窓を開閉するたびに窓がガタつき、スムーズに開閉しないなど、経年により窓の不具合は起きてくるものです。レールにホコリやゴミが溜まっていたり、戸車がゆるんでいたりなどの原因が考えられます。この記事では、窓のガタつきの原因や改善方法、さらに、窓の修理にかかる費用など、詳しく解説していきます。窓のガタつきをなんとかしたいとお悩みの方は、ぜひ、参考にしてください。

窓がガタつく原因とは?

窓は、窓ガラスとサッシで構成されています。(枠とガラスフレームをあわせてサッシと呼ばれている)窓がガタつく原因を解説します。よくある原因は主に3です。それぞれご紹介します。
レールなどに砂やホコリ、ゴミが溜まっている
窓のレール部分は、凸凹の形状で構造上砂やホコリが溜まりやすい箇所です。窓のレールなどに砂やホコリ、ゴミが溜まっていると窓の開閉を妨げてしまうため、窓がガタついてきます。風が強く吹いた翌日などには特にレールに砂やホコリ、ゴミなどが溜まりやすいです。
窓の戸車が原因
開閉をスムーズにするための部品を戸車と呼びます。一般的に、戸車は一つの窓に2つずつ付けられています。窓を設置する際には、戸車の高さを調整して窓の開閉がスムーズにできるようにしますが、開閉を繰り返すうちに高さに変化がでてきて、バランスを崩してガタつきが生じるためです。車輪と同じ形状の戸車は、経年劣化により回転が悪くなったり、摩耗したりすることもあります。戸車は消耗品のため、劣化は避けられませんが、戸車の不具合は窓のガタつきの原因のひとつです。
窓枠が歪んでいる
窓枠は、経年劣化により歪みが生じる場合もありますが、窓枠に歪みが生じると、窓の開閉がスムーズにいかずガタつきの原因につながります。また、不具合が長く続く場合には、レールの劣化や損傷を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。
そのほか窓枠が歪む原因として、窓枠の土台の木枠部分が経年劣化で変形していることもあります。天然の木材は、空気中に含まれる水分を吸収して放出して伸縮を繰り返す性質があります。そのため、環境条件によっては、反りが発生して変形する場合もあります。

窓のガタつきを改善する方法

窓がガタついてしまう3つの原因をもとに、それぞれの改善方法を解説します。
レールに溜まった砂やホコリ、ゴミが原因である場合
レールに溜まった砂やホコリが原因の場合、きれいに掃除をすると窓のガタつきが改善されます。小さいほうきや歯ブラシを使って、ホコリなどを掃き出したり、掃除機で吸いとったりして取り除きましょう。戸車もホコリやゴミが絡まりやすいため、確認します。ピンセットを使うと細かい部分に詰まったホコリやゴミが取り除きやすいです。レールも戸車も、普段から小まめに掃除するように心がけることが大切です。
窓の「戸車」のゆるみが原因である場合
窓の戸車が原因の場合の改善方法は2つです。それぞれ詳しくご紹介します。
戸車の高さを調節する
戸車の高さ調整は、ドライバー1本で対応可能です。戸車は、窓の下側の左右両端にありますが、基本的に引手側にある戸車を調整します。カギがついている側の戸車を動かした場合、カギがかけづらくなることもあるためです。はじめに、戸車の高さを調節するネジをドライバーで回して戸車の高さを調節します。窓の側面上部にある「外れ止め」をゆるめてから、窓を上げる場合は時計回り、反対に回すとサッシは下がります。窓が水平になるまで微調整しましょう。
窓の重さによっては、ドライバーがスムーズに回せない可能性もあります。その場合は、ドライバーの握り部分が太めのものを使って窓を持ち上げるようにして回すと、作業がしやすいです。しかし、戸車の高さを調整しても窓の開閉がスムーズでない場合は、サビている可能性があります。その場合は潤滑油を差して対処しましょう。
戸車を交換する
経年劣化により、戸車が摩耗することは避けられません。戸車が割れたり変形したりすると、窓の開閉がスムーズにできなくなるため、戸車を交換して修理する必要があります。戸車を止めているネジをドライバーで外して戸車を取り出します。戸車を取り外した際、ホコリやゴミが隙間に入っている場合はきれいに掃除しておきましょう。そのままにしておくと、新しく取り付けた戸車が摩耗するのを早めてしまう原因になります。掃除をしたあとは、新しい戸車を取り外したときとは逆の手順で作業を行い取り付けます。
窓枠の歪みが原因である場合
窓枠の歪みが原因である場合には、窓のサッシをすべて交換しなければなりません。その場合は自分で修理をするのは困難のため、専門業者に依頼する必要があります。また、経年による劣化の具合によっては、窓枠が歪んだままでおくと、窓のガタつきだけでなく、開閉がしにくくなります。さらに、防犯上のリスクも高くなるため、なるべく早めに修理しましょう。

