「床面がひんやりする」「暖房をつけていても足元が寒い」など床からの冷気でお困りの場合は、床下断熱リフォームを行いましょう。床下断熱リフォームを対象にした補助金制度があるため、期間内に申請・施工をすると通常よりも安くリフォームできます。
この記事では、床下断熱リフォームをするメリットや使える補助金、費用を左右するポイントについて解説します。補助金を使用する際の注意点も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
※各補助金の金額や要件などは、2024年5月時点の情報です。
床下断熱とは?

床下断熱とは、床下に断熱材を施す工法のことです。畳やフローリングなどの床材と床下空間との間に断熱材を入れることで、地面からの冷気を遮断します。床下断熱を行えば外気から家を守り、保温と保冷の働きが生まれるため、1年を通して快適な室内環境になるのが魅力です。
床下からの冷気が緩和されれば、冬場の床がひんやりする現象に悩まされることもありません。床下断熱を行っても床下換気は機能するため、効率的に換気ができます。シロアリの発生や湿気による腐食も少なくて安心です。
また、床下断熱と似ている工法として基礎断熱があります。どちらも床面を断熱しますが、断熱材を施工する場所が異なります。床下断熱は1階の床下に断熱材を敷き詰めるのに対して、基礎断熱は建物の基礎コンクリートを断熱材で覆うのが特徴です。基礎断熱は、一般的に寒冷地で採用されています。一方で日本の多くの地域は床下断熱でも十分に機能が発揮するため、リフォームするなら床下断熱を検討しましょう。
床下断熱リフォームのメリット

床下断熱リフォームをすると、断熱性が高まることでさまざまなメリットが得られます。断熱対策をしていない住宅だと、なおさら効果を実感しやすいでしょう。ここでは、床下断熱リフォームをすると得られるメリットを4つ解説します。
床の温度が上がる
床下断熱リフォームの大きなメリットは、床の温度が上がることです。床面のひんやりさが軽減され、スリッパを履かなくても快適に過ごせる環境になります。冬場に暖房をつけても床面はなかなか冷えないといった悩みも改善され、床で過ごしても苦にならなくなるでしょう。床からの冷気にお困りの場合は、床下断熱リフォームが有効です。
冷暖房の効きがよくなる
床下断熱を行うと、室内の断熱性が上がると同時に気密性も高まります。外気の影響を受けにくくなるため、以前よりも冷暖房が効きやすくなります。過度な温度設定にしなくても、夏は涼しく冬は暖かい室内環境が整うでしょう。
その結果、電気代節約にもつながり、家計にも優しいリフォームとなります。床下の断熱性が高まれば床暖房を設置する必要もなくなるため、コストパフォーマンスに優れたリフォームともいえるでしょう。
結露やカビ対策になる
床下断熱リフォームを行うと、床下の結露やカビの発生を抑えられるのもメリットの1つです。結露やカビが抑制されれば、シロアリ被害を避けられ、床下構造の腐食を予防できます。
結露は断熱が不十分な場所で起きるため、外気温と室温との差が大きい床下でも起こることも少なくありません。窓のように目に見える形で結露を確認できないことから、知らない間に床下が腐食している恐れがあります。結露を放置するとカビが発生し、健康被害に影響するため、床下の断熱性を高めて結露やカビ対策をしましょう。
補助金が使える
床下断熱リフォームをすると、国や自治体が提供する補助金・助成金制度が利用できます。断熱性を高めるリフォームは、住宅の存続につながったり暮らしやすい環境を整えたりできるため、多くの人が行動しやすいように補助金・助成金制度を設けているのです。性能を上げつつ費用を抑えて床下断熱リフォームできれば、より気軽に快適な暮らしを手に入れられます。
床下断熱リフォームに活用できる補助金

床下断熱リフォームの工事費用は、決して安くはありません。少しでも費用を抑えるなら、補助金の活用を検討しましょう。ここでは、床下断熱リフォームに活用できる補助金「子育てエコホーム支援事業」について解説します。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、省エネ性の高い設備の導入や断熱リフォームを行う際に、費用の一部を補助する制度です。制度全体の上限は20〜60万円で、床下断熱においては、子育てエコホーム支援事業に登録された型番の製品で一定量以上使用した場合、下記の補助金がもらえます。
名称に「子育て」とついてはいるものの、基本的にはどの年代・どの世帯も利用可能です。しかし、18歳未満の子を有する子育て世帯、もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯の場合は上限額が引き上げられます。申請対象となるのは、リフォーム対象の所有者で、エコホーム支援事業者と契約してリフォーム工事を行う場合のみです。
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基礎部分の場合 |
部分断熱の場合 |
省エネ基準レベル |
72,000円 |
36,000円 |
ZENレベル |
96,000円 |
48,000円 |
ただし、補助額が合計5万円以上でなければ補助対象にはなりません。そのため、同時に断熱性の高い内窓を設置したりバリアフリーリフォームをしたりするのがおすすめです。
なお、申請は施工業者が行います。2024年の申請期間は4月2日から12月31日までで、上限に達し次第終了です。例年、申請期間の途中で受付を終了することが多いため、早めの申請をおすすめします。
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修【リフォーム】|子育てエコホーム支援事業【公式】
併用できる補助金はある?
基本的に、国が提供する補助金・助成金制度との併用は不可です。ただし、財源が異なる自治体の補助金であれば併用できる場合があります。たとえば、茨城県桜川市「桜川市住宅リフォーム助成事業」では、省エネルギー化を目的とした、床や壁の断熱工事にかかる費用の10%(上限10万円)を補助しています。
子育てエコホームと支援事業と併用できれば、上限20〜60万円に10万円プラスできるでしょう。併用できなくても、国の補助金・助成金制度の申請に間に合わなかった場合は、お住まいの自治体に補助金・助成金制度がないか探してみてください。
住宅リフォーム助成事業受付のお知らせ|桜川市公式ホームページ
床下断熱リフォームの費用を左右するポイント

