新築やリフォームでのキッチン選びで、近年とくに人気なのが対面キッチン。家族とのコミュニケーションが取りやすく、憧れている方も多いかもしれません。
「油はねや水はねは大丈夫なの?」
「匂いが充満するって聞いたけれど…」
この記事では、対面キッチンのメリットデメリットと、後悔しないためのデメリット対策を徹底解説。みなさんの疑問やお悩みを解決します!また、対面キッチンのレイアウトの代表的な5種類をご紹介。それぞれの特長と選ぶときのポイントを解説します。
対面キッチンについて詳しく知りたい方や決められなくてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

対面キッチンとは?
対面キッチンの設置イメージ:TOTOのシステムキッチン「クラッソ」(画像出典:TOTO)
対面キッチンとは、リビングの間が壁で仕切られておらず、リビング側を向いて料理できるキッチンレイアウトのこと。同じ対面キッチンでも、キッチンの前に壁や造作がまったくないタイプをオープンキッチン、キッチンの前にカウンターや腰壁、コンロ前だけに壁があるなど、一部分のみ壁や造作があるタイプをセミオープンキッチンと呼びます。

対面キッチンの3つのメリット
対面キッチンの設置イメージ:クリナップの「ステディア」(画像出典:クリナップ)
対面キッチンはおしゃれなカフェのような雰囲気があり、料理好きの方や若い方から人気です。対面キッチンには具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?ここからは、対面キッチンの3つのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1:家族と会話しながら料理ができ、子育て世代に最適
対面キッチンは、料理する人の視線がリビング側に向くように設置するため、家族と会話しながらの料理が可能。壁付けキッチンではリビングの様子が気になるたびに振り返る必要がありますが、対面キッチンなら視線をあげるだけでいつでもリビング全体を見渡せます。まだ目が話せない小さなお子様や、リビングで宿題をするお子さまがいるご家庭にうれしいメリットです。
メリット2:開放感があり、楽しく料理ができる
壁付けキッチンに比べて閉塞感がなく、開放感を感じながら料理ができるのがメリットです。テレビや映画を見ながら料理するなど、楽しみながら料理できます。また、空間的にはキッチンとリビングを区切りつつ、位置が低いため圧迫感も出ないため、リビングが広く感じられます。
メリット3:配膳しやすく、子どもがお手伝いしやすい
キッチンカウンターのすぐ近くに並べてダイニングテーブルを配置すれば、配膳の動線はごくわずか。自分自身が配膳しやすいのはもちろん、子どもも一緒にお手伝いしやすいレイアウトが可能です。
また、キッチン前面にカウンターテーブルを造作すれば、朝食などの軽食用のテーブルとして活用できます。

