サイクルポートが、台風の被害を受けるケースは少なくありません。しかし、事前に対策しておくことで、台風による被害を最小限に抑えられます。この記事では、サイクルポートや自転車を台風の被害から守るためにできる対策や、被害を受けてしまったときの対処法について解説します。誤った対策は、被害を拡大させてしまう可危険性があり、正しい対策を知っておくことが大切です。台風に強いサイクルポートの選び方や、台風に強いおすすめのサイクルポートもあわせて紹介します。
サイクルポートの台風対策6選

サイクルポートや自転車が台風の被害から守るためにできる対策には、次のようなものがあります。
- 自転車は一時的に屋内にしまう
- 自転車を倒した状態で固定しておく
- サポート柱を設置する
- 屋根材ホルダーや母屋補強材を設置する
- 屋根材のネジ・ボルトにゆるみや外れがないか確認する
- あらかじめ屋根材を取り外しておく
それぞれ解説します。
自転車は一時的に屋内にしまう
サイクルポートに収納している自転車は、台風の影響が大きくなる前に、玄関などの屋内に移動しておくのが最も安全です。玄関にスペースがない場合には、新聞紙を敷いた室内に一時的に置いておけば、自転車が風雨で傷んだり飛ばされたりする心配もありません。
自転車を倒した状態で固定しておく
屋内に自転車を置けるスペースがない場合は、自転車をあらかじめ倒した状態にしておきましょう。倒して置いておけば、強風で自転車が倒されたり飛ばされたりする心配がありません。風で自転車が勢いよく倒れると、自転車本体や周囲にある物が破損したり、傷ついたりする恐れがあります。台風が過ぎ去るまで、自転車を倒した状態で、サイクルポートの柱など頑丈なものにチェーンなどで固定しておくのが安心です。
サポート柱を設置する
台風による強風からサイクルポートを守るためには、サポート柱を設置することが有効です。サイクルポートは、オプションでサポート柱の設置が可能です。支える柱が増えることによって、風に対する強度が高まります。サポート柱には、完全に固定する固定式と、必要な時に設置して不要な場合には外しておける着脱式があります。着脱式であれば、台風が接近する前に余裕を持って設置しておき、強風に備えましょう。
屋根材ホルダーや母屋補強材を設置する
風に対するサイクルポートの強度を高めるには、屋根材ホルダーや母屋補強材を設置して骨組みを強化させる方法もあります。屋根材ホルダーとは、屋根材が風で飛んでしまわないよう設置できるパーツで、突風などで屋根材が飛ぶのを抑える効果があります。母屋補強材は、奥行方向についている骨組みを補強する芯材で、耐風圧強度を高めます。ただし、母屋補強材は後付けする場合、一旦解体してから改めて組み直す必要があるため、サイクルポートの新設時に設置するのがおすすめです。
屋根材のネジ・ボルトにゆるみや外れがないか確認する
屋根材を固定しているネジやボルトがゆるんでいると台風の風で屋根材が飛ばされたり、ひび割れにつながったりする危険性があるため、台風が接近する前にゆるんでいないか確認しておくのが良いでしょう。また、ネジやボルトが外れていた場合は、ホームセンターなどで同じものを購入し、取り付けておきます。高所での作業は、安全確保のために風が強くなる前に余裕をもって十分に注意して行いましょう。
あらかじめ屋根材を取り外しておく
サイクルポートの屋根材は、サイクルポートの骨組み部分が大きく損傷することを避けるために、あえて外れやすい設計になっています。強い勢力の台風が直撃する場合は、あらかじめすべての屋根材を取り外しておくという方法もあります。先に屋根材を取り外しておけば、屋根材が飛んでしまう心配がなく、柱への負担も軽減されます。ただし、取り外した屋根材は台風が去った後に、再び元に戻す必要があります。後で元に戻すことを考えながら取り外していかなければなりません。これらは、高所での作業となり危険を伴い労力もかかるため、不安がある場合には控えましょう。
サイクルポートの誤った台風対策

サイクルポートの屋根材が強風によって飛ばされないよう、屋根材にネットをかけたりテープで固定したりする対策は、危険であるため避けましょう。サイクルポートの屋根材は、柱や全体の損傷を抑えるために、あえて外れる設計になっています。屋根材を固定してしまうと、屋根全面で強風を受けることになってしまい支柱が曲がったりフレームごと飛ばされたりする可能性があり、被害を拡大させてしまいます。
サイクルポートが台風の被害を受けたときの対処法
サイクルポートが台風の被害を受けてしまった場合、あるいは近隣住宅に損害を与えてしまった場合、どのように対処したら良いのか解説します。
火災保険で修繕できる場合がある
自宅のサイクルポートが台風による被害を受けたとき、火災保険の保険料で破損したサイクルポートを修繕できる場合があります。台風による被害は、風災による損害として火災保険の補償対象になっていることが多いため、自費で修理する前に加入している火災保険の内容を確認しておくのがおすすめです。ただし、保険金の支払い条件が、損害額が20万円以上と限定されている場合があるため注意しましょう。保険金を請求する際は、被害状況が確認できる写真が必要となります。台風の影響が落ち着いたら、被害状況を撮影しておきましょう。
近隣に損害を与えてしまっても賠償義務はない
台風でサイクルポートの屋根材が飛び、近隣住宅の建物などに損害を与えてしまっても、原則として賠償義務は生じません。(民法第717条)同様に、自宅の外壁や車が隣家から飛来した物により損害を受けても、責任を追及することはできません。ただし、備えるべき安全性を備えていなかったなど、明らかに落ち度がある場合には、賠償責任が生じる可能性もあります。
台風に強いサイクルポートを選ぶポイント

