天気の良い日は窓を開けて、風を部屋の中に取り込みたい方は多いでしょう。しかし、賃貸住宅や団地などの窓には網戸がついていない物件も多くあります。一戸建ての場合には自分で網戸を後付けすることもできますが、賃貸住宅の場合は窓を傷つけてしまう恐れもあるため注意が必要です。そこで今回の記事では、網戸を後付けする種類や注意点、取り付けできない窓などをご紹介します。

網戸を後付けする種類

まずは、網戸を後付けする方法や種類について解説します。後付けする網戸の主な種類は「パネルタイプ」「アコーディオンタイプ」「ロールタイプ」の3つです。ただし、後付けする方法や特徴、さらに注意すべき点が異なるため、それぞれについてしっかりと理解することが重要です。ここでは、3つの網戸について詳しく解説します。
パネル(引き違い)タイプ網戸
パネル(引き違い)タイプは、網戸の後付けで一般的に広く使用されています。開閉は2枚の網戸を左右にスライドさせて使うため、使い勝手もよく設置もしやすいのが特徴です。網の種類も豊富で、視界が綺麗に見えるものや虫がつきにくいもの、またペットが爪を立てても破れにくいものなど、用途に応じ幅広い選択ができます。近くのホームセンターでも気軽に入手できるのがパネルタイプ(引き違い)網戸です。また、メンテナンスの容易さや価格の安さが魅力の網戸です。
アコーディオン(プリーツ)網戸
アコーディオン(プリーツ)網戸は、普段使用しないときにジャバラ状に折り畳んで収納できます。そのため、別名「蛇腹式」とも呼ばれます。小さく収納できるため、視界をあまり遮らずに解放感が得られるのが特徴で人気がある網戸の1つです。人の出入りが頻繁な玄関やテラスドア、勝手口などに適しています。
しかし、虫が室内に入りやすく掃除がしにくいことが欠点です。また、網そのものが破れやすく、何度も開閉するうちに傷んでしまうことがあります。さらに、アコーディオン(プリーツ)網戸は賃貸マンションの高層階など風が強い場所には不向きといえます。犬や猫などの爪などでも破れてしまうため、ペットを飼っている家庭は注意が必要です。
ロール網戸
ロール網戸は、チェーンや紐などで網戸の網を巻き取り収納できるのが特徴です。横引きロール網戸には、上下方向に巻き取る縦引きタイプと左右方向に引く横引きタイプの2種類があります。縦引きタイプと横引きタイプの選び方は窓の形状によって決まります。
しかし、網裏の掃除がしにくかったり網戸を折り畳む際に虫を一緒に巻き込んでしまったりすることもあります。また、網の交換ができないため網が破損した場合は、丸ごと交換しなくてはいけません。さらに、ロール網戸はテラス窓などの大きな窓には不向きです。

網戸を後付けできない窓とは?

網戸を後付けしたくても設置したい窓に取り付けができない場合もあります。ここからは、網戸を後付けできないのはどのようなケースなのかについて詳しく解説します。「網戸の後付けがしたいのに実はできなかった」ということにならないために、以下の項目を順番にチェックしましょう。
賃貸住宅や団地の窓の場合
賃貸住宅や団地の窓の場合、通常の一戸建て住宅で使用されているサッシ用の網戸を使えないことがあります。賃貸住宅や団地の窓はサイズが異なり、特注で作られていることが多いのが原因です。また、ねじや釘を使用して取り付ける網戸もあるため、賃貸住宅や団地などの窓には使えません。
さらに、マンションの場合は網戸が家の外部にあるため「共有部分」とみなされる可能性があります。そのため、もし網戸を後付けしたい場合は規約を確認したり管理組合に事前に確認したりする必要があります。
特注サッシの場合
特注サッシの場合は、一戸建て住宅であっても既製品の網戸が取り付けられないケースもあります。通常のサッシには型番シールがサッシに貼られるためサイズが簡単に確認できます。そのため、そのサイズに合う既製品のサッシ枠を選択することが可能です。
しかし、特注サッシの場合はサッシ枠も特注となり、後付けに対応できるかどうかが判断できないケースが多いです。後付けが可能かどうかについて、ご自身で判断ができない場合はメーカーに問い合わせる必要があります。「既製品の網戸が合わなかった」とならないようにしましょう。
レールがない場合
一般的に戸建住宅は網戸の設置ができます。一方で、マンションなどでは網戸を取り付けたい窓に下レールがない場合もあります。下レールがない場合は一般的な網戸の取り付けが難しい場合があり、通常の既製品網戸の後付けができません。
ただし、網戸レールを後付けしたり室内側にプリーツ網戸を取り付けたりすることで、網戸と同じような機能をもたせることができます。他にも、穴をあけない突っ張り式の網戸もあります。

