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障子と襖とは?違いやメリット・デメリット、リフォーム方法を解説!

2024年08月05日
新和風 戸襖引戸 和室側/内障子 シンプル横繁

障子や襖は、和室には欠かせない建具です。近年ではさまざまな種類や機能備えた障子や襖が販売されていて、洋室でも取り入れやすい製品もあります。障子も襖もデザインが豊富なため、模様替えにもピッタリです。しかし、あらためて障子と襖の違いを詳しく聞かれると、上手く答えられない方も多いのではないでしょうか。今回は、障子と襖の違いについて、その特性や歴史、構造、役割などについてそれぞれ詳しく解説していきます。障子と襖のリフォームについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

障子と襖の違いについて

和室。畳とふすまと障子のある和室は、日本の伝統建築です。

障子と襖は日本家屋の建具の一つです。障子と襖の違う点は、そのつくりにあります。障子は、格子状の木枠の片面に和紙でできた障子紙を貼ってある戸のことです。襖は、木などの骨組みの両面に紙や布を貼り、引手や縁を付けた戸のことです。

障子とは?

新和風 間仕切障子 横繁吹寄/押入襖

ここからは、障子とは何かについて詳しく紹介していきます。

障子の特性

障子は一般的にサッシ窓内や縁側に使用されることが多く、間仕切りとしても使用することができます。また、障子は採光が可能なため、外部からの視線を遮りつつ、外の光を取り入れることもできます。障子を閉めた状態でも室内は暗くならず、柔らかな優しい光によって心地よい空間づくりが可能です。光を取り入れることができる反面、完全に目隠しをすることはできませんが、直射日光や風を遮ることができ、多少の保温性も備えています。

障子の歴史

障子は遮る意味を持つ「障」と、小さな道具という意味を持つ「子」を組み合わせたもので、平安時代から使われてきました。その由来は中国にあります。しかし、当時は現在の「襖」に相当するものを「障子」と呼んでいました。その後「襖障子」と呼ばれ、現在の障子の原型となるものが誕生したのは、襖の誕生からおよそ100年後です。

南北朝時代に入ると、和紙の生産量が増加し、間仕切りとして使用されるようになりました。障子は室内に光を取り入れられるため、当時は「明かり障子」と呼んでいました。その後、襖障子を「襖」、「明かり障子」は「障子」と呼ばれるようになりました。

障子の役割

直射日光や風を遮ることができ、可動式の間仕切りとして使用が可能です。少々の保温性もあります。また、外部からの視線を遮りつつ採光ができるため、窓際に設置して閉めた状態でも柔らかく明るい空間づくりをすることができます。

障子の構造

障子は、障子紙を木材で組んだ格子の片面に張ったものです。現在では手すきの和紙に代わり、機械すきの和紙が多く使用されています。種類も豊富で和紙だけでなくパルプやレーヨンなどさまざまです。破れる心配がないプラスチックを素材にした障子もあります。障子は性質上定期的に張り替える必要があります。そのため、障子を貼る際には、あとから剥がせるようにのりを用いて貼ります。

襖とは?

襖とは?

つぎに、襖について解説していきます。

襖の特性

襖は押し入れや、和室の可動式の間仕切りの扉として用いられています。襖を開けて大広間として使用したり、襖で2つの部屋に仕切ったりなど、ニーズに合わせて使い分けが可能です。襖は、保湿性・保温性を高める役割があります。しかし、日光を遮るため障子のように窓際に設置して使用することはありません。また、絵が描かれた襖絵は、間仕切りとしての役割だけでなく、室内装飾としても用いられます。

襖の歴史

襖の歴史は平安時代に始まります。当時、寝室を仕切るための間仕切りのことを「衾障子(ふすましょうじ)」と呼んでいました。寝具の掛け布団を「衾(ふすま)」寝室を「衾所(ふすまどころ)」と呼んでいたことに由来しています。当初は板状のついたてに絹織物を掛けただけのものでしたが、平安時代中期にかけて改良され、桟が組まれた枠に絹織物を張った襖の原型になるものができました。その後、絹織物から代わって紙が使われるようになり、「襖障子」は「襖」と呼ばれるようになったのです。

