ガーデンライフをより充実させるために、人工芝を検討する方が増えています。天然芝を敷いてグリーンガーデンを楽しんでいた方も、きれいな状態を保つための管理が負担になり、人工芝への変更を計画している方もいます。そこで気になるのが費用です。この記事では、人工芝の種類や人工芝を敷く方法、施工にかかる費用について、詳しく解説していきます。

人工芝の種類と費用

人工芝には「ロールタイプ」と「ジョイントタイプ」があります。芝葉の長さや品質や耐久性によって価格は異なるため、それぞれ用途に合わせて選ぶ必要があります。人工芝の費用相場は、天然芝の費用相場の約10倍です。人工芝の種類と費用の相場について解説します。
ロールタイプ
ロールタイプの特徴や費用相場、芝の長さに適した使い方など詳しく解説します。
■特徴やおすすめの場所
絨毯のような形状で芝葉の長さ・2cmまでがショートパイル、2cmよりも長いものはロングパイルと呼ばれており、パイルが長くなるほど価格は高くなります。ロールタイプはカットができるため、複雑な形の庭や飛び石がある庭など、好きな形や長さに合わせることができます。また、一枚で広い面積に敷くことができて継ぎ目が少なく、目立ちにくいため広い場所におすすめです。
しかし、その反面一部が破損したり汚れたりした場合は、その部分のみの補修や交換が困難です。傷んだ部分だけをカットして、新しい人工芝をはめ込む作業が必要になります。
■費用相場(1㎡あたり)
・芝葉の長さ・2cmまで 約2,280円
ショートパイルと呼ばれる芝葉の長さで、パターゴルフにおすすめです。短い芝は、ゴルフボールが引っかかりにくく、芝が倒れて場合でもあまり気になりません。自宅でちょっと練習したいときや外出できない場合など、好きなときに気軽にゴルフを楽しむことができます。
・芝葉の長さ・3cm~4cm 約4,000円
見た目とクッション性のバランスがよいです。ショートパイルより耐衝撃性があり、転んでも怪我をしにくく、子どもが安心して遊べます。また、ペットなどの犬の足腰への負担を軽減することができるため、ドッグランにも人気が高く採用されています。
・芝葉の長さ・5cm以上 約7,000円
ボリュームがあり高級感のある芝丈です。芝葉が長い分、グリーンの濃淡の色合いが深くなるのが魅力になります。室内やベランダにもおすすめです。ただし、芝が倒れやすく掃除などの手間はかかります。室内で使用する場合は、食べこぼしなどの汚れは水で洗い流すことが難しいため、中性洗剤を使って拭き取り、仕上げは水拭きできれいにします。
ジョイントタイプ
ジョイントタイプの特徴や費用相場など詳しく解説します。
■特徴やおすすめの場所
30cm×30cm程度の正方形の人工芝を、ジョイントの向きをつなぎ合わせてはめ込むタイプです。好きな広さまでジョイントで広げることができますが、その反面カットが難しいです。シンプルな庭の形やバルコニーやベランダなどの狭い場所に向いています。リアルさに欠けることとジョイントが目立つため、広い庭には不向きです。マットの下部分に土台がついているものが多く、地面との間に隙間ができるため、湿気の高い場所に適しています。
■費用相場
値段はピンからキリまであります。100円で買えるものから、高いものもあります。
・一枚あたり約100円~600円

