ベランダや庭に人工芝を敷くと、必ず心配になるのがカビの発生です。人工芝でも条件が満たされればカビは発生してしまいます。しかし、カビが発生する原因を理解すれば対策ができ、カビの発生リスクを抑えることが可能です。この記事では、人工芝にカビが発生する原因、人工芝の種類、カビ対策や発生してしまったカビの取り方について詳しく解説します。
人工芝にカビは発生する?

人工芝にはカビが生えないと思っている方も多いようですが、天然芝以外でもカビは発生します。しかし、絶対に発生する訳ではなく、さまざまな要因が重なることで発生してしまいます。人工芝を敷く前に何か対策をしたり、敷いた後もしっかりと掃除したりしていくことでカビの発生を防ぐことは可能です。人工芝の選び方や、人工芝を敷く環境などをしっかりと見極めることでカビに悩むことは少なくなります。
人工芝にカビが発生する原因
人工芝にカビが発生してしまう原因として考えられるのは、湿気です。人工芝の通気性が悪いだけでなく、敷いた場所の環境などによって変化します。また、日当たりが悪いこともカビを発生させる原因となるため、高温多湿となりやすい梅雨の時期は特に発生する確率が高くなってしまうのです
人工芝の種類

人工芝には種類が2つあり、大きさが異なるロールタイプとジョイントタイプに分けられます。人工芝には、水を通すための穴が開いており、商品によって穴の数が違っています。穴がたくさん開いている方が水はけは良くなるため、その点にも注意してから購入すると良いでしょう。また、防カビ加工や抗菌加工を施したものも販売されています。一般的な素材は樹脂ですが、細かく分けるといくつかあります。中でも特に、耐光性や水はけが良い種類はポリエチレンです。
ロールタイプ
絨毯のようにロール状になった人工芝で、範囲が広い場所になのであれば、ロールタイプの方が敷きやすいです。サイズが大きめなため、ロールの形に適した場所だとつなぎ合わせる作業がありません。ただし、一部が傷んでしまうとその部分だけを切り取って張り替えるなど、作業に少し手間がかかってしまう点がデメリットです。
ジョイントタイプ
正方形の形をしており、手軽にカスタマイズができます。基本的には、縦横30cmずつサイズですが、商品によって異なります。ジョイントタイプにはパネルがついており、自分でつなぎ合わせていけるため、好きな場所だけに人工芝を敷くことが可能です。ただし、あまりに広範囲になってしまうとたくさん購入しなければならず、費用がかかることもあるため注意しなければなりません。
人工芝のカビを発生させないための対策

