障子をきれいに張り替えるためには、丁寧に古い障子紙を剥がすことが大切です。桟に古い障子紙やのりが残ったまま新しい障子紙を張ると、しわや凸凹ができ見栄えが悪くなる上、長持ちしません。この記事では、失敗しない障子の剥がし方を障子紙の種類別に解説します。きれいに剥がすコツや新しい障子紙の張り方、張り替えのタイミングについてもお伝えします。
障子の剥がし方

障子や障子の張り方には種類があり、剥がし方が異なります。障子の剥がし方について、それぞれのケースに分けて解説します。
- 和紙・のり張りの場合
- プラスチック障子・アイロン張りの場合
- プラスチック障子・両面テープ張りの場合
和紙・のり張りの場合
のりで接着している障子の剥がし方です。
用意する物
- スポンジまたはハケ
- ヘラ
- タオルまたは雑巾
- 歯ブラシ
- 水
手順
- 障子の裏側から水を含ませたスポンジやハケを使って、のりが付いている桟の部分に沿って湿らせていく
- そのまま5分ほどおく
- 障子紙が破れないよう、端からゆっくり剥がしていく
- 剥がしきれずに桟に残った障子紙やのりを、ヘラや濡らしたタオルで取り除く
- 桟の隅などにたまったほこりを歯ブラシで取り除く
- 障子枠を2時間ほど陰干しして、水分がなくなるまで十分に乾燥させる
水だけでもきれいに剥がせますが、障子剥がし剤を利用する方法もあります。
プラスチック障子・アイロン張りの場合
アイロンの熱で接着した障子の剥がし方です。アイロンでのりを温めて柔らかくすることで剥がせます。
用意するもの
手順
- 裏側の端から高温にセットしたアイロンをあててのりを柔らかくし、少しずつめくりながら丁寧に剥がしていく
- 残った障子紙やのりの部分には、再度アイロンで熱を加えてきれいに剥がす
変色の恐れがあるため、一部分に熱を与えすぎないよう注意しましょう。
プラスチック障子・両面テープ張りの場合
両面テープで接着した障子の剥がし方です。アイロンで温めて柔らかくすることで剥がしやすくなります。
用意する物
手順
- 裏側の桟部分にアイロンをあてて温める
- 反対から障子紙を押し上げるようにしてゆっくり剥がす
- 剥がしきれなかった部分に、再度アイロンで熱を加えて剥がす
強く引っぱるとテープが残ったり、桟を傷めたりする可能性があるため注意しましょう。
障子を剥がすときのコツ・注意点
障子をきれいに剝がすコツや注意点は、次の通りです。
- 水分が多すぎると桟が変形してしまうため、濡らすのは桟と障子紙が接着している部分だけにする
- 桟に残ってしまった障子紙やのりをたわしなどで擦ると、ささくれができやすくけがをする危険性があるため、濡れタオルやヘラを使う
- 古い障子紙やのりの剥がし残しがあると、新たに障子紙を張る時にしわになりやすいため、取り残しのないよう注意する
- 水分が残っていると新しい障子紙が接着しにくいため、十分に乾燥させる
- 乾燥させる際は、直射日光を避け日陰で干す
障子の張り方

新たに障子を張る方法について解説します。障子の張り方には、次のような種類があります。
ひとつずつ解説します。
和紙・のり張りの場合
のりで張るタイプの障子の張り方です。
必要な物
- 障子紙(和紙)
- 仮止め用テープ
- カッターナイフ
- 定規
- 障子用のり
- ハケ
- 霧吹き
手順
- 寝かせた障子枠と障子紙が水平になるように置く
- 桟の端、数か所をセロハンテープで仮止めし、障子紙がずれないよう固定する
- 桟の部分にハケでのりを軽くたたくように塗っていく
- 桟全体にのりを塗ったら、障子紙をゆっくり転がしながら張り合わせ、軽く手で押さえる
- 定規をあてながらカッターナイフで余分な障子紙を切り取る
- 全体に霧吹きをかけ、日陰で半日程度乾かす
霧吹きで一度水分を含ませて乾かすと、障子紙がたるむのを防げます。
プラスチック障子・アイロン張りの場合
アイロンで接着できるタイプの障子の張り方です。アイロンで張るタイプの障子紙はプラスチック製で、和紙より破れにくく、冷暖房効果が高まるという特長があります。
用意する物
- プラスチック障子紙
- アイロン
- 必要な場合は延長コード
- 仮止め用テープ
- カッターナイフ
- カッター定規
手順
- アイロンで障子紙と障子枠の隅1箇所を仮止めする(アイロンでとめにくい場合はテープでとめる)
- 障子枠に対して障子紙を平行に広げ、四隅を仮止めする
- 中央から外側へ向かってしわにならないようゆっくりと桟に沿ってアイロンをあてていく
- 外枠部分にアイロンをあてる
- すべての桟が接着できたら、定規をあてながらカッターナイフで障子紙の余った部分を切り取る
- 最後に全体的にアイロンをあてる
コードレスアイロンを使用する場合は、温度が落ちないようこまめに充電しながらあてていきましょう。
プラスチック障子・両面テープ張りの場合
両面テープで接着するタイプの障子の張り方です。
用意する物
- プラスチック障子紙
- 専用両面テープ
- 仮止め用テープ
- カッターナイフ
- 定規
手順
- 障子枠と障子紙を平行に置き、桟の端、数か所をテープで仮止めする
- 縦方向のすべての桟に両面テープを貼り、テープの裏紙を剥がす
- 横方向にも両面テープを貼り、裏紙はそのまま残しておく
- 仮止めした部分からゆっくり障子紙を転がし、横方向の裏紙を少しずつ剥がしながら、1段ずつ丁寧に張っていく
- 全体に張れたら、中央から外側に向かって指で十分に接着させる
- 定規をあてながら障子紙の余分な部分をカッターナイフで切り取る
障子を張るときのコツ・注意点
障子紙をきれいに張るコツや注意点は、次の通りです。
- 後で剥がれないよう、障子紙は逆巻きにするなどして巻き返しのないようにする
- のり張りの場合、時間がかかるとのりが乾いてしまうため手早く張る
- 余分な障子紙を切る時は、カッターナイフの刃を新しくして一息でカットする
- 張り替え作業は風のない場所で行う
障子を張り替えるタイミング

