トイレのリフォームといえば、便器の交換や内装変更のリフォームが挙げられますが、古くて建付けの悪いドアを交換したり、子どもや高齢者向けに使いやすいタイプのドアへリフォームしたりするケースもあります。そこで今回の記事ではトイレのドアをリフォームする際の費用や注意点について徹底解説します。
トイレのドアのリフォーム費用

既存のトイレのドアから新しいドアへリフォームする場合の費用相場はおよそ4~18万円となります。選ぶドアのグレードやリフォーム範囲によって異なる点に注意が必要です。
正確な費用は、実際の現場のトイレのドアの状況や選ぶ建具によって、リフォーム業者に見積もりを依頼することでわかります。また、見積もりを依頼するリフォーム業者は少なくても2〜3社に依頼をするようにしましょう。
1社の見積もりだけでは、その金額が適正な価格なのかを判断することが難しく、その業者の言いなりになってしまうリスクがあります。
ドアの交換費用を少しでも安くしたい!DIYはできる?
ドアの交換を自分で行い、少しでも安く抑えたいと考える人も多いでしょう。ホームセンターには各メーカーのトイレドアの材料は簡単に手に入れることができます。しかし、ドア本体はかなりの重量があるため気軽に扱うことは困難です。また、取り外した既存のトイレドアの処分も手間がかかるため、素人が簡単にDIYで行うことは難しく、DIYはあまりおすすめできません。
どうしてもDIYで行いたい場合は、特にドアの建付けについて注意しましょう。ドアの建付けが上手くいかず、異音やガタつきが起こる原因となり、手がつけられなくなると最終的にはリフォーム業者を呼ぶことになり、無駄な費用がかかってしまいます。
一方で、ドアノブや取っ手の交換・ドア表面の張り替え程度であれば、DIYでも対応が可能な場合があるため、リフォームする箇所に応じて、柔軟に検討することをおすすめします。
トイレのドアの種類と特徴

次にトイレに使われるドアの種類や特徴について解説します。既存のドアの不満点を解消するために、ドアの種類に応じてメリット・デメリットがあるため、特徴をしっかりと抑えた上で選択するようにしましょう。
開き戸タイプのドア
トイレのドアの中では一般的に使われることが多いのは片開きドアになります。扉のデザインが豊富でおしゃれな見た目のドアにリフォームしたい場合に選択しやすい特徴があります。また、気密性も高く、音やニオイの漏れが少ないのも嬉しいポイントです。
◇開き戸タイプのメリット
・扉のデザインバリエーションが豊富
・引き戸よりも壁の厚みを薄くできる
・気密性が高いため、音やニオイの漏れが少なくなる
◇開き戸タイプのデメリット
・扉の開閉の前後に、動作のスペースが必要となる
・扉の開閉スペースに人や物があるとぶつかる危険性がある
引き戸タイプのドア
引き戸はドアを横に引いて開閉できるタイプになります。開き戸のようにドア前後のスペースが不要で身体を動かさずに開閉しやすいのが特徴です。特に高齢者や要介護者にとっても扱いやすく、バリアフリーに適している建具の一つになります。一方、開き戸よりも気密性は低く、音やニオイが漏れやすい点にも注意が必要です。
◇引き戸タイプのメリット
・扉の開閉のためにドアの前後にスペースを必要としない
・狭い空間や、廊下などの通路でもスムーズに開閉が可能
・扉を開けた時に全部壁に収納することができるため、通行スペースが広く取れ、車椅子やバリアフリーの対応がしやすい
◇引き戸タイプのデメリット
・開き戸タイプに比べると、気密性が劣るため音やニオイが漏れやすい原因となる
・扉を開ける時に引き込む側の壁が必要になるため、設置場所が限られる
・引き込み式の扉の場合、戸袋の中の溝やレールに埃や物が挟まることがある
中折れ戸タイプのドア
開き戸のメリットと引き戸のメリットを兼ね備えたのが中折れ戸のドアになります。開閉スペースが少ないため廊下が狭い場合や、トイレ内のスペースが少ない場合に便利です。また、引き戸の袖壁がないケースでもリフォームできます。
◇中折れ戸タイプのメリット
・開き戸よりも開閉スペースが1/3と省スペースなため、狭いトイレ空間や廊下の場合でも設置が可能
・上吊りタイプの中折れ戸の場合、床にレールがないため溝に埃がたまる心配がない
・上吊りタイプの中折れ戸の場合、床にレールがないため車椅子でも楽に通行ができる
◇中折れ戸タイプのデメリット
・小さなお子様が開閉を行う時に、扉と扉の連結部分に手を挟む危険性がある
・中折れ戸は他の開き戸、引き戸に比べると費用が一番高い
・中折れ戸のタイプによっては、埋め込み式のレールが必要となることがあるため、床にレールの溝ができる
トイレのドアのリフォーム方法
次に、トイレドアのリフォーム方法について解説します。3つのリフォーム方法があるため、自宅のトイレドアリフォームがどれに該当するか検討しましょう。
ドア交換のみ
ドア交換のみのリフォームは、既存のドアを外して新しいドアを取り付けるリフォームになります。ドア+既存ドアの撤去・取り付けと諸経費がかかります。
ドア枠ごと交換
ドア枠ごと交換するリフォームは、既存のドアとドア枠を外して、壁紙も貼り直すリフォームになります。ドア交換のみの費用に加えて、出入口枠造作費・壁下地処理・クロス貼りの費用が追加でかかります。
ドア表面の張り替えのみ
既存のドアに内装材を貼ったり、塗装を塗り替えたりする場合は大がかりなリフォームにはなりません。内装材費+諸経費のみかかるため、交換リフォームよりは費用が安く抑えられます。
トイレのドアをリフォームする際の注意点