台風などの強風に強いサイクルポートを選ぶには、どのようなポイントを重視すべきなのか解説します。台風に強いサイクルポートを選ぶポイントは、次の4つです。
- 耐風圧強度を確認する
- 柱が多いタイプを選ぶ
- 屋根が金属製のタイプを選ぶ
- サポート柱などの補強材もあわせて設置する
ひとつずつ見てみましょう。
耐風圧強度を確認する
台風などの強風に強いサイクルポートを選ぶには、耐風圧強度を確認することが大切です。耐風圧強度とは、そのサイクルポートがどのくらいの風に耐えられるかの目安であり、商品ごとに提示されています。例えば、耐風圧強度が風速42m/秒相当である場合、風速42m/秒の風まで耐えられるという目安になります。実際の台風では、どのくらいの風が吹くのか、台風の規模別に最大風速を下記の表にまとめました。
台風の風の強さ |
最大風速 |
強い |
33m/秒以上 44m/秒未満 |
非常に強い |
44m/秒以上 54m/秒未満 |
猛烈な |
54m/秒以上 |
引用:気象庁
台風が多い地域や風の影響を受けやすい立地では、特に注意して検討しましょう。
※メーカーによっては耐風圧強度ではなく耐風性能と表記されています
柱が多いタイプを選ぶ
サイクルポートの柱の数は2本であるものが多いですが、4本のタイプを選ぶと風に対する強度が上がります。2本タイプでも、後述するサポート柱を設置すれば強度を上げられます。
屋根が金属製のタイプを選ぶ
サイクルポートの屋根材は樹脂製が主流となっていますが、樹脂製よりもはるかに重い金属製の屋根材のサイクルポートを選べば、耐風強度が高くなります。1枚ずつのパネルではないため、強風で飛ばされる心配もありません。ただし、屋根材が金属製のタイプは樹脂製タイプよりも価格が高めで、雨音が響きやすいというデメリットもあります。
サポート柱などの補強材もあわせて設置する
オプションのサポート柱には、固定式と着脱式があります。着脱式は不要な時に取り外しておけるため、柱のスペースを取る必要がなく敷地を広く使えます。その他、屋根材ホルダーや母屋補強材など、屋根材が強風で飛ばないようにするためのパーツを設置するのも有効です。母屋補強材は、一旦解体してから改めて組み立てなければならないため、サイクルポートを新設する時に設置しましょう。
台風に強いサイクルポートのおすすめ6選

台風などの強風に強いサイクルポートを紹介します。台風に備えたい場合や風に強い地域におすすめのサイクルポートです。
LIXIL カーポートSCミニ
- 耐風圧強度:風速42m/秒相当
- アルミ製の屋根材を使用しているため強度が高い
LIXIL Gルーフサイクルポートタイプ
- 耐風圧強度:風速42m/秒相当
- 4本柱にフルフラットの屋根で強度が高い
YKKAP アリュース ミニZ 750タイプ
YKK AP エフルージュミニFIRST50/100/150
- 耐風圧強度:風速46m/秒相当
- 耐積雪量も150cmまで対応
三協アルミ ビームスミニタイプ
- 耐風圧強度:風速56m/秒相当(N型間口30タイプ)
- 4本柱にフルフラットの屋根で強度が高い
三協アルミ スカイリードZミニタイプ
- 耐風圧強度:風速46m/秒相当
- 4本柱で耐積雪量も150cmまで対応
その他
カインズリフォームでは、以下のサイクルポートを取り扱っております。
カインズ VICポート αII mini
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
カインズ スタイリッシュポート ミニ
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
三協アルミ ベルフラット
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
まとめ
サイクルポートや自転車を台風の被害から守るには、自転車を一時的に屋内に移動するか倒した状態にしておく、サポート柱などの補強材を設置する、屋根材のネジ・ボルトがゆるんでいたら固定するなどの対策があります。屋根材が飛ばないようにネットやテープで固定するのは、被害を大きくする危険性があるため避けましょう。サイクルポートは、耐風圧強度を確認し、補強パーツを取り入れて台風に強いタイプを選ぶのがおすすめです。
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。