内窓を設置すると冷暖房が効きやすくなるうえ、リフォームも簡単に行えるため、近年注目を集めています。国の補助金も充実しているため、お得にリフォームできることも嬉しいポイントです。
今回は、内窓リフォームに使える国の補助金について解説します。補助金を活用したうえで、さらにお得にリフォームするコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※各補助金の金額や要件などは、2024年5月時点の情報です。
内窓リフォームに使える国の補助金は4種類

住宅の内窓リフォームが適用対象となっている国の補助金は、4つあります(2024年5月時点)。
- 先進的窓リノベ2024事業(環境省)
- 子育てエコホーム支援事業(国土交通省)
- 既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業 (国土交通省)
この中のほとんどが2023年ごろからスタートしていて、内窓リフォームに注目が集まっていることが伺えます。
内窓リフォームの補助金が充実している背景
国の内窓リフォーム補助金が増えている理由は、内窓リフォームの効果にあります。内窓を設置して二重窓にすると、家の中が外気の影響を受けにくくなります。つまり、夏は涼しく、冬は温かい部屋を保ちやすくなるのです。冷暖房の稼働を最小限にできるため、エネルギー価格の高騰とカーボンニュートラルをはじめとする環境保護への対策として、国が内窓リフォームを推進しています。
先進的窓リノベ2024事業(環境省)

窓や玄関などの開口部に特化した補助金制度です。内窓単体のリフォームも補助対象になるうえ、補助金額の設定も定額で分かりやすいため、比較的利用しやすいでしょう。
期間
工事着手が2023年11月2日以降、遅くとも2024年12月31日までのものが補助対象です。申請は施工業者が実施します。
受給要件
- 対象製品を用いること
- 補助額が5万円以上であること
- 登録事業者が施工を担当していること
- 内窓の設置位置は既存のサッシの50cm以内に平行に設置していること
補助金額
内窓1枚あたり23,000円〜最大112,000円の補助金が給付されます。補助金額は設置する内窓の性能やサイズによって変わる仕組みです。
ただし、受給要件の1つに補助額の合計が5万円以上になることが含まれている点には注意してください。補助額が5万円を下回る場合は、内窓枚数の追加や性能のグレードアップを検討してみてください。
対象製品
補助対象となるのは、断熱性能が1.9Uw以上の内窓です。メーカーが事前に登録した製品のみが補助金の対象となっていて、LIXIL、YKKAP、三協アルミをはじめ14社の窓メーカーが名を連ねています(2024年5月現在)。対象製品は以下のリンク先に記載されていますので、確認してみてください。
対象製品の検索|先進的窓リノベ2024事業【公式】
内窓以外の対象工事
内窓設置以外にも、以下の工事も補助対象です。
- ガラス交換
- 外窓交換(カバー工法、はつり工法)
- ドア交換(カバー工法、はつり工法)
いずれも住宅の断熱性能をさらに高められますので、内窓リフォームとあわせて検討してみてはいかがでしょうか。
子育てエコホーム支援事業(国土交通省)
先進的窓リノベと同じく、こちらも内窓のみのリフォームも補助対象になる補助金です。先進的窓リノベの対象でない内窓も補助を受けられる可能性がある一方で、どちらも対象となっている商品では補助金額が少なくなる可能性もあるため、慎重に比較しましょう。
期間
工事請負契約の締結日が2023年11月2日~交付申請まで(遅くとも2024年12月31日)のリフォーム工事が対象です。
受給要件
名称は「子育てエコホーム」となっていますが、子育て中の世帯以外も補助対象です。要件として、次の2つが設定されています。
- エコホーム支援事業者と工事請負契約等を締結し、リフォーム工事をする方
- リフォームする住宅の所有者等であること
補助金額
