ウッドデッキや庭に取り付けるだけで、生活の利便性が格段にアップするテラス屋根。雨や紫外線を防ぐだけでなく、大切なテラスの劣化を防ぐ効果も期待できます。しかし一方で、テラス屋根を設置することでデメリットが生まれる可能性があるのも事実です。「こんなはずじゃなかった」と後悔が残れば、せっかくの設置費用も水の泡となってしまうでしょう。
テラス屋根を後付けする方法
テラス屋根を後付けする方法は、以下の2種類に分かれます。
- 外壁に穴を開けてテラス屋根を設置する
- 独立タイプのテラス屋根を設置する
それぞれにメリットやデメリットがあるので、比較してみましょう。
外壁に穴を開けてテラス屋根を設置する
外壁に穴を開けてテラス屋根を後付けする場合は、ビスなど打ち込み、外壁とテラス屋根を接続して固定するのが一般的です。外壁に穴を開けてテラス屋根を設置するメリットは、強度が高まる点です。
テラス屋根をしっかり支えて安全性を確保するためには、柱だけでは強度が不十分なケースが多くなっています。外壁にテラス屋根を固定すれば、雨風や積雪への耐久性も高まるでしょう。
独立タイプのテラス屋根を設置する
独立タイプのテラス屋根は柱でテラス屋根を支えているので、外壁に穴を開けて家と接続する必要がありません。柱の位置は主に次の3つのタイプに分かれます。
- 家の外壁側に柱があるタイプ:家の中にいるときに柱が邪魔になることがなく、開放感がある。
- 柱がテラス屋根の中央にあるタイプ:安定感があり、設置場所の選択肢が幅広い。
- 家と反対側に柱があるタイプ:テラス屋根の下のスペースを広く確保できる。
独立タイプのメリットは、外壁に穴を空ける必要がないため、設置が簡単で設置コストも抑えられる点です。ただし、家の状態によっては設置できない場合もあります。
テラス屋根を後付けするのが難しいケースは?
家の状態や商品の種類によっては、自宅にテラス屋根を設置するのが難しいケースもあります。ここからは、後付けが難しいケースを3つ紹介するので、設置する商品を選ぶ前に確認してみてください。
商品が自宅の状態に対応していない
外壁に穴を空けて設置するテラス屋根は、外壁の種類や状態によっては設置できない可能性があります。また、商品によっては木造や重量鉄骨の住宅にしか設置できないケースもあるので、注意が必要です。
商品を購入してから「適用外だった」ということがないよう、商品を選ぶ前に業者に依頼してテラス屋根が設置可能か確認してもらったり、商品ごとの設置条件を確認したりした上で購入するテラス屋根を決めるのがおすすめです。
長期優良住宅の認定を受けている
長期優良住宅として認定を受けている場合、外壁に穴を空けてテラス屋根を設置すると認定が取り消される場合があるので注意が必要です。というのも、長期優良住宅の認定は将来的に住宅の構造が変わることを想定していないためです。
認定が取り消しされると返金などの要請を受けることもあります。そのため、長期優良住宅の認定を受けている場合は独立タイプのテラス屋根の設置を検討するのがおすすめです。
家の基礎が浅い位置にある場合
外壁に穴を空け、家側に柱のあるテラス屋根を設置する場合、柱を立てるのに50cmほどの深さが必要になります。そのため、家の基礎が50cmよりも浅い位置にある場合は、家側に柱を立ててテラス屋根を設置するのは難しいでしょう。
検討している商品が自宅に設置できるか不安という方は、事前に業者に相談するのがおすすめです。
テラス屋根を設置する3つのメリット

青空のもと開放的な気分が味わえる庭やウッドデッキですが、雨が降るだけで活用法もかなり限られてしまうもの。テラス屋根を設置すれば天候の心配がなくなり、様々なメリットが生まれます。
- 雨でも洗濯物を干せる
- 紫外線や赤外線を防げる
- テラスの劣化を防げる
特に上記の3つは、テラス屋根のメリットとして特に顕著なもの。洗濯物のストレスが減るだけでも、日常生活ははるかに快適なものになります。
1. 雨でも洗濯物を干せる
テラス屋根を設置する最大のメリットと言えば、やはり雨でも洗濯物を干せるということでしょう。もちろん暴風雨がテラス内に入ってくると洗濯物も濡れてしまいますが、一般的な雨であれば屋根の内側に干すことで洗濯物が濡れることはありません。
他にも下記のように日常の些細なストレスを回避することができます。特に梅雨の時期や夏の夕立の際には、テラス屋根のメリットを最大限に実感できることでしょう。
- 天気予報をチェックしなくて良い
- 慌てて洗濯物を取り入れなくて良い
- コインランドリーを利用しなくて良い
- 濡れた服を選択し直さなくて良い
2. 紫外線や赤外線を防げる
