はとてもよく似ているため、「どちらが良いかわからない」と迷ってしまう方もいるかもしれません。そこでここでは、テラス囲いを設置するメリット・デメリットを、サンルームと比較しながら考察してみましょう。
メリット
テラス囲いならではのメリットは、何と言っても手軽さ。条件を満たせば役所関係の手続きも不要で、費用相場も安くなる傾向にあります。
- 多少の雨なら心配なく洗濯物を干せる
- プライバシーと開放感が同時に味わえる
- 土台の基礎工事がいらない
- 費用相場が安い
- 施工期間が短い
施工期間は内容にもよりますが、基本的には数日程度。最短1日でも設置できるため、普段は仕事や家事が忙しいという方でも、まとまった休みを確保する必要はありません。
デメリット
一方で、テラス囲いのデメリットとして挙げられるのは天候面。代表的なデメリットとしては、以下の3点が上げられます。
- 豪雨の際に水が入ってくる可能性がある。
- 夏は暑く、冬は寒くなりやすい
- 雨の音が気になることがある
いずれも、サンルームと比較した際に気密性や水密性が劣ることが原因と言えます。よほど強い雨でない限り水が入ってくることは考えにくいですが、夏の暖気や冬の寒気はダイレクトに影響を受けるため、冷風機やストーブを設置するなど何かしらの対処が必要となってきます。

テラス囲いに固定資産税がかかるかどうかは自治体判断

テラス囲いを設置するうえで、まずは知っておきたいのが固定資産税の問題。固定資産税は設置後も払い続けていく義務があるため、場合によっては「思っていた以上に維持費がかかってしまう」ということにもなりかねません。
結論から言うと、固定資産税がかかるかどうかはお住まいの地域の自治体の判断によります。言い換えると、たとえ全く同じテラス囲いだったとしても、自治体によって固定資産税の対象になるケースとならないケースがあるのです。
判断の基準は、外気から遮断された屋内の空間であるかどうか。サンルームなら100%固定資産税の対象になりますが、テラス囲いが対象になるかはケースバイケースです。固定資産税がかかれば長期的な支払いが必要となるため、施工前にカタログなどを持参して役所の固定資産税課にあらかじめ聞いておくと安心でしょう。
またこの際に、併せて確認しておきたいのが建ぺい率(敷地に占める建物の割合)。建ぺい率は30~80%の間で地域ごとに定められています。何も考えずにテラス囲いを設置すると、後になってから建ぺい率オーバーが判明することで様々なデメリットが生じますので、違反がないよう必ず事前に確認してください。

テラス囲いの費用相場&費用を下げるコツ

テラス囲いがあると生活スタイルの幅を広げることができますが、やはり気になるのが費用面。床だけの「テラス」や屋根とセットになった「テラス屋根」に比べると、テラス囲いは費用が高額になりがちです。
ここからは実際の施工例も交えながら、テラス囲いの費用相場や素材についてご紹介しますので、想定の予算内に収められるよう費用を下げるノウハウも身につけましょう。
費用相場
一般的に、テラス囲いの費用相場は約30~50万円。家の大きさや素材選びにもよってオーバーすることもありますが、シンプルな構造なら基本的に30~50万円の範囲内に収めることができます。
テラス囲いの縦・横のサイズでは、それぞれ「間」・「尺」という単位が使われます。1間=約180cm、1尺=約30cmにあたるため、それぞれの大きさをcmに換算すると下記のとおりとなります。
間 |
尺 |
cmでのサイズ |
1.5間 |
3尺 |
約270cm×90cm |
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4尺 |
約270cm×120cm |
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5尺 |
約270cm×150cm |
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6尺 |
約270cm×180cm |
2.0間 |
3尺 |
約360cm×90cm |
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4尺 |
約360cm×120cm |
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5尺 |
約360cm×150cm |
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6尺 |
約360cm×180cm |
テラス囲いとして特に人気なのは2.0間×6尺(約360cm×180cm)。これだけのスペースがあれば、洗濯物を干すにも子どもを遊ばせるにも十分なスペースと言えるでしょう。
「費用をもう少し下げたい」という方は、サイズを下げることで価格も相対的に下がる傾向にあります。実際に設置したいと考えている場所のサイズを計測し、どれほどのサイズになるのかまずは確認してみてください。
費用を左右する素材
テラス囲いの設置にかかる費用は、素材によって大きく変わってきます。もしも費用をなるべく削減したい方は、以下のような選択肢を検討してみても良いでしょう。
- 囲いをガラスではなく柵状のものにする
- サイドのガラスを簡素な設計にする
- 床の素材をフローリングではなく樹脂製デッキ材に変える
ガラス素材を柵に変えると気密性や水密性は大きく下がるため、洗濯物を干すという意味ではあまり向いていません。しかし一方で、晴れた日には開放的な雰囲気を味わうことができるため、テラスとテラス囲いの中間のようなイメージで、それぞれの良いところを実感することができるでしょう。
床・屋根、テラス囲いそれぞれの素材の選び方は『テラスの失敗しない選び方 | タイプ・素材・価格帯を徹底比較』で詳しく解説していますので、併せて読んでみてください。

【画像つき】テラス囲いリフォームの施工費用例
最後に、実際にカインズホームで手掛けたテラス囲いのリフォーム例をご紹介しましょう。


工事内容 |
ウッドデッキ∔テラス囲い |
期間 |
1日 |
費用 |
73万円 |
お客様の感想 |
犬の遊び場用にテラス囲い+ウッドデッキを設置したかったので購入。色々問題があったようですがきれいに収めていただき満足です。 |
担当者より |
入隅や腰壁タイル、軒付け高さ、左右の雨樋、既存バルコニー柱干渉等様々な問題がありましたが、戸袋逃げ部材や出幅調整、雨樋移設でクリアーできました。 |
こちらの施工例は、ウッドデッキとテラス囲いを2つ同時にリフォームし、費用総額は73万円となりました。2つ同時のリフォームのため少し高額に思えるかもしれませんが、同様に1.5間のテラス囲いであれば、最安248,000円から設置可能です。
テラス囲いの設置費用は、実際のご自宅のサイズや素材によって様々ですので、「うちの場合は最低どのくらいかかるの?」と気になる方は、まずはお気軽にお問い合わせください!
テラス囲いはサンルームに比べて施工期間が短く、施工費も非常に安くなります。テラス囲いを手に入れれば、洗濯物の悩みも解決するとともに、プライベート感と開放感の両方を手に入れることができるでしょう。ぜひこの記事を参考に、無理のない予算で理想のテラス囲いを手に入れてくださいね!
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