省エネ効果がある、ランニングコストを安く抑えられるという理由から人気が高まっている、電気給湯器のエコキュート。「せっかくだから自宅に取り入れたい」とは思っていても、
- 「本当にお得なのだろうか?」
- 「従来のガス方式と何が違う?」
- 「どのくらい値段がかかるの?」
といったさまざまな疑問が浮かんでくることでしょう。十分な省エネ効果が得られなければ、せっかくリフォームしても後悔することになってしまいますよね。
そこでこの記事では、電気給湯器のエコキュートがなぜ省エネなのかという仕組みを解説したうえで、主なメリット・デメリットを3つずつご紹介します。気になる値段や交換費用、さらには便利な補助金制度も解説しますので、ぜひおおよその予算を把握したうえでエコキュートのある快適な暮らしを取り入れてみてくださいね!
電気給湯器のエコキュートとは?
「エコキュート」の名前は聞いたことがあっても、実際にどのようなシステムなのかはよく知らない方がほとんどでしょう。そこでまずはエコキュートがどのような仕組みでお湯を沸かしているのか、従来の電気温水器などと比較しながら解説します。
エコキュートと電気温水器の違い

エコキュートとは、電気を利用してお湯を沸かす給湯器を指します。お風呂の給湯やシャワーはもちろんのこと、キッチンでも温水を利用することができます。
一般的な電気温水器は電熱ヒーターでお湯を沸かすのに対し、エコキュートは空気の熱を利用してお湯を沸かすことができます。いずれも電気を利用して湯を沸かすという仕組みは同じですが、空気熱を利用するエコキュートなら、電熱ヒーターを利用する電気温水器よりもはるかに高い省エネ効果を得ることができるでしょう。
エコキュートでお湯を沸かす仕組み
エコキュートの構造は、大きく分けて「ヒートポンプユニット」と「貯湯タンク」の2つに分けられます。それぞれの役割は、主に下記の通りです。
- ヒートポンプユニット:空気中の熱を取り込むことで水温を上げる
- 貯湯タンク:65~90℃のお湯を貯める
ヒートポンプユニットが空気中の熱を取り込むにあたり必要とするのが、電気です。電気を利用して取り込まれた熱はさらにヒートポンプユニット内で圧縮され、外気温よりも高温になるという仕組みです。
一方で、-10℃を下回る地域など外気環境によっては稼働しないこともあります。特に雪が多い地域にお住まいの方は、事前に設置可能なタイプをチェックしておきましょう。
- 寒冷地向け:外気温-25℃まで運転可能
- 海浜・臨海地域向け:潮風でもサビにくい
電気給湯器のエコキュートは全3種類
「エコキュート」と一口に言っても、タイプによって性能は様々です。本体価格や購入費用も大きく異なるため、まずはどこまでの性能が自宅に必要なのかを見極めましょう。「フルオート」「オート」「給湯専用」とありますが、エコキュートの場合は「フルオート」がほとんどとなります。
フルオートタイプ

最も利便性の高いフルオートタイプは、その名の通り家のお湯周りをすべて自動でコントロールしてくれる優れもの。主な機能は下記の通りです。
お風呂にお湯を貯める場合、フルオートタイプなら時間帯を問わず温かいお風呂に浸かることができます。ライフスタイルによってそれぞれの入浴時間が異なる家族にとっては、特に利便性の高いタイプと言えるでしょう。
しかし一方で、常に湯温をキープすることから電気代がかかりやすいのも事実です。電気代が気になる方は、必要ない時は小まめにボタンをOFFにすることで、電気代を最小限に抑えることができます。
2. オートタイプ(参考)

オートタイプは、指定した湯量・湯温でお湯張りを行ってくれるシンプルさが人気です。追い炊きや足し湯は自分自身で設定しなければなりませんが、不要な電気代をカットできるのは大きな魅力でしょう。
ただし、一度湯温が下がってしまうと、追い炊きする度に電気代がかかってしまうというデメリットもあります。そのため、入浴時間がバラバラの家族にはあまり向いていません。
3. 給湯専用タイプ(参考)

給湯専用タイプは、湯沸かしと貯水のみを行う最もシンプルなタイプです。お風呂のお湯張りや追い炊きは手動で操作する必要があるため、どちらかと言うと単身世帯などに人気で、ファミリー層にはあまり向いていません。
電気代や設置費用はもっとも安く抑えられるため、「そこまで便利な機能は必要ない」、「手軽にエコキュートを導入したい」という方におすすめです。
【タンク容量別】エコキュートの価格&交換費用
エコキュートを自宅に導入するにあたり、コスト面が心配で踏み出せずにいる方は多いのではないでしょうか?そこでここでは、エコキュートを設置するにはどれほどの費用がかかるのか、タンク容量とタイプごとに分けて費用相場を解説します。
エコキュートの交換費用

