ハーフユニットバスとは、ユニットバスと在来工法(※)のいいとこ取りをした工法です。戸建て住宅の浴室リフォームはもちろん、マンションの浴室リフォームにもおすすめの工法といえるでしょう。また、天井が低い、スペースが狭いといった場合でも、リフォーム費用を抑えて工事ができる利点もあります。この記事では、ハーフユニットバスのリフォーム費用や工事の流れなどについて、詳しく説明します。
※在来工法とは、浴室の基礎から浴槽や壁、床、天井などの工事、仕上げまでを現場で施工する方法
ハーフユニットバスとは?ユニットバスとの違いについて

ハーフユニットバスとはどういったものなのでしょうか。聞き馴染みのあるユニットバスとの違いについて、解説します。
ユニットバスと在来工法のいいとこ取りができる工法
浴室には、ユニットバスと在来工法の2つの作り方があり、それぞれの良い部分を取り入れているのがハーフユニットバスです。
浴室の壁や天井パネル、浴槽、水栓金具、窓、ドアなどをすべて工場で加工した製品です。最大の特徴は、現場で組み立てるだけで完成する施工のしやすさにあります。戸建て・マンションを問わず、多くの住宅で採用され、品質の高さ・機能性・工期の短さ・コストの面で大きなメリットがあります。
完全オーダーメイドで、浴槽・金具・床・壁などすべての建材を自由に選び、現場で加工していく施工方法です。広さも使い勝手も、何もかもが好みにできる一方で、工期が長く、コストにも上限がありません。
浴槽と壁下半分が工場生産された既製品である一方、天井や壁部分を自由に施工できる新しい工法です。浴槽から下部分だけがユニット化されているため、ハーフユニットバスと呼ばれます。完全オーダーメイドの在来工法のように、形や広さなどすべてをオーダーメイドにすることは難しいものの、窓の位置や大きさ、天井の高さは自由に設計できるため、デザイン性に優れたバスルームを作ることができます。在来工法と比較して、コストを抑えられる点も大きなメリットといえるでしょう。
ユニットバスのメリットとデメリット
一般的なユニットバスの最大のメリットは、汎用性が高く、機能性に優れたバスルームを低コストで導入できる点にあります。各メーカーがユニットバスの開発に力を入れているため、耐久性に優れた材質、多機能な金具類、幅広い年齢層のユーザーにとって使い勝手の良いデザインなどを取り入れた製品が幅広くラインアップされています。戸建て用・マンション用など、ニーズに応じた製品も豊富にあり、新築物件のほとんどがユニットバスを採用しています。商品ラインアップが豊富で、ある程度は自由な設計も可能ですが、サイズや形に規格があり、特殊な形状のように施工に制限があるような建物やリフォームには不向きです。
在来工法のメリットとデメリット
完全オーダーメイドのバスルームを設計できる半面、コストに制限がなく、どこまでも費用が高くなってしまうのがデメリットです。ただし、ヒノキなどを使ったこだわりの浴室を作りたい場合などは、在来工法が適しています。広さも形もすべて自由に設計ができ、世界に1つのバスルームを手にすることが可能です。
費用を抑えつつ、自由な設計ができるハーフユニットバス
壁だけヒノキにしたり、天井に窓を取り付けたり、デザイン性が欲しい部分の自由な施工が可能です。ユニットバスと同等の防水性や機能を持ちつつ、在来工法よりも低コストで自由度の高いバスルームを施工できます。ただし、浴槽から下部分はユニット化されている点は注意が必要です。
ハーフユニットバスのメリットと特徴

ユニットバスと在来工法のいいとこ取りをしたハーフユニットバスは、どのような特徴を持つのでしょうか。
ユニットバスよりも設計の自由度が高い
天井や壁部分の素材選定や設計が自由にできるため、こだわりの浴室が作れます。また、高さが低い浴室にも換気扇や乾燥機器などを設置できるといったメリットもあります。設計の自由度が高いわりに費用が安いため、ハーフユニットバスはリフォームにも最適な工法です。既存のバスルームが在来工法で作られている場合や、浴室内にこだわりたい場合は、コストを抑えつつ、オーダーメイドに近い形で仕上げることが可能です。
在来工法にはない高い機能
浴槽と壁下半分がユニット化されているため、防水性能や水はけ性能が非常に高く、汚れにも強いためメンテナンス・掃除がしやすい点がハーフユニットバスの利点です。こうした機能は、在来工法にはない特徴といえるでしょう。ユニットバスほど高い防水性があるわけではありませんが、特に水垢などの汚れがたまりやすい床面などのメンテナンスがしやすく、維持・管理にかかる手間が軽減されるメリットもあります。
ユニットバスと在来工法のハイブリッドであり、コストが安い
在来工法と比較して、材料費や工期の面で大きなコストメリットがあります。低コストでバスタブやドアの位置、天井なども自由に設計できるため、浴室にこだわる方には非常におすすめできる工法です。
ハーフユニットバスへのリフォームでの注意点

