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外壁・屋根塗装工事では足場が重要!種類や費用、工事中の注意点を解説

2024年10月10日
外壁・屋根塗装工事では足場が重要

外壁や屋根の塗装工事には、仮設足場の設置が欠かせません。近隣トラブルの原因を防止できるうえ、職人の安全面や塗装品質にも関わってきます。足場の組み方にはいくつか種類があり、コストや設置時の騒音、対応可能なスペースなどに違いがあるため、塗装業者の見積もり依頼時にしっかり確認しておきましょう。今回は、外壁・屋根塗装工事における足場について解説します。

外壁・屋根塗装に足場が必要な理由

外壁・屋根塗装に足場が必要な理由

そもそも外壁や屋根の塗装工事には、なぜ足場の設置が必要なのでしょうか。主な理由を3つ紹介します。

近隣への水や塗料の飛散を防ぐため

塗装前には、高圧洗浄機で外壁や屋根に付着した汚れを洗い落とします。高圧洗浄機は名前の通り勢い良く水を噴射するため、水しぶきとして汚れた水が周囲に飛び散ることになります。建物と道路や隣地との境界線の距離が近い場合は、車や隣地のエクステリアなどに汚れが飛んでしまうかもしれません。

そのため、高圧洗浄に先駆けて足場を設置し飛散防止シートを貼ることで、周囲への飛散を防げます。塗装中も塗料が飛び散る可能性もあるため、近隣に迷惑をかけないためにも必要です。

職人の安全を確保するため

職人は、塗料や工具を手に持って高所に上がって塗装作業をします。とくに塗料は重く、新品の塗料であれば15〜18kgもの重量があります。そのため、ハシゴのように安定感が不十分なものを踏み台にすると、バランスを崩して落下してしまうかもしれません。

足場は頑丈で揺れに強い作りになっていて、足元が安定するため、事故を防止しやすくなります。

施工品質を保つため

塗装は高度な技術が必要な作業で、塗装職人は一人前になるまで早くても5年はかかると言われています。職人が技術を発揮するためには、安定した足場が不可欠です。安全性の高い足場を設置することで、外壁や屋根の塗装がよりきれいに仕上がるでしょう。

外壁・屋根塗装で用いる足場の種類

足場に使われる部材は足場の種類によって異なりますが、次のような部材が代表的です。

<足場の部材名称>

  • クランプ/ジョイント:足場の単管を固定・接続するための部品です。
  • 支柱(建地材):足場の骨組みとして用いる部材で、踏み板や筋違いを支えます。
  • ベース金物(脚部):足場の最下部に使用する部材で、上下の高さを調整する役割も担います。
  • 作業床材:作業員が歩く部分で、「アンチ」や「足場板」といった名称で呼ばれます。
  • 筋交い(ブレス):足場のフレームを接続する部品です。

外壁・屋根塗装で使われることの多い足場の種類を紹介します。

くさび(ビケ)足場

外壁・屋根塗装で一般的に用いられる足場で、「くさび緊結式足場」とも呼ばれています。別名でもある「ビケ足場」は、株式会社ダイサンが発売したくさび足場の商品名から取られた名前です。

支柱には一定間隔に緊結部である「コマ(ポケット)」が備わっていて、そこにくさび(留め具)をハンマーで打ち込んで接合して組み立てます。部材が軽量なうえハンマーのみで組み立てられることが、くさび足場のメリットです。組み立てに必要な人数も運送費も抑えやすいため、コストパフォマンスに優れています。

ただし、ハンマーでくさびを打ち込む際に大きな音がすることが懸念点です。近隣トラブルの原因にもなるため、事前に騒音が発生することを周囲にしっかり伝えておきましょう。

単管足場

鉄パイプ同士を「クランプ」と呼ばれる金具でつなぎとめて固定した、シンプルな足場です。鉄パイプを必要な高さに切断して使うため、柔軟性があり、狭いスペースでも組み立てやすくなっています。そのため、複雑な形状の建物や、狭小地で使用されることが多い足場です。

他の種類の足場と比べると強度や安全面には懸念があるものの、戸建住宅のような低層建築であれば十分の耐久性を確保できます。ただし、踏み板がないため、施工中に落ちないよう注意が必要です。

単管ブラケット足場

単管足場に踏み板を設置したタイプの足場が、単管ブラケット足場です。単管足場と同じく現場で1から組み立てるため、40cmほどの幅のスペースにも設置できます。さらに、金具で留めるため強風にも強いのが特徴です。ただし、同じく踏み板のあるくさび足場と比べると、設置に時間がかかり、費用が高くなる傾向にある点がデメリットです。

屋根足場

一般的に屋根の勾配が約30度以上ある場合、屋根用の足場が必要です。複雑な形状の屋根には「単管足場」、切妻屋根や片流れ屋根のようなシンプルな形状には「くさび(ビケ)足場」が採用されることが多くなっています。