対面キッチンの3つのデメリット&後悔しない対策方法は?
対面キッチンの設置イメージ:TOTOのシステムキッチン「クラッソ」(画像出典:TOTO)
メリットの多い対面キッチンですが、従来の壁付けキッチンからリフォームする際に注意しないとデメリットになる側面もあります。デメリットをよく知らずにリフォームを進めてしまい、完成後に後悔…なんてことも。
ここからは、外面キッチンの主な3つのデメリットと、デメリット対策におすすめのプランをご紹介します。対面キッチンのデメリットが気になる方は、ぜひこちらを参考にしてください。
デメリット1:リフォーム前より狭くて使いにくくい
よく聞くデメリット・後悔は、リフォーム前よりキッチン幅が小さくなり使いにくくなった、キッチン回りの通路が狭くて通りにくい、というもの。
この原因は、対面キッチンが壁付けキッチンより広いスペースが必要な点にあります。対面キッチンへの憧れから、ギリギリのスペースでリフォームしてしまい、いざ使ってみるとやっぱり狭い…と後悔してしまうパターンです。
キッチンの幅を小さくする場合、シンクやコンロサイズは数種類のなかから選ぶしかありません。そこで幅を調整するときには、必然的にシンクとコンロの間の調理スペースを狭くすることになります。しかし、下ごしらえから盛り付けまで、調理スペースでの作業はシンクやコンロでの作業より多いもの。狭い調理スペースでは使い勝手が悪いと感じる場面が多いため、後悔につながってしまうのです。
また、制約のある空間で対面キッチンにリフォームすると、キッチンだけでなく通路も狭くなります。通りにくさを感じたり身体をぶつけたりが積み重なり、後悔の原因となることがあります。
デメリット対策:調理スペースと通路幅をしっかり確保できるか確認!
スムーズに料理をするために必要な調理スペースのおすすめは60cm以上。最低でも45cmは確保しましょう。また、必要な通路幅は、80~90cm。2人ですれ違う通路の場合は、100~120cmを目安にしましょう。
デメリット2:収納が少なく、片付けにくい
リフォームでキッチン幅が狭くなると、収納量も減ってしまいます。また、開放感やリビングとの一体感の妨げになるため、近年は釣り戸棚を設置しないほうが人気です。キッチン自体の収納量が減るうえ、吊り戸棚もなくなると、収納量は大きく減ってしまいます。リフォーム前と同じ量の料理器具が入りきらない、片づけにくくなったと後悔につながってしまうのです。
デメリット対策:L型を選ぶ&背面収納を充実させる
対面キッチンの定番I型ではなくL型を選ぶと、シンクやコンロ下の収納を増やすことができます。また、LDKの奥行きに余裕がある場合は、背面収納を充実させる、パントリーを作るなど、キッチン本体以外にも収納スペースを作ることをおすすめします。
デメリット3:ニオイや煙、油はねが拡がりやすい
対面キッチンは前面に壁がない、あっても狭い範囲しかないため、調理中の匂いや煙がリビングまで広がります。そのため、周囲の床が汚れたり、カーテンに匂いがついたりしやすいのがデメリットです。
デメリット対策:換気システムの強化や油はねガードの設置を
匂い対策には、換気能力が高い換気扇の設置がおすすめです。また、空気清浄機を設置する、「エコカラット」などの消臭機能のついた壁材や壁紙にするなど、キッチン以外での消臭対策もあわせてすると、よりよいでしょう。
油はね対策としては、「油はねガード」というガラスパネルの設置がおすすめです。高さ30cm程度の小さなサイズからありますが、ガスコンロの場合は油が遠くまで飛びやすいため、しっかり防止したい場合はレンジフードまで届く大きなタイプがおすすめです。

