きれいな人工芝を敷くためには、下地を整えることが重要です。人工芝の下に敷くものは、砂以外にも土やコンクリートなどがあります。今回は、需要が多い「砂」を下地に使う場合の人工芝について解説します。下地に使われる砂の種類から施工手順、注意点なども紹介していくので、D I Yやリフォームを考えている人は参考にしてください。
人工芝に使用する砂は下地用と上から撒く用に分かれる

人工芝を敷くにあたり砂は欠かせません。まずは、下地作りに砂を用いることで、しっかりとした下地を作ることができます。安定した下地作りを行うことで、見た目だけでなく機能的な面も向上するため、砂は必要不可欠なアイテムです。
さらに、人工芝を敷いた後にも芝の上に撒くための砂もあります。砂を撒くことでめくれないようにするなどのメリットもある反面、掃除が大変などのデメリットもあります。上から砂を撒く際はメリットとデメリットを理解し、必要に応じて検討するとよいでしょう。
人工芝の下地に使用する砂の種類

人工芝の下地に使用できる砂は、いくつかの種類があります。それぞれメリットとデメリットがありますが、中には下地としてはあまり向かない砂もあるため、砂選びも重要なポイントです。ここでは、6つの砂に絞ってそれぞれの特徴をご紹介します。
山砂
岩石などが細かくなった山にある砂を山砂といいます。砂粒が大小混合した状態で販売されており、ホームセンターや通販などでも購入可能です。排水性と保水性に優れており、雨が降って湿ってもドロドロにならない特徴を持っています。山砂は本来、人工芝用の砂ではありませんが、柔らかめの土に使用する下地として適しています。排水性や保水性に優れた山砂は、下地の施工が失敗しにくくなるためDIY向きの砂です。
川砂
川砂は、河川敷や川底などに積もっている砂のことです。花崗岩の粘土質が落ち、細かくて角がない特徴を持っています。見た目もそこまで大きくなく、大きいものでも2mm程度です。灰白色の見た目をしており、水はけが良いため一般的な人工芝の下地として適しています。
砕石
砂利のように自然にできたものではなく、大きな石を砕いて人工的に作ったものを砕石といいます。そのため、サイズも均一ではありません。さらに、砕いて作っているため角ができており、この角があることで圧をかけたときにしっかりと噛み合うことができます。そのため、砕石を使用すると地盤がしっかりと作られるのです。また、水を通す性質があり、メリットとしては人工芝の下地に使用するとデコボコしません。
真砂土
花崗岩が風化して土状になったものを真砂土といいます。真砂と呼ばれることもあり、真砂は砂状、真砂土は土状と分けられることがあります。高密度で固まる性質を持っており、水はけが非常に悪いです。そのため、人工芝の下地には不向きな種類のため、購入の際には注意が必要です。
再生砂
再生砂は、レンガやアスファルト、石やコンクリートを再利用して作られた砂です。主に埋設管(下水道管)の保護剤として使われていますが、水はけが良く、濡れてもすぐに固まることから人工芝の下地にも活用されています。
砂利
砂利は、大きい砂利や角が丸い砂利など、さまざまな形をした砂です。人工芝を敷く場合は、30mm以下の高さまで敷き詰めた砂利の上に人工芝を敷きます。しかし、基本的には砂利の上に人工芝を敷くのはNGです。安定感がないため、快適性が損なわれてしまいます。
人工芝の下地の施工手順
人工芝の下地を施工するときに必要となる道具は以下の通りです。
- 大きめのスコップ
- トンボ
- タンバー
- 転圧機(任意)
- 下地となる砂
次に、下地作りの手順を解説します。
庭の雑草や根っこ、砂利や石を取り除く
まずは、雑草や小石、球根や根っこなどをすべて取り除きましょう。球根や根っこなどを取り除くのが難しい場合は、スコップを使って土をほぐしてから抜くときれいに除去できます。表面だけではなく、土の中まで確認して十分に取り除けたか確認してください。除去が不十分だと施工後に雑草が生えて、人工芝を押し上げる可能性があるため、隅々まで丁寧に取り除く作業を行いましょう。
土をならして平らにする
次は、デコボコした土を平らにならす作業です。転圧機があればさほど時間はかかりません。転圧機は、ホームセンターなどで1日1,000〜2,000円程度でレンタルも可能もできます。転圧機がない場合は、足で踏み固めたり、レンガやベニヤ板などを利用したりすることで固められます。
下地材の砂を整えたら、その後にもう一度平らにして固めます。下地材の厚さは3cmほどが適切です。山砂や川砂など、その庭に合った砂を使用すると、さらに安定した下地作りができます。
防草シートを敷く
しっかりと固めることができたら、上から防草シートを敷きます。防草シートは、その名の通り雑草を防いでくれます。敷く際には、雑草が生えたときに飛び出してこないように、シートとシートの間を10cm以上重ねるようにすると安心です。重ねたら釘で固定します。
下地の上に人工芝を施工する手順