エコキュートを自宅に導入するための費用の目安は、およそ下記の通りです。ファミリー層へのおすすめは370ℓで、大きいものだと550ℓのエコキュートまで存在します。費用の内訳は本体価格が約25~40万円、交換費用が約15~30万円と想定すると良いでしょう。一般家庭向けなのは370ℓと460ℓとなります。
【本体価格+工事費の相場】
タンク容量 |
使用人数の目安 |
フルオートタイプ |
オートタイプ |
給湯専用タイプ |
300ℓ |
2~4人 |
40~70万円 |
40~60万円 |
30~50万円 |
370ℓ |
3~5人 |
40~70万円 |
40~60万円 |
30~50万円 |
460ℓ |
4~7人 |
45~80万円 |
45~65万円 |
30~55万円 |
例えば4人家族の場合、基本的に370ℓあれば日常生活に問題はありません。しかし親戚や友人がよく遊びに来る家や、今後家族が増える予定がある家は、430ℓや460ℓを検討するのも良いでしょう。
エコキュートは一回に使用できる湯量が限られているため、ギリギリの湯量ではなく少し余裕をもって容量を選ぶことが大切です。
エコキュートは補助金の対象に

環境に優しいエコキュートは、補助金を受けられる可能性があります。かつては国がエコキュートの補助金制度を実施していましたが、現在は各市区町村の自治体が実施しています。補助金額や台数は自治体によって異なり、2万円を150台、10万円を30台などさまざまです。
補助金の対象は新品の導入のみで、中古品などは対象にはなりません。また既に導入済みのエコキュートは対象にはならず、必ず設置前に申請することが必須となります。これからエコキュートの導入をお考えの方は、補助金を受けられるかどうか事前に自治体の窓口に確認しておくと良いでしょう。
給湯器エコキュートを利用する3つのメリット
エコキュートは一見高額に思えるかもしれませんが、それだけたくさんのメリットが存在します。ここでは特に顕著なメリットを3つご紹介しましょう。
1. 省エネ効果

エコキュートの一番のメリットは、やはり省エネ効果が高いことです。従来のガス方式ではガスという資源を燃料にするのに対し、エコキュートなら空気中の熱を使用して湯を沸かすことができます。空気は再生可能なエネルギーのため、地球環境に与える影響を抑えることができるでしょう。特に外気温が高い夏は、外気温が低い冬に比べても省エネ効果が高くなります。
2. 光熱費が安くなりやすい

電気を使って湯を沸かすエコキュートは、深夜の電気代が安い時間帯に湯を沸かすため、電気代を最小限に抑えることができます。昼間にたくさんのお湯を使った場合には昼間の少し割高な電気代で湯を沸かさなくてはなりませんが、トータルで見れば電気代は大きく節約できるでしょう。ただし深夜時間帯に電気料金が安くなるプランでなければ効果が感じにくいため、エコキュートの導入時には電気プランを併せて見直すことをおすすめします。
実際、従来の電気温水器に比べると、エコキュートが使用する電力は約3分の1から4分の1程度と言われています。エコキュートは地球だけでなくお財布にも優しく、一度導入すれば月々の電気代も大きく節約できます。
例えば電気温水器からの買い替えで電気代が約1/4節電。
※年間ランニングコスト。エコキュートが約20,400円。電気温水器が約86,400円。パナソニックのカタログを参照。
ガス方式でかかるガス代と、エコキュートで使用する電気代を比較しても、エコキュートの電気代の方が安くなったという声が多数見られます。特に都市ガスよりも割高なプロパンガスを利用している家庭なら、その差を強く実感できることでしょう。エコキュートと同時にIHクッキングヒーターをはじめとするオール電化に移行すれば、さらに光熱費ダウンの効果が強く感じられるはずです。
3. 災害時に水を確保できる

エコキュートでは貯水タンクを利用しているため、万が一ライフラインが停止しても非常用水栓からタンク内の水を使用することができます。タンク内の汚れなどを考慮すると、飲むには沸騰させなければなりませんが、災害時でも大量の水を確保できるのは心理的にも安心でしょう。
給湯器エコキュートを利用する3つのデメリット
一方で、エコキュートを利用するデメリットも少なからず存在します。特に水量に限りがあるのはエコキュートならではのデメリットでもあるため、余裕をもってサイズを選択しましょう。
1. 設置場所が必要

エコキュートは屋外に設置するのが基本で、台所やお風呂の裏手などに十分なスペースを確保しなければなりません。標準サイズだけでなく薄型タイプやスリムタイプなどもあるため、自宅周りの形状にあったタイプを選ぶようにしましょう。
また、ヒートポンプユニットが稼働する際にはわずかながら音が発生するため、特に深夜の時間帯には騒音についても考慮しなくてはなりません。自宅の寝室に近すぎないか、近隣住民の迷惑にはならないかなどを十分に考慮したうえで設置場所を選ぶようにしてください。
2. 水圧が低い

