風呂・トイレ別の物件は人気条件のひとつ。入居者が決まらず空室が続いているのは、ユニットバスが原因かもしれません。今回は、ワンルームのお風呂を3点ユニットバスから風呂・トイレ別の2点ユニットバスにリフォームする際のポイントについてご紹介します。
ワンルームのお風呂をリフォームする方法

ワンルームのお風呂をリフォームする場合、3点ユニットバスを新しいものへ交換する方法、3点ユニットバスから、風呂・トイレを別にする2点ユニットバスに交換する方法が挙げられます。ユニットバスをリフォームする理由としては、賃貸物件の空室対策が多いです。
賃貸サイトの検索条件で風呂・トイレ別の条件があるほど、物件探しでは3点ユニットバスではない”風呂・トイレ別の物件であること”がフィルターのひとつになっています。そのため、ワンルームや1Kなどの一人暮らし向け物件に多い3点ユニットバスの部屋を所有しているオーナーで、空室が長く続いている場合は、2点ユニットバスへのリフォームが検討したいポイントといえます。
また、3点ユニットバスから2点ユニットバスへの変更を考えていなくても、コーキング部分の劣化や排水溝から漂うイヤな臭い、浴室の壁にヒビ・サビが見られる場合などは、新しいユニットバス製品へ交換リフォームするのがおすすめ。ユニットバスの寿命は一般的に15~20年といわれているため、設置から年数が経っている場合はお風呂の状態を確認してみましょう。水回りは特に衛生面が大切なため、清潔感のあるユニットバスに交換するだけでも、入居希望者が集まる可能性があります。
ワンルームのお風呂をバストイレ別にする際の注意点

ワンルームのお風呂をバストイレ別にリフォームする際は、居室が狭くなるというワンルームならではの注意しておきたいポイントがあります。3点ユニットバスから2点ユニットバスへのリフォームは部分的にできない、分譲マンションの場合は、そもそもリフォームができない可能性もあるといった注意点もあわせて解説します。
風呂とトイレを切り分けるため居室が狭くなる
3点ユニットバスから風呂・トイレ別の2点ユニットバスへリフォームする場合、リフォーム後の物件の間取りが変わる点には注意しましょう。3点ユニットバスは価格が安い・導入しやすい・施工しやすいの三拍子がそろったユニットバスであり、さらに専有面積の小さいワンルームにおいて空間を有効活用できるメリットがあります。
トイレをユニットバスから切り離すリフォームは、居室スペースのどこかをトイレが占めることになります。そのため、居室として利用できていたスペースが小さくなってしまうのです。
対策としては、居室の広さを維持したまま、クローゼットや押し入れのような収納スペースをトイレにするケースがあります。収納スペースがなくなってしまいますが、風呂・トイレ別の需要を考えると、長期的な目線でみたときに効果的なケースが多いです。
ワンルームの浴槽のサイズはどれくらい?
ワンルームの物件は、浴槽のサイズも小さいものを使用していることが多いです。浴槽サイズは短辺×長辺で表されていて、1014(1×1.4m)~1216(1.2~1.6m)が一般的。畳に置き換えると1.5畳程度です。
風呂・トイレを別々にリフォームすると、ユニットバス内の空間は大きくなりますが、基本的には同じ浴槽サイズのユニットバスと交換リフォームする形になります。トイレがなくなって空間が広がったからといって、大きい浴槽サイズに変更できるとは限らないため注意しましょう。
また、既存のユニットバスが一般的な規格のユニットバスではなく特注品だった場合は、同じように特注で制作する必要があります。メーカーが展開している規格のユニットバスに比べて製品代が高額になる点は気に留めておきましょう。
ユニットバスは丸ごとリフォームする必要がある
お風呂のリフォームには、ユニットバスからユニットバスへのリフォーム、ユニットバスから在来工法へのリフォーム方法があります。
いずれのリフォームにしてもユニットバスはお風呂内の壁や床・天井が一体型になっているため、ユニットバス内の壁や床だけを入れ替えたり、浴槽だけを交換したりといった工事をすることが難しく、ユニットバスそのものを丸ごと解体撤去しなければなりません。
ユニットバスを丸ごとリフォームせずに工事の規模を抑えたいのであれば、シート工法で洗い場専用に床シートを上から貼り付けてユニットバスの見た目だけを新しくしたり、水栓金具の交換だけをしたりという方法も。部分リフォームなら費用や工期を最小限に抑えることができます。
分譲マンションはリフォーム制限がある場合も
ワンルームマンションを分譲で所有している場合は、ユニットバスを丸ごと交換するようなリフォームを制限している場合があるため注意が必要です。制限がある場合の理由としては、リフォームによって下の階に影響を与える可能性があったり、マンションの柱がバスルームの近くにあって拡張工事ができなかったりという点が挙げられます。
分譲マンションで大規模なリフォームをする際は、マンションの管理人や管理会社へ事前に相談し、リフォーム内容やリフォームの可否を話し合うようにしましょう。
ワンルームのお風呂のリフォーム費用目安

