ウッドデッキは、リビングなど室内のフローリングと同じ高さで設置することが一般的です。玄関に回らずにウッドデッキから庭に簡単に出られる点も魅力の一つでしょう。
一方で、リビングと同じ高さに揃えたウッドデッキは、庭との段差が大きくなる場合があります。その段差を解消するのが、段床やステップです。これらをウッドデッキに設置することで、子どももお年寄りもペットも、庭と安全に行き来できるようになります。この記事では、段床の機能やステップとの違い、それぞれの種類やメリットを解説します。
ウッドデッキの段床とは?

段床とは、ウッドデッキの床の下に設置するオプションで、幅の広い階段のことです。デッキの下に、もう一段、二段と階段状のデッキがあるように見える作り方で、鏡餅や菱餅(ひしもち)をイメージされるとわかりやすいかと思います。正面方向と左右側面の合計3方向に設置することが可能なオプションであり、ウッドデッキの印象を自由にプランニングすることができます。
段床の機能
ウッドデッキの高さは500mmほどあることが一般的です。リビングと同じ高さで設置しますので、ご自宅の造りによっては、かなりの高さになる場合もあります。段床は階段状のオプションですので、ウッドデッキから庭に出るための段差を解消する機能を持っています。特に小さな子どもや足腰が弱い方はもちろん、小さな犬が庭とウッドデッキを安全に行き来できるようになりますので、利便性や安全性が高まります。また、幅のある段床をつけることでウッドデッキにボリューム感がでますので、見た目の印象が豪華になります。
ステップとの違い
ウッドデッキのオプションにステップというものがあります。ステップとは、ウッドデッキの一部に取り付ける小型の階段で、段床と同様にウッドデッキと地面の段差を解消して庭に出やすくするために利用されます。ウッドデッキの右端・左端・中央、どこでも好きな場所に気軽に取り付けることができるうえ、段床よりローコストである点に魅力があります。
ウッドデッキに段床を設置するメリット

ウッドデッキに設置する段床には、階段(ステップ)型と独立ステップ型があります。段床そのものが持つメリットや、型ごとの特徴について解説します。
段床のメリット
段床の良いところは、建物と接していないウッドデッキの3方向の端から端までを、ぐるりと取り囲むように設置できる点です。段床はウッドデッキの床から張り出す形で設置するため、まるでウッドデッキを何層も重ねているように見えますが、各辺に細長い段床を取り付けている構造です。ある程度、庭の広さが必要となりますが、段床を取り付けた辺のどこからでも昇り降りができるので便利です。また、3方向に段床をつけると見た目が豪華な印象になり、舞台のような特別感のあるアウトドアリビングが完成します。
段床は気軽に腰かけられる点も魅力です。春に日向ぼっこを楽しんだり、夏には夕涼みや線香花火を楽しんだり、家族水入らずで生活の幸せを感じられる時間が増えるでしょう。次に紹介するステップと比較して後付けがしにくいオプションですので、ウッドデッキの設置を検討するタイミングで計画することをおすすめします。デメリットは、費用がかさむことです。
階段(ステップ)型の特徴
小型の階段そのもので、多くのメーカーがステップ型と命名して商品を販売しています。段床と比較して、踏み板の高さや段数が調整しやすいというメリットがあります。ウッドデッキの高さは500mmほどあることが一般的ですが、高さが700mm以上の場合に階段型を採用することが多いようです。
ウッドデッキと地面の段差が大きいときは、転倒防止の手すりやフェンス、ステップダウンライトといったオプションをつけるとより安全に庭とウッドデッキを行き来できます。なお、階段型はメーカー各社からさまざまな形や色の商品が発売されていますので、ウッドデッキと質感や素材がよく似たものを選ぶことができます。また、ウッドデッキに簡単に後つけできますので、導入の手間がありません。デメリットは、ウッドデッキの一部に設置する形となりますので、段床のように好きなところから昇り降りできないことです。
独立ステップ型の特徴
独立ステップ型は、ウッドデッキをぐっと小型にした踏み台のような見た目のステップです。一段単独のステップであるため、ウッドデッキの床と地面の高さが500mm前後までの場合に利用されることが大半です。
ウッドデッキのミニチュアがついているイメージですので、階段型より統一感を出すことができるでしょう。また、ウッドデッキオプションの中では比較的リーズナブルなので人気があります。半円形型のデザイン性を持たせた独立ステップもありますが、形状のデザインは豊富ではないため、選ぶ楽しみは少ないかもしれません。
その代わり、ウッドデッキとは全く異なる素材をステップとして使用する面白さがあります。古い日本家屋の縁側に設置されているような、履物を脱いで庭から上がるために利用されている沓脱石(くぬぎいし)を設置すれば、ウッドデッキが和風庭園のような趣のある雰囲気に仕上がります。デメリットは、階段型同様に独立ステップ型を設置した場所からしか庭に出入りできないことです。
段床やステップの工事の流れ・工期

段床はウッドデッキの設置を検討する段階から計画したほうがいいため、ウッドデッキを設置する工事の流れから解説します。
工事の流れ
・床下の施工
まずは、ウッドデッキの床下となる部分を施工します。床下は防草シートや砂利を敷く、あるいは土間コンクリートを打設して完成させます。また、ウッドデッキを水平に設置するために、ウッドデッキの床下に設置する短い束柱(つかばしら)を支える束石(つかいし)を設置します。
・束柱、根太の設置
床下の施工と束石の設置が完了したら、ウッドデッキの床板を支えるために、いくつかの束柱の上に水平に設置する長い横木柱のような根太(ねだ)を束柱にビスで固定します。水平にウッドデッキの床板を設置できることを確認して、最後に束柱を床下にビスで固定します。
・ウッドデッキの床板を設置
根太の上に、ウッドデッキの床板を一枚ずつ張っていきます。床板が規格外のサイズの場合は、作りたいウッドデッキのサイズにカットしながら作業を進めます。
・オプションの取り付け
ここまできたら、段床・階段型ステップ・独立型ステップを取り付けて完成させます。また、手すりやフェンス、ダウンライトなどのオプションも設置します。その他のオプションは、ウッドデッキの床下に猫などの小動物が入り込まないように床下を囲む床下囲い、ウッドデッキの上をフェンスでぐるりと囲った際に必要な門扉などもあります。ステップの昇り降りが負担になる高齢者や老犬のためにスロープをつけるという選択もよいでしょう。
工期
すでに設置されているウッドデッキにステップを取り付ける場合であれば、1時間程度で終わります。段床を取り付ける場合は半日程度かかるようです。段床を含むウッドデッキを取り付ける場合の工期は3~5日です。
ウッドデッキを設置する工程は、床下の施工、束柱・根太の設置、ウッドデッキの床板設置と大きく3工程にわけられます。そこに段床やステップといったオプションを取り付ける工程がプラスされるとお考えください。
注意点は、最初の工程である床下の施工の方法によって工期が変わることです。土間コンクリートを打設する場合は、コンクリートの打設に1日かかり、乾燥や養生に1週間程度かかります。天候次第で乾燥するまでの時間も変動します。土間コンクリートを打設する場合は、工期を2週間程度みておくとよいでしょう。
まとめ
ウッドデッキをすでにお持ちの方も、これから設置を検討されている方も、オプションである段床やステップを追加することで、見た目の豪華さや庭での楽しみ方が広がります。設置の仕方も種類もさまざまですので、ご家族のガーデンスタイルにピッタリな段床やステップを見つけてください。
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