人工芝には、必ずカビが発生するわけではなく、さまざまな対策をすることで防ぐことは可能です。カビの発生をさせないためには、人工芝を敷く前と敷いてからのメンテナンスが非常に重要な点です。
人工芝を敷く場所のチェック
まずは、人工芝を敷こうと考えている場所が、適しているかどうかを確認します。庭やベランダなど、場所に応じて確認をしてから人工芝を敷くと良いでしょう。
土の確認
土には、水はけの良い土と水はけの悪い土があります。粘土質で水分を溜め込むような土は、水はけが悪いためあまり適していません。さらに、土の表面が凸凹ではないことも重要です。くぼみがあると水が溜まりやすく、水はけがさらに悪くなるからです。水はけがよいかわからない場合は、雨が降った後を観察する、あえてホースで水を撒いてみる、などで確認できます。
日当たりの確認
カビ自体は湿気がある場所に発生しやすいです。日当たりが悪いような場所に、人工芝を敷いてしまうと湿気が常に溜まるため、カビが発生しやすい原因です。
風通しの確認
風通しが悪いこともカビが発生する要因となります。風通しが悪く、地面がなかなか乾かない場所は、カビの繁殖がしやすい環境を作ってしまうこととなります。
カビが発生しにくい人工芝を選ぶ
カビの発生を抑えるためには、水はけの良い人工芝を選ぶことが非常に重要です。水はけの良さは、人工芝の裏に開いている穴によって異なります。穴が多ければ水はけも良くなるため、必ず穴の数を確認することが重要です。安い物だと穴が開いていない商品も存在します。また、穴の間隔が広すぎる商品もあるため、サイズや穴の数をしっかりと確認することで失敗しにくくなります。
抗菌や防カビ加工された人工芝
抗菌・防カビなどの加工がされた人工芝を選ぶことで、カビの発生リスクを減らすことに繋がります。抗菌加工の場合は、カビ以外にもO-157などの菌にも有効です。お子さんやペットのいるご家庭でも安心して使用が可能です。
ナイロン不使用を選択
人工芝の原材料に、ナイロンが使用されていない物を選ぶことをおすすめします。ナイロンは、吸水性が高く、カビが発生する可能性が素材の中でも一番高いです。カビの発生が少ないとされている素材として、ポリエチレンやポリプロペン、ゴム系のアフラスなどがあります。原材料も、しっかりと確認してから購入すると安心です。
ジョイントタイプを選ぶ
人工芝の種類をジョイントタイプにすることも対策のひとつとなります。ジョイントタイプは、元々水はけを良くするためのパネルが裏側についています。ロールタイプよりカビの発生リスクを抑える効果が高いです。もしも、カビが発生してもその部分だけを掃除したり、新しいものと交換したりすることが可能なため、ロールタイプよりも手間がかかりません。
下地に傾斜を作って水はけを良くする
庭へ人工芝を敷く際に、下地に少し傾斜を作ることで水はけを良くする方法もあります。傾斜ができると排水ルートを確保することができ、カビの発生を予防することに繋がります。ただし、庭の状況によっては難しい場合もあるため、作る際は業者へ依頼する方が安全です。下地自体の水はけは悪いが、どうしても人工芝を敷きたい時には相談してみると対策法を考えてくれます。
こまめなお手入れ
人工芝を敷いた後はこまめに掃除を行うことが重要です。天然の芝に比べると、人工芝の掃除の頻度は少なくて済みます。汚れたら天気の良い日に水で流すなど、汚れたまま置かないように気を付けることが重要です。
また、物を置きっぱなしにしないこともお手入れに繋がります。人工芝の上に物を置くことで、水はけの悪さに繋がるだけでなく、芝が倒れたままになってしまい劣化の原因にもなってしまいます。物を置かない、物を置きっ放しにしないことも、カビの発生リスクを抑えることに繋がるのです。
発生してしまった人工芝のカビは取れる?

人工芝にカビが発生した場合、カビを取る方法は大きく分けて4つあります。広範囲に渡りカビが発生した場合は、処分して新しいものを交換する方が手間はかかりません。しかし、範囲が狭い時などは自宅でカビを取ることで、費用を抑えることにも繋がります。
中性洗剤を使用する
発生してからあまり時間が経っていないカビであれば、中性洗剤で落とすことが可能です。布に中性洗剤を染み込ませて拭き、よく水で洗い流して乾燥させます。
消毒用エタノールを使用する
白いカビが発生した場合は、消毒用エタノールで落とすことが可能です。また、中性洗剤でカビを落とした後には、除菌として使用もできます。消毒用エタノールであれば、子供やペットがいるご家庭でも安心して使用ができます。
塩素系漂白剤を使用する
黒カビが発生した場合は、塩素系漂白剤がおすすめです。一部であれば、希釈した物を布などに含ませて拭き取る方法が手軽です。ただし、範囲が広ければ、使用しやすいスプレータイプを用いることで時間の短縮になります。塩素系漂白剤を使用してカビを落とした後は、しっかりと水で洗い流すことが重要です。また、塩素系漂白剤を使用する際には、肌に付着しないように十分に気をつけて使用してください。
業者に頼む
カビ取り業者や人工芝の掃除をしている業者に依頼する方法もあります。カビを落とすだけでなく、人工芝に溜まったゴミや倒れてしまった芝を綺麗に起こす作業もしてくれます。そのため、大掛かりな清掃やメンテナンスの時に利用すると便利です。業者だけでなく人工芝の面積によっても費用が異なるため、複数社から見積もりをとっておくと安心です。
まとめ
人工芝を敷くと必ずカビが発生するわけではありません。人工芝の選び方やきちんとした対策を取ればカビの発生リスクを抑えることが可能です。さらに、定期的な掃除やお手入れをすることでカビの発生にいち早く気づき、それ以上広がらないように予防することもできます。人工芝のカビを抑えるためには、下準備とメンテナンスをしっかりと行いましょう。
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