網戸の後付けする際の注意点

「なるべく施工費用をかけずに、安く網戸の後付けをしたい」という方もいるのではないでしょうか。専門の業者ではなく自分で網戸の後付けをすると、施工費用をぐっと安くできます。
しかし、慣れていない作業のため間違った網戸を取り付けてしまうケースもあります。しっかりと事前に注意点を理解することが重要です。ここからは、網戸を自分で取り付けるか業者に依頼するかを判断するために、事前の確認ポイントについて詳しく解説します。
取り付けたい窓の形状を確認
網戸を設置したい窓が、どのような形状かによって後付け網戸の種類が変わります。一般的な引き違い窓の場合は、どのようなタイプの網戸も後付け対応可能です。ただし、縦滑り出し窓や横滑りだし窓の場合は、ロールタイプの網戸を採用しなければなりません。まずは、設置したい窓の形状に対応する網戸を確認することが大切です。
取り付けたい窓の下にレールがあるか確認
引き違い窓に後付け網戸を設置する際は、窓の下に網戸用のレールがあるかを確認することが重要です。もしレールがない場合は、以下の3つのいずれかの対応を行う必要があります。
◇網戸レールを後付けする
網戸レールの幅が狭い場合や、レール自体がない場合は「網戸レール」を後付けすることで、網戸を取り付けられるようになります。網戸レールは既存サッシの外側に専用工具を使用して取り付ける必要があるため、業者に依頼する方が安心です。
◇室内側にアコーディオン網戸を取り付けする
既存サッシの外側に網戸レールの設置が難しい場合は、室内側にアコーディオン網戸を設置することで、網戸と同じ機能をもたせることができます。
◇突っ張り式網戸を採用する
賃貸や団地の場合は、サッシに直接工事をすることが困難な場合があります。その場合は、網をカーテンのように吊るすタイプの突っ張り式網戸で解消することができます。しかし、網戸のように密閉性はないため、小さな虫を完全に防ぐことができないことが欠点です。
設置窓のサイズを測る
サッシによっては型番シールが貼られており、適用できる網戸の「商品名」と「品番」が記載されていることがあります。まずは品番を確認することが重要です。もし品番の記載がない場合は、メジャーなどを使用して自分でサイズを計測する必要があります。サイズを測る箇所は、次のように行いましょう。
高さを計測する場合、網戸レールの上部先端から下部先端の間を測り、両端と中央の3箇所を計測します。横幅を計測する場合、サッシの端から端までのサイズを計測します。間違った計測方法をしてしまうと、実際に設置する網戸とサイズが合わなかったり隙間ができてしまったりするため、正しい計測方法で設置窓のサイズを測りましょう。
自分で難しい場合は業者に依頼しよう
サイズの計測から取り付けまでを自分で行うことは難しいと感じる方もいるのではないでしょうか。小さな誤差であっても、寸法の計測ミスが原因で納まらない網戸を発注してしまうリスクもあります。また、うまく設置できず網戸を破損させてしまうリスクもあります。もし自信がない場合は、専門の業者に計測を依頼するのがおすすめです。

網戸の機能別で選べる「網」のご紹介

最後に、網戸の「網」についてクローズアップします。「網」は、用途や機能が異なるものが数多く販売されています。ここからは、機能別におすすめの「網」を解説します。後付けをする際にどのようなタイプが適しているのかを順番に確認しましょう。
視界をクリアにする網
「自然に癒されたい」「空を見上げたい」など室内から外の景色をクリアに眺めたい方もいるのではないでしょう。視界をクリアにする網は、一般的な網戸に比べて網の太さが細く、網と網の間隔にゆとりがあるためおすすめです。網が細いことで通風量も増えるため、窓を開けて過ごしやすい季節に心地よい風を感じながら景色を楽しむことができます。室内にたっぷりと涼しい風を取り込むことができるため、夏はエアコンの節電にも繋がります。
虫が多い環境に最適な網
人やペットに安全な薬剤を網に練り込んだもので、虫がとまりにくい機能を持った網もあります。網目が荒いものや細かいものなどさまざまなものがありますが、網目が細かいものなら小さな虫もシャットアウトできるため、室内に虫が入る心配はなくなります。薬剤と網目の細かさの2つの防虫効果がある網目ならもっと便利です。自然が多い土地や水辺の多い土地の近くにお住まいの方は、このように虫がとまりにくい機能を持った網目の細かいものを選んでみてもいいでしょう。
ペットがいるご家庭に最適な網
網に樹脂コーティング加工が施され、ペットが引っ掻いても破れにくい耐久性を有している網もあります。また、網目がズレにくい構造のためペットの爪がひっかかりにくいのが特徴です。さらに、ペットが網戸を破って脱走してしまう心配もなくなるため、ご家庭も安心して室内でペットと過ごすことができるのではないでしょうか。室内でペットを飼うご家庭が多いため、人とペットにとって快適な住まい空間を実現したいものです。

まとめ
今回の記事では、網戸の後付けができる種類や注意点、取り付けができない窓について詳しく解説しました。戸建住宅なのか賃貸住宅や団地なのか設置する建物別でも、網戸の取り扱いが異なるため注意が必要です。後付け網戸を設置することで、いつでも窓を開けて心地良い風を感じられます。網戸の後付けをお考えの方は、是非この記事を参考にしてみてください。
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