強い日差しを避け、雨風からウッドデッキを守ってくれるのが屋根です。一方で、屋根のせいで日当たりが悪くなる、せっかくの開放的な空間が狭くなってしまうかもしれないといった理由で、屋根をつけるかどうか迷っている方も多いでしょう。この記事では、ウッドデッキに屋根をつけるメリット・デメリットから屋根の種類、相場などを解説します。

ウッドデッキに屋根をつけるメリットとは

ウッドデッキに屋根をつけることで雨風を凌ぐことができるなど、得られるメリットは多々あります。ここでは、ウッドデッキに屋根をつけることで可能になることやメリットについて紹介します。
雨や雪を防げる
雨や雪を防ぐうえで屋根が果たす役割は非常に大きいといえます。雨や雪など荒れた天候でも、ウッドデッキを使うことができます。友人を自宅に招いてバーベキューやホームパーティを開く場合でも、天候を気にする必要がありません。また、屋外に設置されるウッドデッキは風雨によって徐々に劣化していきます。屋根があることで風から守られるため、ウッドデッキを長く美しい状態で使える点も屋根を設置するメリットでしょう。
日差しが避けられる
ぽかぽかとした陽気の春や秋は気持ちよく過ごせますが、夏の照りつけるような強い日差しの日に外で長時間過ごすには、日差し対策が欠かせません。ウッドデッキに屋根をつけることで、強い日差しや紫外線から身を守ってくれます。夏でも安心して、ゆっくりと趣味の時間を過ごすために、屋根は効果的でしょう。また、風雨と同様、紫外線によるウッドデッキへのダメージも軽減できるというメリットもあります。
目隠し効果がある
マンションなど周囲に高い建物がある場合、屋根をつけることで上からのぞかれる心配がなく、安心感を得られるというメリットもあります。ウッドデッキで過ごす様子が見えないだけでなく、室内への視線も遮ってくれるため、プライバー保護の効果が非常に大きくなります。
天候に左右されず使い勝手が広がる
梅雨や夏の夕立など、降りそうで降らない、あるいは降らないと思ったら降ってくるといった雨への心配がなくなります。曇り空や降水確率が高いような日でも、安心して家族で利用したり洗濯物を干したりできるでしょう。ウッドデッキを有効活用するには、天候の影響をうけないように屋根を設置することが欠かせないでしょう。
省エネ効果がある
室内への直射日光を遮るため、空調効率が高まり、電気代などのコスト削減が期待できます。間取りによっては西日が差し込むような場合でも、ウッドデッキに屋根があるおかげで室内温度の上昇が抑えられ、年間を通して穏やかに過ごせます。また、直射日光による紫外線も遮るため、フローリングなどの保護にも効果を発揮します。
用具などが保管できる
ガーデニンググッズやバーベキューアイテムなどをデッキの上に収納できるのも大きなメリットです。強い日差しに弱い植物をウッドデッキで鑑賞できるようになるため、ガーデニングにも向いているといえるでしょう。

ウッドデッキに屋根をつけるデメリット

エクステリアの中でも存在感を放つウッドデッキは、屋根をつけることで生まれるデメリットもあります。ここではデメリットについて解説します。
閉塞感がある
感覚的な要素になりますが、屋根があることで開放感が減り、逆に閉塞感が出てしまう場合があります。慣れる部分も大きいかもしれませんが、屋根を後付けした場合、最初は違和感が残るでしょう。高さやサイズによって閉塞感の有無は変わるため、取り付ける前にしっかりとイメージしておくことをおすすめします。
見た目の印象が変わる
使う素材やデザインにもよりますが、見た目の印象が大きく変わる可能性があります。木材の風合いや木目を生かしたウッドデッキの場合、アルミ製の柱やポリカーボネート製の屋根はミスマッチとなるかもしれません。デザインや感性による部分が大きいため、施工前に十分なシミュレーションをしておくとよいでしょう。また、透明なポリカーボネート屋根は、雨だれや汚れが目立つことも注意が必要です。
日差しを遮る
メリットであると同時にデメリットにもなるのが、日差しを遮る効果です。特に室内が紫外線にさらされるのを防ぐ効果が期待できますが、言い換えれば室内の日当たりが悪くなるということです。日光を遮るため、特に冬は室温が上がりにくくなるといったデメリットが生まれます。日射角度など、間取りや掃き出し口の位置・方向などを考慮して、設置を検討するようにしてください。
風・雪の影響をうけやすい
大雪が降るような場合は、除雪が必要になります。少なくとも60cm以上積もるようであれば、屋根の雪下ろしが必要です。屋根が雪の荷重に耐えられなくなるだけでなく、ウッドデッキ全体にも大きな荷重がかかり、ぬかるんだ状態の基礎部分が地盤沈下する原因にもなりかねません。また、高さがある屋根や家屋と独立して設置した屋根の場合、突風や台風への備えも必要になります。家を通り抜ける風向きなども考慮した設計のうえ、設置するようにしましょう。
定期的な清掃が必要
落ち葉がたまるなど、どうしても屋根は汚れてしまいます。そのため、定期的な清掃が必須です。ウッドデッキそのものへのダメージは少なくなる半面、屋根のメンテナンスが増える点は、デメリットの1つといえるでしょう。