テラス屋根には、雨だけでなく紫外線や赤外線をカットしてくれるという効果もあります。特にポリカーボネート素材を採用すれば紫外線をほぼ100%カットできるため、日差しが強い時期でも日焼けを気にする必要がありません。特に女性の方は「日焼け止めをわざわざ塗るのが面倒」と感じる方も多いですが、テラス屋根があれば日差しを気にすることなくそのまま屋外に出ることができます。
また、日差しが直接入らなければ、夏の暑い時期でも優雅に涼むことができるでしょう。アウトドア気分でバーベキューや読書を楽しむ時でも、直射日光を浴びずに快適に過ごすことができます。
3. テラスの劣化を防げる
テラス屋根によって雨風や直射日光を防ぐことができれば、既存のテラスが守られたような状態になり、自ずとテラスが長持ちするようになります。特にウッドデッキの場合、雨風や直射日光にさらされることで日に日に床が劣化していくため、テラス屋根の有無によって寿命も大きく変わってくるでしょう。
せっかく手に入れたウッドデッキも、床がダメになってしまったら再リフォームが必要です。長い目で見れば、テラス屋根を早めに設置したほうが総合的な維持費は安くなるかもしれません。
テラス屋根を設置する3つのデメリット

日常に様々な選択肢をもたらしてくれるテラス屋根ですが、必ずしも良いことだけとは限りません。特に顕著なデメリットとしては、下記の3つが挙げられます。
- 開放感が減る
- 冬の寒さが強く感じられる
- 雨の音がする
特にテラス屋根を設置することで屋内の気温は下がる傾向にあります。寒さの厳しい地域や降雨量が多い地域にお住まいの方は、部屋の室温対策についても事前に考えておきましょう。
1. 開放感が減る
テラス屋根があることで、ウッドデッキや庭の開放感は少なからず減少します。外にいるときはもちろんのこと、家の中からテラスを見たときも場合によっては薄暗く感じられることでしょう。
対処法としては、透明度の高い屋根を採用する、屋根をできるだけ小さくするといった方法が挙げられます。ウッドデッキ全体を覆いたいのか、それとも一部だけで十分なのか、屋根がどこまで必要なのかを事前に検討しておくと安心です。
2. 冬の寒さが強く感じられる
日差しを遮断することで夏には快適なテラス屋根ですが、一方で冬には温度が上がりにくいというデメリットもあります。一般的に夏の冷房費はテラス屋根があることで安く済みますが、一方で冬の暖房費は上昇する可能性が高いでしょう。
そのため、寒さの厳しい地域にお住まいの方や「冬の寒さが苦手」という方は、冬の防寒対策についても事前に検討しなければなりません。
3. 雨の音がする
テラス屋根を設置した後の感想として「雨の音がする」という意見がよく見られます。ウッドデッキを覆う屋根がある以上、ある程度の音が生じてしまうのは仕方ないでしょう。これから新たに設置予定の方は音を考慮に入れた上で設置場所を決められますが、もしもウッドデッキが寝室に近いという場合は、テラス屋根を設置するメリットとデメリットを天秤にかけるしかありません。
また、もし強風で屋根がガタガタするような音がすれば、屋根材を固定する金具が緩んでいる可能性があります。金具さえ固定すれば音が鳴り止む可能性もありますので、ぜひ一度チェックして下さい。
テラス屋根の後付けリフォームのポイント
テラス屋根の後付けリフォームを実施するときは、まずテラス屋根を設置する目的を明確にするのがおすすめです。また、デザインや素材、設置方法など、事前にしっかり決めておくと予算や商品が決めやすくなるほか、設置した後に「後悔した」という事態を防げます。
次の4つのポイントをもとに、テラス屋根のイメージを固めていきましょう。
テラス屋根を後付けする理由をはっきりさせる
テラス屋根を後付けする理由や用途をはっきりさせておくことで、ピッタリのテラス屋根が見つかりやすくなります。例えば「ガーデニングを楽しみたい」という方は、木材を使ってテラス屋根に植物を絡ませたり、グリーンカーテンを作ったりするのもひとつの方法です。
また、「部屋の温度を下げたい」という方は、遮熱・遮光性に優れた屋根材を選ぶのがおすすめです。
このように、「テラス屋根がなぜ必要なのか」という点を明確にすると、必要な機能やデザインが明確になり、商品を絞り込みやすくなります。
目的に合った素材を選ぶ
テラス屋根のパーツの中でも、特に住環境に影響を与えるのが屋根です。屋根の素材によって次のような特徴があるので、商品を選ぶ際の参考にしてみてください。
- ポリカーボネート:熱を通しやすいため、洗濯物が乾きやすい。遮熱性に優れた種類もある。
- 折板(鋼板材):積雪に強い。光を遮るため、薄暗くなりがち。
