トイレは住まいに欠かすことのできない設備です。トイレには長く使えるイメージがあり、いつ買い替えればよいのかわからない方もいるかもしれません。そこでこの記事では、トイレが寿命を迎える原因や、故障したまま使い続けるリスク、トイレの買い替えにかかる費用などについて紹介します。どのような症状が出たら交換すべきか、気になる方はぜひ参考にしてください。
トイレが寿命を迎えた際のサイン

トイレは毎日、何度も使う住宅設備です。見た目にも機能的にも異常はなかったとしても、実際には使っていくうちに劣化していくもので、寿命もあります。トイレが寿命を迎えた際のサインについて、代表的なものを紹介します。
水が流れない、止まらないなどの故障
トイレのレバーを回しても水が流れない、あるいは手洗い器の水が止まらないといったような症状が発生した場合、トイレが故障している状態と言えます。原因は、止水栓が閉まっている、タンク内部の浮き球が壊れている、レバー自体が壊れているといったことが考えられ、必要に応じて修理や交換をすることになります。
パッキンや配管の老朽化
トイレのタンクは、給水管でつながれています。給水管との接続部分には、パッキンというゴム製の部品が水漏れを防ぐことを目的に使用されています。日々、水にさらされているため腐食しやすく、7~10年ほどで水漏れなどの症状がみられるようになります。パッキンや配管といった部分は構造上あまり目につかないため、注意が必要です。
水漏れの発生
トイレからの水漏れも、交換のサインです。便器内で少しだけ漏れているようなものから、便器と床の間から水がどんどん染み出てくるようなものまで、多様な症状がみられます。水が漏れているのを発見したら、まずどこから漏れているのか、目や耳を使って箇所を確認し、修理または交換を検討しましょう。
排水管の詰まりの発生
長くトイレを使っていると、便器が詰まりやすくなることがあります。トイレットペーパーを大量に流したり、異物を流してしまったりした際に、トイレの排水管のS字部分がふさがるのが原因です。手が届かないような奥まった場所で詰まってしまった場合、床を剥がすなど大がかりな工事が必要となる可能性があるため、流すものには注意が必要です。
温水洗浄便座の故障
温水洗浄便座も、長年にわたって使用していると電子部品が劣化してしまいます。その結果、温水にならない、便座が温かくならないなどの故障や不具合が発生する可能性が生じます。もし故障したら、温水洗浄便座ごと交換しなければなりません。
トイレを買い替えずに使い続けるリスク

年数としては寿命を迎えても、故障さえしていなければトイレはそのまま使うことはできます。しかし、劣化した状態で長く使い続けることでトラブルの発生が懸念され、安全に使用できなくなる可能性は高まります。トイレを使い続けるリスクについて、紹介します。
最新機種に比べて水道代・電気代がかさむ
20年ほど前に製造されたトイレは、大の洗浄に6~8リットルの水が使われていました。一方で、現在の製品では4~5リットルと、以前の半分ほどの水量です。つまり、昔のトイレを使い続けることで、より多くの水道代を払うことになります。
また、最近の暖房便座や温水洗浄便座は、水温の自動調節機能など省エネ性能の高い機種が充実しています。古い機種と比較して、電力消費量はかなり少なめです。このように、将来にわたって払い続ける水道代や電気代を考慮すると、買い替えないまま使い続けることで発生するコストは無視できません。
汚れが落ちにくくなる
トイレは、1日に何度も使用される住宅設備です。使えば使うほど便器は汚れやすくなり、掃除がしっかりと行き届いていない場合は汚れや臭いが定着してしまい、なかなか落ちにくくなってしまいます。家族の人数が多ければ使用頻度は高くなるため、より丁寧かつ頻繁なお手入れが欠かせなくなります。
故障の頻度が高まって修理費が増える
経年劣化したトイレは、徐々に故障も目立つようになります。故障をすれば業者に依頼して修理をしてもらうことになりますが、頻繁に故障するようになると修理の回数も増え、費用がかさみます。また、古いタイプのトイレであれば部品の在庫がすでにない場合もあり、修理に対応できないという可能性も考えられます。
トイレの種類と特徴