多くのメリットがあるハーフユニットバスですが、リフォームする際に注意すべきことはあるのでしょうか。ここではリフォーム時の注意点について紹介します。
こだわり過ぎるとコストが高くなる
天井や壁部分を自由に設計できるため、ヒノキなどの高級素材を使ったクオリティの高い浴室リフォームも十分に可能です。しかし、こだわり過ぎると際限なくコストが高くなってしまうことを忘れてはいけません。なお、ハーフユニットバスは、本体価格と工事費用をあわせて、50~200万円程度が相場とされています。
選べる種類・メーカーが少ない
比較的新しい工法であるため、ハーフユニットバスそのものの種類(サイズやデザイン)、取り扱いメーカーが少なく、選択肢が限られる点がデメリットの1つです。ハーフユニットバスのリフォームにかかる費用の内訳は以下の通りです。
・ハーフユニットバス本体代金
・ハーフユニットバス設置施工費用
・浴室ドア施工費用
・壁パネル施工費用
・シャワー、水栓金具等の取り付け費用
・既存ユニットの撤去、処分費用
・その他、雑工事に伴う費用
また、2022年4月現在、国内でハーフユニットバスをラインアップしているメーカーは4社です。
・TOTO株式会社
・株式会社LIXIL
・株式会社サンワカンパニー
・日比野化学工業株式会社
各社、いくつかのグレードを用意していますが、一般的なユニットバスと比較するとまだまだライアンアップに限りがあるのが現状です。市場ニーズの高まりを受けて、今後各メーカーの商品ラインアップが増えていくことを期待しましょう。
納期に時間がかかる場合も
ハーフユニットバスの本体は、ほとんどが注文を受けてから生産する受注生産方式となっているため、発注から納品まである程度の時間がかかってしまいます。汎用性の高いユニットバスであれば、あらかじめメーカーなどに在庫が用意されているため、手配がスムーズにすすむでしょう。そういった面でも、工期スケジュールに十分な注意が必要です。
ハーフユニットバスのリフォームの流れ
希望の浴室を実現しやすいハーフユニットバスを、自宅に施工するまでの流れについても解説します。
モデルハウス・モデルルーム見学
まずは、ハーフユニットバスを使った施工事例を見て、自身のイメージに合った施工ができるかどうかを検討してみてください。一面を全面ガラス窓にしてみたり、天井を高くしてみたりと、自由に設計されている実物を見ることで、イメージが膨らむでしょう。また、ハーフユニットバスの実物を確認しておくこともおすすめします。ハーフユニットバスの施工に自信があるメーカーや販売店、リフォーム会社なら、ショールームやモデルハウスに用意しているケースがありますから、近くの販売店などを探してみてください。
予算、工期などの相談
希望するプランや設計、予算などを工事会社に相談して、どのような設計が可能であるか、工事会社のプランを聞いてみましょう。その際にざっくりした予算や工期などもあわせて確認しておくのがおすすめです。一般的に4~6日ほどの工期が必要となるため、家族の都合なども踏まえて、施工時期なども相談しておくと安心です。
詳細な見積もり
実際に、現地調査を依頼して、水栓金具やドア、その他のオプション品などを含めた詳細な見積もりを取り寄せて検討しましょう。その際、リフォームであれば土台や基礎部分に補修工事が必要かどうかもあわせて確認して、信頼できる工事会社を選んでください。バスルームと一緒に脱衣所などもリフォームすることで、それぞれ単独でリフォームするよりも大幅にコストを抑えられるケースもあります。
施工
仕様や設計によって工期に差はありますが、1週間程度で施工そのものは完了します。施工後のメンテナンスやアフターフォローもしっかりとした工事会社を選んでおけば、安心でしょう。保証内容なども十分に確認した上で、希望に合ったリフォームができるよう、しっかりと工事会社選びをしてください。
まとめ
天井が低かったり、日当たりが悪かったり、浴室リフォームに関する相談内容は多種多様です。既製品であるユニットバスでは解決が難しいケースや在来工法ほど予算を割けないというケースも多い中、ハーフユニットバスを賢く活用したリフォームに注目が集まっています。理想の浴室リフォームが実現できるよう、ハーフユニットバスによるリフォームプランも、ぜひ検討してみてください。
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