足場を設置しない無足場工法

足場が組めない場合、例外的にロープやゴンドラで吊るされながら塗装作業を行うこともあります。足場が組めないのは、隣家との間隔がほとんどないケースや、足場を設置場所が隣家との境界線を跨いでしまうもののスペースが借りられないケースなどです。足場を組まないため工事費用も期間も短縮できます。

ただし、屋根の形状によってはロープを設置できないため、無足場工法を行えないケースもあります。また、施主自身が施工後の確認を行えない点も留意しておきましょう。

足場の設置期間

足場の設置期間

塗装作業がはじまる前から終わるまで、足場の設置が必要です。塗装工事の期間は、屋根のみでの場合は1週間程度、屋根と外壁を塗り替える場合は2〜3週間が目安となっています。天候によっては1ヶ月ほどかかるケースもあるため、梅雨や台風、雪などで気候が不安定な時期は避けると良いでしょう。

組み立ては通常工事の初日に1日で、解体作業も最終日に半日〜1日程度かけて実施します。

外壁・屋根塗装の足場にかかる費用

外壁・屋根塗装の足場にかかる費用

足場費用は15〜20万円が相場で、塗装範囲や床面積、建物の形状によって変わってきます。

<費用相場>

足場代:600~800(円/㎡)

※足場代は、塗装面積ではなく「足場架面積(㎡)」あたりの単価で計算します。
足場架面積(㎡)は、「(家の外周+8m)×高さ」で算出することが一般的です。

外壁・屋根の塗装工事を個別に行う場合、そのたびに足場代(15〜20万円程度)がかかる点には要注意です。一度の出費額は大きいものの、外壁と屋根を同時に塗装したほうがトータルの出費は抑えられるでしょう。

たとえばカインズ・リフォームでは、次のような価格帯で外壁や屋根の塗装リフォームを提供しています。

<30坪(外壁120m2/屋根60m2)のパック価格>

  • 外壁塗装パック:698,000〜928,000円(税込)
  • 外劇・屋根塗装パック:948,000〜1,280,000円(税込)

こちらは、足場の設置や高圧洗浄、軽補修、塗膜保障(条件あり)なども含んだ価格です。以下のページで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

>>内部リンク:外壁塗装・屋根張替え|カインズ・リフォーム

外壁・屋根塗装の足場で注意すべき点

足場の設置をともなう外壁・屋根塗装を行うにあたって、事前に理解しておきたいポイントを3つ紹介します。

塗装工事期間中は日常生活が制限される

塗装期間中は足場が常に設置されていて、養生が施されているため、基本的に窓を開けられません。くわえて、ベランダや庭などに洗濯物も干しにくい状態です。日常生活が制限されることは、あらかじめ理解しておきましょう。

防犯上の注意が必要になる

足場があると、空き巣などが普段は侵入が難しい2階以上の窓にも登りやすくなります。そのうえ飛散防止シートがあるため、外から様子がわかりにくい状態です。空き巣のリスクが高まるため、普段以上に窓の施錠を徹底すると良いでしょう。塗装作業中は施工スタッフがいるため問題ありませんが、夜間や休日などにはとくに注意が必要です。塗装業者によっては足場にセンサーライトをつけてくれる場合もあるため、見積もり時に相談してみてください。

組み立て・解体時の音に注意

金属パイプを組み立てて作る足場は、設置・解体時に音が発生します。トンカチで打ちつけて固定するの「くさび足場」はとくに音が大きくなりやすいタイプです。優良業者であれば事前に近隣への挨拶をしてもらえますが、騒音がどれほど気になるかは人によって異なります。そのため、近隣トラブルにつながる可能性はゼロではない点は留意しておきましょう。

破損トラブルに備える

足場の組み立て・解体時に、自宅や近隣の建物やエクステリア、車などを傷つけてしまう可能性がゼロではありません。いざ事故が発生したとしても、事前に責任の所在をはっきりさせていない限り、泣き寝入りするしかないケースがほとんどです。そうしたリスクに備えて、足場の組み立てを担当する業者が保険に加入しているかを見積もり時に確認しておくと良いでしょう。

まとめ

外壁や屋根の塗装を安全に行い、高品質な仕上がりを実現するには、足場の設置が欠かせません。費用は足場の種類によって変わってきますが、15〜20万円ほどが相場です。そのため、外壁と屋根をそれぞれ別のタイミングで塗装すると、足場設置費用が倍かかることになります。塗装リフォームの費用を抑えるのなら、外壁と屋根の塗装を同時に依頼するのがおすすめです。

カインズリフォームでも塗装リフォームの依頼を受け付けています。足場や高圧洗浄、軽補修なども含めた塗装パックを用意していますので、予算を把握しやすいのもポイントです。塗装リフォームに関する相談はカインズ店頭のリフォーム専用カウンターや電話、Webなどで受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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