下地が完成したら、次は人工芝を敷く作業です。ここでは、人工芝の施工手順を解説します。
人工芝を仮置きする
防草シートの上に人工芝を仮置きします。人工芝はロールとして巻かれていたときのクセが付いているので、仮置きで伸ばしておくことが大切です。
人工芝をカットする
必要な長さがわかったら、少し余るくらいでカットします。カットできたら壁に人工芝の端を合わせましょう。余っている部分は後ほどまとめてカットするので、この段階では放置します。
人工芝を固定する
人工芝の位置を確定したら、U字釘を打ち込んで固定していきましょう。固定できたら、人工芝の余っている部分をカットします。そして、人工芝同士を養生テープでジョイントして、継ぎ目をなくします。養生テープだけだと継ぎ目が浮く可能性があるため、 U字釘を1m間隔で打ち込んでください。固定できたら完成です。
人工芝は下地作りが重要
手を抜いてはならないのが、人工芝を敷く前の下地作りです。人工芝をきれいに敷くためには重要な作業であり、機能面を向上させる意味合いもあります。しっかりとした下地ができていないと、水はけが悪くなってカビが発生したり、虫などが住み着くようになったりと、後からのメンテナンスが大変です。以下で挙げる4つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
雑草が生えてこないようにする
表面がきれいにならされておらず、デコボコしていると、隙間ができて雑草が生えやすくなります。雑草が生えてきてしまうと、虫が発生したり、人工芝を押し上げたりするリスクが上がります。さらに、虫の発生だけにとどまらず、住み着いてしまう可能性も高くなるため、雑草だけではなく球根までしっかりと取り除くことが大切です。
デコボコをなくしてきれいな見た目に仕上げる
平らにならされていないまま人工芝を敷くと、デコボコの見た目になります。見た目の美しさが失われるだけではなく、デコボコの部分に雨水などが溜まりやすくなるのです。人工芝の下に雨水が溜まったままになれば、カビを発生させる原因にもつながります。
さらに、しつこいカビが発生してしまうと、掃除の手間がかかり大変です。取り除くことができないカビがある場合は、人工芝を交換する必要性が出てきます。そのため、人工芝の下地の美しさは、見た目の美しさにつながるのです。
人や物の重みで凹むのを防ぐ
しっかりと下地が作られていなければ、人工芝を敷いたあと、人や物の重みに耐えられない場合があります。重みを感じたところが凹んでしまい、見た目が悪くなるだけではなく、継ぎ目などが目立ちかねません。継ぎ目が目立つと、そこから剥がれてしまったり風の強い日には飛ばされやすくなったりするため、安定した下地作りが非常に重要です。
DIYで下地施工する場合の注意点
下地施工に慣れていない人がDIYをすると、不十分な下地に仕上がる可能性があります。下地の施工が甘いと人工芝が剥がれやすくなり、雑草や虫害の被害に遭うリスクがあります。そうなると余計に費用がかさんでしまうため、一度専門のリフォーム業者に相談してみましょう。
人工芝の上に砂を撒くメリット

人工芝に使用される砂には、耐久性を上げるための充填材として上から撒く砂もあります。人工芝の上から砂を撒くメリットを3つご紹介します。
摩擦から保護して長持ちさせる
人工芝の上を歩いたり走ったりすると、芝に生じてしまうのが摩擦です。摩擦が積み重なっていくと劣化を早めてしまう要因となります。そのため、砂を撒くことでクッション材としての役割を果たし、芝が擦れたり潰れたりすることから守ってくれます。とくに、駐車場に人工芝を敷きたいときは、上から砂を撒くことが必須です。
伸び縮みを防いでくれる
人工芝は伸び縮みをすることがあり、素材によって縮み幅も異なります。とくに、ポリプロピレンの素材は伸び縮みの幅が大きいため注意が必要です。上から砂を撒くことで、芝の伸び縮みを防ぐ効果があります。
重みをつけてめくれないようにする
砂を撒くことで重みをつけられます。重みがつけば人工芝がめくれるリスクが低くなるので、強風が吹くたびにレンガなどで固定する必要はないでしょう。ただし、正しく施工していれば、基本的にめくれることはありません。
人工芝の上に砂を撒くデメリット
人工芝の上に砂を撒くことで、いくつかのデメリットもあります。メリットと同様にデメリットもしっかり理解してから、砂を撒くか検討してください。
水はけが悪くなる可能性がある
人工芝の裏には、排水穴という水はけをよくする穴が空いています。しかし、上から砂を撒くことで、穴が塞がれて水はけが悪くなってしまう可能性があるのです。水はけが悪くなると、ジメジメした湿気がこもり、虫が発生しやすくなったり、カビが生えてしまったりすることにもつながります。
掃除が大変になる
人工芝の上で激しく動き回ったり、風が強く吹いたりしたときは、掃除が大変になる可能性が出てきます。砂は上から撒いているだけになるため、散らばる可能性が非常に高いからです。そのたびに掃除の必要性が出てくるため、範囲が広いと時間も手間もかかってしまうでしょう。
見た目が美しくなくなる
使用状況により、砂の量がムラになって景観が乱れてしまう可能性があります。ただし、砂の目立つ、目立たないは人によって感覚が異なるため気にならない場合もあります。景観を損ねないためには、なるべく芝生に馴染みやすい色を選ぶのがポイントです。
砂がくっついてしまう
砂の種類にもよりますが、足にくっつきやすいデメリットがあります。裸足で歩いた場合などは、とくに気になるかもしれません。ベランダや屋上など、靴を履かない可能性がある場所では砂を撒くかしっかりと検討する必要があります。
また、人工芝の上で寝転んだり座ったりすることもあれば、足にくっつくだけではなく、服が汚れてしまうことも少なくありません。人工芝の上でどのように過ごすかを考えて、砂をまくかどうか決めましょう。
まとめ
人工芝を敷く上で重要な下地作りに、砂は欠かせません。しっかりとした下地作りができてこそ、景観の美しさを保ちます。さらに、必要に応じて上から砂を撒くと、耐久性を強化することが可能です。人工芝を敷く際には砂の重要性を理解してから、使用を検討するようにしましょう。
人工芝のDIYは簡単そうに見えて、実は難しい作業です。人工芝の施工は、経験豊富なカインズ・リフォームにお任せください。スタッフが最適な方法を提案し、DIYで行う場合は必要な材料をすべてご用意し、専門業者に依頼する場合も優良業者をご案内します。