自宅のトイレドアのリフォームの方法について検討できたでしょうか。もし、交換するドアにデメリットがある場合は改善することで、より快適なトイレになります。そこで、交換するドアのデメリットがある場合の改善点について解説します。
引き戸タイプのドアは音が漏れやすい
もし、交換するドアのタイプが引き戸タイプの場合は、デメリットとして密閉性が低く、音やニオイが漏れやすくなります。高齢者や要介護者のことを考えてバリアフリー化の観点から引き戸タイプにリフォームしようと考えている場合は、音漏れ・ニオイ漏れの対策が必要になります。対策案としては以下の通りとなります。
◇隙間をテープでふさぐ
引き戸のトイレドアはレール部分に隙間ができ、そこから音やニオイが漏れる原因となります。そのため、隙間をテープでふさぐことで音漏れ・ニオイ漏れを防ぐことが可能です。隙間テープはホームセンターや通販サイトで購入できるため、簡単にDIYで対策することができるためおすすめです。
◇トイレ用擬音装置の設置
隙間テープでは完全に音漏れを防ぐことは難しいため、トイレの音漏れ対策として使用中に水の音を流せる音姫が有名ではないでしょうか。乾電池で作動するタイプならリフォームは不要で設置可能です。また、隙間テープとあわせて使うことによって、高い音漏れ効果が期待できるためおすすめです。
◇防音ドアにリフォーム
音漏れ、匂い対策として高い効果を望む場合は、多少リフォーム費用はかさむことになりますが、トイレのドアを防音ドアに変えるのも1つの手となります。防音ドアは空気の振動を減らし、音漏れを防ぐ効果が非常に高い効果があります。しかし、防音ドアのデザインは他の建具と比べると少ないため、住宅の雰囲気と合うかどうかは事前に確認した方が良いでしょう。
内開きのドアは開閉スペースに注意
ドアの外側に開閉スペースがない場合は内開きのドアにリフォームするケースもあります。内開きの場合は、ドアを開いた際にトイレ内に十分な空きスペースがあるか確認することが重要です。狭いトイレの場合、ドアを内側に開いた際に便器に干渉するリスクがあります。また、トイレ内で倒れた際にドアが開けられなくなるため、高齢者や要介護者がいる場合は注意が必要です。
オーダーメイド品は費用が高額になる
自宅のトイレがオーダーメイドのドアを使用している場合は、扉の開口枠が規格に合わないサイズの場合があります。そのためメーカーの規格品に合ったドアが見つからない可能性があります。また、リフォーム時のドアもオーダーメイドにすると費用が高額になってしまいます。対策として、ドアの塗り替えや表面材の張り替え、ドアノブの交換など安く済ませ、長く使える方法がないか検討するのがおすすめです。
トイレのドアのリフォームを安く抑えるには

何かと費用がかさみがちな住宅のリフォーム。トイレのドアだけでも安くしたいという方は、ドアのグレードやリフォーム内容をできるだけ最低限に留め、相見積もりを取ることをおすすめします。また、リフォーム工事の依頼先によっても費用が変わったり、工事の品質や工期が変わったりする、それぞれの特徴を抑えることで、自分達に最適なトイレドアのリフォームを行うことができます。
◇DIY
一番安く費用を抑えることができるのがDIYです。ドアノブや小さな部品交換で修理が可能な場合は、ホームセンターやインターネット等で部品を買うことができるため、必要な工具が揃えば自分で交換することができます。
◇工務店やハウスメーカー
今の自宅を建築した工務店やハウスメーカーに扉交換のリフォームをお願いすることも可能です。リフォーム部門がある工務店ではリフォーム担当者が現地を採寸し、いくつかのドアを提案してくれます。予算や要望を伝えることで、自分たちに最適なドアを選択することができますが、必要以上の機能やデザイン性のあるドアを薦められることで予算オーバーになる可能性もあるため、しっかりと見極めることが必要です。
◇ホームセンター
ホームセンターのリフォームエリアには、様々なドアの現物を見ることができます。その場でドアを購入し、取り付けを依頼することもできるため、実物を見て決めたい人にはおすすめです。価格はインターネットよりかは高く、工務店やハウスメーカーより若干安い価格帯になることが多いです。
◇インターネット
ドアの設置まで依頼をする中では、一番価格を抑えることができるのがインターネットでの購入になります。デメリットとしては、扉のサイズやデザインをインターネット上で選択することになるため、サイズ間違いや希望するデザインや色味が実際と違う可能性があることです。確実にサイズを間違うことがなく、デザインも決まっている場合には最適な選択肢と言えます。
まとめ
トイレのドアをリフォームすると、新築同様に生まれ変わります。リフォームの中では数万円~十数万円でできるお手軽なリフォームのため、最初のリフォームとしてもおすすめです。この記事を参考にしてトイレドアリフォームを行い、快適な空間にしてください。