ウッドデッキの屋根にはどんな種類がある?

ウッドデッキに設置できる屋根には種類があります。それぞれの特徴や機能を知ることで、ウッドデッキにあった屋根を選ぶことができるでしょう。ここではウッドデッキに設置できる屋根について紹介します。
1.ポリカーボネート製屋根
透明で光を透過させるポリカーボネート製の屋根です。明るく開放的な一方で、紫外線を遮るような効果は期待できません。熱の吸収力も決して高くないため、ウッドデッキや室内の温度が高くなりやすいというデメリットがあります。近年は技術が進歩したことで、熱に強いタイプや、汚れに強い加工が施されたタイプなど、多彩な機能を持つ製品が登場しています。
2.パーゴラ
洋風建築などでよく見かけるツタ植物などを絡ませて日よけにしている屋根です。一般的な固定式の屋根のように平板を打ち付けていないため、雨を防ぐような効果はありません。その代わりに、ツタの間から日光が降り注ぎ、大木の陰にいるような心地よさを演出できるのが魅力です。しかし、ツタが成長するまで時間がかかる点、定期的な手入れが必要になる点はデメリットかもしれません。
3.シェード(サンシェード)
シェードは、布製の日よけです。取り付けが容易かつ低コストが魅力である反面、風が強いと使えないデメリットがあります。そのため、ウッドデッキを使用する時だけ設置するなどの工夫が必要です。風通しが良く、UVカット機能があるサンシェードも販売されているため、手軽に屋根を設置したい場合に重宝するでしょう。
4.オーニング
布製の日よけという点ではシェードと同じですが、あらかじめ壁に固定されており、使用時はシェード部分を引っ張りだして先端を固定するタイプです。「稼働式テント」とも呼ばれるように、使用しない場合はたたんで収納したり、巻きつけて収納したりすることが可能です。テラス席が設けられた飲食店やカフェで採用されることが多く、街中で見かけることが多いでしょう。手動はもちろん電動タイプもあるため、使い勝手の良が魅力です。
5.タープ
アウトドアでも使用する布製の日よけです。最も手軽でコストもかからないとはいえ、設営には慣れが必要です。また、常設できるほどの耐久性はありません。日差しが強い日に、一時的に使える屋根が欲しい場合は、相性が良いでしょう。

屋根を設置した場合の費用相場と工期について

ウッドデッキに屋根を設置する場合、どの程度の費用がかかるか知っておきたい方は多いでしょう。ここでは、屋根の設置にかかる費用の相場と内訳、工期について紹介します。
テラス屋根の場合
屋根の設置には、「基礎工事」「屋根取り付け工事」「防水加工」の3工程があり、これらの施工費用と屋根本体の価格が必要です。既設のウッドデッキに屋根を追加する場合の相場費用は、15万円から55万円と幅があります。これは、設置する屋根の大きさによります。
・基礎工事……約2万円
・屋根取り付け工事……約2万円
・屋根本体の価格……10~50万円
工期は3日から1週間程度です。基礎部分をコンクリート打設する場合は時間がかかるなど、工期も施工内容によって変わります。事前に施工を依頼する業者に問い合わせて確認することをおすすめします。
サンシェード・オーニングの場合
タイプによって異なりますが、施工費用と製品の価格をあわせて20万円程度が相場です。取り付けには高所での作業が必要になるため、安全な作業に自信のない方にはおすすめできませんが、簡易なシェードの取り付けであればDIYでも対応は可能でしょう。メッシュ生地タイプ、UVカットタイプ、撥水タイプ、耐火タイプなど、さまざまな機能を持つ製品があるため、用途に応じて選んでください。

まとめ
ウッドデッキに屋根をつける場合、メリットもデメリットも考えられます。まずは、自分がどういう用途でウッドデッキを使いたいのかを踏まえて、屋根の設置を検討してみてください。固定式のテラス屋根以外にも、簡易に設置できるタイプの屋根もあるため、手軽なものから使ってみるのもおすすめです。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。