「最近、自宅のトイレの流れが悪い」と悩んでいませんか?
トイレが完全に詰まってしまうと便器から水が溢れ出ることになり、衛生的にもよくありません。持ち家の一軒家ならまだしも、賃貸の集合住宅なら周囲の住民に多大な迷惑をかけるということにもなりかねないでしょう。
そこでこの記事では、トイレが詰まってしまう5つの原因や、自分でもできる正しい直し方をご紹介します。トイレは詰まってから対処するのでは遅く、「なんかおかしいな」と思った段階で早めの対処をしておくことが肝心です。トイレが詰まる初期症状も3つ解説するので、「もしかして」と心当たりがある方はぜひ早めの対策を心がけてください!
トイレが詰まるとどうなる?よくある3つの初期症状
トイレの詰まりは、基本的に長年の汚れなどが積み重なることで起こります。そのため、「ある日急にトイレが詰まった」ということは少なく、必ず何かしらの初期症状が見られるものです。
- 水の流れが遅い
- 便器の水が少ない
- ゴボゴボと異音がする
トイレ詰まりで「定番」とも呼べる初期症状は、上記の3つです。ご自宅のトイレに似たような症状がある場合は、早めに対策を打つようにしましょう。
1. 水の流れが遅い
トイレが詰まる初期症状として特に多いのが、水の流れが遅くなることです。例えば「水を流したら水位が上がり、その後ゆっくりと流れていった」という経験がある方は多いのではないでしょうか?
この場合、タンクの蓋を開けてタンク内の水位を確認すれば、トイレ詰まりの原因を突き止めることができます。
タンク内の水が水位線より |
トイレ詰まりの原因 |
対処法 |
下回っている |
タンクの水量が少ない |
タンクの水量を調整する |
ほぼ同じ |
排水管が詰まっている |
排水管の詰まりを解消する |
よく節水対策としてタンク内にペットボトルや節水グッズを入れる方がいますが、こうした節水対策はトイレの水の流れを悪くする原因にもなります。タンク内に何かを入れている方は一回取り出し、タンク内の水を水位線まで上げてみましょう。
もしタンク内の水が十分でも水の流れが改善しなければ、排水管が詰まっていることが原因と考えられます。排水管が原因の場合、レバーを何度も引くと水が便器から溢れかえってしまいますので、一度に大量の水を流すのは危険です。
2. 便器の水が少ない
「ある時トイレの蓋を開けたら、便器の水位が低くなっていた」という経験がある方も多いでしょう。これは排水管が詰まっている時によく見られる症状で、排水管内部の気圧が下がっていることが原因です。
排水管が詰まっている場合には、異臭がするケースも少なくありません。排泄物が流れきらずに排水管で詰まってしまい、その異臭がトイレまで達している可能性も十分に考えられます。
3. ゴボゴボと異音がする
トイレの水を流す際に「ゴボゴボ」と音がする場合は、トイレの水がスムーズに流れていない証拠です。現在はなんとか流れていても、そのまま放っておけば近い将来にトイレが完全に詰まってしまうかもしれません。
トイレの排水は空気も取り込むため、「ゴボゴボ」という音が必ずしもトイレの詰まりを意味するわけではありません。しかし「明らかにいつもと違う音がする」という場合は排水管に異常が生じている可能性が高いので、早めに何かしらの対策を打つようにしましょう。
詰まりやすいのは「せき」 | 知っておきたいトイレの仕組み
トイレが詰まる原因を知るには、まずはトイレの大まかな仕組みを知っておくことが大切です。ここでは現在ほとんどの家庭で用いられている洋式トイレの仕組みを解説しましょう。
トイレの便器内には「封水」と呼ばれる水が常に溜まっており、これは文字通り下水から湧き上がってくる臭いを封じる役割を果たしています。私達が普段目にしているのは、この封水の約半分程度。その奥には排水路を上るように水が流れ、端にある「せき」という部分を超えて排水管へと流れていきます。
トイレの流れが悪い場合、この「せき」の部分で詰まっているか、奥の排水管で詰まっているかの主に2パターンが考えられます。「せき」で詰まっている場合ならまだしも、排水管そのものが詰まってしまっている場合には、自分自身で詰まりを解消するのはかなり困難と言えます。
なぜトイレが詰まる? よくある5つの原因
トイレットペーパー以外の異物を流した場合はもちろんのこと、通常どおりトイレを使用していても長年の積み重ねによって詰まることがあります。ここではトイレが詰まる原因として特に顕著な5つをご紹介しましょう。

