「庭をもっとおしゃれにしたい」「玄関まわりの防犯性を高めたい」といった理由から、外構のリフォームを検討している方も多いかもしれません。外構は門扉から玄関アプローチ、テラス、サンルームまで幅広くリフォームが可能で、それぞれに費用も異なります。そのため、リフォームしたい場所を明確にしておくことが大切です。
そこでこの記事では、外構リフォームの種類や内容、費用相場などについて分かりやすく解説します。また、外構リフォームを発注する際のポイントも紹介しますので、依頼先を選ぶ際の参考にしてみてください。
そもそも外構リフォームとは?
そもそも外構リフォームとは、どのような工事のことをいうのでしょうか。ここでは、似た言葉である「エクステリア」との違いも含めて解説します。
(1)外構リフォームの意味
外構とは、門扉や玄関アプローチ、庭の植栽やカーポートなど、家の外にある構造物のことです。つまり、外構リフォームとは、家の外の構造物を整備して、住まいの防犯性や機能性、デザイン性を高めるリフォーム工事のことをいいます。外構リフォームをすることによって、家の外観に季節感が生まれたり、庭に憩いの場ができたり、庭を子どもの遊び場として活用できるようになったりと、暮らしをより充実させることができるでしょう。
(2)エクステリアと外構の違いとは?
最近は「エクステリア」という言葉を聞く機会も多いかもしれません。外構が家の外にある「構造物」一つひとつを指すのに対して、エクステリアは家の外にある「空間や環境」全体を指します。つまり、外構はエクステリアの一部です。室内をインテリアでおしゃれにするように、屋外のエクステリアを充実させておしゃれにしたいという人が増えています。2つの言葉を使い分ける施工業者もあるので、参考までに覚えておきましょう。
外構リフォームの種類と相場とは?

ここでは、主な外構リフォームの種類とそれぞれのメリット、費用相場について紹介します。
※各外構リフォームの費用相場は、使用する材料や敷地の広さによって大きく異なります。詳しい料金体系については、依頼先の施工業者にお問い合わせください。
(1)門扉
門扉(もんぴ)とは、家の入口に設置する扉のことです。扉にロックをかけることで侵入者を防ぎ、住まいの防犯性を高めることが可能です。また、洋風・和風・両開き・片開きといったデザイン性にこだわれば、家の第一印象もガラリと変わって華やかな外観になるでしょう。素材は、太陽光や雨風に強い「樹脂」、錆(さび)に強く耐久性のある「アルミニウム」、重厚感が特徴の「鉄」、自然の温かみを出せる「木」などがあります。
- 費用相場……本体価格:5万円~25万円(スタンダードなタイプの場合)、施工費用:20万円~40万円
(2)玄関アプローチ
玄関アプローチとは、家の入口から玄関まで続く小道のことです。玄関アプローチに素材を敷き詰めることで、雨の日も滑りにくくしたり、歩行時の音によって防犯性を高めたりできます。洋風や和風の素材を使うことで、庭の雰囲気を大きく変えることもできるでしょう。素材は、洋風のデザインに向いている「レンガ」、和風の印象を出すのに最適な「枕木」、雑草対策に効果のある「敷石」、音が大きく防犯性の高い「砂利」などがあります。
- 費用相場……本体価格:1㎡あたり1万円~3万円、施工費用:15万円~30万円(10㎡の施工を想定)
(3)カーポート
カーポートとは、屋根と支柱のみでできた簡易車庫のことです。屋根がついているので車を直射日光から守ったり、雪や雨を防いだりできます。「車の乗り降りの際、雨に濡れないようにしたい」「夏の日に車内の温度が急激に上がるのを防ぎたい」という方には最適といえるでしょう。豪雪地帯で雪に強いカーポートが必要な場合は、屋根にガリバリウム銅板という素材の使われた「折板タイプ」を選ぶことをおすすめします。
- 費用相場……施工費用(本体価格込み):1台分20万円~30万円、2台分40万円~50万円
(4)目隠しフェンス
目隠しフェンスとは、家のまわりに設置するフェンスのことです。フェンスによって通行人の視界を遮れるので、人目を気にせず庭で洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりできるようになります。また、外壁に高さが生まれることで侵入者を防ぎやすくなるのもメリットでしょう。素材は、どの住宅にもマッチしやすい「アルミニウム」や「ステンレス」、和風邸宅の印象を出せる「竹垣」、植栽や花々との相性が良い「木材」などがあります。
- 費用相場……本体価格:1枚(幅約1m)あたり1万円~10万円、施工費用:20万円~60万円(幅約20m)
(5)テラス・ウッドデッキ
テラスとは、リビングやダイニングと直接つながっており、地面より少し高い位置にある屋外のスペースのことです。なかでも木製の床材を使ったテラスのことを、「ウッドデッキ」といいます。テラスやウッドデッキは屋外の開放的な空間なので、友人を招いてBBQを楽しんだり、子どもの遊び場所にしたりと活用方法もさまざまです。また、「日光の降り注ぐ場所でコーヒーを楽しむ」といった、普段のリラックススペースとしても利用できます。
- 費用相場……施工費用(本体価格込み):25万円~45万円(※屋根をつける場合は別途15万円程度必要)
(6)サンルーム
サンルームとは、日光をたくさん取り入れるために作られた、ガラス張りの部屋のことをいいます。虫や花粉を避けて洗濯物を干したり、家庭菜園をしたり、子どもやペットの遊び場所にしたりと幅広い目的で活用が可能です。サンルームは日光が気持ちよく降り注ぎ、ガラス越しに景観も味わえるため、友人や家族と一緒にティータームなどを楽しむ場所としても最適でしょう。リビングの延長として設置することも多いので、空間を広く使えるようになります。
- 費用相場……施工費用(本体価格込み):30万円~300万円(※広さや素材などによって大きく変動)
外構リフォームの依頼先はどう選べばいい?