トイレの種類は、便器とタンク、便座が一体となっているタンク一体型、タンクのないタンクレス型、便器と便座を自分の好きなように選べる組み合わせ型の3つがあります。それぞれにどんな特徴があるのか、確認しておきましょう。
タンク一体型
便器と水をためるタンク、そして便座が一体となっているタイプのトイレです。タンクがコンパクトで、タンクと便器の繋ぎ目の少ないすっきりとしたデザインが特徴です。また、タンクの手洗いについては、あるタイプとないタイプから選ぶことができます。タンク式なので水圧の低い場所でも使うことができ、組み合わせ型と比較すると隙間や凸凹が少なく、掃除がしやすいというメリットもあります。
タンクレス型
水をためるタンクがないトイレです。タンクのあるトイレは、水を流したらタンク内に時間をかけて補給しますが、タンクレスは給水管から水を直接出す仕組みです。また、タンクがないためトイレ内を広く使うことができ、他のタイプと比べて節水できる傾向があります。フォルムもタンク一体型と同様に凸凹が少なく、汚れなどがたまりにくいです。一方で、トイレと別に手洗いを設ける必要があり、価格も高くなります。
組み合わせ型
便器と便座を自由に組み合わせることができるトイレで、最も一般的なタイプ。「便器はこの商品で、温水洗浄便座はこの商品」など、組み合わせを細かく指定できるメリットがあります。費用は一体型やタンクレスよりも安く、便座が故障した際も便座だけ交換することが可能。ただ、一体型やタンクレス型とは異なり形状が複雑で、掃除がしにくいという点もあります。
素材が陶器
便器の素材として一般的なのが陶器です。陶器が使われているのは、耐久性の高さが主な理由です。体重の重い人が乗っても割れることがなく、重宝されています。また、加工のしやすさや酸性洗剤など薬品への耐性があるという特徴も、選ばれている理由の一つです。
セフィオンテクト(TOTO)
大手住宅設備メーカーであるTOTOが開発した独自の加工技術です。従来の便器には、表面に目に見えないほど微細な凸凹があり、汚れが残ってしまうことがありました。しかし、セフィオンテクトは、陶器表面の凸凹を100万分の1ミリメートルのナノレベルに仕上げており、汚れの付着のしにくさと落ちやすさを両立する技術です。親水性の高さもあり、表面の水が広がりやすいという特徴もあります。現在のTOTO製品には、ほぼセフィオンテクト加工が施されています。
TOTOのトイレ商品一覧
価格・工事期間・商品概要の詳細はこちら→
アクアセラミック(LIXIL)
衛生陶器・住宅設備機器の大手メーカーであるLIXILが手掛ける、INAXのトイレに使用されている新素材です。トイレの表面に水酸基が出ない構造で、水アカの固着を化学的に防止します。便器洗浄や掃除のたびに汚れを浮かせて洗い流すため、常に見た目を美しい状態に保つことが可能です。さらに銀イオンのパワーで、黒ずみの原因である細菌の繁殖も抑制。汚れだけではなく、臭いや水アカも軽減します。
LIXILのトイレ商品一覧
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トイレの買い替えにかかる工期と費用

トイレの買い替えにかかる工期の長さや費用は、どのタイプのトイレを採用するかといった条件によって大きく変わります。主な工事の種類ごとに、工期や金額をみていきましょう。
便座のみを取り替える場合
便座は、特に機能がついていない普通便座と、温水で洗浄する機能のある温水洗浄便座が主流です。普通便座は、便器の上に取り付けるだけのシンプルな構造です。温水洗浄便座は給水管の取り外しや便座との接続が必要になりますが、作業自体は難しいわけではありません。DIYでも取り付けることは可能で、作業は1~2時間程度で終わります。設置にかかる費用は自分で作業する場合は本体代だけで済むため、普通便座であれば数千円、温水洗浄便座であれば4~10万円が目安です。
和式から洋式に変更する場合
トイレを和式から洋式に変更する場合は、すでに設置されている便器や床などを解体し、設置するスペースを作り直すところから始まります。そこから配管工事、床や内装の工事、洋式便器の取り付けという流れで工事が行われるため、工事には1~2 日程度かかります。また、費用はトイレの種類によって変わりますが、工事費用を含めておおよそ25万~60万円の範囲です。
タンク式からタンクレス式に変更する場合
洋式から洋式の交換はスムーズです。ただし、手洗い場を新たに設置することになるため工事の範囲は広くなり、1~2日程度を要します。費用は、本体と工事費の総額で40万~70万円前後が相場で。また、手洗い場の設置にはさらに10万~18万円程度の追加費用がかかります。
まとめ
トイレの買い替え時期は、故障したときばかりではありません。たとえ使える状態であっても、パーツの使用期間が寿命に達していれば、安全性や快適性は損なわれていると言えるでしょう。状態だけではなく年数も考慮して、適切なタイミングで新しいトイレに交換することが大切です。
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