襖の役割

襖を開けて大広間にしたり、2つの部屋を襖で仕切って別々の部屋として使用したり、可動式の間仕切りとして使用可能です。構造上、保湿性や保温性を高める役割があります。また、襖は、間仕切りとしての役割だけでなく、室内装飾としても用いられます。

襖の構造

襖は紙や布を木材などでつくられた枠に張り、引手を付けたものです。使う下地によって区別され「本襖」と「量産襖」の2種類に大きく分けられます。

  • 本襖

従来の襖のことを奥襖といいます。和紙を木製の格子組に張ったものです。何度でも張り替えることができ、剥がさずに上から重ねていくことがほとんどです。しかし、剥がしてから施工することもできます。

  • 量産襖

ダンボールや発泡スチロールを下地に使用しています。本襖よりコストが安く軽量で量産が可能です。張り替える場合は新しい襖紙を上から重ねて貼っていきます。芯材が弱く反りやすいため、張り替えは避けたほうがよいです。

障子のメリット・デメリット

古民家の障子戸

障子は開いた際にスッキリとし、部屋を均一に明るくできることが大きなメリットと言えます。一方、破れやすく耐久性が低い点には注意が必要です。

メリット

断熱性に優れている

暖房で暖かくなった空気の40%は戸や窓から逃げるといわれていますが、断熱効果のある内障子を設置することで、温かい空気が逃げるのを20%防ぐことができます。カーテンに比べて断熱効果が高いため、夏は涼しく冬は暖かい空気を逃しません。年間を通して室内を快適な空間に保つことができます。

引き込んだときにスッキリしている

障子は壁やドアなど建具と一体化するため部屋がスッキリと見え、部屋も広く見えます。カーテンは畳んだときに、ボリューム感があり、閉めていると暗さも相まって圧迫感があります。しかし、障子は閉めていても開けていても圧迫感はなく、部屋が暗くなることもありません。

部屋を均一に明るくできる

部屋を明るくできることが障子の大きなメリットです。部屋に直射日光が入るとまぶしいですが、障子の半透過性を生かして光の調節することができます。夏の強い日差しや西日も十分にカバーするため、部屋によっては非常に重宝します。

洋室でも違和感がない

障子は枠のパターンや幅のバリエーションが豊富なため、洋室にも違和感がなく取り入れやすいです。白色の障子が主流ですが、部屋に合わせて色を選んでおしゃれな雰囲気の部屋づくりもできます。

デメリット

細かいメンテナンスが必要

普段の手入れに手間がかかります。格子の枠にホコリが溜まりやすく掃除がしにくいです。また、時間が経つと日焼けにより黄ばみが目立ってくるため、定期的な張り替えが必要になります。

破れやすい

紙を用いた障子は、少しの力でも破れてしまうため、小さい子どもやペットのいる家庭では不向きです。張り替えるのが面倒だったり破れる心配があったりする場合には、丈夫なプラスチック製の障子をおすすめします。

後付が難しい

家の構造上、引き戸のような障子はあとから取り付けることができない場合があります。障子を取り入れたいとお考えの方は、設計の段階から計画しておきましょう。

襖のメリット・デメリット

襖は取り外しができ、空間を任意に広くできることが障子にはないメリットと言えます。

一方、張替えが難しく、破損した際に修復が難しいというデメリットもあります。

メリット

広い空間をつくれる

襖は着脱が容易なため、取り外して隣同士の部屋をつなげて広くしたり、狭くしたりすることができます。間仕切りとしての自由度は高く、部屋のスペースをその都度自由に調節することが可能です。

