家の中に置ききれないシーズンオフの物品やガーデニング用品など、様々なものを保管・整頓できる物置はとても便利なアイテムです。しかし物置の種類は多く、どれを選べばよいかと悩んでいる人も少なくありません。
適した物置を選ぶ際には設置場所や収納したいものなど複数の要素をおさえておく必要があり、合わない物置を選んでしまうと十分に活用することが出来ません。この記事では物置の選び方や、選ぶ際の注意するポイントを解説します。

物置のサイズ表示について
物置のサイズには複数の表示方法があります。物置を選ぶ前に、まずはサイズ表示について理解しておきましょう。土台寸法とは土台の間口(幅)×奥行の寸法であり、間口を「規格幅」、奥行を「規格奥行」と表現する場合もあります。
開口寸法は、扉が開く間口×高さのことです。同じ大きさの物置でも扉の開き方により間口寸法は異なり、間口寸法が大きいとものの出し入れがしやすくなります。屋根寸法とは、屋根の間口×奥行のことです。
屋根は土台よりも張り出しているため、土台寸法より屋根寸法の方が少し大きくなります。高さ寸法とは床下から屋根までの高さのことですが、設置するとき物置の下にブロックを敷く必要があるので、実際の高さは「本体の高さ寸法にブロック高の10cm~20cmを加えた高さ」となります。
イナバ FORTA(フォルタ) 俯瞰図

【6つのポイントで解説】失敗しない物置の選び方
サイズ表示について押さえたところで、物置選びの6つのポイントについて解説します。
【その1】置き場所に合わせて選ぶ
物置選びの際には、置き場所に合ったサイズを選ぶことが非常に重要です。設置可能な範囲内で、できるだけ大きい物置を選ぶことをおすすめします。なぜなら物置は長期間使用するものであり、ライフスタイルの変化に合わせて収納物が増えていく可能性があるためです。
置き場所を広く取れる場合には倉庫のように使える大型タイプの物置を選ぶと、使用頻度の低いアイテムを沢山収納できて家の中をすっきりさせることができます。設置できる面積が狭い場合には、高さのある物置を選ぶことで収納力を補うことが可能です。
【その2】収納したいもので選ぶ
物置に入れたいものを考えてから、そのものを収納しやすい物置を選ぶのもポイントです。
高さのあるものを収納したい場合
クワのように長いガーデニング用品や脚立、傘、ほうきなど、背丈の高いものを収納したい場合には、高さのある物置を選ぶ必要があります。物置内部の構造も重要で、庫内の一部に棚板なしスペースを設けてある「ハーフ棚タイプ」が適しています。
ハーフ棚タイプの物置はスペースが左右または前後に分かれており、奥行きのあるものを収納したい場合は左右タイプ、奥行がないなら前後タイプなど、入れたいものに合わせて選ぶと便利です。
小さなものを収納したい場合
防災用品や小ぶりなガーデニング用品、屋外用のおもちゃなど、様々なものを整理整頓して収納したい場合は、物置の内部が全面棚になっているタイプがおすすめです。棚板が可動式で高さ調整可能な物置を選べば、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に対応することが可能です。
付属の棚板が少ない場合は、オプションで追加購入できるかどうかチェックしておきましょう。小型や細身な物置も豊富に展開しており、置き場所を取りづらい場合でも整理整頓に役立てることができます。また、湿気を嫌うものを収納したい場合は、断熱構造の物置を選ぶとよいでしょう。
大きなものを収納したい場合
間口の広い物置は出し入れしやすいので、ポリタンクやタイヤ、ゴルフバッグのように大きなものを収納したい場合に適しています。2枚扉よりも3枚扉タイプのほうが、広く間口が取れるので出し入れしやすいでしょう。
また、シャッター式や観音開きの開き戸タイプはさらに間口が広く、物置内部を一度に見渡すことが可能です。自転車やバイクを収納したい場合はオープンスペース付きの物置の利用がおすすめです。
【その3】使いやすさで選ぶ
荷物の取り出しやすさは、使いやすさに直結する要素です。間口を広くとれる物置を選ぶと、大きなものでも出し入れしやすいので便利です。シャッタータイプや開き戸タイプは全面を開放することができ、出し入れがとても簡便です。ただし、開き戸タイプは扉を開くためのスペースが必要となります。
壁と壁に挟まれている場合などは、開き戸よりも2枚扉、3枚扉のタイプが使いやすいでしょう。これらのタイプは一度に全面を見渡すことは出来ませんが、扉を左右にスライドさせて中の物を取り出します。3枚扉の方が2枚扉よりも間口寸法が広いため、物置中央部のものも出し入れしやすくなります。
【その4】見た目で選ぶ
見た目も、物置選びの大切なポイントです。とくに玄関前や庭先のように目立つ場所に設置する際は、家全体の印象に大きな影響を与えるため、デザインや色にもこだわることをおすすめします。木目調やアンティーク調、スタイリッシュなデザインなどさまざまなタイプが展開されていますので、好みや家の雰囲気に合わせて物置選びを楽しんでください。
おしゃれな物置を選ぶときには、耐久性のチェックも欠かせません。見た目がおしゃれでも安価すぎる物置の中には、防水性・耐久性に不安のある商品もあるので注意しましょう。もちろんデザイン性と耐久性を兼ねそろえた物置は豊富に販売されているので、長く愛用できる物置を選ぶことが可能です。
【その5】耐久性で選ぶ
物置は屋外で長期間使用するため、耐久性の高い商品を選ぶのが安心です。物置の素材には金属製・木製・プラスチック製の3種類がありますが、紫外線や雨によく当たる場所に設置する場合には金属製がおすすめです。
とくにガルバリウム鋼板を使用したものは、耐久性が高くてさびづらいという特徴があります。ガルバリウム鋼板は「アルミ亜鉛合金めっき鋼板」とも呼ばれ、建築資材としても使用されている素材です。
また、プラスチック製の物置は日陰やガレージ内に設置する場合に向いています。軽量で扱いやすく、雨によるさびの心配がありません。木製の物置は耐用年数では金属製に劣りますが、塗装などのメンテナンスによって長く愛用することができます。設置場所やデザイン性、使い勝手などと併せて、自分に適したタイプ選びましょう。
【その6】防犯面で選ぶ
鍵付きの物置を選ぶと防犯面でも安心です。物置の出し入れの際には両手がふさがりがちになるので、カギを使わずボタンやレバーで簡単に仮ロックできる「仮ロック機能」がついていると便利です。とくに小さな子どもがいる家庭では、いたずらを防止するためにも仮ロック機能付きの物置をおすすめします。