ワンルームのお風呂でユニットバス入れ替えリフォームをする場合の目安は、ユニットバス製品で500,000~1,500,000円程度を見ておきましょう。お風呂の広さにともなう浴槽のサイズや、ユニットバスのグレード、オプションの追加などによって費用が大きく異なります。さらに、別途でユニットバスの交換工事費がかかることも忘れずに。
浴槽交換をするリフォームの場合は、ユニットバスの解体・取り付け作業に100,000~500,000円程度の追加費用が発生します。天井や壁・床の張り替え、浴室ドア、水栓の交換など部分的なリフォームの場合は、リフォーム内容に応じた費用がかかります。
詳細なリフォーム費用を知りたい場合は、リフォーム会社のホームページなどで見積もり依頼を出しましょう。
ワンルームのお風呂のリフォーム費用を安くするポイント

ワンルームの賃貸マンションを所有しているオーナーや管理会社が、お風呂のリフォーム時に費用を安く抑えるポイントについて解説します。主なポイントとしては、複数のお風呂をまとめてリフォーム・リフォームの依頼先や時期を選ぶ・補助金制度を活用するという3点が挙げられます。
複数のお風呂をまとめてリフォームする
スーパーやコンビニなどでは、複数の商品をまとめ買いすると安くなる販売方法がよく見られます。この販売方法は、リフォーム業界でも例外ではありません。
例えば、ワンルームのマンションを所有していて空室が多いのであれば、複数のお風呂を一括でリフォームするという選択肢があります。まとめてリフォームすると、その分リフォーム業者の利益が増えるため、施工費を抑えるための交渉がしやすいです。
また、そもそものリフォーム内容を見直して、本当に必要なリフォーム工事だけに絞ることも大切。ユニットバスの見た目をきれいにしたいだけであれば、床面や壁面の塗装をしたり、水栓金具の交換をしたりというリフォームに絞れます。
ユニットバスそのものを交換しなければ費用は安くなるため、複数のワンルームを同時リフォーム+リフォーム内容の見直しをしてみるのがおすすめです。
リフォームの依頼先や時期を選ぶ
お風呂のリフォームに限らず、住宅のリフォームには閑散期と繁忙期があります。繁忙期は仕事に困らないため費用の見積もりが高めの設定に、反対に閑散期は仕事が少ないため費用の見積もりが安めの設定になっていることも。
繁忙期と閑散期で価格が変わる例としては、旅館や宿泊施設、引っ越しなどが有名です。リフォーム業界も同じように繁忙期と閑散期があり、概ね4月からの新生活に向けた1~3月が繁忙期、5月のゴールデンウィーク明けあたりが閑散期となります。
そのため、リフォームを検討している方は5月のゴールデンウィーク明け付近がねらい目です。ユニットバスや浴室関連のリフォームを取り扱うメーカーに依頼すると、リフォームを担う施工業者の仲介手数料など余分な費用が増えてしまうため、リフォーム業者へ直接依頼する方法がおすすめです。
補助金制度を活用する
リフォーム内容自体は決まっているという方には、国土交通省が定めている住宅セーフティネット制度の対象かどうかのチェックがおすすめです。
住宅セーフティネット制度では、高齢者や障がい者、子育て世帯などの合理的配慮が求められる住宅に対して、改修費を支援してくれます。高齢者や障がい者向けのワンルームなどの場合は、バリアフリー改修の対象になる可能性があり、リフォーム内容が住宅セーフティネット制度の適用範囲内と判断されたらリフォーム費用を補助金で賄えるかもしれません。
補助金を受けるには、事前相談や書類の提出が必要なため、リフォームを検討している段階で一度相談してみることをおすすめします。
まとめ
ワンルームのお風呂に多い3点ユニットバスは、物件サイトの検索フィルターで除外されやすく、風呂・トイレ別になるだけで需要が大きく変わります。リフォームにかかる費用は大きいものの、マンションやアパートの空室率の改善につながるため、オーナーは押さえておきたいポイント。
どんなリフォームをしたいか明確にして、複数のリフォーム業者から見積もりを出してもらいましょう。
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