自転車を駐輪するための場所であるサイクルポートを、後付けで設置しようかどうか迷っている方は多いのではないでしょうか。新築時にはサイクルポートは不要だった場合でも、家族が増えて子どもが自転車に乗るようになると、自転車の収納場所がないと不便に感じるようになってくるものです。この記事では、サイクルポートの後付けで迷っている方へ、メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
サイクルポートを後付けで設置するメリット・デメリット

家庭用カーポートの小型版がサイクルポートと呼ばれるものです。サイクルポートを後付けで設置するメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく解説します。
後付けするメリット
雨に濡れることなく自転車に乗り降りができる
子どもを乗せたり下ろしたりする際など、屋根があると濡れる心配がないため安心です。また、急な雨のときでも慌てずに済みます。
遭難防止になる
車輪止めを使用することで、さらに、盗難のリスクが軽減できます。また、人目につかない場所に設置した場合には、防犯カメラの取り付けをおすすめします。
直射日光による自転車の樹脂やゴム部分の劣化を防げる
太陽から受ける紫外線による劣化から、自転車を守ることができるため、長く使い続けることが可能です。費用は割高になりますが、熱線吸収タイプの屋根であれば、自転車の美しい塗装を色あせから守ることができます。
上から降る雨では濡れない
上から降ってくる雨から自転車が濡れるのを防げます。また、降雨時に自転車のカゴから荷物を取り出すなどの動作をスムーズに行えるため、突然の雨などの場合でも慌てる必要がありません。
雨による錆の発生を防げる
自転車を雨ざらしにしないため、錆の発生を防ぐことができます。
風による自転車の転倒を防げる
サイクルポートの支柱に自転車を固定しておけば、台風など強風の際に自転車が転倒し、故障するリスクを避けられます。
霜や梅雨、雪から自転車を守れる
霜や露や積雪から自転車を守ることができます。自転車に乗るまえに積雪を払うなどの手間がかかりません。
雨粒に含まれるゴミや黄砂による汚れを防げる
雨粒には、ゴミや黄砂などが含まれています。そのため、雨ざらしにしておくと自転車が汚れてしまいます。屋根があるとゴミや黄砂などを防げます。
鳥の糞で自転車が汚れない
鳥が多く生息している地域では、鳥の糞が落ちてきて自転車が汚れてしまうことが少なくありません。屋根があると、上から落ちてくる鳥の糞による被害から自転車を守れます。
子どもが自転車の置き場に困らない
子どもがいる家庭では、サイクルポートがないと自転車が乱雑に置かれてしまうことがあります。自転車を置く場所が決まっていれば、子どもも自転車の片付けに困りません。
後付けするデメリット
場所をとる
柱が邪魔になったり、庭が狭く感じたりすることがあります。また、サイクルポートを後付けする場合には、家の外観デザインに合わないと違和感がある場合もあります。
横から雨が吹き込む
屋根があっても横から雨が入り込むと自転車は濡れてしまいます。サイドパネルなどを取り付けると、横から入り込む雨を防ぐことができます。
台風などの天災で屋根が飛んでしまう可能性がある
年々、集中豪雨や台風などによる自然災害が増加しています。耐風圧強度が設定されているサイクルポートでも、屋根が飛んだり、破損したりする可能性があります。
コストがかかる
サイクルポートに機能性やデザインなど、求めることが多いほど値段が高くなります。見積もりを複数社に依頼して、比較検討することをおすすめします。
サイクルポートの種類

サイクルポートの種類について、施工業者に施工を依頼する場合と、DIYで施工する場合に分けて解説します。
施工業者に設置を依頼する場合
施工業者に依頼する場合のサイクルポートは、設置のための工事が必要になるタイプです。土間コンクリートなどでしっかりと固定します。施工費はかかりますが屋根もあり頑丈のため、雨や雪、風が多い地域におすすめです。
また、雨水は雨どいに排水されるため、屋根から落下した雨水の跳ね返りで汚れる心配がありません。後付けのサイクルポートでも、業者に依頼した場合は希望の場所合わせたサイズで施工ができるため、家の外観に合ったデザインが可能です。
DIYで設置する場合
DIYで材料から用意して設置する場合の5つのタイプを解説します。数十分で組み立てができるものや、電動ドリルを使用するなど大掛かりなタイプがあります。
スタンドタイプ
組み立てが簡単です。折りたたみ式のため、使用しない場合には収納することができます。
ハウスタイプ
自転車の全体をカバーすることができます。自転車・バイクだけでなく、物置としても使用可能です。
2本足タイプ
玄関前や狭小地などのちょっとしたスペースを活用したい場合に向いています。住宅の壁に接して設置することができます。
4本足タイプ
屋根の代わりに天幕を張るタイプと、屋根があるベーシックなタイプです。比較的手軽に施工することができます。
物置タイプ
戸があるため盗難対策ができて、耐久性に優れています。釣り竿やスキー板など、趣味のアイテムの保管場所としても使えます。
サイクルポートの選び方について

