外壁の塗装は、住まいの見た目に直結します。そのため、汚れが目立ったり、塗装が落ちてきたりすると再塗装を検討する方が多いでしょう。一方で、ひと目見ただけでは気づかない小さなひびが、外壁の劣化を早めてしまうケースもあります。
そこでこの記事では、外壁塗装に最適な時期や、再塗装が必要な状態の見極め方をご紹介します。外壁の状態を確認し、天候や施工業者の繁閑を考慮した外壁塗装をするための参考にしてください。
外壁塗装の時期を逃すことによるデメリット

外壁塗装のタイミングを過ぎた場合、見た目だけではなく、外壁本来の機能が果たせなくなってしまう可能性があります。外壁塗装の時期を逃すことによるデメリットがあることを踏まえて、再塗装を検討しましょう。
見た目が悪くなる
外壁塗装は長期間にわたり日光にさらされるため、紫外線の影響で色あせや、塗膜そのものの劣化が進んでしまい、塗料の効果が徐々になくなっていきます。塗料が持つ外壁を守る効果が失われてしまうと同時に、見た目も悪くなり、外観の印象が変わってしまう点がデメリットです。見た目の印象が古くなってきたように感じれば、再塗装を検討するタイミングの1つです。
外壁が劣化する
急激な温度変化などによって外壁に亀裂が入ったり、塗膜が膨れてきたり、剥離してしまったりすることがあります。そのような状態が続くことで、外壁そのものにクラック(ひび割れ)が発生し、最悪の場合は崩れ落ちてしまうといった深刻なダメージにつながりかねません。放っておくと外壁塗装では修理しきれない可能性が十分にありますので、注意が必要です。外壁を保護するには、保護剤として機能する塗料を選んだり、熱による劣化を抑える遮熱性、断熱性に優れた塗装を利用したりする方法があります。
雨漏りが発生する
塗料の防水機能が失われ、外壁に雨などの水分が染み込んでしまうケースがあります。最悪の場合、雨漏りの原因になるため十分に注意しなければなりません。クラックが発生した部分に雨が吹き込んで雨漏りが起こるだけでなく、カビの発生原因にもなります。住宅トラブル雨漏りの原因となる部分を特定しにくいため、できるだけ早めに再塗装するなどの対策を講じることをおすすめします。
チョーキングが発生する
塗料が劣化して、まるでチョークの粉のように手に付着する現象がチョーキングです。別名、白亜化現象ともいい、壁に触れた際に白い粉が手や服につくなどのトラブルも、外壁塗装の劣化によって起こります。チョーキングを放置することでカビや藻が生える原因になりますから、早期の対策が必要です。
現在の戸建て住宅の外壁に使用されることが多いサイディングでも、5~10年ほどでチョーキングが発生します。粉の原因は、塗料の中に含まれている顔料の粉化であり、顔料を含まない塗料(クリア塗料など)ではチョーキングは発生しません。しかし、いわゆる色がある塗料の場合、ほぼすべてに顔料が使用されているため、チョーキング現象が起こることを想定しておく必要があります。
シーリングの劣化
外壁や外壁塗装そのものの劣化だけでなく、外壁のつなぎ目を埋めているシーリングの劣化も、再塗装を検討する目安の1つとなります。シーリングの役割は、外壁と外壁のつなぎ目からシロアリの侵入や水の浸入を遮ることです。充填剤に適したシリコンなどが主成分ですが、経年とともに硬化して割れたり剥がれ落ちたりしてしまいます。シーリングが劣化した部分は雨水の侵入経路になってしまうため、早期の対策を講じなければなりません。
1年のうち外壁塗装に適した時期

専門業者のなかでもさまざまな意見がありますが、基本的には年中施工が可能です。しかし、乾燥するまでの時間や仕上がりの状態、塗装の品質に多少の差が出てくるため、外壁塗装に適した時期はあるといえます。こちらでは、1年のうち外壁塗装に適した時期について解説します。
外壁塗装に適している時期とは
基本的に、季節や時期によって仕上がりに大きな差が生じることはないと考えて問題ありません。機能性に優れた塗料は、施工性にも優れているため、施工の時期による影響は大きくないためです。
しかし、問題となるのは、雨など天候の不良によって工期が長引いてしまうことです。養生によって窓や扉が開けられないなど、仕上がり具合よりも施工中のデメリットを踏まえて時期を選ぶのもよいでしょう。
なお、施工業者の声として多いベストな時期は、春と秋です。空気が乾燥している、比較的天候が安定している、そして快適な外気温であることから、春・秋が最適であるとされています。
外壁塗装に適した気温や湿度
一般的に、外壁塗装に最適な気温・湿度は、気温5度以上、湿度80%以下とされています。あくまで目安の数値であるため、この条件を満たしていなければ施工ができないというわけではありません。施工がしやすいのは暖かい季節ですが、乾燥した冬も塗料の定着がよいなどのメリットがあるといわれています。
前回施工から再塗装までの期間の目安