内窓の補助金額は、1箇所あたり17,000〜34,000円です。先進的窓リノベと同様に、補助額の合計が5万円以上になることが要件であるため、内窓リフォームのみで補助金を利用したい場合は複数枚を設置する必要があります。開口部以外にもさまざまな住宅設備のリフォームが対象となっているため、同時にリフォームする箇所の選択肢の幅が広いのも特徴です。補助金の上限は一戸あたり20万円ですが、子育て世帯と若者夫婦世帯は上限金額が引き上げられます。
対象製品
各地域の省エネ基準レベルまたはZEHレベルの断熱性能を持つ内窓が、補助対象となっています。先進的窓リノベと違うのは、登録製品にかぎらず、性能を満たせば補助対象になることです。そのため、より幅広い製品で補助金を受給できます。
内窓以外の対象工事
先進的窓リノベの対象である、ガラス交換(複層ガラスなど)、外窓交換、ドア交換といった開口部の断熱改修も子育てエコホームの補助対象です。
ほかにも、外壁、屋根・天井または床の断熱改修、エコ住宅設備の設置、子育て対応改修、防災性向上改修、バリアフリー改修、空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置、リフォーム瑕疵保険などへの加入など、幅広い箇所のリフォームが対象となっています。
内窓以外のリフォーム箇所についての詳細は、公式HPをご確認ください。
リフォーム|子育てエコホーム支援事業【公式】
既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)
窓や玄関ドア、断熱材などのリフォームに適用できる補助金で、15%以上の省エネ効果が見込まれる高性能建材に適用されます。くわえて、LED照明や蓄電池などの設備も補助対象です。リフォーム範囲によって「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2パターンがあり、補助対象に違いがあります。
期間
工事期間ではなく申請日で設定されていて、申請期間は年に数回設けられています。2024年度の申請日は以下のとおりです。
- 3月公募:2024年3月18日~6月14日
- 6月公募:6月下旬~8月上旬(予定)
- 9月公募:9月上旬~12月上旬(予定)
- 1月公募:1月下旬~3月上旬(予定)
3月公募で申請した場合、完了実績報告書は2024年12月27日必着です。
受給要件
窓の改修工法は、カバー工法もしくは内窓が対象です。ガラスの改修工法は、カバー工法・ガラス交換と指定されています。
補助金額
内窓リフォームの補助金額は補助対象経費の1/3以内で、上限は以下の通りです。
- 戸建住宅:120万円/戸(玄関ドア5万円を含む)
- 集合住宅:15万円/戸(玄関ドアも改修する場合は上限 20万円/戸)
「トータル断熱」でも「居間だけ断熱」でも金額に違いはありません。
対象製品
登録された製品のみで、「トータル断熱」と「居間だけ断熱」では対象の窓が異なります。対象製品は年度ごとに変わりますので、公式HPから確認してみてください。
補助対象製品一覧|既存住宅における断熱リフォーム事業|公益財団法人北海道環境財団(環境省補助金専用サイト)
内窓以外の対象工事
内窓以外にも、外窓、断熱材、玄関ドア、蓄電システム、蓄熱設備、熱交換型換気設備等 (熱交換型換気設備・空調設備)、EV充電設備などが同事業の補助対象です。
(国土交通省)
住宅を長持ちさせるための耐震・断熱・劣化対策リフォーム工事を対象とした補助金です。同事業では幅広いリフォームを助成対象としていますが、内窓リフォームは住宅の特定性能向上工事の省エネルギー対策に分類されています。
期間
通年申請タイプの場合は2024年4月15日〜2024年12月13日に住宅登録したもの、事前採択タイプは2024年7月中旬から2024年12月13日に住宅登録したリフォーム工事が対象です。申請は施工業者が実施します。
受給要件
要件1〜4をすべて満たす住宅・工事が対象となります。
- 住宅の面積・立地に関する要件
住宅の面積が40㎡以上、延べ面積が55㎡あり、延べ面積の半分以上が住宅を占めること。住宅が位置する市町村や地区の条例などと調和していて、30年以上の住宅の維持保全計画を策定すること。