サイクルポートを選ぶ際のポイントは大きく分けて2つあります。それぞれについて詳しく解説します。
自転車の大きさや保有台数・設置予定の敷地をもとに選ぶ
自転車のサイズや、設置予定の敷地に最適なサイズの選び方について解説します。
自転車とバイクの全幅・全長を測る
自転車同士がぶつからないように、各サイズを確認する必要があります。自転車のサイズに合わせて、サイクルポートの奥行、横幅も考える必要があります。
自転車の保有台数を確認する
自転車の保有台数を確認します。家族構成や将来自転車が増えることも考慮しましょう。
サイクルポートを設置予定の敷地の広さや形から最適なサイズを選ぶ
サイクルポートを設置予定の場所を確認します。敷地の形状や、サイクルポートの柱の設置したい場所の確認、周りの干渉物の有無も確認しましょう。
立地環境や気候を考慮して選ぶ
居住する周辺の環境や、気候に合わせた選び方について解説します。
台風の多い地域では壁付けにする
家の外壁に設置できるタイプを選ぶと安心です。台風の際の強風や突風が吹いた場合でも、影響を受けにくくなります。
よく雨が降る地域ではサイドパネルを取り付ける
雨がよく降る地域では、横から入り込む雨に備えてサイドパネルの取り付けがおすすめです。雨風による自転車の劣化防止になります。
積雪量が多い地域では強度の高いスチール製の屋根を選ぶ
積雪の多い北海道や東北、北陸の地域の場合には、雪が降った際の積雪対策が必要不可欠です。特に、冬の間じゅう積雪がある地域では長期間の間重たい雪に耐えられるように、スチール製屋根のサイクルポートをおすすめします。
サイクルポートを設置してから後悔しないために注意すること

サイクルポートを後付けで設置する際、気をつけるべき3つのポイントについて解説します。
サイクルポートを正しく設置する
DIYで設置する際には十分な注意が必要です。台風や突風などの強風によってサイクルポートが飛ばされ、事故につながる可能性があるためです。強度不足にも注意しましょう。
収納したい自転車のサイズや台数に適しているか確認する
サイクルポートの間口や奥行きや横幅に、置きたい自転車のサイズや台数が合っているかどうか事前に確認することが必要です。将来自転車の台数が増えることとなども想定しておきましょう。
暖房器具や給湯器の近くは避けて設置する
暖房器具や給湯器の近くには、サイクルポートを設置しないようにします。熱排気が自転車に当たり、塗装が劣化して剥がれてしまう恐れがあるためです。
設置スペースを確認する
自転車の出し入れをスムーズにできるようにするため、サイクルポートの設置場所は道路に面した場所が便利です。導線に障害物や柱などがない場所を選びましょう。
サイクルポートの有効活用例
自転車を収納すること以外の、サイクルポートを有効に活用する例を解説します。将来自転車が不要になった場合などの参考にしてください。
屋外の喫煙スペースとして利用する
室内で喫煙するのは家族に迷惑がかかり、部屋の壁の汚れも気になります。小さいお子さんのいる家庭でも、屋根付きの喫煙場所として有効に使えます。ライトを設置すれば、夜間に喫煙する際にも便利です。
洗濯物干し場として利用する
洗濯物を干すためのスペースとしても利用することができます。洗濯物を干せるようになるパーツなどがあると、雨天時でも洗濯物が干せて便利です。
ペットのために日除け・雨除け対策ができる
犬を飼っている家庭では、犬小屋を置いて利用することができます。真夏の暑い日差しや大降りの雨などの対策が可能です。
まとめ
サイクルポートを後付けで設置する際には、メリット・デメリットに加えて、家族構成などの変化も想定して検討する必要があります。また、設置予定の敷地や立地環境や気候も、サイクルポートを選ぶ際には十分に考慮することが大切です。サイクルポートの設置で迷っている方は、設置してから後悔することがないように、ぜひ参考にしてみてください。
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