1. 大量のトイレットペーパーを流した
トイレが詰まる原因として最も多いのが、トイレットペーパーの流しすぎ。トイレットペーパーは水によって細かく溶けるようにできていますが、それでも大量のトイレットペーパーを一気に流せば細かい切れ端が重なり、トイレが詰まる原因となってしまいます。
中には節水のためにできるだけ「小」で水を流す方もいますが、これはNG。トイレットペーパーが十分に流れきらず、繰り返すとトイレの詰まりを誘発する可能性があります。節水も大切ですが、それでトイレが詰まってしまっては本末転倒です。トイレットペーパー使用時は、十分な水量でしっかりと流すようにしましょう。
2. ティッシュを流した
トイレットペーパーの代わりにティッシュペーパーを流してしまうと、当然トイレが詰まる原因となります。これはトイレットペーパーが水溶性なのに対し、ティッシュのほとんどが水溶性に作られていないためです。
そのため、たとえ少量だとしてもティッシュをトイレに流してはいけません。「ちょっとなら大丈夫」という考えるのではなく、必ずゴミとして区別しましょう。
近年は「水に流せる」と謳ったティッシュや掃除シート、赤ちゃん用のおしりふきシートなども展開されていますが、こうした商品でも大量に流すとトイレ詰まりの原因になる可能性は十分に考えられます。
3. 食べ物などの異物を流した
カップラーメンのスープなどをトイレに流す方もいるかもしれませんが、これもNG。基本的にトイレには排泄物とトイレペーパー以外のものは流してはいけません。下記のようなものはトイレ詰まりの原因になりますので、十分に注意して下さい。
- 残飯類
- おむつ
- 尿もれパット
- 生理用品
- ペット用のトイレ砂
- 異物
正しく使っているつもりでも、「ポケットから物が落ちた」というケースも意外と少なくありません。スマホなど大きなものはもちろんのこと、ティッシュやビニール類もトイレ詰まりの原因となりますので、トイレ使用時には注意が必要です。
また、健康診断で用いるバリウムも、場合によってトイレ詰まりの原因となり得ることがあります。バリウムを飲んだ後は、バリウムが便器に触れないようトイレットペーパーを事前に敷いておくと安心です。
4. 水圧が弱くなっている
根本的な原因として、タンク内の水圧が低下していることも考えられます。水圧が低下する理由として考えられるのは以下の3通りです。
- タンク内の部品が破損した
- タンク内にペットボトルや節水グッズを入れている
- 止水栓が十分に開いていない
止水栓が原因となり得るのはトイレを設置して間もない頃に限られるため、基本的にはタンク内の異常を疑うのが妥当でしょう。先述の通り、タンク内に何か節水グッズを入れている方は、それを取り出すことでトイレが正常に作動する可能性も考えられます。
5. 尿石が溜まっている
トイレ詰まりの原因として最後に挙げられるのが、尿石がたまっていること。「尿石」とは尿に含まれるタンパク質やカルシウムイオンといった成分が固形化したもので、こまめにトイレを清掃しないと徐々に溜まっていってしまいます。
トイレ掃除をしばらくサボった時に、黄ばみや黒ずみのような汚れを目にしたことがある方も多いでしょう。尿石は放置すればするほど頑固にへばりつき、掃除するのも大変になってしまいます。トイレを正しく使っていても、尿石が排水管の表面に溜まってしまうというケースも考えられるため、トイレはこまめに清掃することが大切です。
自分でできる!トイレが詰まったときの正しい直し方

万が一トイレが詰まってしまった場合、「一刻も早く直したい」と感じる方は多いでしょう。トイレが詰まってしまうと、トイレのためにわざわざ外出しなければならなくなり、かなりの不便を強いられることとなります。
そこでここでは、トイレ詰まりを自分で直すための方法をご紹介します。ただしトイレ詰まりの原因によっては自分ではどうにもできない場合もありますので、その際には早めに業者へ連絡してください。
事前準備
トイレが詰まったからと言って、慌ててすぐに直そうとしてはいけません。安心・安全に対処できるよう、まずは最低限の準備をしておくことが大切です。
- 床に新聞紙やビニールを敷き詰める
- 止水栓を止める(マイナスドライバーで右に回す)
- トイレの電源プラグを抜く(温水洗浄便座の場合)
事前準備として絶対に欠かせないのが上記の3点。万が一の汚れに備え、床には新聞紙やビニール、手にはゴム手袋を用意しておくと安心です。また、ウォシュレットのように温水洗浄機能がついているトイレは、必ず電源プラグを抜いておきましょう。コードを伝って水がプラグに入り込むと感電のリスクがあり、非常に危険です。
正しい&間違った対処法
準備が整ったら、トイレの詰まりを解消していきましょう。自分でもできる方法としては、主に以下の3パターンが挙げられます。
- ラバーカップ(スッポン)を使う
- 真空式パイプクリーナーを使う
- ワイヤー式トイレクリーナー(ワイヤーブラシ)を使う
いずれも専用の道具が必要で、ホームセンターなどで1,000~3,000円程度で購入することができます。ただしいずれも便器の「せき」の部分が詰まっている時に効果的な道具で、排水管の奥が詰まっている場合にはほとんど効果を発揮しません。「せっかく買ったのに無駄だった」となり得ることも、あらかじめ理解しておきましょう。
その他、巷では下記のような方法が良いとされていますが、いずれもNGです。
- ×熱湯を流す
- ×水を大量に流す
- ×重曹やクエン酸を入れる
- ×薬剤を流す
特に熱湯や薬剤は便器を痛みつけることになり、最悪の場合には便器そのものが割れてしまいます。便器が壊れてしまったら全面的なリフォームを余儀なくされますので、くれぐれも安易に使用しないよう気をつけてください。
「自分でやるのは不安」という方は、業者に依頼するのが最も安心です。業者なら真空ポンプや高圧洗浄機など、普通の自宅にはないような器具を使ってトイレの詰まりを解消してくれます。料金が発生するというデメリットもありますが、最も早く安全な方法と言えるでしょう。
トイレが詰まった場合はリフォームも選択肢

トイレの詰まりは、とにかく早めの対策が肝心。いつまでも放っておくと、自宅のトイレが使えないどころか、汚水が溢れ出て大惨事ということにもなりかねません。
詰まりを解消してもすぐに詰まりが生じてしまう場合には、トイレの性能そのものが劣化している可能性が考えられます。近年は圧倒的に少ない水量で洗浄力にも優れた便器が多数販売されていますので、長い目で見れば水道料の節約という意味で、リフォームも立派な選択肢の一つと言えるでしょう。
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