障子の張り替えは、次のようなタイミングで検討しましょう。
障子の張り替えが必要な状況とは
使用している障子に次のような劣化症状が見られる場合には、障子の張り替えを検討するタイミングです。
- 穴が空いている
- 破れている
- 黄ばみ・変色がある
- カビが生えている
- たるんでいる
障子紙に穴が開いていたり破れていたりすると、室内の印象が悪くなります。専用の障子補修シールなども市販されていますが、破損している部分が複数ある場合には、張り替えるのが良いでしょう。日当たりの良い場所では障子が黄ばみやすく、換気のしにくい場所ではカビが生えることもあります。また、時間の経過によって障子紙はたるんでしまうため、たるみが気になる場合は張り替えを検討するのが良いでしょう。
障子を張り替える最適な周期
障子を張り替える周期は、使用している障子紙の種類や障子のある場所の日当たりなど環境によっても異なりますが、目安としては3~5年程度で張り替えるのがおすすめです。外観に大きな損傷がない場合でも、紫外線や湿気などによって小さなシミやたるみが出てきます。お盆や年末年始、冠婚葬祭など、家に人が集まる機会に張り替えるのも良いでしょう。ただし、業者に依頼する場合は、お盆前や年末は混みやすいため注意が必要です。
障子の張り替えを業者に依頼するという方法も

障子の張り替えは、業者に依頼することもできます。業者に依頼する場合のメリットや、業者に依頼するのがおすすめのケースについて解説します。
業者に依頼するメリット
障子の張り替えを業者に依頼するメリットは、次の3点です。
- 時間や労力をかけずに最短時間できれいに仕上がる
- 十分に接着されて障子が長持ちする
- 桟や組子が傷ついたり変形したりする心配がない
専門業者に任せることで、時間や労力をかけずにきれいに仕上がります。接着不良や変形などの心配もなく使用できます。
気になるのは、業者に依頼する場合にかかる費用です。1枚あたり張り替えるのにかかる費用をDIYの場合と業者に依頼した場合で比較すると、次の通りになります。
障子1枚あたりの張り替えにかかる費用
DIYの場合 |
業者に依頼した場合 |
1,500~2,000円程度 |
2,000~8,000円程度 |
DIYの場合は1枚あたりの張り替えに1,500〜2,000円程度かかるのに対し、業者に依頼した場合にかかる費用は2,000〜8,000円程度です。ただし、張り替えに必要な道具が手元にない場合は道具を購入する必要があり、DIYでも業者に依頼するのと同等の費用がかかるケースがあります。
業者に依頼するのがおすすめのケース
障子の張り替えを業者に依頼するのがおすすめなのは、次のようなケースです。
- 自分で張り替えるのに不安がある
- 時間や労力をかけたくない
- きれいな仕上がりで長持ちさせたい
障子の張り替え作業に不慣れな場合や、必要な物をそろえる手間や張り替え作業を煩わしく感じる場合には、業者に依頼するのが良いでしょう。
まとめ
障子の剥がし方には、障子紙の種類によって水や剥がし剤を使う方法や、アイロンで熱を加えて剥がす方法があります。障子紙の種類に応じて丁寧に剥がすことは、新たな障子紙をきれいに張るために欠かせないポイントです。また、特に大きな破損や変色がない場合でも、3〜5年程度を目安に張り替えると見栄えの良い状態が保てるでしょう。張り替えに不安がある場合や時間や手間をかけたくない場合には、業者に依頼するのがおすすめです。
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