家のテラスに屋根を設置すると、庭で食事を楽しんだり、日焼けを防ぎながら日向ぼっこをしたり、家でできることが広がります。そして何より、家の外観をワンランクアップさせてくれます。
テラス屋根は、種類・特徴・デザインも様々です。いざ検討しようとカタログを開いても、どれを選んでいいのか迷ってしまうかもしれません。
そこでこの記事では、おしゃれなテラス屋根の種類や特徴を解説します。基礎知識として知っておくことで、カタログでの商品選びがしやすくなるでしょう。ぜひ、家のテイストに合うあなたの理想にピッタリのテラス屋根を見つけてください。
おしゃれなテラス屋根の種類と特徴

テラス屋根は、形状や柱、デザイン、カラーリングにいくつかの種類があります。どの組み合わせがおしゃれなのか、どのメーカーのテラス屋根がおしゃれなのか、楽しみながら選択できるようにテラス屋根の種類や特徴を解説します。
テラス屋根の形状
テラス屋根には2種類の形状があります。
・アール型
テラス屋根の先端部分が丸みを帯びている形状のものです。屋根が広く見え、やさしい印象の外観にしたい人におすすめです。自由に勾配を変えられるタイプも販売されています。
・フラット型
テラス屋根に勾配がない平らな形状のものです。スッキリとしたスタイリッシュなデザインであり、モダンな雰囲気を好む人におすすめです。また、テラス屋根が室内から外への視線を遮りませんので、庭の景観を邪魔しませんし、部屋も暗くなりません。
柱の種類と特徴
屋根だけでなく、柱にも種類があります。見た目の違いだけでなく、特徴も異なります。
・標準モデル
屋根の端に柱がついているシンプルな造りのテラス屋根ができます。コストが最も安いタイプです。場合によって柱が景観を邪魔する可能性があります。
・柱奥行き移動モデル
柱が端よりも少し家側についており、水道管など設置の障害となるものを避けることができるタイプです。標準モデルよりもコストはかかります。
・柱なしモデル
屋根を支える柱がないため、デザイン性が高いタイプと言えます。柱が邪魔にならないメリットはありますが
強度の観点から屋根の幅が制限されます。
・独立モデル
他のモデルは家の外壁に穴をあけるなどの手を加えて設置しますが、独立タイプは家本体とは別物として設置できるため、外壁に手を加える必要がありません。近年は特に人気があるタイプです。
おしゃれなデザイン
テラス屋根は、テラスの雰囲気に大きく影響します。そのため、デザインにこだわりたい方も多いでしょう。
・屋根が薄いデザイン
LIXILの「テラス屋根SC」は、テラス屋根を40mmという薄さに抑えた商品です。どの家にも調和しやすい、屋根と柱だけのタイプです。洗練されたデザインの独立モデルであるため、家の外壁を傷つけることなく設置できます。また、ボルトやネジが屋根の下から見えないように配慮され、デザインを邪魔する要素が少ないおしゃれなテラス屋根です。
・視界を横切るフレームがないデザイン
一般的なテラス屋根には、屋根を支える野縁というフレーム(骨組み)があります。これは、屋根を横に走るフレームですが、LIXILの「テラス屋根VS」は野縁を取り除いたデザインです。スッキリと抜けた開放感を実現したテラス屋根で、2021年度にグッドデザイン賞を受賞しています。
・木目調のデザイン
木製の枠組みに蔦などの植物を絡ませるパーゴラと同じように、木目調の素材を使ったテラス屋根もあります。YKK APの「サザンテラス」や三協アルミの「ナチュレ シリーズ」のテラス屋根が木目調のデザインです。木目調はウッドデッキとの相性は抜群であり、柱に蔦を絡ませればナチュラルな雰囲気のガーデンテラスが完成します。
カラーによる印象の違い
テラスの雰囲気は色合いによっても大きく変わるため、各色の特徴も紹介します。
・ホワイト
清潔感がある明るいイメージで、スッキリとした印象を持たせることができます。家の外観がホワイトやナチュラルブランであれば、統一感のある外観に仕上がります。また、アイアン素材とも相性が良いので使いやすいカラーと言えます。
・ナチュラルブラウン
明るくカジュアルなイメージのテラス屋根に仕上がります。相性が良い素材はタイルやレンガですので、ナチュラルテイストの外観を作りたい人にはおすすめのカラーです。
・ダークブラウン
大人っぽい上品な雰囲気のテラス屋根を作ることができます。同系色またはホワイトの大理石とも相性が良く、リゾートをイメージしたインテリアともマッチします。