- 塩化ビニール:採光性に優れているが、衝撃や熱に弱い。
カーポートの屋根材としても一般的な「ポリカーボネート」は、耐衝撃性や耐熱性に優れているのが大きな魅力です。カラーバリエーションが豊富で、採光性を確保しながら、熱や紫外線をカットできる種類もあります。
コストを抑えるなら塩化ビニールがおすすめですが、耐久性、耐熱性、耐衝撃性といった様々な面でほかの素材より劣ってしまうため、近年ではあまり製品に採用されなくなっています。
デザイン性を考慮して選ぶ
テラス屋根は素材やカラーのバリエーションが豊富なので、住宅と調和しているデザインを選ぶと統一感が生まれます。特にグレーやホワイト、ブラウン系のテラス屋根は、住宅となじみやすいのでおすすめです。
屋根だけでなく柱のカラーも選べる商品もあるので、細部までこだわりたい方はバリエーションを確認してみてください。
地域や環境に適しているテラス屋根を選ぶ
積雪のある地域は耐積雪のテラス屋根を選びましょう。積雪のない地域でも、予期せぬ積雪に見舞われたり、突風によってテラス屋根に被害が出てしまったりする可能性はゼロではありません。
もしもの場合に備えるなら、耐積雪や耐風圧といった強度が優れている商品を検討してみてください。また、海沿いの地域はテラス屋根が錆びやすくなってしまうので、スチールやアルミなど錆びにくい素材を選ぶのもひとつの方法です。
【施工例紹介】テラス屋根を後付けする費用相場

メリット・デメリットを踏まえた上で、ここからは具体的にテラス屋根の費用相場について確認していきましょう。「テラス屋根を設置する価値がありそう」と感じた方は、ご自身の予算内に収まりそうか、事前にチェックして下さい!
費用相場
ウッドデッキや庭に設置する屋根は、この記事でご紹介しているテラス屋根以外にもオーニングやパーゴラなどが挙げられます。それぞれの費用相場と特徴は以下のとおりです。
|
費用相場 |
特徴 |
テラス屋根 |
6~17万円 |
ウッドデッキや庭に設置する屋根 |
シェード・オーニング |
2~15万円 |
開閉可能な日よけ(雨よけ) |
パーゴラ |
16~23万円 |
木材で組んだ棚。デザイン性が高い |
シェード・オーニングはカフェのテラスなどに設置されている開閉可能な日よけ。費用面では魅力ですが、必要な時に出すというイメージのため、テラスを雨風から守るというメリットは薄れてしまいます。
もう一つのパーゴラは、縦横に木材を組んだ藤棚のようなもの。ツル性の植物を絡ませることで、一気におしゃれな空間を演出することができます。しかし隙間があることから雨を防ぐことはできず、費用面でもテラス屋根より高くなる傾向です。
施工日数
テラス屋根の後付にかかる日数は、基本的に1日~1週間程度。すでにウッドデッキがある場合には1日のみで終わる場合が多いですが、土台の基礎工事などが必要になると日数が延びる傾向にあります。
取り付け自体が1日で終われば、わざわざリフォーム立ち会いのために仕事の休みをとる必要もありません。まとまった休みが取れない方は、事前にどのくらいの日数がかかるのか確認しておくことをおすすめします。
リフォーム例
実際にテラス屋根をリフォームした施工例を写真付きでご紹介しましょう。こちらの施工ではウッドデッキ・テラス屋根・花壇を3点セットで設置し、費用は25万円、工事期間は1日となりました。


工事内容 |
ウッドデッキ+テラス屋根+花壇 |
期間 |
1日 |
費用 |
25万円 |
お客様の感想 |
庭づくりの一環でお願いしました。見栄えは想像していたより、良く出来ており、業者さんも親切で良かった。 |
※参考事例:現在とは価格が異なる場合がございます
テラス屋根の後付けで庭やウッドデッキが生まれ変わる!
テラス屋根を設置すれば、天候に左右されずに洗濯物を干せるだけでなく、ウッドデッキ自体の劣化スピードを緩められます。日差しの心配がいらなくなれば、読書時間やカフェタイムなど、今まで以上にテラスでの過ごし方のバリエーションも増えるでしょう。
ただし、自宅の外壁によっては、壁に穴を開けるタイプのテラス屋根が設置できない可能性があります。メーカーによっては独立タイプのテラス屋根もあるので、検討してみてください。
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ぜひこの記事を参考に、家計に無理のない予算で便利なテラス屋根を手に入れてください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合や、取り扱いのない場合がございます。