床下断熱リフォームにかかる費用は、施工面積の大きさだけでは決まりません。採用する工法や断熱材、床材によって左右されます。また、床下がシロアリ被害を受けていれば、補修が必要です。詳しく見ていきましょう。
工法
床下断熱リフォームには3つの工法があり、どの工法を用いるかによって費用が異なります。工法の種類は下記の通りです。
- 床下に断熱材を施工する
- 床下から断熱材を吹き付ける
- 床を剥がして断熱材を施工する
床下に断熱材を施工する工法は、床下収納や床の点検口から人が入って施工します。床材を剥がす必要がないため、処分費がかからず工期も短いのが特徴です。
床下から断熱材を吹き付ける工法は、断熱材の厚さを自由に変えられます。おも天井に採用される工法のため、床下断熱に用いられることはあまりありません。
床を剥がして断熱材を施工する工法は、他の工法と比べると仕上がりがきれいになるのが利点です。
断熱材の種類
使用する断熱材によっても費用は左右されます。おもな断熱材は下記の通りです。
- 硬質ウレタンフォーム
- ロックウール
- グラスウール
- インシュレーションファイバー
- フェノールフォーム
- ポリエチレンフォーム
性能が高くなるほど価格も上がるため、予算や断熱性に応じて選びましょう。断熱材によって施工がしやすかったり調湿効果があったりなど、それぞれ特徴が異なるため業者に聞いてみましょう。
床下に断熱材が必要な理由と適切な選び方について解説
床材の種類
床材を剥がして断熱材を施工する場合、既存の床材は再利用できないため、新しい床材を張ることになるのが基本です。そのため、採用する床材によって費用は左右されます。費用を抑えたい場合は、複合フローリングやクッションフロアなど比較的安価な床材を選ぶのがおすすめです。
費用が高くてもデザイン性や機能性、素材そのものの風合いを楽しみたい場合は、無垢フローリングを選ぶとよいでしょう。どの床材を選んでも床下断熱の効果は得られますが、無垢フローリングは熱伝導率が低いため、より暖かく感じられます。
床下の補修
床下の劣化状況によっては、断熱材を施工する前に補修が必要になることがあります。たとえば、シロアリ被害に遭っている場合、駆除して腐食した部分を補修しなければなりません。もしシロアリ被害を放置したまま施工すると、断熱材の機能はすぐに損なわれてしまいます。床下断熱リフォームを行う際は、必要に応じて床下補修が必要になることも覚えておきましょう。
補助金を活用した床下断熱リフォームの注意点
補助金を活用して床下断熱リフォームをする際は、注意点を把握しておきましょう。一般的に、補助金は工事完了後に受け取れます。そのため、最初は全額自己負担となります。自己資金に余裕があればあまり問題ありませんが、補助金が後からもらえると知らずに契約すると、支払えない事態になりかねません。
カインズリフォームでは、補助金額を引いた金額でのお支払いで承ります。また、他のリフォーム会社とは違い、工事費用にもカインズポイントが付与されるのが最大のメリットです。初期費用が安くなるのはもちろん、工事終了後もカインズにてお得にショッピングを楽しんでいただけます。申請作業もカインズリフォームが行うため、補助金申請が苦手な人もご安心ください。
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まとめ
床下断熱を行うと床面の温度が上がり、冬場も快適に過ごせるようになります。冷暖房の効きもよくなるため、電気代節約にもつながります。リフォーム費用が高くなる心配があるかもしれませんが、床下断熱を対象にした補助金を活用すれば自己負担額を減らしての施工が可能です。
床下断熱リフォームをお考えの方は、ぜひカインズリフォームにご相談ください。補助金の説明から適応される工事内容のご提案、申請手続きなど対応いたします。断熱材の提案も行いますので、素材選びでお困りの方もお気軽にお問い合わせください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。