ウッドデッキに使用される木材の種類はさまざまですが、その中でもシロアリの被害を受けやすいものと受けにくいものがあります。シロアリ対策の方法は、木材選びやシロアリがウッドデッキに侵入できない環境作りなど、いくつかあります。この記事では、ウッドデッキのシロアリ対策の方法や被害にあったときの対処法などについて詳しく解説します。

ウッドデッキのシロアリ対策が必要な理由

シロアリは、湿った木材から栄養と水分を摂取するため、ウッドデッキをはじめとした木製のものは何でもシロアリの被害を受ける可能性があります。また、食欲は旺盛ではないため、長い年月をかけて少しずつ被害が広がっていき、気づいたときにはウッドデッキや柱などの中身がぼろぼろになっていることも珍しくありません。少しずつ被害が拡大するからこそ、シロアリ被害を受ける前に対策することが重要なのです。
シロアリの被害にあったウッドデッキは構造的に弱くなり、人が乗るとぐらついたり床材に穴が開いたりすることがあります。ウッドデッキを使えなくなるばかりか怪我をする恐れもあるため、そうなる前にシロアリの駆除・予防対策をしておきましょう。

シロアリが発生する条件

ウッドデッキには保護剤が塗られており、雨にさらされても内部には浸水しません。しかし、保護剤の効果が失われると水が内部に浸入して湿らせてしまいます。そして、湿った木材のすき間からシロアリが侵入し、ウッドデッキの内部を食べてしまうのです。シロアリはウッドデッキの内部に侵入し、小さなコロニーを作って生活圏を少しずつ広げていきます。そうなれば、ウッドデッキのみならず家の柱や軒下などにも被害が拡大することも珍しくありません。
ウッドデッキは、地面と木材が近い距離にあることが多いため、土の中に生息しているシロアリに侵入されやすくなっています。また、ウッドデッキの下は薄暗くて湿気が溜まりやすく、シロアリにとっては快適な環境であることも被害を受けやすい理由の1つです。このように、ウッドデッキは十分にシロアリ対策をしなければ被害を受けるリスクが高いことを覚えておきましょう。

ウッドデッキのシロアリ対策

ウッドデッキのシロアリ対策では、シロアリが住み着きにくい環境を作ることがポイントです。どれか1つの対策だけでは十分な効果が期待できないため、ここで紹介するシロアリ対策を可能な限り実践しましょう。
シロアリに強い木材を使用する
天然木には、ソフトウッドとハードウッドがあります。ソフトウッドはハードウッドと比べてシロアリの被害にあいやすい点に注意が必要です。シロアリ被害のリスクを少しでも抑えたい場合は、ハードウッドのウッドデッキを選びましょう。例えば、ウリンやイタウバ、クマル、イペなどがあります。
また、ハードウッド以外では人工・樹脂木材を使うのも1つの方法です。天然木とは異なり天然の木材の使用量が少ないため、シロアリの被害を受けにくい傾向があります。メンテナンスにかかる費用もハードウッドより安いため、ウッドデッキの維持費用を抑えられます。ただし、天然木のような自然な風合いに乏しく、夏場は暑くなってしまうため、天然木の質感にこだわりたい人や夏場にも利用したい人には向きません。
ウッドデッキの使用頻度や使用する時期、維持費用に対する考え方などに応じて、ハードウッドと人工・樹脂木材の中から適したものを選ぶようにしてください。
ウッドデッキを直接地面に触れさせない
ウッドデッキと地面を直接触れさせないことで、シロアリの侵入リスクを抑えることができます。地面と近い、あるいは密着しているウッドデッキは、シロアリが簡単に侵入できるためです。また、地面との距離が近くなればなるほどに風通しが悪く、湿気が溜まりやすくなるため、シロアリにとって絶好の環境となってしまいます。
シロアリが侵入しにくく住み心地が良くない環境を作るために、ウッドデッキは地面からなるべく離しましょう。地面からの距離が十分にあいていればシロアリを駆除する際に人が這って入りやすく、作業を効率的に進めることもできます。
コンクリートを敷く
ウッドデッキの下の地面をコンクリートにすることで、地中にシロアリの巣があったとしても被害を受けにくくなります。庭にコンクリートを敷くことを避けたい場合は、ウッドデッキの下だけコンクリートにすることも可能です。また、コンクリートといっても公道に使うようなものではなく、オシャレな見た目のものも選べます。小さな子どもやペットがいる場合は、転倒した際の被害を抑えるためにコンクリートの上に人工芝を敷くとよいでしょう。
周辺環境を改善する
シロアリが住みやすい環境がある場合、どれだけ対策してもいずれ被害を受けるでしょう。例えば、土に面した部分に放置された木材や段ボールは、シロアリのエサになってしまいます。庭を物置や一時的なゴミ置き場にしているとシロアリが繁殖しやすいため、なるべく早く処分しましょう。また、物を置いてあるところは日陰になるため、シロアリにとって快適な環境になります。木材や段ボールに限らず、庭には影になるようなものをできるだけ置かないようにしましょう。
予防消毒剤を使う
シロアリ被害の予防消毒剤を使用することで、シロアリの被害にあいにくくなります。ただし、効果は数年程度で失われるため、定期的に使用する必要があります。例えば、5年の保証期間が設けられている予防消毒剤だとしても、5年が経過する前に効果が薄れシロアリの被害にあう恐れがあります。予防消毒剤だけに頼るのではなく、他の対策方法と組み合わせることが大切です。
シロアリ被害の予防消毒剤には、ネオニコチノイド系やピレスロイド系、フェニルピロール系、カーバメート系などがあり、それぞれ特徴が異なります。自分で予防消毒剤の散布は可能ですが、健康被害、間違った散布方法による効果の低下などを防ぐためにもプロの業者に任せることをおすすめします。
こまめなシロアリチェックで早期発見を目指す
シロアリを放置すると被害が拡大していき、いずれウッドデッキを使用できなくなります。また、家の柱や軒下などにも被害が広がる可能性もあります。このような事態を防ぐためにも、定期的にシロアリがいないか調べ、早期発見を目指しましょう。シロアリチェックは自分でも行えますが、業者に任せた方が確実です。
自分でシロアリチェックをする際は、まずウッドデッキに蟻道ができていないか調べましょう。蟻道とは、ウッドデッキをはじめとする木材の中へシロアリが侵入する際に作る道のことです。ウッドデッキの柱や床板、手すりなどさまざまな箇所をチェックしましょう。ただし、蟻道がなくてもウッドデッキの周辺の土にシロアリが生息している可能性があります。より入念なシロアリチェックで被害を未然に防ぎたい場合は、やはり業者に任せた方がよいでしょう。