人工芝の施工費用と施工方法

専門業者に依頼する場合には、人工芝の費用にプラスで施工費用がかかります。ここでは、業者に依頼する際に多い「ロールタイプ」の人工芝の施工の手順について解説します。
施工費用
業者に依頼する場合にかかる施工費用です。
1㎡あたり約4,000円
施工方法
施工方法について解説します。基本的にDIYの場合も専門業者に依頼する場合も同じ手順です。
【整地する】
人工芝を敷く場所に、石やゴミ、雑草が生えている場合にはすべて取り除き、地面を平らに整えます。平らにしておかないと、凸凹により排水がうまくいかず、水が溜まりやすくなるためです。また、異物が残っているとシートが破れたり、シートに隙間ができて雑草が生えてきたりします。平らな土地で石やゴミ、雑草などが少ないほど手間がかからないため費用は安くなります。
次は、ランマーと呼ばれる機械を使って転圧して地面を固めていく作業です。土の密度を高めて安定させるために行うもので、人工芝の仕上がりに大きく影響します。また、水はけの悪いお庭の場合は、砂を入れるなどの調整が必要になります。
【雑草シートを敷く】
整地した場所に雑草が生えてくると、人工芝全体が押し上げられて歪み、人工芝が凸凹になってしまいます。そのため、遮光性の高い防草シートを隙間なく敷き詰めると、雑草が光合成して育つのを防げます。防草シートは一度敷いてしまえば効果が長期間続くのがメリットです。また、虫の発生も抑えることができます。防草シートの種類はプラスチック系・不織布・クロスシート(織布)の3つです。人工芝との組み合わせでおすすめするのは、防草効果や耐久性が高く、さらに、長持ちしやすい不織布タイプです。特に厚手のタイプの場合は、チガヤやスギナのように強力な雑草も抑えられる効果が期待できます。
【人工芝を敷いて仮固定する】
防草シートを敷いた上に人工芝を敷き詰め、仮固定しておきます。人工芝を何本か並べて敷く場合は、芝目(芝の葉が寝ている方向)が揃うように一方向に合わせることがポイントです。芝の流れが揃い自然な仕上がりになります。また、芝の葉先が庭を眺める場所に向くように敷くと、色合いがよりきれいに見えます。障害物のまわりはサイズが小さくなりすぎないように、ゆとりを残してカットするなどの注意が必要です。
【ピンで固定する】
人工芝をボンドで接着させたあと、U字ピンを使って周囲を50センチ間隔でしっかりと固定させます。接着工程がなく、U字ピンだけで施工する専門業者もあります。
【人工芝の余った端部分はカットする】
端部分に余った端部分や、植木や柱などのまわりの余分な人工芝は、カッターを使ってきれいにカットします。

人工芝以外に必要な材料にかかる費用

人工芝を施工する際に必要な材料と、それぞれの費用相場を解説します。材料には、防草シート・固定用U字ピン・ジョイントテープ・山砂など水はけのよい砂・珪砂など仕上げ用の砂などがあります。
材料の費用相場:
- 防草シート、約300円/1m2
- 固定用U字ピン、約35円/本

人工芝を施工する際に知っておくこと
業者に依頼した場合の注意点
人工芝の設置を業者に依頼した場合「人工芝の費用」「材料の費用」「施工費用」のほかに、追加料金が発生する場合があります。具体的な内容としては、階段搬入の必要がある・雑草が多くて整地が困難である・施工場所が業者の事務所から遠い・人工芝の設置後に珪砂を入れたいなどです。追加料金が発生してあとから困ることがないように、不明な点は必ず事前に確認することが大切です。
DIYの場合に必要な道具
DIYで施工する場合、施工の際に必要な道具も自分で用意しなければなりません。施工で必要な道具は以下のとおりです。
・雑草を根ごと取り除くためのスコップ、地面を押し固めるためのレンガやブロック、防水シートや芝を切るカッターやハサミ、デッキブラシなど。

人工芝をより長くきれいな状態をキープするコツ

人工芝は、天然の芝のように、水やりなどの手入れは不要です。しかし、経年劣化は避けられません。設置した人工芝を、できるだけきれいな状態で長くキープするためのコツをご紹介します。
人工芝の上に長時間重いものを置かない
芝生の上に重いものを長時間置かないように注意しましょう。テーブルやデッキチェアや水遊び用のプールなど、そのままにしておくと芝葉が寝てしまい、元の状態に戻らなくなる可能性があります。芝葉が寝てしまった場合は、デッキブラシなどを使って、ブラッシングで立たせます。
ゴミや落ち葉や汚れをそのままにしない
人工芝の上にゴミや落ち葉を見つけたら、そのままにしておかないように気をつけましょう。雨が降ったりその上を歩いたりするうちに、ゴミや落ち葉が細かくなり、人工芝の根元に入ってとりづらくなるためです。また、屋外の人工芝は、砂埃や土埃がたまりやすく、排水の穴を詰まらせてしまうことがあります。飲食をした場合にこぼした汚れも、人工芝の芝葉が変色してしまうのを防ぐためにできるだけ早く水で洗い流すことが大事です。
人工芝の上を車で通らない
駐車場の近くに人工芝を敷いた場合、車で上を通らないように気をつけましょう。タイヤの摩擦やブレーキで芝葉が痛んでしまうためです。また、自転車でもできるだけ乗り入れないように注意が必要です。

まとめ
人工芝は、初期費用はかかりますが維持費がほとんどかかりません。人工芝を敷いた庭は、小さいお子さんを遊ばせたり、休日にバーベキューを楽しんだりなどさまざまな用途に有効に使うことができます。DIYが得意な方は、自身で人工芝を敷くのもおすすめです。人工芝で素敵なお庭づくりを実現しましょう。

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