エコキュートの水圧は、従来のガス方式に比べると低く設定されています。これは貯水タンクが水道の圧力によって破損してしまうのを防ぐためで、キッチンと同時に利用すればさらに水圧は下がることになります。
強い水圧で頭皮を洗浄したり体を洗ったりする方にとっては、水圧が低いことが不便に感じられるかもしれません。できるだけこまめにシャワーを止めたり、キッチンのお皿洗いの時間を入浴時間とかぶらないようにすることで、水圧は少なからず改善することができるでしょう。
3. お湯の使用量が限られている

エコキュートは給水タンクのお湯が切れてしまうと、当然それ以上はお湯を使用することができません。新しくお湯が沸くまでには時間がかかるため、湯量をある程度計算しなくてはならないのも事実です。
例えば、誰か親戚や友人が家に遊びに来た際は、いつもより使用する湯量が増えることで湯切れが起こりやすくなります。自動で足し湯をすれば湯切れのリスクを抑えることはできますが、それだけ電気代は高くなることも頭に入れておきましょう。
エコキュートとガス給湯器との違いを比較

エコキュートの導入を検討している方のほとんどは、従来のガス給湯器を使用していることでしょう。エコキュートとガス給湯器を比較すると、主な違いは下記の通りとなります。
|
特長 |
湯の勢い |
湯切れの可能性 |
湯水の備蓄 |
エコキュート |
大気中の熱を利用して保温する |
弱くなることがある |
ある |
可 |
ガス給湯器 |
必要な時に必要な分だけ熱する |
強い |
ない |
不可 |
ガス給湯器は必要な分だけを瞬時に温める能力に長けており、お湯が無くなってしまう心配がありません。しかし瞬間的なエネルギーを必要とする分、大量のガスを必要とするのも事実です。
一方のエコキュートは大気中の熱をエネルギーとすることから省エネ効果が期待でき、タンク内には常に湯水が保管されている状態となります。
エコキュートを長持ちさせるためのメンテナンス方法
「水を温かくするだけなら汚れもそんなにたまらない」と考える方は多いですが、エコキュートには定期的なメンテナンスが欠かせません。ここでは特に大事なメンテナンス方法を3つ紹介しますので、エコキュートの性能を維持するためにもぜひ日常的に実施してください。
フィルター掃除

エコキュートのメンテナンスとして最も日常的に行えるのがフィルターの掃除です。フィルターとは浴槽のお湯の出口のことで、フィルターに汚れが蓄積することで追い炊きに必要以上の電気を消耗することになります。
基本的にはいつもの風呂掃除の延長で、フィルターを外してブラシなどで掃除するだけで問題ありません。浴槽内のお湯は体に触れるものであるため、衛生的な理由からも定期的に清掃することをおすすめします。
配管洗浄

エコキュートとお風呂を繋ぐ配管には、水中の汚れが沈殿しやすくなります。エコキュートの製品には自動洗浄機能がついているものが多いですが、年に1~2回は配管洗浄を行うようにしましょう。
寿命を延ばすためには定期点検も必須

エコキュートの寿命は約10~15年と言われていますが、性能を最大限に引き出すためには定期点検が必要不可欠です。
特に重要なのはタンク内の掃除で、タンクの水を抜いて不純物を取り除く作業が必要です。できれば2~3ヵ月に1回、最低でも半年に1回は定期点検を行うことで、エコキュートの寿命も引き延ばすことができるでしょう。
給湯器・エコキュートへのリフォームならカインズで

エコキュートへのリフォームを検討されている方は、カインズを利用してみてはいかがでしょうか?カインズホームではこの記事でご紹介したエコキュートはもちろんのこと、石油給湯器のエコフィールや自動機能豊富なエコジョーズなど、さまざまな給湯機を取り揃えています。
- 異音がする
- お風呂のお湯がぬるい
- 排気口が黒くすすける
- 給湯温度が安定しない
- お風呂の追い炊きができない
特に上記のうち1つでも当てはまる方は、そろそろ自宅の給湯器は買い替え時です。自宅の使用湯量などに応じて最適な給湯機をご提案させて頂きますので、まずはお近くのカインズホームかWEB窓口からお問い合わせください。
お風呂は自宅の中で最もリラックスできる場所であり、給湯機を変えるだけで生活の質は格段に向上するはずです。ぜひこの機会に自宅に最適な給湯機を取り入れ、お風呂周りに関する些細な悩みをまとめて解消してくださいね!
※当ページのコンテンツや情報において、カインズリフォームでは、取り扱いが異なる場合がございます。