人工芝の寿命は、敷いている場所や、環境などによって大きく異なります。掃除を全くしない、物を置きっぱなしにしているなど、寿命を縮めてしまう要因はたくさんあります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで人工芝を長持ちさせることが可能です。この記事では、人工芝が劣化する原因、買い替え時のサイン、寿命を延ばすためのポイントなどを詳しく解説していきます。
人工芝の寿命はどれくらい?

一般的に、人工芝の寿命は10年前後がほとんどとされています。天然芝と比べると、人工芝の方がどうしても劣化しやすい特徴があります。しかし、人工芝を敷いている環境や用途によっては、一般的な寿命に大きく差が出ます。日頃のお手入れによって寿命が長くなることも十分にあるため、定期的なメンテナンスこそが重要なカギとなるのです。
屋内や屋外など人工芝を敷いている場所によって、一般的な寿命が大きく異なることはなく、その差はあまりないとされています。理由としては、屋外では天候に左右されて劣化のスピードが早まるのに対し、天候の影響を受けない室内でも、ゴミやほこり、寝転んだ時の重みなどが寿命を縮める原因となるためです。そのため、一般的には屋内、屋外ともに人工芝の寿命は10年前後とされています。
庭の人工芝
庭に敷いている人工芝の耐用年数を寿命と考えると、大体8年ほどになります。ただし、DIYではなくきちんとした業者に依頼して施工してもらった場合に限ります。DIYで人工芝を敷いた場合は、もっと寿命が短い可能性が非常に高いです。
また、屋外では天候などの影響を受けやすいため、お住まいの地域によっても差が出やすいといえます。例えば、台風や大雨、雪などの影響を受けることが多い地域は寿命が短いことが多いです。
テラスや屋上の人工芝
テラスや屋上も、屋根がない場合は天候の影響を受けやすく、大体9年ほどです。テラスや屋上であれば、椅子や机を置いている場合も多いことが考えられますが、物を置いたままにすると寿命を縮める要因となります。そのため、9年よりももっと短い期間しか長持ちしない場合があります。
屋内の人工芝
室内の人工芝であれば、大体11年ほどの寿命です。室内では天候の影響を受けないため、少し長めの期間となる場合が多いです。ただし、人の出入りが激しく、踏んだり寝転んだりすることが多い場合は、その分寿命も短くなります。また、室内はゴミやほこり、湿気などの影響を受けやすくなるため、掃除などを怠ると劣化を早めることになります。室内では掃除機などが使用でき、外よりも掃除がしやすいため、定期的にゴミを取り除く習慣を持つことが大切です。
人工芝が劣化する原因

人工芝は、使用すればするほど寿命は短くなっていきます。劣化していく原因はさまざまですが、その中でも、3つの大きな要因をご紹介します。
雨などの天候によって下地が崩れる
室外にある人工芝は、どうしても天候の影響を受けやすいです。また、雨だけでなく台風などの風が強い場合も飛ばされたり、剥がれてしまったりすることがあります。施工がしっかりされていなければ、少しでも劣化したところから一気に剥がれる危険性もあります。さらに、大雨や雪などで土がぬかるみ、下地から崩れる場合もあるため注意が必要です。
人や物の重みで芝が寝てしまう
使用する際に、人工芝の上を歩くことは避けられませんが、あまりにも頻繁に歩いたり走ったりすると、どんどんと劣化していく原因となります。また、人工芝の上に物をおくことで芝目が倒れたままの状態となり、そのまま置いておくことは劣化の原因の一つとなります。長持ちさせたい場合には、できる限り人工芝に力を加えない、加え続けないことが大切です。
太陽による変色や紫外線の影響がある
庭や屋上、テラスなどの人工芝は、どうしても太陽光による劣化が生じます。人工芝は紫外線に弱く劣化していく原因となります。人工芝の種類にはUV加工されているものがあるため、日当たりが良い場所に敷く場合には検討してみると良いでしょう。
人工芝の寿命がきた?買い替え時のサイン