- リフォーム工事の目的に関する要件
補助対象となる住宅に実施するリフォーム工事の内容が、住宅の性能基準に適合させるための工事、 三世代同居対応改修工事及び子育て世帯向け改修工事並び防災性、レジリエンス性向上改修工事のいずれかであること。
- リフォーム後の性能に関する要件
リフォーム工事実施後の住宅が、本事業が定めている住宅性能にかかる評価基準に適合するものであること。
- インスペクションの実施と書類の作成と
リフォーム工事着手前にインスペクション(現況検査)を実施すること。維持保全計画とリフォーム工事の履歴を作成すること。
補助金額
補助金額は、基本的に工事とインスペクションにかかる金額の1/3です。計算方法は単価積上方式または補助率方式のいずれかを選べます。
- 評価基準型:上限80万円/戸
- 認定長期優良住宅型:1600万円/戸
三世代同居のための回収や、若者(40歳未満)、子育て世代、既存住宅購入者と、高度省エネルギー化工事には上限額が50万円ずつプラスされる仕組みです。
対象製品
事業によるインスペクションで認められた製品が補助対象となります。
内窓以外の対象工事
補助対象となる工事の幅は幅広く、屋根の軽量化、ユニットバス化、防湿コンクリートの設置、高効率給湯器設置、排水管更新工事などさまざまです。計算方法や組み合わせ方も複雑なため、リフォーム業者に相談しながら決めるのをおすすめします。
令和6年度長期優良住宅化リフォーム推進事業
内窓リフォームの補助金は併用できる?

補助対象が重複しなければ、基本的に補助金は併用しても構いません。たとえば、先進的窓リノベと子育てエコホーム支援事業の両方に内窓補助金を申請することはできませんが、先進的窓リノベで内窓を、子育てエコホーム支援事業で外壁や屋根の断熱工事を行うことは可能です。今回取り上げた補助金のほかにも、経済産業省が運用する給湯省エネ事業や賃貸集合給湯省エネ事業などがありますので、検討してみてください。
また、自治体の補助制度であれば同一補助対処であっても併用可能な場合があります。ただし、受付が自治体であっても国費が充当された補助金もあり、その場合は併用できないため注意してください。
自治体による内窓補助金の代表例
高断熱窓をはじめ、断熱や省エネ効果のある設備のリフォーム費用をサポートする助成金です。高断熱窓の補助率は1/3で、上限は100万円/戸となっています。
開口部や床、壁、天井、屋根の断熱改修と、節水型トイレ、高断熱浴槽が補助対象となっている補助金です。内窓の補助金額はサイズごとに3段階に設定されていて、1箇所あたり5,000〜9,000円となっています。
省エネ診断にかかる費用と、リフォームにかかる費用の一部を補助する補助金です。2024年度の詳細はまだ発表されていませんが、2023年度のリフォーム費用の補助率は23%でした。
さらにお得に内窓リフォームをするには?

内窓リフォームの補助金を利用したうえで、さらに費用を抑えるには、カインズリフォームの内窓リフォームがおすすめです。カインズリフォームでは、先進的窓リノベを利用する場合3窓以上で工事費が無料になります。そのうえ、支払金額からあらかじめ補助金額が引かれているため出費を抑えられるのも魅力です。さらに、工事費用にもカインズポイントが付与されるのも嬉しいポイントです。以下のページで詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
住宅省エネ2024キャンペーン|【公式】株式会社カインズ
まとめ
2024年度現在、内窓リフォームに使える国の補助金は4種類あります。どれも予算額に達し次第、募集が締め切られてしまうため、早めに申し込むのがおすすめです。補助金によっては事前に登録してある製品や施工業者のみを助成対象にしているケースもあるので、内窓やリフォーム業者探しの参考にしてください。カインズリフォームでもお得なリフォームプランをご用意しています。Webや店頭でご相談を受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。