窓の修理にかかる費用相場

レールに溜まった砂やホコリ、ゴミなどを掃除して、戸車の調整をしても窓のガタつきが改善しない場合があります。その場合、劣化の具合によって戸車の部分交換またはサッシ自体を交換することが必要です。ここでは、それぞれの修理にかかる費用相場を解説する。
戸車を交換する場合の費用相場
戸車が摩耗している場合は、戸車の交換が必要です。市販のものは2,000円程度で購入することができます。使用している戸車が廃盤になる可能性もあるため、早く修理したい場合には業者に依頼するとスムーズです。工事費用込みで10,000円程度かかります。
サッシ自体を交換する場合の費用相場
戸車の部品を交換しても窓がガタつく場合や、窓枠の歪みが原因である場合にはサッシ自体の交換をおすすめします。交換方法は2つです。「カバー工法」と「はつり方法」についてそれぞれ解説します。また、サッシの交換にかかる費用相場も工法別に紹介します。
カバー工法
新しいサッシの枠を既存のサッシの枠にかぶせて設置し、交換する方法です。新しいサッシをかぶせるため、その分開口部が狭くなります。周辺の床や壁の工事がなく短時間での交換が可能です。費用も安く抑えることができます。粉塵や騒音を極力抑えられるため、築年数の経過しているマンションなどの集合住宅でのリフォーム工事に多く採用されています。
費用相場:工事費用5万~15万円+1窓あたりの単価(2枚1組)×窓数
はつり工法(壁カット工法)
サッシ周辺部を切断して既存のサッシ枠は撤去し、サッシをすべて交換する方法です。これまでと同じサイズの開口部の確保が可能です。また、大がかりな工事になるため費用は高くなりますが、これまでの窓枠とは全く違う色やデザインにすることができます。外観のイメージを変えたい方や材質の見た目や性能をこだわりたい方におすすめの工法です。ひとつの窓につきおよそ1日の施工時間を要します。
費用相場:工事費用20万~30万円+1窓あたりの単価(2枚1組)×窓数
はつり工法でしかサッシの交換ができない場合は以下の2つです。注意しましょう。
- ガラス部分の面積を小さくしたい場合
- 掃き出し窓で段差をなくしたい場合

サッシにはさまざまな素材がある

サッシにはさまざまな素材のものがあります。サッシを交換する場合には、理想とする機能性があるサッシを選ぶことがおすすめです。それぞれの特徴について解説します。
樹脂
塩化ビニール樹脂が原料です。気密性や断熱性に優れ、2枚のガラスの中間に空気を挟んで二重構造にした「複層ガラス」と組み合わせることで高い断熱性を発揮するものもあります。一般的なアルミサッシと比べて約3倍の効果があるため、北海道の寒さが厳しい地域では、窓の約90%以上が樹脂を素材としたサッシを使用しています。しかし、新しい素材であるため経年劣化が早いという難点があります。
スチール
耐火性に優れています。工場の窓に多く使われていますが耐候性に劣るため、近年では需要が大幅に減っています。
アルミ
防火性・耐候性に優れ、軽量かつ強度があります。開閉操作が楽で腐食に強いため一般住宅で採用されることが多いです。しかし、熱伝導率が高く断熱性があまりないというデメリットがあります。
木製
摩耗や腐食に弱いですが、木製ならではの質感や風合いが魅力的です。学校などで多く使用されていた時代もありましたが、不燃性の素材としては不適当なため、あまり見かけなくなりました。近年では、経年劣化の対策として気密性が高いものもあります。
複合サッシ
外側と室内側で異なる素材を組み合わせたものです。それぞれの素材の良い点も生かしてつくられています。

まとめ
窓にガタつきがある状態を放置しておくと、不便に感じるだけでなく、窓のサッシに歪みがでたり、破損したりしてしまう場合があります。レールの掃除や戸車の調整であれば自分で改善できます。また、サッシに歪みがあれば専門業者に依頼して早めに対処することをおすすめします。

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