調湿効果がある

湿度の多いときは水分を吸収し、乾燥しているときは水分を放出して湿度調整ができます。カビ防止になるため梅雨がある日本の住宅に最適な建具です。

断熱効果が高い

和紙を何重にも貼る襖の構造上、内部に空気層を持つため高い断熱効果を期待できます。四季があり寒暖差がある日本の風土に適しています。

芸術性・意匠性が高い

壁一面をアートにする意匠性と、襖紙や引手や縁などで構成される芸術性を兼ね備えています。襖を入れ替えれば部屋の雰囲気も変えられるため、移動を含めて自由に芸術を楽しむことができます。

デメリット

張り替えができない場合がある

近年ではダンボール襖や発泡スチロール襖など、軽くて安価な襖が主流になりつつあります。そのため、大量生産が可能ですが張り替えることができません。襖を叩いたときの音が鈍ければ、芯材にはダンボールや発泡スチロールである可能性が高いです。

破れる

素材は紙であるため、破れる可能性は避けられません。小さい穴など状態がひどくなければ、襖用の補修シールを破れた箇所に貼るとよいです。

障子や襖のリフォームアイデア

新和風 戸襖引戸 洋室側

障子や襖に傷み・破れが目立つようになったら、美観を保つためにもリフォームしましょう。また、模様替えのためにリフォームするのもおすすめです。リフォームは障子・襖そのものを交換する方法だけでなく、部分的に交換する方法や、洋風にアレンジする方法もあります。

障子紙や襖紙の張替え

障子紙や襖紙の張替えリフォームは、古くなったり破れが目立ったりした場合だけでなく、部屋の模様替えとしても人気です。DIYで張替えすることもできますが、はじめて作業するときはよれてしまう可能性が高いでしょう。キレイに仕上げるためにも、業者に依頼するのがおすすめです。

引き手の交換

障子・襖のDIYで比較的手軽にできるのが、引き手のアレンジです。襖の場合はドライバーを差し込んで引き手を浮かして、ニッパーで釘を引き抜くことで引き手を取り外せます。ただし、失敗する可能性もあるので、極力障子紙や襖紙の張替えとセットで行うといいでしょう。

障子や襖を引き戸に

障子や襖の枠はそのままに、洋室風の引き戸にリフォームする方法もあります。引き戸にリフォームする場合、枠のサイズを測ってオーダーメイドで扉を仕上げてもらえます。相場は20〜30万円ほどが目安です。引き戸は最小限の力で開く上、段差をなくせるため、介護リフォームとしても人気となっています。

障子や襖のリフォームはどこに頼んだらいい?

業者に障子や襖のリフォームを依頼したい場合、どこに問い合わせたらいいのでしょうか。障子・襖のリフォームに対応している業者を3つに分けて紹介します。

建具店・表具店

障子や襖の専門業者である建具店・表具店であれば、施工実績が豊富なため、キレイに仕上げてもらえるでしょう。ただし、障子や襖を含む複数のリフォームを同時に頼む場合は、それぞれの専門業者へ同時に頼むことになります。複数の窓口とのやり取りが発生するため、手間に感じるかもしれません。

工務店・ハウスメーカー

工務店を通して、建具店・表具店などにリフォームを発注することも可能です。とくに戸建住宅であれば、家の施工を担当した会社に問い合わせることでスムーズに進むでしょう。ただし、仲介業者が挟まる分、専門業者に直接依頼するよりも費用は高くなる点には注意してください。

ホームセンター

ホームセンターでも、和室リフォームの相談を受け付けているケースがあります。ホームセンターのメリットは、DIYできる部分と業者に頼んだほうがいい部分を相談しながら決められることです。費用を安く抑えられる可能性もあるため、最初に相談する先としてもピッタリでしょう。

まとめ

障子は閉めたままでも採光ができ、襖は光を遮る点が大きく異なりますが、間仕切りとしてはどちらも同じ役割を果たします。近年は、和室だけでなく洋室にも似合うデザインやカラーの障子や襖が豊富にあります。新築やリフォームなどの機会には、それぞれのメリット・デメリットを参考にしてみてください。

※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。

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