テラス屋根を設置するメリット

テラス屋根を設置するメリットは雨を凌ぐだけではありません。ここでは、様々な角度からメリットを解説します。
雨や雪の影響を防ぐ
テラス屋根があれば、急な雨で洗濯物がびっしょり濡れて洗い直すようなことがなくなります。雨水や泥はねによる窓の汚れも軽減できますので、家事の負担も減らせます。窓を開けておきたい季節に急な雨が降り出しても、慌てて窓を閉めることもありません。なお、アール型の屋根は屋根に勾配がついていますので、雨粒が自然に流れ落ちますし、少しの雪であれば自然に滑り落ちていくので雪下ろしの心配も不要です。
目隠しができる
テラス屋根を取り付ければ、隣家の2階や向かいのマンションといった、上からの視線が気にならなくなります。また、目隠しのパネルを前面と側面につけられるテラス屋根もあります。外からの視線を遮ることができるため、室内のプライバシーが守られて快適に過ごせるようになります。
日差しや紫外線をカットする
テラス屋根に使われるポリカーボネートは、紫外線をカットする素材です。そのため、窓際で過ごすときや洗濯物を干すときの日焼けを軽減することができます。また、窓際に置いた家具やフローリングを日焼けによる色あせから守ることもできます。なお、熱線遮断(熱線吸収)タイプの屋根材を使えば温度の上昇を抑えられるため、エアコンの効きも良くなります。電気代の値上げが気になる昨今では、特にうれしいメリットではないでしょうか。
庭での楽しみが増える
テラス屋根で覆われたスペースは、家族団らんの時間を充実させてくれます。BBQを楽しんだり、のんびり読書をしたり、子どもやペットと遊んだりと、思い思いの過ごし方ができるでしょう。ガーデニングなどの趣味に打ち込む作業スペースとして利用することもできます。日除けをテラス屋根に取り付けば、夏でも日陰でゆったりとくつろぐことができるでしょう。
意外な活用の仕方も
敷地条件によりカーポートが建てられない場合に、カーポートの代わりにテラス屋根を利用する人がいるようです。また、サイクルポートの代わりにテラス屋根を利用する人、門扉から玄関アプローチの上にテラス屋根を設置して雨に濡れない道を作る人もいます。ちょっとしたアイデアで自分なりの使い方を楽しめそうです。

テラス屋根の設置の流れ

テラス屋根の設置はどういう手順で行われているのでしょうか。ここではその流れや費用相場、工期を解説します。
テラス屋根の設置の流れ
・垂木掛け(たるきがけ)の取り付け
まずは家の外壁に垂木掛けという長い部材を横向きに取り付けます。取り付ける高さは、テラス屋根の高さです。取り付けの際には外壁に穴をあけ、その穴から雨が入り込まないようにボルトを差し込む部分にシーリングを施します。外壁によって垂木掛けを取り付けられない場合がありますので、工事業者に現場調査をしてもらってからテラス屋根の設置を発注することをおすすめします。
・基礎の穴掘り、前枠の取り付け
テラス屋根の柱を立てるために、地面に穴を掘ります。この段階では柱は固定せずに仮で立てておき、前枠を取り付けます。
・側枠、垂木、野縁の取り付け
垂木掛けと前枠をつなぐ側枠と垂木を取り付けたら、屋根を支えるための細長い野縁を取り付けます。前述の通り、野縁のないデザインのテラス屋根もあります。
・シーリング
家の壁と垂木掛けの隙間などから雨が入り込む可能性があります。そのため、防水目的であらゆる隙間をシーリングで埋めていきます。
・屋根の取り付け、基礎仕上げ
ポリカーボネートの屋根を取り付けます。最後に仮で立てていた柱の根元にモルタルを流し込んで固定します。モルタルが乾いたら完成です。

まとめ
テラス屋根の種類や特徴を解説してきました。テラス屋根の基本的な知識を持って商品を探すことで、心惹かれるテラス屋根の傾向が見えてくると思います。家のテイストや理想の生活に合うおしゃれなテラス屋根をイメージして、「あの商品にしておけば良かった」といった後悔のないよう、商品選びを楽しんでください。
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