人工芝の劣化が進み寿命が近づいている場合は、目安となるサインがあります。しかし、慣れていないうちは見極めることがなかなか難しいです。主に3つを参考によく観察してみると、買い替え時のポイントが理解できるようになります。
変色や擦り切れがある
人工芝は紫外線に弱く、劣化していくとだんだんと変色していきます。色が褪せていたり、全体的に色褪せを感じたりする場合は、新しいものに交換が必要なサインです。また、よく使用している部分は、芝が擦り切れてボロボロになりやすいです。この状態に気づいたら、買い替えを検討することをおすすめします。
注意したい点として、色褪せで一部分だけ取り替えると、色味が目立って統一感がなくなる可能性があります。色褪せの場合は丸ごと取り替える方が見た目も美しくなり、違和感がありません。
芝目を起こしても直らない
芝目が倒れてしまっている場合は、デッキブラシでブラッシングすると直りやすいです。この場合、少し癖がついたくらいなら直りますが、ブラッシングしても直らない場合は劣化していると考えられます。芝目が倒れてしまうことで、クッション性は無くなってしまいますが、見た目やクッション性に問題がなければ使用することは可能です。ただし、下地が損傷するなどの症状が出た場合は、買い替えの必要があります。
隙間や下地が見えている
人工芝を敷く際、複数の人工芝を組み合わせると間につなぎの部分ができてしまいます。それは、ジョイントタイプだけに限らずロールタイプでも同じです。つなぎの部分の芝目が倒れること以外にも、ゴミが入ったり、強風でめくれたりすると、このつなぎ目がさらに目立つようになります。掃除や芝目を起こす手入れをしても、つなぎ目が目立つ場合には、買い替えを検討する方が良いでしょう。
人工芝の寿命を延ばすポイント

人工芝の寿命は一般的に10年前後ですが、いくつかのポイントを押さえておくことで寿命を延ばすことが可能です。反対に、ポイントを押さえなければ、寿命を縮めてしまう原因となり得るため注意が必要です。
施工前の下準備をしっかり行う
施工前の下準備は非常に重要で、しっかり行わなければ寿命を早めてしまうことにつながります。人工芝を敷く場合には、水はけが良い場所を選び、地盤をしっかり固めるといった下準備をすることが大切です。地盤がコンクリートだとさらに安心ですが、コンクリート以外でも、しっかりとした下地であれば人工芝は長持ちしやすくなります。
重いものを置き続けない
重い物をずっと同じところに置くことで、芝目が寝たままとなり破損する原因になります。机や椅子など、どうしても置きたいものがある場合は、定期的に場所を移動させるようにしてください。もしも、物を置いている部分だけ劣化した場合は、その部分のみジョイント式に交換するといった工夫をする事も重要です。劣化しやすい部分を定期的に確認し、必要があれば交換するようにすると、結果的に全体の人工芝の寿命を延ばすことにつながります。
定期的なお手入れを心がける
屋外では砂や石、屋内ではゴミやほこりなどが溜まりがちです。溜まったゴミを定期的に掃除することで、芝目が立ちやすくなり、劣化を防ぐことにつながります。砂やほこりなどの細かなゴミは、使用できる場所であれば掃除機で吸い取ると綺麗に取り除くことが可能です。つなぎ目にはゴミが溜まりやすく、一度溜まると汚れが目立つようになるため、こまめに掃除することが重要となります。
屋外の芝はできるだけ車の乗り入れをしない
人工芝は、合成の樹脂で作られており、大きな力が加わり潰れてしまうと壊れやすくなっています。そのため、駐車場での使用はあまりおすすめできません。しかし、どうしても駐車場に人工芝を敷きたい場合には、タイヤが当たらない部分にのみ使用するなどの工夫が必要です。
仮に、全体に敷いた場合は、定期的に駐車位置をずらすなどの対策をしなければなりません。同じ位置ばかりに駐車をすることで上から重さを加え続けることになり、人工芝はすぐに壊れてしまいます。頻繁に対策をしなければならないため、駐車場での使用には注意してください。
耐久性が高く品質の良い芝を選ぶ
人工芝の寿命を長持ちさせるには、人工芝自体の選び方も重要です。そのため、耐久性がよく品質の良いものにしておくと安心です。特に重視したいのは素材で、ポリエチレンであれば強度が高く、劣化しにくいとされています。また、弾力性もあるため芝目が倒れにくい特徴も持っています。屋外の使用では、雨や風に晒されるだけでなく、太陽などの紫外線も浴び続けます。そのため、水に強いポリプロピレンがおすすめです。
まとめ
人工芝の寿命は、環境や用途によって差が出ます。人工芝の寿命を縮めてしまわないためには、劣化の原因や長持ちさせるポイントをしっかり押さえておくことが重要です。こまめな掃除やお手入れなど、日頃のメンテナンスを積極的に行っていきましょう。
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