対面キッチンの種類|主なレイアウトの特長と設置イメージ写真
ここまで、対面キッチン全般に共通する内容をお伝えしてきました。しかし、対面キッチンとひとことで言っても、さまざまな種類があります。
ここからは、「アイランドキッチン」「ペニンシュラキッチン」「I型対面キッチン」「L型対面キッチン」「II型キッチン」の主な5種類の特長を、どんなふうにリフォームできるのかをイメージできる写真とあわせてご紹介します。
「アイランドキッチン」は開放感が抜群
アイランドキッチンの設置イメージ:TOTOの「クラッソ」(画像出典:TOTO)
アイランドキッチンは、島(=アイランド)のように、完全に独立したキッチンのこと。壁に接している部分のまったくないところが大きな特長です。本体価格は高めで、リフォーム費用も高めになる場合が多いため、コスト面よりデザイン面を重視する方におすすめです。
また、開放感が高くおしゃれなぶん、油はねや匂い対策はしっかりするとよいでしょう。フルフラットで手元が見えるため、背面収納やパントリーを充実させるなど、片づけやすい工夫が必要です。
「ペニンシュラキッチン」はおしゃれ&お手頃価格
ペニンシュラキッチンの設置イメージ:トクラスの「BB」(画像出典:トクラス)
ペニンシュラ(peninsula)とは、英語で「半島」を意味するとおり、キッチンの左右どちらか片側だけが壁に接しているのが特長です。
アイランドキッチン同様フルフラットで開放感が高く、各メーカーから洗練されたデザインのものが多く出ています。しかし、アイランドキッチンよりは価格がお手頃。デザイン面とコスト面のバランスのよさから人気のあるキッチンです。
「I型対面キッチン」は造作壁で手元が隠せる
I型対面キッチンの設置イメージ:リクシルの「リシェルSI」(画像出典:リクシル)
I型対面キッチンは、I型キッチンをペニンシュラ風に左右どちらかを壁に接するように設置したレイアウトです。
ペニンシュラキッチンとの大きな違いは、キッチン前面に腰壁やコンロ前に造作壁がある点。腰壁があれば手元隠しになり、リビング側からは料理途中や片付け前に散らかっていても見えません。また、洗い物時の水はねも防いでくれます。
コンロ前に造作壁があれば、油はねも匂いの充満も軽減できます。「油はねガード」はガラス素材なため汚れた印象が目立ち、日々ピカピカにしておく手間があります。造作壁はそれほど気を遣わないでもよいのが、うれしいポイントです。
「L型対面キッチン」は広さがほしい方に
L型対面キッチンの設置イメージ:リクシルの「シエラS」(画像出典:リクシル)
L型対面キッチンは、I型対面キッチンと同じように、L型キッチンを左右どちらかを壁に接するように設置したレイアウトです。
L型対面キッチンは、I型と比べて調理スペースや収納スペースが広く作れるため、キッチン本体の収納量を増やしたい方におすすめです。また、コンロを壁向きに設置できるため、開放感はそのままで油はねや匂い対策をしたい方におすすめです。
「II型キッチン」は油はねやニオイが気になる方に
II型キッチンの設置イメージ:リクシルの「リシェルSI」(画像出典:リクシル)
II型キッチンはセパレート型キッチンとも呼ばれ、シンクの調理台とコンロの調理台が並列したレイアウトが特長です。アイランドキッチンと見た目の印象が似ており開放感の高いレイアウトですが、コンロや換気扇を壁側に設置できるため、アイランドキッチンのデメリットである油はねや匂いの心配がありません。
一方で、洗った食材などをシンクからコンロ側のカウンターに移す際、床に水が垂れやすい点は注意が必要です。床材を水に強いものを選ぶとよいでしょう。
また、アイランドキッチンと同様に広いスペースが必要なため、LDKに設置する場合リビングやダイニングを圧迫しないか、しっかり確認しましょう。

対面キッチンのリフォーム費用相場
対面キッチンの設置イメージ:パナソニックの「ラクシーナ」(画像出典:パナソニック)
壁付けキッチンを対面キッチンにリフォームする費用の目安は、100〜300万円。
アイランド型にする場合は150万円以上、ペニンシュラキッチンの場合は100万円以上を考えておくとよいでしょう。I型とL型は造作物がどれくらいあるかによりますが、80万円以上が目安です。II型はキッチンカウンターが2台あるため少し高めになり、100万円以上を考えておくとよいでしょう。
どのレイアウトもハイグレードタイプのシステムキッチンや、オーダーメイドのキッチンの場合は、200~350万円以上かかることもあります。

まとめ
本記事では、近年人気の対面キッチンのメリットとデメリットを中心に、後悔しないためのデメリット対策をご紹介しました。
対面キッチンには従来の壁付けレイアウトにはない開放感やリビングで過ごす家族との距離感の近さが魅力的な一方、匂いや油はねが広がりやすいというデメリットもありました。しかし、デメリットは設備を充実させて回避することも可能です。
また、選ぶキッチンレイアウトによってはデメリットを回避できるものもあります。この記事を参考に、こんなキッチンにしたいという希望とキッチンスペースとをすりあわせて、現実的でありがら理想的なキッチンリフォームを、ぜひ実現してください!
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また、主要なメーカーのシステムキッチンを各種取り扱っております。システムキッチンのリフォームについて、わからないことや知りたいことがございましたら、店頭または下記フォームよりお気軽にご相談ください。

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