外構リフォームの依頼先としては、リフォームの専門会社やホームセンターのリフォーム部門、ハウスメーカー系の外構工事会社など、さまざまです。では、最適な施工業者を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。外構リフォームの依頼先を決める際の“3つ”のポイントについて解説します。
(1)過去の工事実績を確認する
施工会社によって、過去に手がけてきた工事の種類は異なります。そのため、各社のホームページで外構リフォームの施工実績を調べておくことも大切です。具体的には、「自分の好みに合う施工をしてもらえそうか」「複数箇所の施工も同時に依頼できるか」「予算は合いそうか」などを確かめておくと、安心して依頼できるでしょう。
(2)専門分野を把握する
施工会社ごとに、外構リフォームの得意分野は違います。例えば、ある会社は「カーポート」、ある会社は「サンルーム」の施工に強いという具合です。すでにリフォームしたい場所が決まっている場合は、その分野の施工実績が豊富な会社のほうが安心できます。そのため、各社の専門分野もホームページで確認しておきましょう。
(3)複数の企業から見積もりをもらう
外構リフォームの工事を依頼する際には、できるだけ2~3社の施工会社から見積もりをもらうことが大切です。さまざまな施工会社の予算や図面、使用素材などを見比べることで、自分に合う依頼先も見つかりやすくなります。もちろん、そのぶん時間はかかってしまいますが、理想のリフォームを実現するには相見積もりが有効です。
外構リフォームを成功させるポイントとは?

外構リフォームを理想形に近づけるためには、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。ここでは、外構リフォームを成功させるためのポイントについて解説します。
(1)現在の不満点を明らかにする
外構リフォームを依頼する際は、現在の住まいについて不満に思っている点を明確にすることも大切です。例えば、「通行人の視線が気になって庭で快適に過ごせない」「入口から玄関までの道が雨で滑りやすい」などがあげられます。外構リフォームの“目的”がはっきりしていれば、施工内容も決めやすくなるでしょう。
(2)外構全体のつながりを意識する
外構リフォームをする際は、「カーポートだけ」「ウッドデッキだけ」で考えるのではなく、外構全体のつながりを意識することも重要です。例えば、「カーポートから玄関アプローチまでの距離は適切か」「テラスの高さと目隠しフェンスの高さは合っているか」「門扉をつけることで駐車しにくくならないか」なども考える必要があります。家族の暮らしぶりをよく観察したうえで外構の配置や種類を決めると、より快適な住まいになるでしょう。
(3)リフォームの優先順位を決める
外構リフォームは、素材の種類や施工する広さなどによって費用が大きく異なります。そのため、「外観の良さを最優先して、天然木材を使いたい」「値段を優先したいので、素材にはこだわらない」のように優先順位を決めておくことも大切です。こだわるべき部分が決まっていれば、予算も最適な範囲で抑えやすくなるでしょう。
まとめ
外構リフォームを実施する際は、「生活で不満を感じている部分」や「実現したい暮らし」を入念に検討しておくことが大切です。リフォームの目的が明確になっていれば、最適な依頼先も選びやすくなるでしょう。
また、外構リフォーム会社を選ぶ際には各社のホームページを細かくチェックし、実績を確認しておくことも重要です。加えて、分からないことは遠慮なく担当者に聞いておくことで、安心して発注できます。より充実した暮らしを実現するためにも、ぜひ意識してみてください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。