物置の選び方で注意するポイント
物置を選ぶときは次の3点に注意する必要があります。
豪雪地帯に住んでいる場合は積雪地用か確認する
物置には一般地用と積雪地用がありますが、豪雪地帯の方は積雪地用の商品を選びましょう。一般地用と積雪地用では耐荷重量が異なり、60cm以上の積雪が見込まれる場合は積雪地用の物置が適しています。
また、寒冷地では屋根結露が発生する恐れがあり、物置内の荷物が結露に晒されるのを防ぐためには結露減少タイプの物置がおすすめです。屋根部材に発泡ポリエチレンなどの断熱材を貼り付けた仕様となっています。
地中の水分が凍って地面が隆起する「凍上現象」が起こると、物置の扉が開かなくなるトラブルになる場合がありますが、扉下レールのついていない物置ならば凍上の影響を受けずに扉を開閉できるので安心です。
設置予定場所より一回り小さいものを選ぶ
設置予定の場所よりも、一回り小さな物置を選びましょう。設置工事の際には本体の前後左右に20cmの余裕が必要であり、壁やフェンスに対してぴったりくっつけて設置することはできないためです。物を出し入れする「物置の正面」にスペースを取ることはもちろん、左右と後方にも余白が必要であることに注意してください。また、民法で隣地から50㎝離すというのもあります。隣地境界そばに設置する場合は、事前に隣のお宅に話しておいて了解を取っておくと、あとでのトラブル回避につながります。
物置の高さは+10~20cmになることを把握しておく
前後左右のスペースだけでなく、高さについてもゆとりを見込む必要があります。なぜなら、物置を設置する際には下にブロックを敷くため、ブロック高の10~20cm分ほど高くなるためです。
ブロックは物置の水平を調節したり、雨水や土が直接触れないようにして通気性をよくしたりする役割を果たしています。天井などで高さが制限される場所に物置を設置する場合は、特に注意しましょう。


物置設置に失敗しないコツまとめ
物置にはさまざまなタイプのものがあるので、どれを選ぶべきか悩む人も多いでしょう。しかしサイズの表示法をしっかり理解し、設置場所や用途に合わせて選ぶことで、自分の家に適した物置を選ぶことができます。今回の記事で紹介した物置を選ぶ際の6つのポイントと注意点を、ぜひ参考にしてください。

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