シロアリの被害を受けたときの対処法

シロアリの被害を受けた場合、慌てて間違った方法で対処してしまうことがあります。方法次第ではシロアリの侵入経路がわからなくなって対策の効果が低下したり、一時しのぎにしかならなくなったりするでしょう。シロアリ被害を最小限に抑えるためには、元を絶つ必要があります。シロアリの被害を受けたときは、まず落ち着いて次のように対処しましょう。
蟻道は壊さずに侵入経路を把握する
蟻道は前述したようにウッドデッキに侵入する際に作った道です。蟻道はシロアリの排せつ物や土などでできているため、プロの業者でなくても簡単に壊せます。しかし、蟻道を壊してしまうとシロアリがウッドデッキの内部にどこから侵入したのかがわからなくなるため、対策の効果が低下します。蟻道を見つけたらすぐにでも壊したいかもしれませんが、二度とシロアリ被害にあわないようにするためにも我慢し、一網打尽にしましょう。
プロのシロアリ駆除業者に依頼する
シロアリの被害が広がれば広がるほどにシロアリを完全に駆除することが難しくなります。たとえシロアリが数匹しかいなかったとしても、ウッドデッキの内部には大量のシロアリが潜んでいるケースも少なくありません。多くのシロアリはウッドデッキの内部に巣やコロニーを作り集団生活しているため、なるべく一箇所に固まっていた方が業者としても効率的に駆除できます。
無理に自分で駆除しようとすれば、シロアリを十分に駆除できないばかりか、さまざまな場所へ散り散りになってしまうかもしれません。また、シロアリ駆除には専門知識と技術が必要なため、ネットや書籍で情報を集めただけでは十分な駆除作業は難しいでしょう。シロアリを徹底的に駆除して再び被害にあうのを防ぐためにも、プロの業者に任せることをおすすめします。

まとめ
シロアリ被害を放置すると、いずれウッドデッキが崩壊する危険性があります。そうなる前にシロアリを駆除するとともに、予防を行うことが大切です。ただし、シロアリ駆除には専門知識と十分な技術が必要なため、安易に自分で駆除しようとしてはいけません。プロの業者に早い段階で駆除を依頼すれば、シロアリの被害を最小限に抑えるとともに再び被害にあうリスクも低くなるでしょう。
今回、解説したシロアリの発生条件や対策方法、対処方法までチェックして、シロアリの被害に正しく備えてください。

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