前回の施工から再塗装までの期間を計る目安となるのが、塗料の耐用年数です。こちらでは、塗料の種類ごとの再塗装を検討した方がよい時期や再塗装の時期を目して判断する方法を紹介します。
塗料の種類ごとの再塗装を検討した方がよい時期
再塗装を検討するうえで重要な目安とは、塗料の耐用年数です。塗料のタイプ別で耐用年数が異なるため、使用した塗料のタイプを確認することで、再塗装の時期がわかります。また、次の塗料を選ぶ際にも、耐用年数を確認することが重要です。耐用年数が長いものを選ぶことで、再塗装までの時間が長くなります。
ただし、一般的に耐用年数が長い塗料は価格も高くなりますので、機能とコストのバランスを考慮する必要があります。ちなみに、現在の外壁素材の主流となっているセメント成分でできたサイディングボードは、耐用年数が5~7年とされています。
以下は、塗料のタイプ別の耐用年数です。
・シリコン/8〜10年
・フッ素/15〜20年
・ラジカル制御/12~15年
・無機ハイブリット/15〜20年程度
劣化具合を目視で確認する方法
施工されている塗料のタイプから再塗装の時期を判断する方法と併せて実施したいのが、目視での判断です。チョーキングやシーリングの劣化、クラックの発生などは、素人でも十分に判断がつくトラブルです。
・チョーキングの有無
外壁に触れるとチョークのような白い粉が付着するかどうか、実際に外壁に触れて確認することができます。保護膜として機能していたアクリル・ウレタン・シリコン・フッ素などの樹脂が分解されてしまい、色の成分である顔料がむき出しになった状態です。再塗装時期の判断材料になります。
・シーリングの劣化
外壁のつなぎ目に施工されたシーリング剤が硬くなり、破断・欠落していないかが判断基準となります。すでに割れや剥離が起こっている場合は、雨水などの侵入経路になっている可能性があるため、再施工が必要です。同時に、外壁塗装の耐用年数を超えているかどうかの目安にもなります。
・クラックの確認
クラックにはさまざまな大きさがありますが、再塗装の目安となるのが幅0.3mmを超えるクラックがある場合です。幅0.3mmは、髪の毛ほどの細さになります。壁面そのものに発生する構造クラック、窓や扉などの開口部周辺に発生する開口クラックがあるため、重点的にチェックしてみてください。
外壁塗装を業者に依頼する際に適した時期

外壁塗装を業者に依頼する場合、適している時期はあるのでしょうか。塗装会社の繁忙期や他の工事と合わせて行った方がお得な理由などを紹介します。
塗装会社の繁忙期
一般には、春(4~5月)と秋(10~11月)が塗装会社にとっての繁忙期です。雨が少なく天候が安定しているため、施工しやすいためです。この時期に施工を依頼したいのであれば、2ヶ月前には予約するのがよいでしょう。急な依頼では対応できる塗装会社が見つからない可能性があるためです。
また、現在の塗料は進化しているため、季節による品質に大きな差はありません。施工する職人も、塗料の機能や天候がおもわしくない時期ならではの施工ノウハウを持っていますので、予約が取りやすい閑散期での施工も検討してみてはいかがでしょうか。
他の工事と併せて行った方がお得
外壁塗装のコストパフォーマンスを最大化する方法は、屋根の修理やリフォームと併せて行うことです。足場などの設置費用を別途で支払うよりもことを考えた場合た方がお得です。その他のリフォームと併せて施工が可能な塗装会社を選ぶとよいでしょう。
まとめ
外壁塗装のベストなタイミングを見極めるには、外壁が出すサインにしっかりと気づくことが重要です。塗料の耐用年数や立地条件によって最適な時期は違うため、一概に経過年数だけで判断すればよいというものでもありません。クラックやチョーキングの有無、色あせ具合などを総合的に見て判断してください。
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